皆々様こんにちは。
『ワンダーエッグプライオリティ(以下『ワンエグ』)』担当のgatoです。
前回は恋にまつわるアイと桃恵の葛藤に進展がありました。
アイは沢木にふられ、桃恵はありのままの自分を見てくれる相手と出会った…とそれぞれ結果は違いますが、彼女達が前に進むうえで必要なイベントにはなったようです。
そして桃恵はゲームをクリアしたことで無事にハルカの蘇生に成功…かと思いきや、謎の存在であるハイフンにより、パニックを喪ってしまいます。
衝撃的な展開が目白押しだった前回に続き、今回はさらに重要な情報が開示されるようです。
早速振り返ってみましょう。
目次
男と男と女
今回は前回正体が明らかになったアカと裏アカの過去が語られました。
時系列を順番に追ってみてみましょう。
研究者の退屈
研究者だったアカと裏アカは監視されながら(恐らく政府に?)研究に勤しんでいましたが、ストレス発散も兼ねてフリルを作りました。
これが全ての始まりとなります。
きっかけこそストレス発散だったものの、彼らからしたら閉鎖的な生活の中の一服の清涼剤のような、生活に潤いを与えるためにフリルを作ったのでしょうね。
いささか無邪気な動機ですが、AIと人工物で超高精度の人造人間を作っちゃうのは結構すごいことですよね(笑)
ただ、裏アカが語った「フリルに詰め込んだ要素」を聞いていると、少しばかり危うさを感じるところがあります。
14歳の少女として作られたフリルは「父親が娘に持っていてほしい気質」を詰め込まれていますが、これはいうなれば「自分達が理想とする少女」を作ったにも等しい行為です。
いじわるな言い方をするなら、「都合が良い女」を作ったわけですね。
いささかフェミっぽい表現になってしまいましたが、個人的にこれは重要なポイントであり、同時にアカと裏アカの最初の過ちだと感じました。
『ワンエグ』には少女達を思い通りにしようとする悪い大人達がワンダーキラーとして登場しますが、自分達が欲しい要素だけを詰め込んでフリルを作ったアカと裏アカもまた、彼らに近しい感覚を持っていたといえるのではないでしょうか。
まぁ控えめにみても愛玩動物の延長線上でフリルを見ていた感じは否定できないと思います。
後述するバッドエンドを踏まえると、この辺はピュグマリオン的な物語(自分の理想の異性を育て上げるタイプのストーリー)へのアンチテーゼを感じますね。
ところで、裏アカは回想の際に「かなり昔」みたいな表現を使ってましたが、ひまりの成長も考えると、今回のエピソードは少なくとも本編開始より20年ほど前っぽいですね。
妬まれるあずさ
フリルと共に楽しい日々を送るアカと裏アカですが、あずさの登場で一つの転換点を迎えます。
相思相愛になったアカは彼女と結婚しますが、アカを取られた嫉妬に駆られたフリルによってあずさは命を奪われることに…。
そこからアカはフリルを恨むようになり、フリルはゴミ同然に封印されてしまうことに…。
一見するとフリルが嫉妬で暴走したことが重要そうに見えますが、個人的にはあずさの登場もまた重要な印象があります。
あずさは見事にアカと裏アカ両方に惚れられ、結局アカが彼女と結ばれることになります。
つまり裏アカがフラれることにより、彼らの関係性に不公平さが生まれるわけです。
フリルはアカと裏アカ両方に愛情を振りまいていたので、3人の関係性は平等でした。
しかしあずさがアカを得らんだことにより(いじわるな言い方ですが)、優先順位が生まれてしまい、不公平さができてしまうわけです。
フリルが暴走したことも含めると、彼らの生活が破綻するきっかけはあずさがもたらしたといっても過言ではないでしょう。
まぁ口元をクローズアップした意味深なカットといい、裏アカの「女を見抜く目があったと思えないが」という発言といい、あずさが実は悪人だったという可能性も捨てきれませんが…。
人造人間であるフリルにも優しく接していたところを見ると、その線は今の所なさそうですね。
おませなひまり
フリルによってあずさは命を奪われますが、お腹の中にいた赤ちゃん=ひまりは幸いにも無事に生き残り、すくすくと成長しました。
あずさやフリルのことで最悪な雰囲気になったアカと裏アカを前向きにさせてくれたひまり。
しかしそこで終わらないのが『ワンエグ』(笑)
ひまりはなんと中学生にして裏アカに本気でプロポーズをしてきます。
おまけに裏アカが惚れていたあずさに似ていることをPRするというしたたかぶり。
中学生にして食えないひまりですが、フリルによって自害させられるという結末を迎えることに…。
フリルと同じ唇を鳴らす仕草をしていたところを見ると、裏アカにプロポーズしていた段階でフリルが精神に入り込んでいたのかもしれませんね。
少女達を助けるために
ひまりの一件により、裏アカはフリルが元凶だと見抜き、彼女を燃やしてしまいます。
しかしフリルの影響は消えず、少女の自害が相次いだことから、アカと裏アカはフリルのタヒの誘惑を止めるためにワンダーエッグのシステムを作り上げました。
つまりワンダーエッグは自害した少女の蘇生よりも、フリルとの対決のために作られたシステムだというわけです。
これを踏まえると、ワンダーエッグは自害した少女の魂を介してエッグ世界=フリル(タナトス)の世界(つまりあの世?まぁ共通無意識の世界っていった方が無難か)にアクセスするシステムと捉えられそうですね。
第9話の記事で書いたことがギリギリかすめている…と思いたい(笑)
まぁここまで来るとシステムの原理はわりとどうでもいいですが(笑)
そしてワンダーエッグからエッグ世界に入った少女=工口スの戦士が自害した少女のトラウマを解消し、生への希望を取り戻させることでタヒの誘惑を打ち破る…というのがアカと裏アカが描いたシナリオとなりそうですね。
まぁアカと裏アカが黒幕の一端を担ってはいましたが、とりあえず悪人ではない感じはします。
ただ、アカも裏アカもフリルに対する復讐の念が多少なりとも影響していそうですね(特にアカは)。
もちろん彼らは被害者ですが、個人的には忙しさにかまけて嫉妬に駆られたフリルを放置したり、そもそもフリルが自分達の都合の良い産物に過ぎないことに無自覚だったことも原因の一つだと思ってしまいします。
タナトスのフリル
前回のハイフンが口にした「フリル」という言葉が何なのかよくわからなかったので放置してしまいましたが(笑)、今回はその正体がわかりましたね。
そして同時に、フリルこそが『ワンエグ』におけるラスボスになりそうな感じがします。
それでは、フリルについてじっくり見ていきましょう。
お友達がほしい
元々アカや裏アカにとっての清涼剤のような立場だったフリルですが、あずさの登場により嫉妬を覚え、暴走していきます。
ついにはあずさを手にかけ、さらにひまりの命も奪ってしまいます。
ひまりの命を奪ったのは、アカがあずさと結ばれたように、裏アカがひまりと結ばれることを恐れたからかもしれません。
だからひまりが裏アカにプロポーズした日の内に自害させたのでしょう。
これらの惨事にはフリルの嫉妬と寂しさが大きく影響していると感じました。
そして嫉妬や寂しさを解消するうえでフリルが求めたのは「友達」です。
フリルは異性の彼氏よりも同性の友達を求めたのは、アカとあずさの結婚が原因でしょう。
彼女からしたらアカ(あるいは裏アカも)以上に愛する存在はいないわけですから、そもそも恋人は必要ではない。
でも寂しさは消えないから、恋愛感情を持たなくていい同性のお友達が埋め合わせとして必要になる…って具合でしょうか。
さらにやっかいなことにフリルは「自分よりきれいな子を作ってほしくない」という理由で自分で友達を作り始めます。
ここから、フリルはきれいな少女だと、またアカや裏アカを取られると恐れていることが窺えます。
だからハイフンやドットは不気味な外見をしているのではないでしょうか。
こうなるとフリルは同性だからいいというわけでもない…という厄介な事情が見えてきます。
いずれにせよ、フリルの行動の背景にはアカや裏アカへの愛情があり、同時に自分から彼らを奪う恋愛への憎しみ、さらには同性への嫌悪と嫉妬心が歪んだ形で結びついていることがわかります。
お友達は連れていく
ひまりを手にかけたフリルはついに裏アカからも憎まれ、燃やされてしまいます。
しかし、それでも消滅しなかったフリルはタナトスとしてタヒの誘惑をばら撒き、多くの少女を自害に追いやることになります。
前回の記事でタナトスについて色々書きましたが、近からずも遠からず…と思いたい(笑)
とりあえずフリルがタナトスの象徴であるなら、エッグ世界はタヒの誘惑に満ちた世界であり、そしてフリルがその世界の実質的な中心といえそうですね。
実際、彫像の少女が復活する際のカウントダウンはフリルと声優が同じです。
また、フリルがエッグ世界の中心だとしたらワンダーキラーやミテミヌフリ、アンチは彼女に属する存在といえそうです。
ただ、現時点で上手く解釈できない事柄が2つ…。
まず彼女が無作為に少女を自害に追いやっている理由です。
暴走したといえばそれまでですが、そもそも彼女の動機はいずれもアカ・裏アカに絡んでいるため、無作為に他の少女を襲う必要は本来ないはずです。
まぁ自分を燃やして終わりと思っているアカと裏アカを振り返らせるために無差別な攻撃をしかけている…って仮説はできそうですね。
だとしたらすごいヤンデレだけど(笑)
放置され続けるより憎んでもいいから自分を意識してほしいみたいな(笑)
でも、そもそもAIにタヒの概念は存在しないはずなのでちょっと想像し辛い(笑)
もう一つが少女の蘇生です。
大切な少女を蘇生できるという設定はフリルが作ったものっぽいですが(だからカウントダウンしている)、これの目的今の所よくわからない。
新たな獲物を誘う…にしては、そもそもエッグ世界に巻き込まなくても自害させられるはずのフリルがそんな手間をかける必要はないように感じてしまいます。
この辺りは次回解き明かされるんでしょうかね。
アイに託す
今回、裏アカはフリルに関する情報をアイのみに共有しました。
どうやらアカと裏アカは初めからアイだけに伝える算段だったようです。
なぜアイが選ばれたのかは明かされていませんが、別の記事でも書いたアイの「間を取り持つ力」が関係している印象です。
例え相性が悪い相手でも打ち解けられるアイならフリルと向き合えるかもしれない…アカと裏アカはそう考えたのかもしれません。
また、これは沢木から何を聞いたか次第ですが、アイも恋愛で人間関係がこじれた過去を持っているといえます。
いささか素朴な解釈ですが、似た過去を持つ者同士ということも影響しているのかもしれません。
というか、前回の終盤でアイは沢木から何を聞きだしたのか、結局今回は明かされませんでしたね。
今回のエピソードの冒頭のアイは特に変化はなかったですが、終盤の苛立ちにはタヒの恐怖に立ち向かわなければならないことへの苛立ちだけでなく(もしかしたら桃恵やリカが負けたことを知った?)、小糸の真実を知った影響もありそうな気もしますが…。
この辺りは次回に期待ですね。
ところで、今回は出番がなかったねいるですが、彼女は事実を知っているのでしょうかね。
アカと裏アカの正体を知っていたなら、フリルのことも知っていそうですが…(最古参ですし)。
それに、妹や寿の件から、ねいるが一番タヒの誘惑への耐性が強い印象がありますが…。
今後の彼女の立ち回りにも注目ですね。
『ワンエグ』第11話感想
『ワンエグ』におけるラスボスが誰なのか色々予想しましたが、結局フリルというとんでも存在の登場で全部覆りましたね(笑)
ただ、個人的には興味深い展開ではあります。
他方で、桃恵に続いてリカまでもがタヒの恐怖に負けた今、アイがどうやって立ち向かうのか。
次回からいよいよクライマックスに突入です。
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コメント
本当にあと1話で終わるなんて信じられないです。
まだ全然回収していない伏線なんかもたくさんあるので、ワンチャン二期に期待しています。
来週がどうなるか、今からとても楽しみです!
せいはーさんコメントありがとうございます!
>本当にあと1話で終わるなんて信じられないです。
僕も信じていないです(笑)
ただ番組検索で見ると、第12話に「終」ってついていないんですよね。
この様子だと第2期があるのかも…。
個人的な考察(というか妄想?)を書きます。
「母親のことを好きな男性を好きになった」という点でひまりとアイは共通してますね。
あと、あずさ亡き後にアカと裏アカを救ったひまりと、リカたちを救ったアイ
タナトスに侵された人々にエロスをふりまく太陽(日葵)のような存在、という点も。
(アイがひまわりのような存在であるのは印象的に描かれてたと思います)
そういったところから、アカたちはアイにひまりの面影を重ねて、アイだけに事実を打ち明けたのかなーと思ったり。
対して、フリルはタナトスを振りまく存在として、アイとは対をなす存在な気がします。
その象徴として、「好きになった人が好きになった人を拒んだフリル」に対して、
「アイは母親を受け入れる」という展開になるだろうなと予想してます。
あと、アカたちは「エロスの戦士にフリルを打倒してほしい」と思ってると思いますが、アイならフリルと友達になっちゃいそうだなーとも。
フリルは友達を欲しがってるようだったし。
(AI=アイじゃん!アイはオッドAIでもあった!?みたいなダジャレに気付いたんですが、根拠が弱すぎるので控えますw)
物語ももう終盤ですが、
「少女たちの自殺の原因はフリルが何かしてるから」
「少女たちが生き返るというのはタナトスに対抗させるための嘘の口実でした」
とかはそれだけで終わっちゃうのかな?
モモエとリカは救われるのか?
もやもやを残さず気持ちよく終わってくれるのを期待…
らふぱんさんコメントありがとうございます!
>「母親のことを好きな男性を好きになった」という点でひまりとアイは共通してますね。
確かに共通していますけど、ひまりはその事実を積極的に利用している点が大きく異なりますね。
というか、もしひまりが生きていたら結構波乱を起こしていた可能性が高そうですよね(笑)
>対して、フリルはタナトスを振りまく存在として、アイとは対をなす存在な気がします。
そこは見落としていました。
確かに「自分の好きな人を奪う存在」の命を奪うことしかできなかったフリルと違い、アイはそんな相手を積極的に受け入れていく点は示唆的ですね。
母親を拒絶する=タナトス/母親を受け容れる=エロスと考えると色々意義深い気がします。
>あと、アカたちは「エロスの戦士にフリルを打倒してほしい」と思ってると思いますが、アイならフリルと友達になっちゃいそうだなーとも。
それは僕も想いました。
実際、作中でも「友達」というワードがよく使われていましたし、家族や色恋の問題で傷ついた彼女達を癒す関係性としてピックアップされていましたしね。
他方で、『ワンエグ』における友達って誰も知らない物語を共有する関係性でもあるので、それをフリルとどうやって形成するのかは注目ですね。
>(AI=アイじゃん!アイはオッドAIでもあった!?みたいなダジャレに気付いたんですが、根拠が弱すぎるので控えますw)
それはそれでありかもしれない(笑)
むしろアイは愛で、AIたるフリルの本質も愛…なんてこともあるかも(笑)
>もやもやを残さず気持ちよく終わってくれるのを期待…
別の方のコメントでも記載しましたが、2期をやるならクリフハンガーな終わり方をしそうですね…。
日テレのドラマみたいに「続編はFuluで!」みたいなことにならなければいいですけど。。
個人的にはこれ、エディプスコンプレックスによる生と死をめぐる物語なのかなーと思います。
エディプスコンプレックスとは、小児が親に性的欲望をいだく成長過程のうちのひとつのことで、オーストラリアの精神科医であり心理学者であるJ・フロイトが説いた概念です。我らがwiki先生によれば、少女のエディプスコンプレックスは、以下の段階を踏んでいます。
「女児も男児と同様、最初は母親に愛情を抱き続けている。ただ女児が成長するとともに、同性のクリ卜リスが小さいのを見たりして、子供の女性にはペ二スが無いことを徐々に認識し始める。ただしこの時点ではまだ女児は「大人になったら私もペ二スが生えてくるんだ」と信じているのだという。
しかし母親にペ二スがないことに気付くと、予感は確信に変わり始める。女児は周りの女性がペ二スのない劣った存在であり、また去勢されているんだと考えるのだと言う。こうして女児はペ二スがないことによる劣等感と本格的な去勢不安に取り付かれる。そして母親に対して「何故、私のペ二スを立派にして産んでくれなかったの?」と怒りを向けるようになる。この時、女児は三つの方法によって、この去勢コンプレックスを回避する。
第一は「自分にはペ二スがない」事を強く自覚して、完全にペ二スがない存在として受け入れることである。これは劣等感を持つ女性を作る。この場合は無気力な人間になってしまうという。第二は「自分はペ二スがいつか生えてくるし、私は男なんだ」と信じて、男性的な性格を身に付ける場合である。第三はペ二スという対象を羨望する際に、ペ二スを「ペ二ス→子供」と象徴交換して、子供を手に入れることによって代替的なペ二スを手に入れる道を選ぶ場合である。
この道に進むと、女児はそれまでペ二スのように扱っていたクリ卜リスから膣へとリビドーが移行し、男性と性交することが目的となることによって子供を得るという活動へと進むようになる。子供を得ることがまさにペ二スを手に入れることなので、女児はこれを機に、本格的に母親から父親へと愛情対象を変えると言われる。母親は憎んだままで、父親は新たな愛の対象になるので、こうして女児のエディプスコンプレックスが発生するようになる(wikiからの抜粋)」。
この際、リビドーの対義語にあたるデストルドーは、「攻撃的」「破壊的」な意味を含有するタヒ=自サツ、と捉えています。
このエディプスコンプレックスをワンエグに置き換えた際、
女児=フリル、父親=アカ、母親=あずさ、とみることができます。この際この関係の外にいるひまりと裏アカですが、裏アカはやがてあずさの娘(姪)であるひまりに欲情するようになり、ひまりはフリルに自サツさせられます。つまりこれは、エディプスコンプレックスを抱えたフリルによる、「エ口ス(性の欲動)」による破壊衝動「タナトス(タヒへの誘惑)」と考えられます。フロイトの初期理論によれば、「タヒの欲動」概念を展開する前のフロイトは、「愛する者の死を願う」といった両価的感情(ジレンマ)を伴うサツ害願望から自サツを説明しようとしていました。フリルの生きることへの執着、愛されることへの願いが、結果的にひまりを自殺に導き、世の中の少女たちを自サツに導いているんじゃないかな~
アイちゃんも父親がいないことから、そのエ口スへのやり場を沢木に向けているため、沢木に恋心を抱いてるのかもしれない……あくまで妄想ですが(笑)
ここからアイはどうするのか?リカや桃恵はタヒの恐怖から立ち直れるのか?小糸のタヒの真相は?沢木は敵か味方か?
次週ですべての伏線が回収されるのでしょうか…!?
目が離せませんね!
通りすがりの名無しさんコメントありがとうございます!
>個人的にはこれ、エディプスコンプレックスによる生と死をめぐる物語なのかなーと思います。
エディプスコンプレックスかぁ~…。
いや、わかります、わかるんですよ。
ただ…個人的にエディプスコンプレックスが好きじゃない(笑)
専門家でもない僕がこういうことをいうのもおこがましいんですけど、エディプスコンプレックスって便利すぎる概念なのであんまり使うと解釈が均質化されちゃうので(笑)
でも通りすがりの名無しさんのいうとおり、フリルとアイのそれぞれの色恋絡みの関係性はエディプスコンプレックスがすんなりはまるんですよね。
またリカや桃恵も含めると、『ワンエグ』には常に男性性(ナニの言い換えです。そのままだとまずいので笑)を巡る問題系が内在しているといえます。
ただ、リカが父親を追い続けるのではなく母親を受け容れること選んだように、フラれた桃恵の苦悩を和らげたのが性同一性障害という不完全な男性性だったりと、彼女達は男性性から一歩引いた要素が解決のきっかけとなっています。
それにアイも沢木への恋慕こそエディプスコンプレックス絡みでしょうけど、彼女の問題の主軸は常に小糸ですからね(多恵もありそうですけど)。
つまり男性性を巡るエディプスコンプレックス的な葛藤から抜け出し、良い意味で男性性から脱却することが『ワンエグ』の目指す方向性ではないかと。
だとしたら、エディプスコンプレックス的な存在であるフリルがラスボスになるという構図が自然になりそうです。
まぁこれも妄想の域は出ないですけども(笑)
11話を見てこのアニメが旧工口ゲの文脈で作られたまどマギのような作品であることを理解しました。フリルは究極のヤンデレヒロインですね。
この作品はエディプスコンプレックスというよりも、男性が抱くピグマリオニズムとAI(科学技術)のほうに支店が置かれていると思います。それらの進化が少女(生きる価値の根源)にもたらす社会への影響についての作品ではないでしょうか?
男は男にしか理解できない理想の女性像があり、それを具現化するという願望がありこれは実のところ女には理解できないものであります。例えばエロゲのヒロインはそういった存在で男にとって都合がいい存在で自己愛の理想的な受け手という感じだとおもいます。男のクリエイティビティ―というのは実のところこういった女に理解できない同性愛的で自己愛的な部分があり、それらが生む副産物で人類は成長している部分があるように私は思います。それが科学技術の発展をもたらし人類の成長にいたりました。
しかし、このような願望というのは男単独では存在しえず単独では制御できないが実際のところは振り向いてもらいたい(けど手に入らない)女性という存在を自分の中で折り合いをつける行為(自慰の残骸ティッシュともいうべきかw)であるともいえると思います。
人間は生まれながらに先人が作った技術の中で生まれその中で育ちますが、その技術という部分はそういった男性のティッシュ的な側面があるように思います。ITやAIなどもその一部でありますが、この作品の面白いところはそういった自慰の副産物が本物の女性。しかもその中で最も価値が高い思春期の少女をライバル視して排除しようとしているところにあるのではないかと思っています。
エディプスコンプレックスは男性限定のコンプレックスなのでフリルには手はまらないのではないでしょうか?エディプスコンプレックスの仕組みについてホルモンが脳に働きかける仕組みを当時の欧州社会の性風○に当てはめて無理やり説明したような部分があるようにおもっていて私は否定的にかんがえますね。
私は「技術によって社会構造に組み込まれたピグマリオニズム」という部分が話の核にあるのではないかとおもいます。
11話を見る限りだとアカと裏アカは友情というか肉体関係のない男性的な恋愛関係にあるといえ、あるいみ野島伸司のテーマ的な関係にあるとおもいます。
この二人の産物がフリルであり、それは技術によって生み出されました。これは野島伸司的な解釈におけるピグマリオニズムなのではないかとおもいます。
まあささんコメントありがとうございます!
一つにまとめて返信しますね。
>11話を見てこのアニメが旧工口ゲの文脈で作られたまどマギのような作品であることを理解しました。
その手のゲームには疎いので、まあささんのイメージを共有しきれていないかもしれませんが、フリルに関しては男性が欲望する少女像(想像)と実在の少女像(現実)のすれ違いが根底ある印象がありました(『さよならを教えて』とかが近いんですかね?)。
後、『まどマギ』を引き合いに出されたのは面白いですね。
『まどマギ』は魔法少女という記号に集まる欲望と、その記号の機能が破綻していく様を描いた作品という印象ですが、アイ達の立ち回りもそれに近い感じがします。
>男性が抱くピグマリオニズムとAI(科学技術)のほうに支店が置かれていると思います。
記事でも書きましたが、ピグマリオニズムが根底にあることには同意です。
ただ、この作品における少女の在り方がまだ漠としていて言語化できないところがあるので、「それらの進化が少女(生きる価値の根源)にもたらす社会への影響」はちょっと様子を見させてください(笑)
>男は男にしか理解できない理想の女性像があり、それを具現化するという願望がありこれは実のところ女には理解できないものであります。
書くのが面倒だからこう答えるわけではありませんが(笑)、作中における男性的な女性像(欲望)の描かれ方に関しては、まあささんとおおむね同じです。
アカと裏アカのエピソードがまさにそれですからね。
後、「ITやAIなどもその一部でありますが、この作品の面白いところはそういった自慰の副産物が本物の女性。しかもその中で最も価値が高い思春期の少女をライバル視して排除しようとしている」は非常に面白いです。
男性の欲望を具現化させるためだけに生まれたような存在であるフリルが、自分には越えられない「何か」を有する思春期の少女を排除するという構図はかなり好みですね(笑)
それに意中の男性に相手にされず、失恋を受け入れたアイともうまい具合に対比させることもできそうですね。
>エディプスコンプレックスは男性限定のコンプレックスなのでフリルには手はまらないのではないでしょうか?
あまり詳しくないので深堀に限度がありますが、女性版のエディプスコンプレックス的なものは一応あるので(エレクトラコンプレックスでしたっけ?)、はめようと思えばはめられる感じはしますが…。
まぁエディプスコンプレックスはわりと批判的に扱われている節もありますし、僕もコメントに書いたように便利すぎるのであまり使いたくはないです(笑)
それに近親相〇願望だけで語るのは少しばかり安直ですからね。
>私は「技術によって社会構造に組み込まれたピグマリオニズム」という部分が話の核にあるのではないかとおもいます。
個人的に技術云々の話は少し様子を見たいですね。
いささかシンプルな解釈になってしまいますが、ピグマリオニズムにある男性と女性の関係に大人と子どもの関係を突っ込んだのが現在の『ワンエグ』の印象です。
だからフリルが登場するエピソードのタイトルは「おとなのこども」ではないでしょうか。
もう少し気の利いた言い回しにするなら、創造者たる大人と被造物たる子供のすれ違いと対立が僕の感じる『ワンエグ』の核です。
まぁ少しベタ過ぎる解釈ですけどね。。
>11話を見る限りだとアカと裏アカは友情というか肉体関係のない男性的な恋愛関係にあるといえ
これ、僕もすごい思いました。
アカと裏アカの関係はある種の同性愛性をかなり感じますね。
野島伸司がこの手の素材をどう扱っているか知らないのでなんともいえませんが、アカと裏アカの関係はいささか質の異なる友愛が描かれているように感じます。
gatoさん,考察面白く拝見させてもらっています.
最後のシーンでりかとねいるがひきこもっている描写があったのですが,ねいるはフリルに取り込まれてしまった,負ける描写はなくともすでにまけていたということですかね?
すでにももえとりかは負けた描写があったので,まだフリルに負けていないあいとフリルについて何か知っていそうなねいるが力を合わせてフリルに立ち向かうと,自分はこのシーンを見るまで思っていました.
アニメ初心者さんコメントありがとうございます!
>最後のシーンでりかとねいるがひきこもっている描写があったのですが,ねいるはフリルに取り込まれてしまった,負ける描写はなくともすでにまけていたということですかね?
最後の場面で引きこもっているのはリカと桃恵でなかったですかね?
一旦見直しましたが、見つけられませんでした…。
見落としているかもしれないですが。。
引きこもっている描写はねいるではなくももえなんですね
似てたので勘違いしましたw
アニメ初心者さんコメントありがとうございます!
まぁわかりづらいですよね(笑)
僕も一瞬「誰?」ってなったので(笑)
名前が気になったので、、
ひまり(ひまわり)→太陽
フリル(クラゲ) →月
という対比になっているなと。
アイのお助けキャラの名前がレオンくん
なのは単にカメレオンだからというだけでなく、leon→ライオン(太陽の象徴)から
だったりして?
レオンくん生き残って欲しいです。
あと、フリルとねいるの名前が韻を踏んでいるのは偶然なのでしょうか?
二人とも瞳の色が同じですよね。
通りすがりのぼやきですがさんコメントありがとうございます!
>ひまり(ひまわり)→太陽 フリル(クラゲ) →月
あーなるほど、ひまり=向日葵、フリル=月(クラゲ=海月)ってことですね。
さらにレオン=ライオンを絡めるのも興味深いです。
そもそもアイはひまわりになぞらえられているところもありましたので、アカや裏アカがひまりと重ねるのにも合点がいきます。
>あと、フリルとねいるの名前が韻を踏んでいるのは偶然なのでしょうか?二人とも瞳の色が同じですよね。
うーん、人造人間であるフリルはもちろん、人工授精で生まれたねいるにもアカや裏アカが関わっていそうなので、その辺の類似点は意味がありそうですが…。
何とも言えないのが正直なところですね(笑)
フリルが出てくるようになってから、ねいるは傍観者のような立ち位置になりつつありますが、彼女もまたタヒの誘惑と向き合っているので、エロスの戦士側にいるべきキャラクターのような気がします。