皆々様こんにちは。
『ワンダーエッグプライオリティ(以下『ワンエグ』)』担当のgatoです。
前回はアイ達4人が仲睦まじい姿を見せてくれた一方、ねいるの壮絶な過去が明らかになりました。
ねいるの状況が心配ですが、沢木に関しても色々なことがわかってきましたね。
さて、今回はその沢木に関して大きな進展があるようで…。
ようやく沢木が馬脚を現してきたのか、それとも小糸に関して何かわかったのか…早速振り返ってきましょう。
目次
母のお相手
やっぱり今回のエピソードで一番衝撃的だったのは多恵と沢木がお付き合いを表明したことでしょう。
…いや、まぁ、結構察していたけどね!(笑)
バツイチの完璧美人の多恵に、生徒からの人望も厚いイケメン先生となれば…そりゃ惚れた腫れたはありますよ、えぇ。
いくら不登校児のための家庭訪問とはいえ、何かと二人きりで談笑していたら下種の勘繰りはしてしまいますよ、えぇ。
ただ、前回の記事でも邪推したように、沢木が善人かどうかを決めるのはまだできません。
むしろねいるの言う通り、沢木がとんでもないJC好きで、小糸の次にアイを毒牙にかけるために多恵に接近した可能性も捨てきれないわけです。
個人的に沢木を悪役と見ているところがあるので、正直この説には乗っかりそうになっちゃいます。
何より沢木と多恵の関係が露呈したことで、アイにとってはよくない現象が二つ発生しました。
まずはリカやねいるが指摘しているように、小糸の一件が解決していない内に最大の容疑者がアイの家庭に本格的に入り込んできたという点です。
沢木がクロだったら、当然リカのいうような事態になりかねませんし、アイから母親が引き離されてしまうことにもつながります。
そしてもう一つが、沢木への疑惑をきっかけにアイ達4人の関係性にも隙間風が吹き始めている点です。
沢木の姪ということもあり、今回は桃恵がリカと顕著に対立しました。
ここまでくると現状沢木が善人か悪人かに関係なく、彼の存在がアイ達の関係性に影響してしまっていることが窺えます。
後、個人的に思ったのがアイがいるコミュニティって基本的に女性だけしかいないんですよね(アカ・裏アカは人なのかがそもそも怪しいので除外)。
つまり沢木はアイのコミュニティに唐突に放り込まれてきた男性=異物という捉え方ができます。
だとしたら、『ワンエグ』は異性関係がコミュニティの絆を狂わせていく…なんてテーマが隠れている作品といえそうですね。
大好きな先生
そういえば沢木絡みで分かったことがもう一つ…なんとアイが沢木を好きだったということ。
いやいや本人も否定しているし、小糸のこともあるし、それはない…
と思いきや!
ラストでアイはずぶ濡れのまま飛びだし、なんと学校に行き、沢木に会って盛大にデレたうえに「学校に行きます」と宣言する超展開!!!
いやいやいやいやいやいやいや全ての前提ひっくり返しっちゃったよ!
でも、まぁ、思えばアイが沢木を強く拒絶できなかったのは無意識的に彼への恋心があったからと考えると一応筋は通るのか…。
きっかけはオッドアイを褒めてくれたことなのか…?(だとしたら小糸と同じような経路で好意を持ったんでしょうね)
何はともあれ、アイが沢木を好きだったことで個人的に3つの事柄に注目しています。
一つ目、アイが沢木を好きだったことで多恵や小糸への関係性が変わるという点。
アイにとって多恵は大好きなお母さんですが、アイが沢木を好きになることで、立派な恋敵になってしまいます。
当然、小糸が沢木を好いていた、あるいは付き合っていたのであれば、同じく恋敵に。
つまりアイにとって多恵・小糸は敵対者になり得る可能性が出てきたというわけです。
二つ目、アイが不登校をやめることで、彼女にとっての小糸の重要性が下がるという点。
アイが学校に行かなくなったのは小糸絡みのことだとされていましたが、今回沢木への恋心を自覚したことであっさり不登校をやめると宣言したことです。
だとしたら、沢木への感情一つで不登校をとりやめにするほど、アイの中で小糸の存在が軽くなったと見ることができます。
そして三つ目、小糸の自害に対するアイの立ち位置が不明瞭になる点。
これまで小糸の自害はいじめや沢木との関係性のこじれが背景にあり、アイはどちらかというとそれらに対して何の力にもなれなかったという印象でした。
しかしアイも沢木を好いており、同時に小糸との関係が親友から恋敵になったとしたら、小糸の自害の背景にはアイも絡んでいる可能性が浮上してきます。
例えば小糸とアイが沢木を取り合うような事態になり、それが原因で不仲になって小糸を追い詰めてしまったとか…。
まぁアイの沢木への感情が唐突に出てきた感も否めないので、まだ断定はできませんが…。
でももしこの通りだったとしたら、結構アイの印象が変わってしまうな…。
ヒーローとアンチ
今回登場したアンチですが、これはかなり重要そうな要素の気がするので、ちょっと深堀してみましょう。
反転するミテミヌフリ
今回は序盤からいきなりミテミヌフリがアンチに進化しました。
外見は顔のデザインと色味が変わったくらいですが、アイにも積極的に攻撃するなど行動パターンも変わっています。
そんなアンチは「嫉妬や羨望で生まれ、顔を出す勇気はないが狂気は充分。徒党を組むと強い」とのこと。
これだけを聞くと、どうやらネット上で匿名のアカウントを使って他人を攻撃・炎上させる人がモデルのようですね。
アンチがやたら歯の目立ったデザインをしているのも、「誰にでも噛みつく」ってことを示しているのかも…。
まぁ最近はSNSでの炎上絡みの事件が頻発しているので、かなり時事ネタ感のある設定です。
それに自ら命を絶つ人も出てきていると踏まえると…『ワンエグ』は昨今の炎上絡みの事件をベースにしている感じもします。
誰かが見ている?
個人的にアンチが出てきたことで、ミテミヌフリへの印象が変わりました。
アンチが生まれたのはアイ達が活躍したことで「脚光を浴びるヒーロー」になったから。
アカが「出る杭は打たれる」といっていたように、知名度の高い人(あるいは上がった人)がネットで叩かれるように、目立つアイ達をエッグ世界が標的に定めたといった感じです。
つまり、ミテミヌフリにはアイ達を攻撃すべき対象として対応を変えるだけの判断能力があるということです。
また、エッグ世界の住人であるミテミヌフリがアンチに進化したということは、アイ達の存在はエッグ世界全体にとってもイレギュラーといえそうですね。
問題はこれらを踏まえると、エッグ世界、あるいはミテミヌフリの根幹にはアイ達を攻撃すべき対象かを判断する意思か、あるいはそれを判別する摂理があるということです。
そしてこの予測の通りだった場合、アイ達の敵はエッグ世界そのものになったりするのかな…。
これまでエッグ世界についてあまり掘り下げられていないので、今はこうして邪推するしかありませんが…。
発動!お助けキャラ!
アンチの登場に伴い、今回はアカと裏アカがアイ達にお助けキャラを提供してくれました。
それはネックレスから生まれた…ちっちゃい爬虫類。
アイはカメレオン(レオンと命名)、ねいるは蛇、リカは亀、桃恵はワニ…一応全種類網羅してますね(笑)
そんなお助けキャラの特徴はアンチを食べてくれるというところ。
アンチの底意地の悪さが好物とのことですが…一体どんな生命体なんだ(笑)
なぜ爬虫類なのかは正直まだよくわかっていませんが、「刷り込み」という言葉が出てくるところを見ると、今作のメインモチーフであるタマゴから連想される鳥の近縁種ということが絡んでいるのでしょうかね。
また、感情が不安定でコロコロ変わりやすいアイを準えたかのようにカメレオンが誕生したことはなかなか意味深…。
生まれたお助けキャラの種類は主人の傾向を反映しているのかもしれません。
後、お助けキャラを呼び出す際のラテン語の掛け声ですが、自分の耳が間違っていなければ「ウェニ」はveni(「来る」の意味)、「レディ」はredi(「帰る」の意味)っぽいですね。
でもそもそもラテン語に詳しくないから、発音やスペルに自信がない(笑)
わかる人がいたらご教示願いたい(笑)
エッグ世界の変化
今回はアンチの出現が目立っていましたが、ゲストのヤエとアイのやり取りも印象的でした。
シックスセンスのヤエ
ゲスト登場したエッグの中の少女のヤエですが、見た目は属性てんこ盛りな可愛い少女…だけで情緒不安定(笑)
そんなヤエの特徴はシックスセンス、つまり霊感を持っている点でした。
あの様子を見るとキャラ作りとかではなく、本当に霊が見えるようですね。
しかし霊感を持っていることを周囲に信じてもらえず、それが原因で病院に入れられるなどかなりひどい人生を歩んでいたようです。
そしてそんなヤエのワンダーキラーとして現れたのがアイには見えない怪物少女でした。
恐らく怪物少女はヤエが生前に見ていた霊なんでしょうね。
それにしてもヤエと怪物少女の登場で今回は色々気になったことがありました。
まず、ワンダーキラーは単純にトラウマが変化したものではなく、エッグの中の少女の主観が直接的に影響しているいうところ。
つまりヤエにしか見えないからこそ、数珠に触るまでアイは怪物少女を見ることができなかったわけです。
思えば前回葵と共に登場したワンダーキラーの巻き毛も、これまでのワンダーキラーと違ってエッグの中の少女を積極的に攻撃しませんでした(恐らく彼女がコアのような存在だったのでしょう)
どうやらワンダーキラーの特性はエッグの中の少女のトラウマへの認識で決定されており、それによって行動パターンが大きく異なるようです。
それに怪物少女の消滅の仕方。
今までのワンダーキラーは倒されると膨らんで破裂していましたが、今回の怪物少女は光の粒になって消滅していました。
明らかにこれまでのワンダーキラーとは異質な感じがしますね。
そもそも怪物少女は悪意丸出しなこれまでのワンダーキラーと違い、どこか悲し気な感じがするキャラクターでもありました。
そのパーソナリティが影響していると見るのがベタですが…ワンダーキラーの消滅の仕方の変化にも何か法則性があるのかしら…。
後、アイがエッグ世界からヤエの数珠を持ち帰っていたところも気になりますね。
今までエッグ世界で手に入ったものを持ち帰っていた描写がなかったので、さりげないですがこれはかなり重大です。
エッグ世界は夢のようなものなので、たとえ物体でも現実世界には持ち込めない印象がありましたが…。
ひとまず、アイはエッグの中の少女の持ち物を武器に変えていたので、その力の一環として発生した事象と捉えた方がいい感じがしますね。
見えるもの、見えないもの
ヤエとのエピソードですが、「自分だけが見えるために苦しんでいる」というテーマという印象を持ちました。
ヤエは自分が見ている世界を、自分が感じている気持ちを周囲に共有してもらえず、そのために追い詰められたといえます。
最後にアイが同じように怪物少女を見ることができ、見ている世界を共有してもらえたことは、ヤエにとって救いとなったといえるでしょう。
他方で、ヤエのエピソードに関わる「見えない」という要素だけを引っ張ると、それらはアイにも重なる感じがします。
思えば沢木への恋心もアイ自身にも見えなかったもの…あるいは抑圧されていたものといえます。
まぁ人への好意が無自覚に生まれたり、自分でも上手く言葉にできないなんて話はないわけではないですからね。
そして、それが見えてしまったことでアイもまたヤエのように周囲との関係が変わってしまう…。
今回のヤエのエピソードはアイの今後を示唆している気がします。
『ワンエグ』第6話感想
沢木と多恵の恋愛関係が発覚し、アイの無自覚だった感情が露呈したことで一気に物語が進展しそうな予感がしますね。
次回からはこれまで謎だった小糸の身投げの真相がピックアップされつつ、沢木の腹の内が明らかになっていく感じでしょうか。
というか、今の所それぞれのキャラの過去の具体的な描写があまりないのでそろそろ欲しい所です(笑)
後、アカと裏アカに与えられたレオン達がどう活躍するかも気になるポイントですね。
▼ワンエグの記事はこちらにまとめてあります!
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コメント
久々に覗いてみたら新しい記事が増えていたwこれってオリジナル作品みたいだし記事にしないのかな?って思ってた作品だったのですよ!って事で急いで1~6話視聴しました、どうやらこの作品も核心部分は終盤まで明かさなそうな感じですね;前期の某作品のトラウマが蘇りそうw既に半分終わってるので巻きでまいります!通して1回視聴のみの考察に成りますので多分に妄想全開な内容はご容赦くださいw
エッグに成ってる人&石像に成ってる人>どうやら全員ジサツした人の様ですね、この世界で一度救われると石像に変化、救われないとまた卵に戻るって事のよう
主人公達は何を基準に選ばれた?>エッグに成ってしまった人に対して自責の念を持っている、もしかしたらそれ関連でのジサツ未遂者?もしくは4にかけた人?
エッグ世界とは?>彼女達が助けたい対象がジサツした場所が舞台に成るようですね、リカだけおそらく違うのは現場を見たことが無いからかな?
沢木先生は?>偏見が入ってるかもしれませんがw生徒に手を出す先生って思っていますw小糸の4の原因であり元凶w結婚したら義娘に手を出すでしょうねw
エッグ世界で人を救い続ける事で本当に石像は蘇るのか?>個人的には蘇らないと考えています、少なくとも彼女達が望んでいる形では蘇らないかと思います
主人公達が行っているのは一体何なのか?>6話まで見た感想ですがこれは・・・ある意味地獄めぐりみたいなものなのかな?ジサツってのはそれ自体が地獄行が確定しちゃうぐらいの罪なんだそうです、エッグ→石像これはエッグキラーが倒される事で起こるようなのでつまりはトラウマの解消って事かな?一人助ける事で石像が温かく成って行く→善行と献身による罪の軽減?こう考えていくとアカと裏アカの正体はエンマ大王もしくは地獄の鬼なんかに類する存在なのかな?って事は小糸達エッグに訪れる救いってのは復活などではなく地獄からの解放つまりは転生って事に成るかな
ワンダーエッグ1~6話一気見感想w>命に代えても助けたい人が居る・・・でも果たしてあなたはその相手の事をどれだけ理解出来てるのですかね?そんな問いを投げかけられてる気がしました、おそらくですがリカが続けるか見捨てるかを言い出したようにアイもまた真実を突きつけられて(沢木絡みで)小糸に対して同じ選択を迫られる局面が来るのではないかと考えています
見事に出遅れました;流石に6話一気見だと考察が雑に成っちゃいますねw
この作品って本当に救われるのは石像に成った人ではなく救っている主人公達なのかな?とか思ったりもしてるし、前期某作品に続きまたもやバットエンドかも!とかwいろんな可能性が頭の中を飛び交ってる状態ですw取り敢えずはチャンと納得できてしかも度肝を抜くw結末を期待しています、ではまた次回に
出遅れ妄想さんコメントありがとうございます!
>通して1回視聴のみの考察に成りますので多分に妄想全開な内容はご容赦くださいw
いえいえ、ご意見をいただけて助かります!
>エッグに成ってる人&石像に成ってる人
基本的に僕も同じ解釈ですね。
第6話ではアンチの登場でアイ達一旦撤退した際、ヤエがそのままエッグに戻っていましたし、チャンスは一回きりってわけではないのでしょう。
>主人公達は何を基準に選ばれた?
「石像となっている少女と友人である」という条件も追加したいところですが、自責の念、あるいは罪悪感の有無の影響もありそうですね。
>エッグ世界とは?
あー、リカは見ていないから海辺と花畑って感じになっている…というのはちょっと面白いですね。
もしかしたら、当事者同士の思い出とかも関係あったりするのかな…。
>沢木先生は?
まぁ、生徒に手を出しそうな人だと思いますよね(笑)
そうならない可能性も踏まえて予防線は張っていますけど(笑)
逆に善人だった時にどう展開させるかがちょっと気になる(笑)
>エッグ世界で人を救い続ける事で本当に石像は蘇るのか?
いやー、怖い予測をされますねぇ(笑)
ただ、野島伸司だったらそれもあり得るのかな…。
昔彼が脚本を手掛けた『世にも奇妙な物語』の短編を見たことあるんですけど、結構なバッドエンドだったし…。
まぁ蘇らないという結末も、シナリオ的にもありですね。
>主人公達が行っているのは一体何なのか?
「地獄巡り」という解釈は面白いですね。
だとしたらエッグの中の少女は助けられるのを待つ哀れな被害者というよりも、最大の禁忌を犯した罪人…って立ち位置といえそうですね。
だからこそ彼女達は罰を受けている…みたいな解釈はありだと思います。
アカや裏アカを閻魔と捉えるのも面白いですね。
個人的にどちらかが閻魔で、どちらかが菩薩って解釈するのもありかな(『蜘蛛の糸』です)
後、最近はエッグの中の少女と結託しているワンダーキラーが出てきているので、単純にトラウマの解消というわけでもなさそうですよね。
>ワンダーエッグ1~6話一気見感想w
確かに沢木絡みの諸々が悪化すると、アイと小糸の物語の結末がエグいことになりそうですね。
それにしても、ほんとに『ワンエグ』は沢木の立ち回りがカギになっているなぁ…(笑)
>結末を期待しています、ではまた次回に
改めてコメントありがとうございます!
またいつでもお越しください!
考察拝読いたしました。
最近一気観したところでこのサイトを見かけたところで、せっかくなので自分の見方を一つ。
個人的にはこちらの考察とは真逆に、アイの葛藤はこの回で全て終わったんじゃないかな、と。
というのも、これは思春期特有の思い込み(殻、あるいは貝)から何かが見えなくなっていて少女たちが可能性を閉ざされている→それを打破する物語、なんじゃないかと6話を見て感じました。
沢木に関しては、大人というものは汚いものなのだ、という直感から桃恵という親しい人間からの証言を否定するような感じでしたが、ヤエという見えないものを見えると言い張って歓心を得ようとする少女を通して自分の「固定観念」に気づいたんじゃないでしょうか。
小糸が泣きついていたのはあくまで沢木が人生を賭けた絵で落選していたから。
小糸が恋心(自分のエゴ)でアイからモデルの座を奪った結果落選した、という後悔で泣いていた。
実際がどうあれ、少なくとも「小糸の死の原因」であるが故に目をそらしていた自身の恋心を自覚したアイは、それが自分の考えを曇らせていたことに気づいた感じですかね。
で、自分は悩まずにあるがまま、見たままを受け止めよう。つまりヤエと視点を共有したアイは、空想であっても確かにそこに怪物を見ていたんだ、とヤエを否定せず包み込む。
得てしてこの手の虚言は誰かの関心を得るためのもの。親とのトラブルがやはりあったのでしょうか? とにかく、アイに認められ優しさを受け取ったヤエちゃんはいわゆる成仏をした(→アイテムが残る要因)。
現実世界に戻ったアイはフードの無い服を着込み、先生の足ではなく、大きく見上げて先生の「顔」を直視した。こうしてアイは先生に対して……また学校で起きたこと、家で起きたこと全てをあるがままに見ようと変化した。
……まあ、小糸の下りはかなり恣意的な解釈をしておりますが、このあたりの解釈が正しければアイの葛藤は全部終わりなんじゃないかなーと。
小糸が生き返るか生き返らないか、については自分も生き返らないと思っています。
この話はあくまで少女たちが自分の可能性を閉ざす思春期特有の思い込みと向き合い過去の傷から巣立つ話だという解釈です。
転じて、ヤエのように小糸たち「生き返らせたい人」も、自分たちの想いと決着をつけることで成仏する流れと予想しています。
ワンエグは一見悪意や悲惨な境遇にフォーカスした作品ですが、それはあくまで少女たちの視点から見た嫌な現実で、その殻を破る存在(友達)と出会うことで自身の可能性に気づき巣立っていく……という善意の物語だ! というのが自分の今の結論です。
gatoさんとは真逆のような解釈で、どちらが当たっているか、あるいはどちらも外れているのか、楽しみながら今後も追いかけていこうかと思います。
名無しさんコメントありがとうございます!
コメントは書き手が承認しないと反映されないので、一時的に見えなくなっていただけですのでご心配なく。
>これは思春期特有の思い込み(殻、あるいは貝)から何かが見えなくなっていて少女たちが可能性を閉ざされている→それを打破する物語、なんじゃないかと6話を見て感じました。
なるほど、興味深いご意見です。
思春期特有の思い込みの影響で葛藤の対象の本来の姿が見えなくなってしまい、それが原因で閉塞している状況を打破していく…。
いうなれば、卵(貝)の中にいるのは他ならぬアイ達自身ではないか…といった感じでしょうか(僕なりの解釈です)
>沢木に関しては、大人というものは汚いものなのだ、という直感から桃恵という親しい人間からの証言を否定するような感じでしたが、ヤエという見えないものを見えると言い張って歓心を得ようとする少女を通して自分の「固定観念」に気づいたんじゃないでしょうか。
確かに沢木はアイやリカが持っている偏見の影響で悪役的な描かれている節がありますね。
それもあって沢木が悪役だと断言しにくかったのですが…。
ただ、後述のヤエの絡め方がお見事で、得心がついた部分がありました。
自分の固定観念=偏見に気づくことで、閉塞的な状況を払拭するという流れは筋が通っていますし、物語としても興味深いです。
>小糸が泣きついていたのはあくまで沢木が人生を賭けた絵で落選していたから。
恣意的とおっしゃっていましたが、個人的にその解釈は結構アリな気がします(笑)
だとしたら沢木がアイに気をかけていたのは、小糸がアイを想っていたことを知っていたから…なんて解釈にも派生させられる気もします。
まぁこの解釈を出すと沢木=悪人説が一気に崩れるんですが(笑)
>現実世界に戻ったアイはフードの無い服を着込み、先生の足ではなく、大きく見上げて先生の「顔」を直視した。こうしてアイは先生に対して……また学校で起きたこと、家で起きたこと全てをあるがままに見ようと変化した。
ヤエの解釈も含め、非常に面白い視点でした。
特に学校に行ったアイと沢木のやり取りに関する解釈は得心がつきました。
少なくとも沢木を悪役にしてしまう固定観念からアイが脱したと捉えるのが、今はベストだと思います。
ただ、名無しさんの解釈を踏まえるなら、ここでアイの葛藤が全て終わりというよりも、「小糸や沢木、何より自分から目を逸らさなくなった」という新しいフェーズに入ったと考えた方がしっくりくる気がします。
つまりアイに関する葛藤が全て終わったのではなく、葛藤を終わらせるうえで障害となっていた要素を解消した…って感じでしょうか。
そもそもアイの葛藤は学校に行かなければ解決の糸口が見えないものであり、自分の気持ちや沢木、小糸のありのままと向き合ううえでも引きこもりの状態は脱しなければならないですからね。
確かにアイが学校に行けた段階で葛藤が終わった感じもしますが、この終わり方だとアイの葛藤の根底にある小糸と向き合ったというより、単純な自己解決になってしまう気がします。
だから個人的にはアイの葛藤が終わったというよりも、「葛藤を解消する準備が整った」と見たいところです。
>この話はあくまで少女たちが自分の可能性を閉ざす思春期特有の思い込みと向き合い過去の傷から巣立つ話だという解釈です。
名無しさんの解釈が一番しっくりきますね(笑)
僕としても単純に蘇らせるよりも、自分の過去や葛藤と向き合い、それを解消していくことが『ワンエグ』の主軸と思っています。
まぁ本当に蘇らせる展開も面白そうといえば面白そうですけど(笑)
>ワンエグは一見悪意や悲惨な境遇にフォーカスした作品ですが、それはあくまで少女たちの視点から見た嫌な現実で、その殻を破る存在(友達)と出会うことで自身の可能性に気づき巣立っていく……という善意の物語だ!
思えば『ワンエグ』を「こんな物語だ」と総括するようなことを書いていなかったな…。
基本的に最終話まで見ない限り総括はやらないタイプなんですが、名無しさんとの間に齟齬がないように仮定のものをひとまず書いてみます。
アイ達のような作中に出てくる少女はいずれも葛藤を抱え、傷を負っているために殻に隠れているような状態です。
そして作中における本当の友達とは、その殻を破り、これまでの葛藤や過去から巣立つきっかけをくれる存在なのでしょう。
しかし、その巣立ちは恐らく選択を伴うものです。
巣立ちは彼女達にとって必要なことであり、解決の糸口です。
ちゃんと巣立つには、自分にとって居心地のいい場所、立ち位置、捨てたくない感情、そして友達ですら、連れていくか手離すかを選ばなければなりません。
だからちゃんと選ばなければならない、明確な優先順位(プライオリティ)をつけて。
それに伴う葛藤や苦悩も生じるだろうけど、それでも選ばなければならない。
『ワンエグ』は巣立ちに伴う選択の問題、つまりプライオリティを巡る物語ではないか…といった具合でしょうか。
『デジモンアドベンチャーtri』のラストで太一が「僕達は選ばれるのではなく、選ばなきゃいけない」みたいなことをいう場面があるのですが、それに近い感じでしょうかね。
ちなみに『ワンエグ』における自害は、葛藤や過去による感情的な激昂に囚われるあまり、選択(巣立ち)ができなかった少女の末路と捉えています。
…とりとめがなくなりましたが、ひとまずこんな感じでしょうかね。
正直名無しさんの解釈に引っ張られている節がありますが(笑)
名無しさんの「善意」というまとめ方はかなり好きですが、個人的に「プライオリティ」という言葉を引っ張りたかったので、この解釈にしています。
まぁこっちもこっちで恣意的に解釈していることもあるので、ひとまず仮定で(笑)
考察拝読しました。
私は先生絡みは単純に、
自分が学校にいく⇨先生が家に来る理由がなくなる⇨先生と母親をとりあえず引き離せる
という考えに至って思わず走り出したのだと思ってました。
先生に学校に行くところを告げる部分で、顔が赤いのは直前まで風呂に入ってて外との温度差にふらついただけ。
顔が晴れやかなのは、自分が少し勇気を出せば現状を変えられることに気がついたから。
現状だとまだ解釈の仕方はいろいろあると思いますが、先生がどこか不穏すぎて主人公が恋心を抱いてたら嫌だなという個人的な願望も入ってます。
どちらにせよ平和に終わることを祈ってます。 笑
だいだらぼっちさんコメントありがとうございます!
>自分が学校にいく⇨先生が家に来る理由がなくなる⇨先生と母親をとりあえず引き離せるという考えに至って思わず走り出したのだと思ってました
アイ自身が多恵との間に蟠りがあったようなので、沢木と多恵を引き離すという意図がある可能性はありそうですね。
ただ、アイが家を出る前のやり取りで沢木への恋心が指摘されていた以上、個人的にはそこを拾いたいところです(笑)
>顔が晴れやかなのは、自分が少し勇気を出せば現状を変えられることに気がついたから。
この点は全く同意です。
沢木への恋心の有無に関わらず、アイからしたら現状を変えた大きな一歩には変わりないですし、その事実が彼女を高揚させていると捉えるのは自然でしょう。
>現状だとまだ解釈の仕方はいろいろあると思いますが、先生がどこか不穏すぎて主人公が恋心を抱いてたら嫌だなという個人的な願望も入ってます。
この気持ち、すごいわかります(笑)
確かに沢木は存在が不穏過ぎて、単純に悪役にするには躊躇いが出ちゃうんですよね(笑)