皆々様こんにちは。
『機動戦士ガンダム水星の魔女(以下『水星の魔女』)担当のgatoです。
前回はスレッタに敗れ、和解したエランがペイル社によって処分されるという衝撃的な結末を迎えました。
Twitterでも大荒れでしたね…。
彼のあまりに悲惨な最期を知らないままスレッタの物語は新たな展開を迎えます。
次はシャディクが絡んできそうですが…。
一体どうなったのか、じっくり振り返っていきましょう。
目次
インキュベーションパーティー
今回はベネリットグループに属する企業が集まるインキュベーション・パーティーが舞台となりました。
ここでは前半部分に絞って掘り下げてみましょう。
ビジネスと社交
インキュベーションパーティーはただの社交パーティー…かと思いきや、インキュベーション(企業や事業の創出を補助サービス・活動)の名の通り、新規事業を立ち上げたい人が投資を募る、一種のプレゼンの場でした。
この手のパーティーはリアルでもあるようですが、ベネリットグループがやるとキナ臭さがすごいですね(笑)
まぁ実際後半でなかなかの急展開があったわけですが…。
ホルダーのお披露目もあるなど、どこか貴族的な雰囲気もありますが、アーシアンも参加できるなど、意外とオープンなイベントのようです。
ただ、参加者全員が端末を持っていて、いつでも投資が参加できるようになっており、つくづく企業的な価値観で動いていると感じさせますね。
どこかクラウドファンディングに近い感じもしますが、終盤でデリングの様子を伺いながら投資を決定する者が多いなど、実際は裏でさまざまな思惑が繰り広げられていることが伺えます。
微笑みの裏
今回からいよいよ出番が増えてくるかと思ったシャディクでしたが…今回は控えめ。
ただ、非常に意味深な描写がありました。
まず、シャディクとミオリネの関係。
ミオリネはグエルやエランに対しては敵意を剥き出しにしていましたが、シャディクに対してはそこまで突っかかっておらず、それどころかツンケンしながらも「腐れ縁」と関係を説明していました。
どうやら2人は幼馴染的な関係のようですね。
それもあるのか、ミオリネはシャディクに対しては多少なりとも柔和になるようです。
一方で、シャディクの方はミオリネからプレゼンのアドバイスをもらおうとするなど、それなりに彼女を信頼しており、グエルやエランのように杜撰な扱いをしている素振りはありません。
しかし、スレッタのために積極的に手を貸すようになったミオリネを「残念だ」と評するなど、どこか影を見せています。
これがかつて自分の好んだミオリネが変わったことを惜しんでいるのか、それともミオリネのパーソナリティがそのままであった方が都合がよかったからなのか…この辺りは非常に意味深ですね。
そしてもう一つが、ニカとのやり取り。
ニカに対して「こないだはありがとう」と告げるなど、彼女と何かをしていたことを窺わせます。
こうなると、ニカがシャディクのスパイになっている説が浮上してきますね…。
ただ、具体的に彼女に何をさせていたかは…わからない(笑)
ちょっとニカ姉はノーマークだったな…。
彼女がエアリアルについてスレッタに聞いていたり、実際に調べていたところを見ると、エアリアルの構造やシステムの情報を流していたっぽいですが…。
そんでシャディクに協力している理由はアーシアンであるゆえの境遇が絡んでいる…といったところでしょうか。
いずれにせよ、ニカの存在は今後重要になりそうですが…彼女は彼女で悲惨な最期が待っている可能性もありそう…。
ところで、個人的にシャディクって何を考えているかよくわからないんですよね…。
グエルもエランも、目的や思考回路がある程度ハッキリしていましたが、シャディクは描写の少なさを差し引いてもよくわからない。
ミオリネと比較的近い関係にいるのに彼女に手を出そうとしないし(多分その気になればグエルに先んじれた)、興味があるといいながらスレッタやエアリアルにもあまり接触しない。
今のところ、シャディクはつかず離れずの傍観者に徹している印象です。
サリウスと一緒にプロスペラの尋問に参加するなど、ベネリットグループの中枢にかなり近い立ち位置なのに、ちょっと不思議なんだよなぁ…。
それに、前回彼はミオリネと同様にグエルやエランの変化についても思うところがあるような素振りを見せていました。
シャディクがどういう想いで「残念だ」と呟いたかにもよりますが、スレッタによってミオリネや御三家の子ども達に変化が生まれることをどこか歓迎していない印象があります。
うーん、どこまでシャディクが本音を出しているか不明ですし、彼が保守的な考えには見えないから、もう少し様子身ですね…。
邂逅
今回はついにスレッタとミオリネがプロスペラと直接対面しました。
スレッタはいつもの調子でしたが、ミオリネと二人きりになったときのプロスペラといったら…もう真っ黒(笑)
デリングを嫌うミオリネが父のおかげでよい環境にいることをチクチク指摘して煽る姿に、優しい母親の面影はどこへやら…。
というか、『コードギアス』でシャルルがルルーシュにいっていたセリフとそっくりなんだよなぁ(笑)
一見すると花嫁をいびる姑(笑)に見える行いですが、終盤までの動きを見ると、もしかしたらミオリネを煽って奮起させるための策略だったのかもしれません。
そもそもプロスペラは『ゆりかごの星』の時点でミオリネを計画に組み込んでいる素振りを見せていましたし、彼女を利用する手立ては考えていても不思議ではないでしょう。
そしてまんまとプロスペラはエアリアル、ひいてはガンダムそれ自体をベネリットグループに認めさせることに成功したわけです。
うーん、まだ推測に過ぎないですが、上記の推測通りだとしたら、ミオリネやデリングのパーソナリティも理解したうえで計画に組み込んでいることになりますが…。
ヴィムを巻き込んだり、もう一人の魔女であるベルメリアを炙り出したりと、プロスペラは着実にベネリットグループ内部をかき乱している感じがしますね。
あと、プロスペラがあれだけエアリアルがガンダムではないととぼけておいて、ラストではあっさり認めていたのには拍子抜けしましたね(笑)
前回の記事でガンダムを隠すことには結構意味深なものがあるのではにないかといっちゃったのに…(笑)
ただ、ミオリネを利用するつもりだったとしたら、彼女のプレゼンも織り込み済みでしょうから、彼女にとってガンダムと明かすことはタイミングの問題だったのでしょう。
それにしても、ミオリネにいった「うちの娘たちを任せられます」ってセリフ…。
前回の記事も踏まえると、結構意味深なセリフなんですよねぇ…。
大人への一歩
後半はサリウス・ヴィム・ニューゲン達によってエアリアルが廃棄されそうになる緊急事態となりました。
ここでは、その陰で渦巻いていた思惑やミオリネの活躍について掘り下げましょう。
デリングの腹を読め
後半に行われたスレッタの吊し上げ+エアリアルの廃棄を狙ったプレゼンはサリウス・ヴィム・ニューゲン達によって行われました。
筋書きとしてはペイル社がガンダム(ファラクト)を開発していたことをあえて告発し、シン・セー公社が協約違反をしていると指摘することで、エアリアルとシン・セー公社をまとめて潰し、瓦解したシン・セー公社からガンダムに関する情報を手当たり次第引っこ抜く…というところでしょうか。
ただ、この計画をどう利用するかは御三家でそれぞれ違っていたようです。
ヴィムはこの計画を利用してプロスペラを脅迫することが目的だったようです。
恐らくシン・セー公社が潰れた後にプロスペラをエアリアルごと引き取ろうとしていたのではないでしょうか(だから株式会社ガンダム設立に歯噛みしていた)。
一方でニューゲン達は計画が成功すればヴィムと共に瓦解したシン・セー公社からガンダムの情報を奪い、失敗したら(ガンダムが認められたら)、堂々とファラクトの開発を続けるつもりだった…という具合でしょうか。
どっちに転んでも得するような感じですね。
しかし、計画の首謀者であるサリウスは別の目論見を持っていました。
それはデリングの手の内を読むことです。
そもそもサリウスは初登場の時点からデリングに警戒している素振りを見せていましたが、デリングの思惑は御三家でさえも計りかねていたようですね。
そして計画を実施した結果、サリウスはデリングがガンダムを認めることを予想していた素振りを見せていました。
デリングがガンダムを認めたことについてはくわしく後述しますが、サリウスはこの時点でデリングがガンダムを何らかの形で復活させる考えを読んでいたことになります。
サリウスはシャディク以上に描写が少ないのでなんともいえないところも多いですが、どうやらデリングとガンダムの関係が今後の展開を大きく左右する予感がしてきましたね。
4号とオリジナル
前回、悲劇的な最期でエランショックを引き起こした強化人士4号ことエラン・ケレスですが、今回は早速オリジナルが出てきて、スレッタと接触していました。
ややこしいので、この記事から前回命を落としたエランを「4号」・オリジナルを「オリジナル」と呼称していきたいと思います。
寡黙だった4号と違い、オリジナルはどこか軽薄な印象すら感じさせる人物でしたが、今回の立ち回りを見ていると彼は彼で結構な曲者であることがわかります。
自身の影武者である強化人士への扱いが悪いうえに、ニューゲン達と共謀してスレッタをはめるなど早速悪行三昧を見せましたが、株式会社ガンダムを設立させたミオリネの頑張りに感心した素振りを見せるなど、根っからの悪人ではなさそうです。
ただ、スレッタよ…一度も君の名前を呼んでいないうえにエランはあんな芝居がかったことする人間じゃなかっただろ…いい加減気づきなさいよ…(笑)
ところで、第2話で4号が登場した時点から不思議に思っていましたが、つくづくエラン・ケレスって誰なんですかね…。
前回の段階ではニューゲン達の内の、誰かの息子という可能性もありましたが、今回のオリジナルとニューゲン達のやり取りを見ていると、そうでもない感じなんですよね。
むしろオリジナルはニューゲン達より地位が高い印象すらあります。
うーん、ニューゲン達は雇われCEOで、オリジナルは創始者一族の出身とかかな…。
ペイル社ってなんでこう人間関係がわかりにくいんだよ(笑)
混線と共鳴
今回は、スレッタと4号の戦いで発生した現象について、GUNDフォーマットの相互干渉によって発言するものだと説明されました。
あの現象は『ガンダム』シリーズでよくあるニュータイプや強化人間同士の共鳴・『OO』のトランザムバーストをミクロにしたような印象がありましたが、スレッタの感覚はあくまで「エアリアルの声がいつもより聞こえた」に留まっています。
だからスレッタと4号の意識がつながったというよりも、同じGUNDフォーマットを持つファラクトと接触したことで、パイロットと機体の接続がより深化し、エアリアルの内面にあるなにがしらの機能が全面的に解放された…とみるべきでしょうか。
ただ、ガンダムに使われているGUNDフォーマットが身体拡張技術の一環であるなら、パイロットとMSは神経接続はされていると解釈ができます。
だとしたら、ガンダムに搭乗している人間は少なくとも機体に対しては常に意識がオープンになっている状態であり、ある意味サイコミュを使っている状態に近いと捉えることはできそうです。
そしていずれはパイロット同士の意識が共鳴し合う…なんてこともいえなくはないですが、正直エアリアルの原理がまだ不明なので何ともいえないところが多いですね。
株式会社ガンダム
サリウス達の計画で再び窮地に立たされたスレッタですが、そこでまさかの助け舟を出したのが最近影が薄めだった(笑)ミオリネでした。
ミオリネが出した一手は、なんとシン・セー公社とペイル社のファラクト開発部門をM&Aで統合、エアリアルを新規事業に組み込み、デリングの承認を得たうえで投資を募ることにより、ビジネスの一環としてガンダムの存在をなしくずし的に認可させてしまうというものでした。
ほぼ手書きの資料でプレゼンをしていたところを見ると、ミオリネは咄嗟にこのプレゼンをぶち上げたわけですが(構想自体は前からあったのかもしれませんね)、なかなか痺れる一手でしたね。
これを意外にもあっさり認めたデリングやこのプレゼンをぶち上げたミオリネの心中は後述するとして…。
意外とすんなりガンダムが認められた状況に拍子抜けした方も多いかと思いますが、個人的にはなかなか興味深い展開でした。
第1話や第4話の記事でも触れましたが、作中の世界はよくも悪くも企業の競争主義・資本主義的なスタンスが世界に大きい影響を及ぼしていることがわかります。
とりわけスペーシアンとアーシアンの対立はその最たるものでしょう。
他方で、超格差社会の底辺にいながらも、スペーシアンにいびられながらもアーシアンがアスティカシア高等学園に通うのは、身を興すには企業的価値観が大きく根付いた社会に乗っからなければチャンスさえも得られないからです。
そして、ミオリネの取った手段は、まさにこの原理に近いものだといえるでしょう。
ガンダムの、パイロットの命を奪う非人道的な兵器という側面は、スレッタの存在によって否定。
ベネリットグループの起爆剤になるとニーズを強調。
ジェターク社とペイル社のMSを倒した実績をアピール。
ベネリットグループからの独立と匿名投資によるグループや投資家へのリスク回避。
最高権力者であるデリングによる承認で事実上ガンダムの協約違反を無化。
確かにミオリネの提案したプランは諸条件をクリアしていますが、最も重要なのは諸条件をクリアしたうえでガンダムに「投資価値がある」と判断させたことにあります。
つまり、あえて端的な表現を使うなら、ガンダムを使えば金が儲かると思わせたことが、ミオリネのプランが成功した最大のポイントです。
こういうとあまりに単純で不謹慎かもしれませんが、資本主義の本質なんてそんなものですからね。
環境保護や多様性云々に投資価値があると判断した各企業が積極的に参画するのと同じ理屈です。(スポーツに投資し続けた結果、金儲けのための祭典になったオリンピックは悪い例ですね)。
禁忌とされてしまうなら、投資対象として価値をアピールすることでなし崩しに認めさせる。
ミオリネの仕掛けた一手は、企業が何もかもを差配する世界において非常に冴えたやり方であるといえるでしょう。
意地を超えて
さて、スレッタを助けるために奮戦したミオリネの心中について掘り下げてみましょう。
今回のエピソードはミオリネが窮地のスレッタを助けた構図になっていますが、個人的にこの構図の核心はミオリネのデリングへの向き合い方の変化だと思っています。
そもそもミオリネはあまりに強烈過ぎる父親に対してすっかり反抗的になっており、地球へ行きたがっていました。
恐らくスレッタの存在も、最初はデリングからの呪縛を断ち切る有用な手段としか考えていなかったのかもしれません。
ただ、彼女と交流するようになってから、間違いなくミオリネは慣れない状況でも懸命に前に進もうとするスレッタに感化されるようになっています。
当初は警戒していたエランとスレッタの交流を許す辺りから、その傾向は顕著になっていることがわかりますね。
そして、そんなスレッタの言動でミオリネの心に一番強く刻まれたものが「進めば二つ、逃げれば一つ」です。
逃げるより進んだ方が得るものがある…この言葉を体現するスレッタに触れたからこそ、ミオリネはデリングと真正面から向き合い、彼に頭を下げたのでしょう。
そもそもミオリネがデリングの手から離れて地球に行く行為は、ある意味デリングから逃げる行為といっても他ならないものです。
父親が嫌だから父親から逃れても、得られるものは自由だけで、問題は何も解決しないですからね。
また、プロスペラがネチネチ突いたように、ベネリットグループの中にいるだけでは、いくら意地を張って反抗してもデリングの恩恵に与っている自分を否定できない。
なら、デリングの圧力から脱し、スレッタを守るには、どうするべきか。
この命題に答えを出したのは、ミオリネのプランでした。
デリングの外へ進み出ると同時に、真正面から向き合う。
デリング達が抱えるガンダムという問題を全て引き受けたうえで。
つまり脱出するのではなく、自立するという形でミオリネはデリングの手から離れ、同時に彼と真っ向から向き合う道を見出したわけです。
嫌な親から離れたいなら大人になってしまえばいい。
ちょっとマッチョすぎる考えですが(笑)、スレッタから影響を受けたミオリネからしたら、一番彼女らしい選択を選んだのではないでしょうか。
…ところで、今回はミオリネがデリングに対して真正面から向き合い、自分の手で自立を勝ち取りました。
対して、スレッタは追いつめられるとプロスペラに頼ろうとするなど、親から離れられていない一面を垣間見せています。
この対比は、個人的に非常に意義深いものを感じますね…。
父の声
今回久々に登場したデリングは、これまでのイメージをひっくり返す言動をしていました。
一般的にデリングは超ジャイアニズムで強権的な毒親というイメージが強かったですが、個人的には第1話の記事から書いているように、彼が彼なりの思想や倫理観に則って動いているのではないかと感じていました。
個人的に今回重視したポイントは二つです。
まずはガンダムを認めた点です。
『PROLOGUE』でヴァナディース機関を潰し、自らガンダムの否定を宣言したり、プロスペラを尋問する際にエアリアルの廃棄を強行しようとするなど、彼は筋金入りのガンダム否定派でしたが、今回はミオリネのプランをあっさりと承認していました。
おまけにサリウスはそんなデリングの行動を予測していたようでした。
つまりデリングがガンダムを認可することは既定路線だった可能性が高いわけです。
ただ、そんな彼のガンダムの認可にはミオリネが絡んでいると見なすべきでしょう。
デリングがミオリネに対してどんな感情を抱いているかはまだ不明ですが、少なくとも、彼女の意見を全て蔑ろにしているわけではありません。
今回もそうですが、第2話の時点でもデリングはミオリネが提案した決闘を受け入れ、勝利したときには条件通りスレッタの在学を認めています。
また、それ以降もミオリネの行動を否定したり、エアリアルの廃棄を命じている様子もありません。
あれだけミオリネを雁字搦めに縛り付けているのに、ちょっと意外ですよね。
もしかしたら、デリングは何らかの事情でミオリネを決して子ども扱いしないという方針を取っているのではないでしょうか。
ミオリネの地球への脱出も、父親に対するさまざまな犯行も、デリングにしてみれば子どものわがままの延長線上に過ぎません。
自分を取り巻く状況に対して不平を垂れたり、現状からただ逃げているだけで、何も変えられない行為ですからね。
だけど、第2話の決闘も、今回のプランの発表も、ミオリネがスレッタとエアリアルを守るために正面からデリングや、彼を取り巻くさまざまな思惑と向き合った結果です。
そしてその時だけ、デリングはミオリネの訴えを受け入れています。
デリングにとって、決闘の申し出やプランの発表は子どものわがままの延長線上にあるものではないわけです。
デリングは、自らスレッタを助けるためのプランを発表し、そして嫌っている父親に娘としてではなく一人の人間として頭を下げたミオリネを見て、彼女が大人になりつつあると認めたのではないでしょうか。
そして、デリングはそんなミオリネだからこそガンダムを託す道を選んだのかもしれません。
つまり、デリングはガンダムを否定しつつも、実はどこかでその可能性を認めていたのでしょう。
あるいは次第にその必要性を理解したのかもしれません。
だけど非人道的な問題をクリアできないガンダムは常にリスクがつきまとう危険なものだった。
おまけに周りは自分の会社のことしか考えない連中ばかりで、悪用される可能性が高い。
だからこそ、ガンダムとそれを取り巻く諸問題を背負い、解決できる者を求めていた。
そんなデリングにとって、ベネリットグループ総裁の娘という立場に甘えず、あらゆるリスクを背負っても自分の意思で進む決心をしたミオリネは、その資格を与えるに足る者と判断したのかもしれません。
思えば、デリングがミオリネをさっさと誰かの花嫁にしてしまおうとしていたのも、彼女に能力がないと判断したらどこかの家にやってしまった方が安全だと思ったからかもしれませんね。
だって自身はいつ命を狙われてもおかしくない立場ですから。
後、さきほど触れたようにベネリットグループは良くも悪くも資本主義的な、企業的な価値観で動いている集団です。
だったら、元軍人で根っからの商売人ではないデリングが別の思想で動いていても不思議ではありません。
もしかしたら、まだ語られていないだけで、デリングはデリングなりの戦いを繰り広げていたのかもしれませんね。
『水星の魔女』第7話感想
ここ最近出番が少なめだったミオリネやデリングが一気に話を持っていった印象がありますね。
個人的にはデリングのイメージが大きく変わったエピソードでした。
というか、その片鱗は感じていたのですが(笑)
まぁ正直デリングのやり方は決していいとはいえませんが、彼なりに世界を背負って動いているのでしょう。
そしてミオリネも、知らず知らずのうちにそんなデリングの後を追っているのかもしれません。
ただ、今回のプロスペラとの絡みを見ていると、スレッタが心配になってきたな…。
彼女メンタル強くないし、もしプロスペラが本性を表したら悲惨なことになりそうですね…。
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