皆々様こんにちは。
『ワンダーエッグプライオリティ(以下『ワンエグ』)』担当のgatoです。
さて、前回はマダムサチコとの戦いでリカが窮地に追い詰められたところで終わりました。
アイ達がどうなってしまうのかも気になりますが、今回は新しいキャラクターが登場してくるようです。
今回からようやく『ワンエグ』が本格的に指導していく予感…。
とりあえず、アイ達や新キャラクターに一体何が起こったのか改めて振り返っていきましょう。
凛々しい桃恵
今回登場したのが「一昨日おいで!」が決め台詞の沢木桃恵です。
見た目は美少年と見紛うばかりにイケメンな桃恵ですが、色々こじれている感じの子のようです。
そんな桃恵を今回は3つの観点で掘り下げてみました。
恋される桃太郎
桃恵の最も特筆すべき特徴といえば、やはりそのイケメンっぷりでしょう。
穏やかな物腰、涼やかな眼差し、凛々しい顔立ち…。
今回桃恵は美和と瑞希を助けていましたが、いずれも最後は桃恵に恋をするという百発百中ぶり。
見た目にふさわしいモテっぷりを発揮しています。
ただ、桃恵の苦悩の一つはその外見にあるようですね。
外見こそスラックスをはいている、一人称が「僕」など男性的に振る舞っていますが、ねいるやリカに女の子と間違われるとショックを受けて一人泣くなど、心根はかなり乙女であることがわかります。
他方で、美和の過去を聞く際に手慣れた感じで聞き役に徹するなど、意図的にイケメンに徹している雰囲気もあります。
そこを見る限り、彼女は求められているキャラクターになりきる癖があるかもしれません。
ただ、「かわいい」という言葉に反応したり、「肩幅大きい」といわれると若干渋い表情をする、ワンダーキラーに男扱いされると苛立った表情を見せるなど、彼女の本質は女の子らしさを求めている感じです。
しかしその結果、求められているキャラクターと自分の本質のギャップに苦しんでいる…って感じでしょうか。
それにしてもアイに泣きながら「ほんとに?」と尋ねる桃恵…個人的にはメチャクチャ可愛かったな(笑)
ハルカより
外見と内面のギャップに苦しむ桃恵ですが、彼女の苦悩の深部にあるのはハルカという少女のようですね。
まだ短い回想でしか登場していないハルカですが、どうやら桃恵を性的に好いていたようですね。
ただ、何かしらのトラブルがあってホームから飛び降りた…って感じでしょうか(桃恵のエッグ世界が駅なのはそのせいかも)
他方で桃恵はハルカの好意に心から応えているようではない模様。
自分にすぐ惚れた瑞希の「愛してる」をハルカのそれと重ねているところを見ると、桃恵にとってハルカの「愛してる」は自分の外見によって引き出された…本意ではない想いかもしれません。
もしかしたら、桃恵はハルカの友達になりたかったのに、ハルカはそれ以上を望んでいたために応えざるを得なかった…そんなエピソードが隠れているのかもしれませんね。
沢木との関係性
おそらく桃恵の名字を見た人なら誰もがピンときたでしょう。
アイもラストで反応していましたが、桃恵の名字はアイの担当の沢木と一緒なんです。
確かに外見もちょっと似ている…。
こうなると桃恵は沢木の家族か親族であることは確定のようですね。
桃恵がアイと同じ14歳なので、妹にしては歳が離れすぎている…もしかしたら姪か娘かもしれませんね。
個人的に娘だったらアイの母親と沢木の関係性次第では結構波乱が起きそうだから期待しちゃいます(笑)
後、前回の記事でも沢木のキーパーソンの可能性を指摘しましたが…
学校・家庭・エッグでの戦いと、アイに関係する3つの環境全てに「沢木」の影がちらつくのは気になりますね。
ますますキーパーソンぶりが際立っているな(笑)
自らを差し出すこと
今回はアイと桃恵のエッグ世界の戦いが同時進行で描かれていましたが、個人的に対比の意図を感じました。
とりわけ対比されていたのがエッグの中の少女が進んでワンダーキラーと対峙する場面です。
みことまこはゆぅゆぅの曲を流し、彼のスタンスを説くことでマダムサチコの動きを止めた一方、美和は演技とはいえ自らを専務(ワンダーキラー)に差し出し、あまつさえ制服を脱がされています。
一見すると同じ構図ですが、その意味合いは全く異なります。
みことまこはアイのために共闘し果敢に立ち向かっていったのに対し、美和は桃恵のために自らを犠牲にしようとしていたのです。
この差異には、みことまこ・アイと美和・桃恵の関係性の違いが現れている印象です。
そもそもアイはみことまこの持っていたペンライトで武器を生み出してマダムサチコと渡り合っていたのに対し、桃恵は手前の武器だけで苦戦していました。
これはアイはみことまこの力を借りるという形で共闘関係を築いていたのに対し、桃恵は彼女が美和を守るという一方的な関係に陥っていると解釈できます。
そもそも桃恵と美和は共闘関係ではないため、ナイトとお姫様のように守る・守られるという関係になっています。
だから美和は自らを差し出すという手段を取るわけです。
守られるべき価値があるとわかっているから、その価値を利用した方が手っ取り早いですからね。
ただ、当然ながらこれは桃恵にとっては本意ではないし、傍から見てもいいものではありません。
だって「一緒に戦ってくれる」は心強いですけど、「私が犠牲になる」は気分がいいものではないですからね。
もちろん美和は彼女なりに桃恵を守るために演技をしたんでしょうけど、桃恵はそんな道を選ばせてしまうことに自責の念を感じざるを得ないでしょう(ここにも桃恵の苦悩の本質があるのかも)。
つまりアイと桃恵の対比は、エッグの中の少女との関係性…アイの相互的な共闘関係と桃恵の一方的な守る・守られる関係に焦点を当てているのではないでしょうか。
後、余談ですけど桃恵が専務を倒した際、返り血で目元が覆われる描写がありました。
この姿、個人的には第2話で先生の攻撃を受けた時のアイを彷彿とさせました。
若干こじつけるようですが、守るべき少女が犠牲になった時のアイや桃恵の動揺を意味しているかもしれません。
少女が託すモノ
今更触れることになりますが、今回に限らず、アイにはエッグの中の少女の持ち物を武器に変えている場面があります。
ふと思ったのですが、今の所エッグの中の少女の持ち物を武器に変えているのはアイだけなんですよね。
これがアイだけの力なのか、他の少女も使えるのかは不明ですが、ここにアイの強さの本質があるような気がします。
南の時のリボンといい、みことまこのペンライトといい、それぞれエッグの中の少女の思い入れが強そうなものでした。
アイの強さはエッグの中の少女の想いを形にし、力にできるところにあるといえるかもしれません。
この力がアイ固有の力だとしたら、この路線の解釈がはまる気がします。
少女社長
無事退院しただけでなく、新体操選手ばりの身体能力を披露したねいるですが、今回は彼女の日常の一端を見せてくれました。
まずはお詫びを…前々回の記事でねいるを「副社長」といいましたが、実際は社長でした。
うーん、Viceって書いてあったんだけどなぁ…。。。
まぁ反省はこれくらいにして、今回のねいるを見ていると社長業を優先して不登校になっている感じですね。
てっきり一族経営をしている印象もありましたが、あの様子を見るとねいるが取り仕切っている感じなのだろうか…。
今回の描写だけでは細部まではイマイチわかりません…というか、ねいるって未だに色々隠されていますよね。
リカと桃恵は登場と同時にエッグ世界がお披露目されていましたが、ねいるはまだ見せられておらず、過去に関しても妹を喪っているというだけで細部には触れられていません。
第2話の段階で登場していたにも関わらず、ねいるのエピソードはほとんどないんですよね。
この構成に意味があるのか…ちょっと気になるところです。
誘惑と後悔
今回はアイと裏アカの台詞に興味深いものがありました。
それは自害の理由に関する台詞です。
「男は目的、女は感情」とジェンダー的に結構なギリギリな括り方ですが(笑)、その後の台詞が面白かったですね。
「タヒの誘惑」によって衝動的に命を絶ち、それに後悔している(かもしれない)子供達(エッグの中の少女?)を助けるためにあのエッグのシステムがあるという点です。
この衝動的な自害に関してはリカが共感していたように、実際あり得る話です。
まぁうつになっている人とかがわかりやすいですし、自傷行為もある種の衝動に駆られてた結果だといえます。
自害は重い行為ですが、「タヒの誘惑」による衝動があれば意外と簡単にできてしまえる一面がありますからね。
アカは性別で自害の理由を語りましたが、その本質は理由のベクトルにあり、あくまで「感情」が原因で自害した子供達を重視した結果、たまたま少女が集まっているのが現状なのでしょう。
まぁでも完全に性別で分けているわけではないので、いずれは少年(あるいは男)が出てくる可能性はあるでしょうね(実際子どもって言ってるし)。
後、個人的に印象的なのがアカが「後悔しているかもしれない」といっている点。
あの言い方だと、自害を後悔していない少女がいることが示唆されている気がします。
そのような少女も今後出てきそうだな…。
ひまわりのような彼女
なんやかんやでリカが復帰、えいるが退院し、桃恵が合流したことでやっと『ワンエグ』の主要メンバーが揃いました。
ちょっと癖のある集まりですが、面白い化学反応を起こしそうですね。
個人的に面白かった点は一つ。
『ワンエグ』の主要メンバーが集まれたのは確実にアイのおかげという点です。
ねいるとリカは犬猿の仲だし、出だしで男と間違われて泣いちゃった桃恵はすぐに溶け込むことはないでしょう(実際エッグの部屋から出ていってます)。
しかしアイはねいるとリカの間を取り持ち、桃恵をフォローするなど、彼女達の間を取り持っていました。
つまりアイはねいる・リカ・桃恵が集ううえで潤滑剤のような役目を果たしていたわけです。
ねいるはアイの信じやすい・すぐ許してしまう性格を注意していましたが、同時に「素敵な所」と評価していました。
さらに「アイのような子が時々いてくれないと自分達が救われない」とまで言っています。
ここにアイのパーソナリティの本質が詰まっていそうですね。
アイは初対面でもすぐ「かわいい」というなど、素直に感情を表出する一面があります。
またリカのような癖のある子に対しても苛立ちを覚えつつ、なんやかんやで許し、付き合っていくところも。
いってしまえばアイはあっさり相手を信じるちょろい性格ですが、これは裏を返すとすぐ壁を作ったり、相手と距離を取らないことを意味しています。
だからこそ相手に壁を作るねいるや、本心を見せないリカ、コンプレックスが強い桃恵と距離を縮められるし、そこからさらに関係性が拡がるきっかけを作れるのでしょう。
思えば、今回アイを表彰する形で用いられた「ひまわり」がピッタリくるような気がします。
ひまわりは太陽を思わせる明るい花であり、同時に太陽の位置に合わせて向きをコロコロ変える花でもあります。
これは信じ続けることで誰かの心に触れられるだけでなく、気になる子をすぐ信じてしまうアイのパーソナリティを示しているのかもしれません。
『ワンエグ』第4話感想
個人的に桃恵は結構面白そうなキャラでしたね。
というかかわいい(笑)
後、アイとの対比も印象的でした。
二人を結びつける沢木の存在がある以上、今後アイと桃恵は何かと対比されていきそうな予感もしますね。
そして4人が揃って今、次回からは何が始まるのか…。
注目ですね!
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