皆々様こんにちは。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女(以下『水星の魔女』)』担当のgatoです。
ソフィとノレアが編入してくるわ、ミオリネがクワイエット・ゼロを引き継ぐわと、開始早々波乱含みのシーズン2。
オープンキャンパスで和気あいあいとしているかと思ったら、いきなり不穏がオンパレードですね。
そんなこんなで第2話ではニカの命を奪おうとしたソフィとノレアに、スレッタが決闘を仕掛けます。
一体どんな展開が待っていることやら…。
目次
母の夢
まずは前回のラストでも触れられたクワイエット・ゼロについてみていきましょう。
なお、プロスペラが言っていた「超密度情報大系」などクワイエット・ゼロの原理的な部分については後述します。
デリングとプロスペラが共同で進めているクワイエット・ゼロですが、その発案者がミオリネの実母であるノートレット・レンブランであることが明らかになりました。
図らずもミオリネは慕っていた母親の遺志を引き継ぐことになったわけです。
厳密にいうと、これより前にデリングがノートレットの遺志を引き継いでいたわけですが…。
となると、デリングは本編開始以前からGUND技術に対して強硬姿勢を見せつつも、極秘裏にプロスペラと共にGUNDフォーマットを利用したクワイエット・ゼロを進めていたということになります。
やっぱり、スレッタの入学もプロスペラへの尋問も全て計画に入っていたというわけですね。
まぁ、クワイエット・ゼロで本当に戦いのない世界を実現できるなら、ベネリット・グループの軍需産業は悲惨なことになりそうですし、表沙汰にはできないでしょう。
それにしても、妻の遺志を継ぎ、娘を守るために命を張ったデリング…。
本当に、ただのクソ親父ですね(笑)
誰も知らない5号の腹
スレッタを口説き落とそうとしている一方で伸び伸びとスクールライフを満喫している5号ですが、今回はちょっと暗躍していました。
前回ノレアに何か(端末)をすり取られたと気づいていたことを指摘していましたが、今回普通に端末を返してもらっていました。
つまり5号はノレアが何かをやらかすことを踏まえたうえで、看過し、あまつさえ手を貸したわけです。
他方で5号はノレアを暗に4号と同じだと評しつつも、自分はガンダムのパイロットとして命を落とす気はないと語っていました。
また、「オリジナルと同じ顔になってまで生き残った」とも言っていましたね。
これらの言動を踏まえると、自身の儚さを呪っていた4号と違い、5号はあらゆる手段を行使して生き残ろうとする性格であることが窺えます。
そんな彼がサリウス誘拐を目撃した以上、絡まない手はないわけで…。
なじみつつある地球寮でスレッタと関わり続けるか、一発大逆転を狙ってシャディクの陰謀に手を貸すか…今後の彼の動向が気になりますね。
ところで、これだけ見ると5号がオリジナルに負けないくらい腹黒いだけですが…後述する観点から見ると、5号って結構重要な存在のような気がするんだよなぁ…。
それに、OPでの描写や「鬱陶しい」という表現を使っている辺り、5号と4号がどこかでリンクするような気がしなくもないんですよね。
ゲームは終わる
今回はオープンキャンパス名物のランブルリングが描かれましたが、ソフィとノレアの乱入によって大変な事態になりました。
ここでは本物の「戦争」に叩き込まれた学生達について掘り下げてみましょう。
戦争と決闘
今回のエピソードで強調されたのは、やはり「戦争と決闘の差異」でしょう。
セセリアやロウジのセリフでわかるように、そもそも作中における決闘は、ビーム出力の制限やコクピットを狙いから外すレギュレーションシステムによって成立していたもの。
つまり、「保護された戦い」というわけです。
学園で体験する戦いは、プロスペラがいうように生きタヒにのない…戦場にしてはあまりに優しいものでした。
思えば今作は、一部で「決闘が子どもじみている」という批判がありましたが、今回は同じ理屈で決闘を否定するシークエンスが描かれています。
ソフィの「モビルスーツに乗ったら人がタヒぬ」というセリフに象徴されるように、これまで企業同士のパワーゲームに使われていた命を落とさないMS戦が、今回で戦争のリアリティを伴った残酷なものに様変わりしました。
前回からチュチュをはじめ、地球寮の面々がプラント・クエタでの光景をトラウマにしている描写がありましたが、今回は命を落とした学生も出ているので、学園の生徒全員に強烈なトラウマを刻み込むイベントになりそうですね。
余談ですが、ソフィやノレアが使っているガンヴォルヴァって『X』で登場したGビットのオマージュですかね。
懐かしい(笑)
サリウス・ゼネリを誘拐せよ
ソフィとノレアが大暴れする中、その背後で暗躍していたのがサビーナ達を指揮するシャディクです。
「計画に巻き込む」と明言していた通り、シャディクはサビーナ達を使ってサリウスの誘拐を強行しました。
ソフィとノレアの攻撃はあくまで陽動であり、こちらがシャディクの本命だったわけですね。
シャディクがサリウスをどう使うかは次回のお楽しみですが、前回の記事で考えたようなことになりそうな予感…。
今回の状況でシャディク達は極秘裏に動いていたわけですから、恐らく実行犯はフォルドの夜明け…ひいてはアーシアンってことになりそうですし。
デリングを意識不明に追いやった挙句、御三家の筆頭でもあるサリウスを誘拐したとなれば、ただでさえ高まっていたアーシアンへの敵意がさらに強まるでしょう。
ただ、個人的にベネリット・グループ全体から敵視されるリスクを背負ってまでフォルドの夜明けがシャディクに協力する理由がよくわからない…。
いくらガンダムをあっても、パイロットがいつ命を落としてもおかしくない状況で、囮役ばかりさせられるのは流石に損ですからね。
フォルドの夜明けがそれだけのリスクを背負い、なおかつ勝算があると確信させるカードをシャディクが持っているということになりますが…。
これは次回以降に注目ですね。
ネガイ
ここでは今作のキャラクター達の背景や立ち回りについて掘り下げてみようと思います。
孤児と暴力
今作におけるアーシアンを語るうえで欠かせない要素が、やはり「孤児」でしょう。
ここでは今回のエピソードにおいて個人的に注目した3人のアーシアンを掘り下げてみようと思います。
ソフィ・プロネの場合
今回のエピソードで印象的だったのは、ソフィがスレッタに語った「欲しいもの」です。
ソフィ曰く、欲しいものは「おなかいっぱいのごはん」・「ふかふかの寝床」・「温かいシャワー」・「コミック・ゲーム」・「私を好きでいてくれる家族」。
いずれもありふれたものばかりで、人の命を奪ってまで手に入れようとするものではありません。
しかし、彼女はガンダムに乗り、自らの命を危険に晒してまで戦い、これらを手に入れる道を選びました。
ソフィが生きていた環境がどれだけ過酷だったかがわかりますね。
ソフィにとっての戦いの動機は「欲しい」という、ごくごく単純なものだと解釈できます。
現実でも、戦争はもちろん、災害があった際でも追いつめられて食料や燃料を盗難する事件は枚挙にいとまがありません。
当たり前に手に入るものが手に入らず、己の命すら危うい状況に追いつめられた人間の姿を、ソフィは体現しているのでしょう。
また、ソフィがスレッタ…ひいてはあの人物にシンパシーを感じ、執着していたのは4号がスレッタに惹かれたのと同じようなものかもしれません。
同族意識でスレッタに惹かれた4号と違い、第12話での描写を見る限りソフィはエアリアルの「力」に惹かれたように描写されています。
ただし、2人の根底にあったのは、儚い存在であるがゆえに抱いた孤独であり、求めていたのはその孤独を癒してくれる誰かではないでしょうか。
いつ消えてもおかしくない己に手を差し伸べ、寄り添ってくれる家族を…彼女達は求めていたのかもしれません。
そう考えると、最後にパーメットリンクによって命を絶たれたソフィの結末は…ちょっとばかし切ないものがありますね。
もしも違う形出会えたら…きっとソフィはスレッタのいい妹になったでしょうね。
ノレア・デュノクの場合
一見するとソフィと同じように苛烈なだけに見えるノレアですが、彼女は明確にソフィと動機が異なっているように感じました。
ランブルリングを襲撃した際、ソフィはスペーシアンへの憎悪を口にし、スペーシアンの学生の命を奪っています。
また、彼女は冷静に見える一方で同じアーシアンのチュチュも平気で巻き添えにするなど、ある意味ピンポイントでスレッタを狙うソフィよりも性質が悪いです。
第12話での記事でも触れたスペーシアンとのやり取りも踏まえると、ノレアの動機は「憎い」に還元できるといえるでしょう。
任務に忠実でありつつも、ノレアは憎しみを振りかざして戦ってしまっている感じですね。
そんな彼女がスペーシアンの巣窟であるベネリット・グループのシャディクと絡んでいるのは少し不思議ですが…。
また、個人的にノレアはガンダムのパイロットであることに対して屈託を抱えているようにも感じられました。
ここまで言ってしまうと語弊がありますが、ガンダムの呪いでいずれ命を落とすことに対して怯えているようにも取れます。
明確にそれが描写されているわけではありませんが、ノレアが5号に絡んでいたのはその証かもしれません。
己の命を危険に晒してまで戦っている自分に対し、5号はパーメットスコアを解放せず、自分が生き残ることを優先している。
必タヒで生き残ろうとしているノレアにとって、5号の飄々とした物腰と強かさは度し難いのでしょうね。
ただ、前回のエピソードで5号はノレアのアスティカシア高等学園への評価に共感しており、ノレアもスペーシアンで唯一5号とはそれなりにコミュニケーションを取っています。
つまり、ノレアにとっての5号は、ソフィや4号にとってのスレッタみたいなものなのかもしれませんね。
ニカ・ナナウラの場合
第12話以降からだんだん窮地に追いやられてるニカですが、今回は断片的に彼女の内面が語られました。
親の顔も生まれた場所も知らない孤児だった彼女は、フォルドの夜明けの手引きでアスティカシア高等学園に入学。
そこで憧れのスクールライフを体験することになるも、それは自分の出自を隠した虚飾に過ぎませんでした。
ニカの学園生活はフォルドの夜明けやスパイといった不穏な要素を全て隠したうえでようやく成立するものであり、ほんの少しの綻びで瓦解する。
今回のエピソードはそれを描いたものともいえるでしょう。
ただ、ニカは同じ境遇のソフィやノレアと違い、暴力による解決を一切選んでいません。
自身の正体に迫ったマルタンの口を封じたり、明らかにヤバげなソフィとノレアを脅迫するだけで武器を持っていなかったりと、彼女は決して荒事を起こそうとしませんでした。
生来の穏やかな性格に加え、ソフィアやノレアのような鉄火場に関わっている人間でないために戦えないことも要因ですが、何よりも彼女にとって暴力は日常を破壊する忌避すべきものであることも関連しているかもしれません。
彼女にとって暴力=戦争は仲間を巻き込むだけでなく、憧れの生活を全て消滅させ得る最も危険なものなのでしょう。
他方で、ニカは戦闘が不得手にも関わらず、常に一人で対峙する道を選んでいました。
マルタンがニカを「自分のことを一切話さない」といっていたように、過去についてもひた隠しにしていたようです。
ここには、憧れの学園生活と同じくらい大切な仲間達を守りたい思いがあったのでしょう。
思えば、ソフィ、ノレア、4号は「誰か」を求めてやまないために、エゴイスティックな動機で戦いに身を投じていました。
しかし、仲間のために危険な道を進むニカは、すでに「誰か」に出会っていたのかもしれません。
みなしご達の逆襲
さて、上記のことを踏まえて、一旦現状の総括をしましょう。
さきほど掘り下げたソフィ、ノレア、ニカは明確な孤児ですが、実は同じような境遇のキャラクターはほかにもいます。
サリウスに拾われた孤児院出身のシャディク(もしかしたらサビーナ達も)。
家族と離れて別の誰かを演じさせられている4号(恐らく5号も)。
もう少し孤児の定義を広げてみると、ほかにも類似するキャラクターがいます。
スレッタとの出会いで立場を喪い実の父親をその手にかけたグエル。
スレッタとの出会いで兄と父を離れ離れになったラウダ。
不和だった父が意識不明になったことで世界を動かす計画を託されたミオリネ。
いずれも、社会の抑圧・理不尽な災難・家族とのすれ違いによって、孤独になり、自分の存在をかけてさまざまな物事と対峙しなければならない状況に追いやられています。
そして、この物語はそんな「みなしご」達が世界と対峙し、己の生きる道を見つけ、「誰か」と出会うまでを描くものなのかもしれませんね。
GUNDの未来
さて、それでは今回の終盤で明らかになった衝撃的な真実についてまとめてみましょう。
エリクト・サマヤの帰還
順番は前後しますが、やっぱりこれに触れないわけにはいかないでしょう。
終盤、命をすり減らしながらエアリアルに迫ったソフィは、自分が心惹かれた存在を目の当たりにします。
それは…かつて『PROLOGUE』でルブリスを操ったエリクト・サマヤその人でした。
そしてベルメリアに問い詰められたプロスペラはある真実を告げます。
これまでさまざまな議論が重ねられた仮説が一つ実証されましたね。
第6話以降で扱ってきた「エアリアルにエリクトが組み込まれている」説…立証です。
いやー巷でこんな説が出てると聞いた時は半信半疑だったんですけどね(笑)
正直、ずっと半信半疑で取り扱ってきましたが見事にドンピシャだったなぁ…。
というか、よくよく考えるとGUNDフォーマットが義足や義肢などに代表される身体拡張技術の一環であることを踏まえると、人間がMS化することは十分考えられましたね。
それにシーズン2開始直前まで放送されていた『NT』にはガンダムと一体化する少女が出てくるしなぁ…。
そう考えるとやっぱ伏線だったのかな(笑)
どういう風に組み込まれているかは不明ですが、ベルメリアのリアクションを見る限り、生身のエリクトを直接エアリアルに入れた感じかな…。
それこそ『鉄血のオルフェンズ』のアインみたいな感じでしょうか。
うーん、個人的にはサイコフレームみたいな感じの設定が好みなんですが…どうなんですかね。
ほかにも、気になる点がちらほら。
まず、スレッタはエリクトのクローンである可能性が非常に高いですね。
エリクトを組み込んだエアリアルの生体認証をクリアさせるために生み出した…という塩梅でしょうか。
思えば、スレッタがクローンならエリクトの「妹」のような立ち位置になります。
つまり第5話の記事で扱った「きょうだい」は「姉」であるエリクトを指しているわけですね。
そんなエリクトですが、正直今回の彼女の描写は少し意外でした。
迫りくるソフィに対し、表情を変えずに冷静にガンビットを差し向ける様は、『PROLOGUE』で観た彼女とは違っていましたね。
登場した姿を見る限り、エリクトは『PROLOGUE』からさほど成長していないようですが、思えば当時の彼女は自覚もなく人の命を奪っていました。
もちろん4歳児が意味もわからずMSを動かして敵機を撃墜しても、それが何を意味するかを理解するのはわからないでしょう。
ただ、今回登場したエリクトはMSを撃墜する意味を明確に理解したうえで攻撃していたように感じます。
そもそも、ここまで経験した決闘もエリクトはちゃんとルールを理解して攻撃していました。
おまけに今回のエアリアルはスレッタの制止を聞かずに反撃を試みています。
つまり、エアリアルに組み込まれているエリクトは、「戦争」を理解したうえで人の命を躊躇なく奪えるメンタリティを有している可能性が高いというわけです。
これがプロスペラによる教育の賜物なのかは不明ですが…少なくとも、ベルメリアに真相を明かす際、プロスペラはエリクトを組み込んだことに後悔を感じさせるような素振りを見せていませんでした。
となると、『ゆりかごの星』で書かれていたように、プロスペラはエアリアルを…ひいては実の娘であるエリクトを復讐のための「剣」にしてしまったのかもしれません。
他方で第6話でファラクトを戦闘不能にした際は、エリクトと思しきビジョンが無邪気な笑い声をあげていました。
となるとエリクトの本来の人間性もまだ残されている可能性もあります。
それに、僕が「エリクトがエアリアルに組み込まれている」説に懐疑的だった原因に、『ゆりかごの星』での一人称問題もあります。
『ゆりかごの星』でエアリアルは終始「僕」という一人称を使っていました。
また、小説中でのエアリアルは終始プロスペラの復讐には否定的です。
このエアリアルがエリクトと同一とは思えないんだよなぁ…。
今回登場したエリクトのパーソナリティがどうなっているかがまだわからないので、現時点では断定はできないのですが(ミスリードの可能性もありますけど、だとしたら本当にただの引っ掛けなんですよね)…。
まぁつまり、第6話の記事でも触れたように、そもそもエアリアルには別の自我がある可能性がまだ残されているわけです。
そもそも『PROLOGUE』の時点で開発されていたルブリスに自我あるかのように描写されていたところもあるしなぁ…。
ただ、『ゆりかごの星』でのエアリアルはスレッタにレスポンスする際に「モニタ表示を二回瞬かせた」とのことですが、今回のラストでも似たようなシーンがありました。
あの状況で観るとエリクトがスレッタに応えているように見えますし、やっぱりエアリアルは完全にエリクトの意志が宿っているともいえるんですよね。
まぁいずれにせよ、エアリアルにまつわる謎が一個解けたというわけで…。
次は別の事柄に触れていきましょう。
未知のネットワーク
順番が前後しましたが、次は冒頭でプロスペラが触れていた「超密度情報体系」について掘り下げてみましょう。
プロスペラ曰く、ガンダム=GUNDフォーマットによって発生するデータストームには、既存のネットワークとは違う超密度情報体系を発現する効果があるということ。
そしてクワイエット・ゼロはこれを利用したものとのこと。
作中の描写を見る限り、この超密度情報体系は機械のみならず人間の意識にすら影響を及ぼすようなので、個人的には『マクロスF』に出てくるヴァジュラのネットワークと『攻殻機動隊SAC』のスタンドアローン・コンプレックスを足したようなものだと感じました。
つまり生物のような有機体の意志と感応的に接続できるネットワーク…といった感じでしょうか。
この超密度情報体系自体がどんなものかは不明ですが、個人的には、これまで何度か触れてきたように過去のシリーズに登場したサイコフレームやと『OO』のGN粒子・脳量子波同じようなものだと推察しています。
この辺りはエリクトが組み込まれていることも含め、この設定も従来の『ガンダム』シリーズを踏襲しているといえますが、これをどう新しく料理するか…。(今のところ焼き回し要素しかないですからね)
そこで気になるのがプロスペラのセリフです。
プロスペラはベルメリアに対し、作中の世界を「エリクトが幸せに生きる世界」に書き換えると語っていますが、具体的に何をするかはまだ明かされていません。
まぁあの様子を見ると、やっぱりプロスペラは復讐を第一に考えていて、ナディムやヴァナディース機関の仲間達の命を奪ったベネリット・グループを含め、GUNDフォーマットを認めなかった世界そのものを転倒させることを目論んでいると考えるのがベストでしょうけど…。
うーん、『NT』の放送が伏線だった可能性を踏まえても、今のところプロスペラがミシェルみたいな目的を持っているとは感じないしなぁ…。
それにその路線でいくとまんま『コードギアス』のシャルルなんですよね(笑)
この辺りはもう一段階番狂わせがあるんじゃないかと期待したいところです。
そして、何者かへ
それでは最後にスレッタについて掘り下げてみましょう。
ソフィと戦い、彼女が事切れた様を目の当たりにして、スレッタはかなり動揺します。
ソフィやプラント・クエタでの出来事のように、自分もまたほしいもののために、守りたいもののために命を奪っているにすぎないのではないか。
そしてそれを確実に成し遂げさせてくれるエアリアルは医療用の技術ではなく、ソフィのいう通り、人の命を奪う呪われた暴力マシーンなのではないか。
葛藤を覚えるスレッタですが…第11話の記事で指摘したように、相変わらずの依存っぷりで自分の行いをプロスペラの言葉で正当化してしまいます。
ただ、正当化しつつも、スレッタは涙を零していました。
敵対したとはいえ、自分に無邪気に懐いてきたソフィが命を落としたことに、スレッタはしっかり傷つき、悲しんでいることがわかります。
これがきっかけでスレッタが別の道を模索し始めるといいんですが…その辺は安心でしょう。
前の記事のコメントで尋ねられた際に書きましたが、EDでスレッタがエアリアルに貫かれた際、彼女にデータストームを受けたときに発生する特有の紋様が現れている描写があります。
これは、これまで呪い=データストームを引き受けてきたエリクト(実際彼女には紋様が発生している)からスレッタが呪いを引き受けることを意味しているのではないでしょうか。
つまりエアリアルを動かしていたエリクトに代わり、スレッタが真のガンダムパイロットになることを意味している…という感じでしょうか。
その真のパイロットが作中においてどんな意味を有しているかは、この先の展開次第ですが。
いろんなものが崩壊していく中で、スレッタ・マーキュリーが「何者」になっていくか…心して見守りたいですね。
『水星の魔女』第14話感想
さーて、大きく物事が動いてきましたね。
ソフィが命を落とし、エアリアルにエリクトが組み込まれていることがわかっただけでなく、ニカが指名手配されたことでスレッタや地球寮の面々の日常は唐突に終わりを告げます。
おまけにクワイエット・ゼロがノートレットの発案だと知ったミオリネの状況も大きく変わるでしょう。
ただ、ミオリネは戦争をなくすクワイエット・ゼロを継承する道に進みつつある一方で、スレッタはミオリネを怖がらせた人の命を奪う行為を正当化する様子を見せているから、こうなると二人が対立する未来しか見えないんですけど(笑)
それに、エアリアルの自我関連や、そもそもデータストームを受けても平然としているエリクトは何なんだ…。
とまぁ謎は多いし、毎回物事が大きく動くから予想がつかないんですけど…。
次回がどう転ぶか期待ですね。
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