ごきげんよう。模造紙です。
バチ官もとうとう最終回!毎回、トンデモ理論と妙に説得力のある蘊蓄で見どころ満載のストーリー展開でしたが、今回でお終いだと思うと、名残惜しくてなりません。
最終話は1話完結の平賀の弟・良太のお話でした。物語は、重度の骨肉腫を患っていた良太の容態が急変し、入院先より平賀に連絡が入るところから始まります。
病院のベッドの上、良太は生タヒの境を彷徨い朦朧とした意識の中で、過去の回想そして不思議な感覚――霊視体験のようなものを感じることになります。
彼の前に現れたものは何だったのか。それらがもたらしたものは?
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良太の前に現れた3人のフードの人物とは?
初めて良太の前に、謎のフードの3人が現れたのは幼少期、友人のダニーとその母が訪問した日のこと。
友人のダニー背後に赤・白・黒のフード(ベール?)に身を包んだ不審者何者かがいました。しかも、この者たちは良太以外には見えていないらしい。
その後も、良太は何度もこのフードの3人を目にすることになりますが、彼らは決まってタヒ期の近い人間の傍に寄り添って立っていました。
作中で明確に語られませんでしたが、結局、彼らの正体は何だったのでしょうか?
正体1.霊感体質ゆえに見えていたタヒ神
他の人には見えないものが見えるというのは、まさに霊能力を生まれながらに持っていて、見えざるモノや見えてはいけないモノを視ていたのでは…と考えられます。
年齢のわりには大人びて世間を達観しているようですし、そういう元来の性格に霊感体質が合わさって、この世から魂を連れていくタヒ神の姿を見ていたのでは。
目深にフードをかぶって顔が見えない…なんてテンプレのビジュアル。
正体2.心の病からきた幻覚
良太は神経が細やかというか、繊細な印象を受けました。
大好きな兄にそばにいて欲しいけども、「寂しい」や「一緒に居て欲しい」という本音をぶつけてしまうと、兄を困らせてしまうことがわかっていたため、子どもらしく甘えられず我慢していた様子。
周囲に吐きだせない鬱屈や、内にため込んだストレスにより、心の病を発症していたとしてもおかしくありません。
正体3.神のつかい、道しるべ
タヒ神ではなく、タヒ期の近い人間の元に降り立ち、その道先を案内する役割があるのでは、とも考えられます。
物語最後、良太自身が
今、僕はようやく悟った。
僕の役目はタヒにゆく人の為に祈ることだけじゃない。
タヒ者からの祈りを生きている人に届ける役目もあるんだ。
僕にとってのサクラメントだけじゃなく、さまざまな人のサクラメントの花を、さまざまな人に…
それが僕の…そして、その役目を与えてくれたのは――
と言っていることから、フードの3人はタヒ者の魂を連れていくために現れるのではなく、タヒ期が近づく人間に祈りを捧げ、魂が迷わず神の元へ帰るように誘う役目を持っているのではないでしょうか。
ちなみに、このフードの3人ですが、7話でロベルトが(精神世界の)悪魔裁判で己の目を開いた時に現れた3人ともしや同一人物かも?
https://animedeeply.com/mozoushi/kisekichosakan/6994/
ちなみにキリスト教で3人というと「東方の三賢者」
東方の三賢者は占星術の学者で、イエス・キリストが誕生するときにベツレヘムの星を見て、神の子が地上に降りてくることを知るのですね。
キリストが地上につかわされた事を人々に知らせて以降、彼らがどうなったのかは不明なのですが(聖書に記載がない)、キリストの誕生を星で知った彼らだからこそ、人の生タヒも察知することが可能で、ロベルトのような悪魔裁判に囚われた人物を現世に帰したり、良太やタヒにゆく人の前に現れて祈りを捧げ悼むことを続けているのではないでしょうか。
そして、最終回の前半、「兄が大好きだった」と幼少期の良太と平賀が歩いている場面。
2人は星の話をしているのですよね。これってもしかして、星=占星術の学者であった東方の三賢者を示した伏線ともとれるのですが、これは流石に深読みしすぎでしょうか。
スポンサーリンクジュリアの真意と行動の意味
良太急変の「神父様がお見えになった」からの、ジュリア登場で神父ってそっち?wwwとなりました(笑)
敵対関係にある平賀の弟の命を救うため、新薬を提供したジュリアの意図は一体?
・平賀に恩を売るため
・地下室脱出のご褒美
・善意からの行動
正直どれもありそうな理由ですが、全てではないかと推察します。
良太はいわば、平賀の弱点と言える存在です。簡単にタヒなれてしまっては、のちのちの駆け引きや駒として使う機会が無くなってしまうため、見過ごしてもいいが現在は敢えて生かしておいたのでは。
そして、新薬で病気は完治しておらず、実際は一時的に治まっているだけで再発してしまう展開かな~と。
完全な治療薬は切り札として、ジュリアが所持しているのではないでしょうか。
何にせよ、ジュリアは平賀達を好敵手として認めており、ガルドーネが更に発展していくためにも、平賀の弟を失うのは良しとしなかったのでしょう。
平賀やロベルトを迎えることをまだ諦めておらず、組織に引き入れる手段とする材料(良太)を生かしたのでしょうね。
それに、そもそもどのように良太急変の情報を知ったのか…という謎も残ります。
ジュリアは二面性を持っている?
善意からの行動と記しましたが、彼を二重人格だと考えると納得できる部分もあります。
恐らく、ジュリアも通常の受胎から誕生したのではなく、バルボアナ家が傾倒していたという、黒魔術や錬金術を突き詰めた手法を用いて、何らかの操作が為されて生を受けたのではないでしょうか。
ゆえに善意を持つ本来の性格と、冷徹非道で残酷な秘密組織の首領としての側面を併せ持っているとしても不思議ではありません。
バルボアナ家の末裔、ガルドーネの首領という圧倒的な統率力とカリスマ性を兼ね備えたリーダーとして、作り出された存在とも言えます。
そうすると、身代わりとしてコ口された「不出来な兄弟」という外見がジュリアにそっくりな人物は、ガルドーネ首領を人為的に作り出す段階で、いわゆる失敗作として誕生した人物だったのかもしれません。
スポンサーリンクバチカン奇跡調査官12話(最終回)の感想
なんと最終話で、心に染み渡る美しい奇跡が起きてしまいました。
EDのタイトルでもあるサクラメント、まさかこれも伏線だったとは…!!
今回は終始、良太視点で物語が進行していきましたが、過去~現在~良太とヨゼフの対話~ロベルトの過去と、場面展開が少々入り組んでいて、原作未読組には時系列がちょっと分かりづらかったですね。
分かった箇所だけざっと記載しておくと、
・トラウマを負ったロベルトがイタリアの寄宿学校に入り、図書委員をしているヨゼフと出会う
・本を通じて親交を深める2人(これがきっかけでロベルトは本の虫に)。ヨゼフは金の栞を愛用。
・悪性腫瘍が重症化し、ドイツの病院にヨゼフは入院することに。2人の別れ。
・入院前にヨゼフは図書室の本にたくさん栞を挟み、学校を去る
・ドイツの病院に入院後、病院の図書室の本棚に手記と金の栞を残す
・ヨゼフが入院していた病院に、良太が入院(この時点でヨゼフはなくなっている)
・ヨゼフの手記と栞を良太が見つける
・良太とヨゼフの心の対話(霊視体験?)ロベルトとの過去を知る。ヨゼフの手記を読む。
・ジュリアの助けにより生還後、平賀とロベルトに会う。ロベルトに手記を渡す。(ロベルトは「初めまして」というが初めて会うわけではないのですよね)
そしてサクラメントの奇跡…。
本当の奇跡は奇跡申請しないというのも、しんみりしましたね。
ゆっくりと、けれどしっかり心に染み渡る奇跡は、声高に大勢に知らせるものではないということが、よくわかるお話でした。
放送開始から中盤くらいまでは、ミステリーなのに推理させてくれないので(笑)少し残念に感じていた部分もありましたが、まさか終盤から最終回にかけて、ここまで惹きつけてくれるとは思いませんでした。
今季もたくさんアニメがありましたが、あの迫真のOPタイトルコールが聞けないと思うと寂しいですね。
2期があるなら是非見たい、そんな作品のひとつになりました。
駄文でしたが、最後まで読んで頂き有難うございました。ご縁があれば、また別の記事でお会いしましょう!
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