こんばんは。眼鏡は顔の一部じゃない、全部だ! ライターの雨琴です。『Sonny Boy』を担当しています。
前回はあき先生の煽動によって長良を漂流の元凶として排斥する派閥が発生。
生徒たちが分断され、そこから2ヶ月。あき先生たちは長良を探し続け、明星はシェルター作り。
そして長良たちは潜伏しながら帰還する方法を探していました。
今回で明かされた内容もかなり多く、暗示的だった主題歌の銀杏BOYZ『少年少女』MVとリンクする部分も出てきました。
展開が非常に早いですね。ストーリーをふり返りながら、気づいたこと感じたこと思ったこと考えたことを書き留めていこうと思います。
ヴォイスの正体
漂流の以前から明星にことの成り行きを伝えていた声。ヴォイスの正体は校長先生でした。
漂流後にこの世界で明星の前に姿を表したときは車椅子を使用していることが気になります。
後述のやまびこ曰く、神とは校長先生のことであり、漂流と呼ばれる現象は校長先生の意思によるものだそうです。
漂流の真相
長良の能力はこの世界を作る能力。言い換えれば数ある可能性を観測し確定する能力というところでしょうか。
物理が得意な方には馴染みのあるワードや考え方かもしれませんが、シュレディンガーの猫なんて思考実験も有名ですね。
映画館の世界は長良が観測して確定した世界を映像記録として保存する機能があったのでしょう。
他方で今回ラジダニのアプリを駆使したディレクターズカット作戦により、複数のフィルムを合成・編集して元の世界への帰還を試みました。
結果。元の世界には、漂流した日から何事もなく生活し続けたあの日の延長上の自分たちがいました。
帰ろうとした長良たちは元の世界に影響できない複製として世界に重なることしかできず帰還に失敗しました。
前回、漂流の原因は瑞穂であるという旨の発言をヴォイス=校長先生がしていたことが判明しています。
漂流、というか長良たち生徒の複製を行ったのが校長であり、その能力かもしれません。
学校ごと複製して閉じこめる行為の原因として、瑞穂が挙げられるとするならば、やはり教師との恋愛沙汰が問題視されたのでしょうか。
あき先生の正体
前回長良が声を聞いたやまびこという人物が正式に登場しました。
長良たちの後輩にあたる生徒で、時間の歪みにより5000年漂流し続けているそうです。
やまびこ先輩の発言から、漂流者は長良たち以外にもたくさんいたことが判明し、いずれも元の世界には帰れていないようです。
同時に生徒以外は漂流しないことも明言されたので、あき先生が漂流してきたことに違和感を覚えました。
短いスカートを穿いている描写があったので、生徒であることを暗示しているような気がします。
性格の変貌についても言及があったことを考慮すると、別人の可能性も疑いましたが、元の世界で卒業式に参加している描写からあき先生を確認できます。
となると漂流してきたあき先生の正体は、長良たちより先に卒業していったOGですね。
静止した存在でありながらやまびこ先輩のように姿形が変異する事例は出ています。
あき先生が中学3年生の頃に漂流し(複製され)、この世界でいくらかの時間を過ごすことで長良たちが知っている時代のあき先生の外見に変化。
そして神である校長先生になんらかの指示を受けて長良たちの妨害をしているのではないでしょうか。
明星の目的
明星は事前にヴォイスから漂流のことを知らされていたにも関わらず、事件の日に登校し漂流に自ら巻き込まれます。
救世主としてみんなを救いたいという思いがあったようではありますが、校長先生からは「君に救いを求めたのか」と問い返されています。
元の世界に帰れないという結末が決まっているが故に、明星はシェルター兼方舟を用意して厄災に備えていたようです。
ポニーからは人に言われたことに従い続ける姿勢を「明星らしくない」と批判されてもいますから、今後さらに化けそうな予感がします。
他方であき先生側はその厄災の原因を長良たちのディレクターズカット作戦など帰還の動きとみなしている節があります。
厄災の実態が気になるところです。
希の主義
MVでも暗示されていましたが、今回明確に希が卒業式までに命を落とすことが明らかになりました。
▼MVはこちら
しかし学校の風景を懐かしむ素振りを見せるなど、違和感のある言動も多いですね。
あき先生と同じく我々の知っている希はOGで、同じ希という名前の生徒が長良たちの学年にいて命を落としているだけという可能性は考えられるでしょうか。
希に示された結末は衝撃的なもので、希自身も戸惑っている現状です。
安全な道を歩かず、自分で選んだ道を歩んだ結果が命を落とすというものなのでしょうか。
でもだからこそ希には自身の主義を曲げず自分の人生を生きてほしいと思います。
結末が落命であることは生きている以上、みんなに定められたことですし、それまでの間をどう過ごし意味づけるかが大事だという話をしたのが前回でした。
希の能力”コンパス”は光を見る能力でした。「近づいている」や「光の中にいる」など、光との位置関係を察知しています。
光があるから生き物は物を見ることができます。それは言い換えれば観測するということです。
ですが光だけでは、何かが見えるということにはなりません。
例えば赤いリンゴを見るとき、リンゴは光の中の赤の波長を反射し、それ以外の色の光を吸収します。
この世で最も赤いものを受け入れないものほど、我々には赤く見えるということです。
希の見ている光自体は希望だと思います。でもそれだけでは眩しいだけで何も見えないはずです。
いつか訪れる結末がわかっていたとしても、それに至る過程を変え、意味づけを変えることはできる。
希の光を反射して、その光に形を与え意味づけるものがこれから登場する気がします。
『Sonny Boy』6話感想
帰還に失敗した長良たちを見上げていた特徴的な被り物の男性はコウモリ先輩とクレジットされているようです。
彼も長良たちより長く漂流生活を続けているのでしょう。
前回意味づけについて希が語っていたことによって、今回語られた「過去は変えられないが未来は変えられる」というテーゼが機能していたように思います。
平野啓一郎氏の『マチネの終わり』なんか読んでおくとこのテーゼの味わいが増すので個人的にはオススメです。
▼Sonny Boyの記事はこちらにまとめてあります
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