※この記事には漫画版『ULTRAMAN』のネタバレはありませんが、アニメ版シーズン1のネタバレを存分に含むのでご注意下さい。
皆々様こんにちは。
『ULTRAMAN』の担当をさせて頂きますgatoです。
2019年4月1日にNETFLIXで全世界同時配信されているアニメ『ULTRAMAN』。
早速1週間かけて視聴しましたが、これまたなかなか興味深い作品です。
おまけに『ULTRAMAN』は、原作が『鉄のラインバレル』を手掛けた清水栄一と下口智裕、アニメ版の監督が『攻殻機動隊SAC』シリーズを手掛けた神山健治と『APPLE SEED』の荒牧伸志というトップクリエイターばかりが関わっている作品です。
一体どんなものになったのか、ネタバレありで振り返っていきたいと思います。
ちなみに、原作はだいぶ前に6巻までを軽く読み流した程度であることを踏まえたうえでご覧ください。
スポンサーリンク目次
アニメ『ULTRAMAN』あらすじ・原作漫画との違い
まずは『ULTRAMAN』のあらすじと原作との違いを振り返ってみましょう。
アニメ『ULTRAMAN』のあらすじをネタバレ
「光の巨人」ことウルトラマンが科学特捜隊の早田進と共に様々な怪獣や宇宙人から地球を守るために戦い、去ってから10年以上の歳月が流れた世界。
怪獣や宇宙人の脅威が去った世界は平和を謳歌していた。
現在は防衛大臣を務めている早田進の息子、早田進次郎は生まれながらに超人的な身体能力を有していたが、それを持て余しつつも友人達と他愛のない生活を送っていた。
そんなある日、進次郎はアイドルの佐山レナを助けるために一般人を傷つけてしまう。
得体の知れない自分の力に思い悩む進次郎だが、そこに12年前の旅客機事故に関わっていた謎の存在「ベムラー」に襲撃される。
進次郎が窮地に陥る中、パワードスーツを纏った進が登場し、進次郎を助け、ベムラーと戦う。
進の同僚である井出から父がかつて「ウルトラマン」だったこと、そして自身には生まれながらに「ウルトラマン因子」が宿っていることを告げられた進次郎は、進が苦戦する姿を見て戦うことを決意。
パワードスーツをまとい、「ウルトラマン」となってベムラーを退ける
それから科学特捜隊の一員となった進次郎はウルトラマンとして様々な異星人と戦っていく。
時に異星人の後を奪うこともある現実に苦しみ、「ウルトラマンセブン」である仲間の諸星弾に叱られながらも、進次郎は正義というものと向き合っていく。
ある日、進次郎は「ウルトラマンエース」であり、12年前の旅客機事故で両親を喪った北斗星司と出会う。
自身を助けてくれた恩人の異星人であるヤプールや、幼馴染である南夕子を脅かす敵への復讐のために暴走する星司。
ついに12年前の旅客機事故を引き起こした張本人である異星人の傭兵「エースキラー」を発見した星司は、自身を止めようとする進次郎達を利用し、エースキラーを倒そうとする。
だが、何者かに星司の始末を依頼されたエースキラーは部下と共に進次郎と諸星を返り討ちにし、さらに星司を痛めつける。
星司はエースキラーに大ダメージを与えるなど善戦も、驚異的な生命力を持つエースキラーに敗れて力尽きてしまう。
その光景を見た進次郎は激昂。
自らパワードスーツのリミッターを解除し、壮絶な戦いの末にエースキラーを倒す。
しかしエースキラーの仲間が宇宙船から巨大な爆弾を投下し、進次郎達を始末しようとする。
そんな中、ベムラーが出現。
ベムラーはおもむろに落下する爆弾へ放つ。
スペシウム光線を。
原作漫画との違いは?
基本的にアニメ版の『ULTRAMAN』は原作の8巻までのシナリオをベースにしていますが、13話にまとめるためにかなりスピーディーな展開になっています。
大まかな展開こそ同じですが、ウルトラマンが去ってからの時間が40年から10数年に変更されていたり、カットされているシーンがあったり、一部の伏線が持ちこされているなど、ディティールは結構違っているみたいです。
また、レッドやカッダー星人といった一部のキャラクターが登場しなかったり、井出のデザインや佐山レナの設定が変更されているなど、キャラクターにも変更が加えられています。
スポンサーリンクULTRAMANの感想・解説
『ULTRAMAN』は、物語としては「大きな才能と偉大な父を持つ少年が正義に目覚め、ヒーローとして成長していく」というこの上なくシンプルなものでした。
ただ、個人的にはウルトラマンが去った後に、人間達が悪事を働く異星人と戦うためにパワードスーツで自ら「ウルトラマン」になっていくという構図が面白かったですね。
そもそもオリジナルの『ウルトラマン』で最後にウルトラマンがゼットンに倒されてしまいますが、その後科学特捜隊がそのゼットンを倒しています。
このような展開にすることで「ウルトラマンに頼るのではなく人間が地球を守らなければならない」というメッセージを込めているわけです。
つまり『ULTRAMAN』はオリジナルの『ウルトラマン』のメッセージを踏襲していると解釈できるわけです。
ウルトラマンという偉大な英雄がいなくなった後の世界で、誰が英雄になるか?
『ULTRAMAN』はそんなテーマでやっている作品のように感じました。
まだ残されている謎の考察
なかなかの力作だった『ULTRAMAN』ですが、まだまだ色んな謎が残されています。
それに明らかに続編がありそうな終わり方でもあったので、次回に備えて残された3つの謎を整理してみましょう。
ベムラーの正体はウルトラマン?
ある意味一番大きな謎であり、同時に決定的な匂わせ方をしているのが「ベムラー=ウルトラマン」でしょう。
目撃された段階でウルトラマンに誤認され、さらにラストではスペシウム光線まで披露しているわけですからね。
おまけに「人間を守ったことがある」と明言するなど、過去に地球にいたことがあると暗示しています
こりゃどうあがいてもウルトラマンってわけで(笑)。
ただ、ベムラーがウルトラマンだとしたら、その目的はいまいちよくわかりませんね。
12年前の旅客機事故では乗客を守ろうとし、実際に北斗星司を助けようとしている一方で、序盤ではかつての相棒だった進やその息子の進次郎を襲っていました。
どうやら人間を単純に守ろうとしているわけではない感じがしますね。
そもそも「ベムラー」と名乗っているのが謎です。
ベムラーといえばオリジナルのウルトラマンで最初に登場した怪獣であり、まさに『ウルトラマン』において初めて現れた「敵」といえる存在です。
その名前をわざわざ名乗っているということは、ウルトラマンは自ら「敵になった」と告げているような感じがします。
つまり明確に自分が「悪役」だと公言しているようなものですが、その一方でアダドとの会話を聞く限り、彼も何かしらの敵を追っている様子です。
うーん、この辺りは情報が少ないから続編まで待たないといけないようですね。
後、個人的に『ULTRAMAN』はかつてのウルトラマンが戦ったことによって残ってしまった負の遺産に触れている描写もありました。
ウルトラマンと異星人の戦いによって母親を喪った佐山レナや同族を喪ったブラックキングがいい例ですね。
そもそも星団評議会に加盟して他の異星人と強調する路線を選んだ今の地球と、抑止力としてひたすら戦うウルトラマンのスタイルは対照的になっています。
つまりかつてのウルトラマンと今の地球の現状はマッチしていないということです。
もしかしたらこの状況を踏まえたうえで、今の自分が「地球にとっての敵」になっているという意味を込めてベムラーと名乗っているのだろうか…。
だとしたら続編では進次郎VSウルトラマンみたいな構図になっていくんでしょうかね?
12年前の旅客機事故の謎
もう一つの大きな謎が星司や夕子の家族を喪わせた12年前の旅客機事故です。
結局今回は実行犯がエースキラーだということ、標的が星団評議会の先遣隊だったことが明かされただけで、黒幕の正体やその目的までは明かされませんでした。
ただ、アダドが組織を逸脱してまで嗅ぎまわっているなど、その背後には何やら後ろ暗い事情があることを窺わせます。
こちらも情報不足でなんともいえませんが、わざわざ先遣隊を始末しているところを見ると、何か重大な情報が先遣隊に渡ってしまうのを防ごうとしていた感じがしますね。
諸星弾には秘密がある?
個人的に気になったのが諸星弾にまつわる秘密です。
今回はどちらかというと厳しくも頼もしい先輩として描かれていますが、ブリス星人と対峙している際に「人間じゃない」と指摘されています。
…ん?諸星が人間じゃない?
言葉通りに受けるとそうなっちゃいますよね(笑)。
ただ諸星って進次郎や星司と違って過去がほとんど明かされていないし、おまけにやたら異星人に詳しいし、それにウルトラマン因子を持つ進次郎や義肢で身体能力を強化している星司と違って、生身のはずなのにやたら強い。
この辺の情報を合わせると、諸星=非人間という捉え方がやたら真実味を帯びてきます。
作中の世界観に合わせると諸星=異星人という感じになりますが…。
この辺はちょっと気になるところですね。
エドにも秘密がある?
科学特捜隊の中でも異質な存在感を放っているゼットン星人エドですが、こいつにも秘密がありそうな感じがします。
というか終盤のエドの動きは怪し過ぎるでしょう(笑)。
星司にエースキラーの情報を与えていたり、ヤプールからやたらびびられていたり、挙句の果てにはエースキラーに星司の情報を与えたかのような描写までありました。
完全に星司が出てきてからの黒幕はこいつという匂いがプンプンと(笑)。
エースキラーやヤプールとの関係を見るなら、12年前の旅客機事故にエドが絡んでいる感じはしますね。
そう考えるとエドは12年前の旅客機事故を起こしたうえで、科学特捜隊に協力しているというなかなかの食わせ者になります。
まさかラスボスはエドということもあるのかな…だってオリジナルの『ウルトラマン』でウルトラマンを倒したゼットンを送り込んだゼットン星人ですからね。
でもエドの行動は一貫して進次郎や星司を「ウルトラマン」として成長させるためのものです。
だとしたら私利私欲で動く悪役とは違う感じがしますね。
本人は彼らが抑止力として機能してほしいということですが…。
思えば、そもそも抑止力とは「敵」に対する示威的な武力ともいえるものです。
つまり何かしらの「敵」が来ることを見越したうえで、エドは進次郎と星司を育てようとしているのかもしれません。
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ここまで記したように、『ULTRAMAN』にはまだまだ残された謎があり、これからとんでもない展開になりそうな可能性を秘めています。
この謎を解き明かすためにもさっさと次回作をやってほしいものです(笑)。
ただ、NETFLIXのオリジナルアニメはシーズン1が公開されると、ヒットしない限りなかなか続編が出てこない傾向にあります。
おまけに神山健治も荒牧伸志も2020年に配信される『攻殻機動隊』の新作を手掛けることが決定しているため、少なくとも2021年以降にならないと続編は出てこないでしょう。
最低2年は待たないといけないのが苦しい所ですね…。
待ちきれない想いはやまやまですが、改めて今作を見直して、来るべき続編に備えたいと思います。
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