▼真の最終回(特別編)の記事はこちら
皆々様こんにちは。
『ワンダーエッグプライオリティ(以下『ワンエグ』)』担当のgatoです。
前回はラスボスと思しきフリルが登場し、アカと裏アカの過去が明らかになりました。
退屈しのぎで作った理想の少女がとんでもない悪意を振りまく存在になった過程は…なかなかハードでしたね。
他方でメチャクチャ風呂敷を広げてきた『ワンエグ』ですが、なんと今回で最終回!
一体どうやって終わらせるのか、気になって仕方がない(笑)
早速振り返っていきましょう!
目次
分裂
冒頭では固い絆で結ばれたはずのアイ達4人が分裂する様が描かれました。
お助けキャラの命をハイフン+ドットに奪われ、しばらく凹みまくっていたリカと桃恵ですが、彼女達との関係がすっかりこじれてしまします。
リカは彼女らしく怒り心頭で、マンネンの仇を取る気満々。
復讐心に憑りつかれたことにより、裏アカの手でエッグ世界に入れないようにになります。
対して桃恵は戦士としての使命をかなぐり捨て、戦わないと宣言します。
おまけに最初に友達になったアイに八つ当たりをする始末…。
タヒの恐怖で友人関係や自分の想い、苦悩など何もかもがどうでもよくなったような感じがしますね。
他方でねいるの方は相変わらず。
元々不愛想な彼女ですが、リカや桃恵の変貌に対しても終始落ち着いています。
てっきりアイと協力してフリルと戦うのかと思いましたが、アイの小糸への想いを聞くだけで特別なことは何もなし…。
ここまで来るとねいるはどちらかというとアカ・裏アカよりの立場で、状況の推移をただ見守っているだけのような感じがしますね。
もう一人の私
今回登場したエッグの中の少女は…まさかのアイ!
正確にはパラレルワールドから来たもう一人のアイです。
寿の話がまんまで出てくるとは(笑)
別の記事では散々あの世がどうこうと行っていましたが…ここまでドストレートだとは(笑)
一体何が起こったのか、振り返っていきましょう。
救われなかったあい
今回登場したもう一人のアイは小糸に会えないまま、いじめを苦にして自ら命を絶った経緯を持っていました。
まさにアイのイフ(もしも)というわけです。
最終的に自害したということもあって(恐らく睡眠薬を飲んだうえでの入水)、もう一人のアイは小糸と出会う前のアイのように鬱屈した雰囲気を漂わせてましたが、アイの強さに目を輝かせるところを見るとパーソナリティはやっぱり共通しているようですね。
そして、そんなこんなでアイと分かり合ったもう一人のアイですが、最終的にはキララをかばって片目を失い、そのまま灰になってしまいます。
この片目を失う描写ですが、個人的には「アイの中にあるタヒの誘惑を取り去ること」のメタファーのような気がします。
怪物沢木が見せた幻覚の中で、彼はアイに大人の愛の汚さと子どもの愛の美しさを語りますが、その際アイにタヒを勧めるところではアイの青い方の目(失った目)が映されています。
単純な解釈ですが、金色の目は工口ス、青色の目はタナトスを示しているのでしょう。
終盤でアイは工口スの戦士となることを決意していることから、片目を失うのはまさにタナトスを乗り越えたアイを示唆しているのでしょう。
実際、もう一人のアイが片目をあっさり奪われるというショッキングな場面に遭遇し、涙を流しつつもアイは桃恵やリカのように完全に絶望していません(レオンの命を奪われずに済んだのも大きいでしょうけど)。
結末こそ惨いですが、アイはまだ工口スの戦士として戦う余地をしっかり残しているといえそうですね。
大幸せ
前々回で沢木から小糸の自害の真相を聞いたはずなのになかなかそれが明かされずにやきもきしていますが…個人的に小糸にまつわる描写で気になるポイントがいくつかありました。
一つ目はもう一人のアイと小糸を含めた友達の話をする際、アイが涙を零したこと。
二つ目は幻とはいえ小糸がアイに積極的にタヒを進めてきたこと(そして小糸の手を離したこと)。
三つ目はねいるが小糸に関する話でアイに「嘘の友達でも?」と尋ねたこと。
ここまでを統合すると…小糸は最終的にアイを嫌っていたのではないでしょうか。
もちろん最初は善意で接近し、友達と思っていましたが、代わりにいじめられた小糸をアイは救わなかった。
それに沢木を好きになったけど、肝心の沢木は多恵が好きで、そしてその娘のアイを大切に想っていた。
おまけに沢木が進退をかけた絵のモデルに選ばれたのはアイだった。
うーん、まぁ状況的に憎んでいる可能性はありありですね。
だからこそ沢木は小糸の話をほとんどしなかったともいえますし。
別の記事で小糸がアイへ言い放った台詞への違和感を語りましたが、ちょっと現実味を帯びてきたな…。
いずれにせよ、これを念頭に置いたうえでアイの「感謝の気持ちを伝えたい」という言葉はかなり大きな意味を持つと思います。
これまでのアイはどちらかというと自分を助けてくれた唯一の親友だからこそ小糸が好きだったという感じですが、今回のアイは例え小糸の嘘だったとしても、それを飲み込んだうえで感謝ができる寛容さを持ち合わせています。
それだけ彼女は「あい」を知り、大人になったということでしょうかね。
ママに会いたい
今回印象的だった場面はアイと多恵の描写でした。
まず、もう一人のアイがアイを多恵と重ねる描写。
以前アイが髪を縛った姿が多恵と瓜二つだったことを踏まえると、アイは意図的に多恵に似せられていることが窺えます。
つまり彼女の中に多恵がいるということですね。
そうなると「やっぱり大事なのはお母さん」みたいな面白くない解釈をしてしまいそうになりますが…個人的にはここに「大人」という文脈を入れたいところ。
先に結論をいってしまうなら、今回のエピソードは「大人を許す」ではないでしょうか。
確かに多恵は家族、母親というエッセンスが強い人物ですが、今回はなぜか沢木が延々と「大人の愛と子どもの愛の違い」を語るなど、どちらかというと「大人」に関する台詞が多い感じがします。
これを踏まえて多恵を見ると、個人的に腑に落ちる解釈があります。
そもそも親は人生で初めて見る大人なんです。
家族というフィルターがあるからこそ忘れがちですけど、親も一人の大人であり、女(あるいは男)なんです。
今回の物語は多くのワンダーキラーがそうだったように、汚い大人がわんさか登場しますが、(少なくとも)アイ達の目線から見た親もそっち側の存在だったのでしょう。
少なくともアイは沢木との交際を発表した多恵に反発心を抱きますが、これは惚れていた沢木を取られたというよりも、リカのように多恵が母親ではなく大人の女に見えてしまったことが影響しているのかもしれません。
怪物沢木がいった「ママだって他人だよ」という台詞がそれを端的に示していますね。
しかし、アイはもう一人のアイとの対話を通じて多恵が自分に注いでくれた愛情を知り、彼女を「大人」として応援することを決意します。
これは好きな沢木にさえ疑念を抱いていたアイが大人を許した瞬間といえるのではないでしょうか。
そしてそれによって大人への一歩を踏み出せたからこそ、アイは多恵と重ねられるのでしょう。
怪物沢木
これまで散々ラスボス扱いされていた沢木ですが、結局ただいい人だったので一安心…と思いきや、まさかまさかのワンダーキラーとして登場!
テレビ放送が最終回だったことも踏まえると、本当にラスボスとして登場しやがったわけです(笑)
おまけに外見は首の付け根に絵具のチューブが直接生えているという奇天烈極まりない姿。
もうここまで来るとネタですよねぇ(笑)
冗談はさておき、ワンダーキラーとして登場した怪物沢木は厳密にいうと沢木ではなく、アイの中の疑念が生み出した存在です。
そもそもアレが沢木の正体だったら流石に多恵を応援できないですからね(笑)
それにアイは怪物沢木を終始沢木と認めていないですし。
なかなかインパクト抜群の怪物沢木ですが、アイともう一人のアイを狙って暴れただけでなく、大人の汚さと子どもの純粋さと説き、自害するように勧めてきます。
さきほども触れましたが、怪物沢木は徹底してアイが嫌う汚れた大人を振る舞うことで、アイの多恵への、ひいては大人への不信感を増長させることが目的だったのでしょうね。
ひまりを救うためならば
前回のエピソードで過去が明らかになったアカと裏アカですが、今回はアカの暗い一面が垣間見えました。
裏アカの指摘によると、アカはもはやフリルへの復讐心すら持っておらず、ひたすらひまりを蘇らせるために動いているとのこと。
つまり彼の行動原理は大切な友達を蘇らせようとしたアイ達に近いというわけですね。
ただ、アイ達は大切な友達を蘇らせようとする過程で様々な人に出会いますが、アカは徹底してアイ達を利用し、彼女達がどうなると気にかけない様子すら見せます。
いってしまえば、アカはアイ達を犠牲にしてひまりを蘇らせようとしているわけです。
ただ、作中のやり取りを見る限り、裏アカはリカがエッグ世界に入れないようにするなど、アカのためにアイ達が犠牲になるのを防ごうとしているようですね。
この様子を見ると、アカと裏アカはその内対立しそうな予感がします。
後、アカがひまりの蘇生にこだわっているとしたら、大切な友達が蘇ると言う設定はペテンでない可能性がありますね。
エッグを割る
今回のエピソードで個人的に印象に残ったのが、アイがもう一人のアイを助ける場面です。
怪物沢木の言葉を振り切り、アイが全力で世界を割ってもう一人のアイの下へ駆け付けますが、あの様はまさに「エッグを割る」行為そのものと解釈できます。
端的にいうなら、エッグを割るという行為は自分の苦悩や葛藤で殻に閉じこもり、そのままタヒの誘惑に引きずられていく人を殻を破って助け出すことってところでしょうか。
それはまさに卵のように殻を破って生まれること…つまり工口スを示しているといえそうです。
2期の可能性&未回収の伏線
今回が最終回の『ワンエグ』ですが…案の定ちゃんと終わっていない!(笑)
エヴァでさえも終わったというのに!(笑)
こうなるとやっぱり2期があるのか…と思いきや、6月に特別編の放送が決定されたようで。
『血界戦線』や『BEATLESS』のように最終回は別枠でやるって感じですね。
ただ、特別編で色んな伏線回収できるのか(笑)
個人的に回収してほしい伏線は以下の4つ。
・小糸の自害の真相
・ねいるの妹
・そもそも桃恵が沢木の姪である意味
・アイがいった「パラレル」という世界
うーん、この段階で結構盛り沢山なんですよねぇ(笑)
30分で回収できるとも思えない(笑)
一体どんなまとめ方をしてくるのか…6月まで末永く待ちましょう(笑)
『ワンエグ』第12話(最終話)感想
特別編の作成が前提の最終回なのでいささか尻切れトンボ感はありますが、アイと多恵の間にあった蟠りを解消するエピソードとしては申し分ない仕上がりではないでしょうか。
個人的に「大人」という文脈を突っ込むと色々広がって面白かったです。
まぁでもやっぱり気になるのが特別編!
ここまで不可思議極まりない物語をどうやって落着させるのか…。
6月を待ちましょう!
▼ワンエグの記事はこちらにまとめてあります!
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コメント
毎度考察を拝見させてもらっています。gatoさんのように多角的にアニメを見れるのすごいですよね!すごいな~…
最終回も野島節全開でしたね(笑)。沢木や多恵に関連するアイの降り積もった想いが解放されるような描写には圧巻でした。また、総じて相川奏多さんの新人離れした演技にはとても驚かされました。大谷育江さんのベテランぶりがわかる怪演もきいていてゾッとしましたし、声優陣や作画のクオリティに圧倒された一クールでした……6月が待ちきれませんね。
さて、今回見ていて思ったのですが、前々から伏線はあったとはいえ、どうして急にパラレルアイが登場したのかな?と感じました。gotoさんも仰っていたように寿の発言からわかることはあったにしろ、こんなに直接絡んでくるのかな?と。あまりにも突然過ぎない?と思ったんですけど、それについてわたしなりの考えです。無理があるしベタな考察ですけど、「なんかやってんなーこいつ」くらいに見てください。
ワンエグは心理学や精神病理学と絡んだ考察をされがちなので、わたしもちょっと調べてみました。そこで、フロイト氏、ユング氏とならぶ心理学者、H・エリクソン氏の供述に興味深いものを感じ、そこから引用します(ほぼwikiの知識ですが(-_-;))
エリクソン氏は人間の自我の発達を段階的に示した社会心理発達論で有名です。そのなかの区分で、アイたちの年齢である十四歳は「対立する同一性の拡散」を心理課題としています。難しくてよくわかりませんが、わたしなりにかみ砕いて解釈してみれば「自分が自分である理由と意味がわかんない」「自分がどこまで自分でいられるか不安」みたいな状態のことだと思います。これを煩わせると、精神病、神経症の悪化、最悪自殺へと繋がるみたいです。この同一性拡散に対する反応として、「Refuser」=「拒否」、「Drifter」=放浪、「Searcher」=探索、「Resolver」=解決、の四つがあげられます。もしこの同一性拡散がタナトス、しいて言えばフリル一味のメタファーだとするのならば、「拒否」は桃恵、「放浪」はリカ、「探索」はねいる、「解決」はアイを示しているのではないでしょうか?お助けアイテムの死から、外部を拒絶する桃恵、仇を取ろうと憎悪を強ませもがくリカ、そんなふたりにどうするでもなく困惑するねいる、自分なりの救いを見出そうとするアイ。まあだいぶ無理はありますけど…
同一性拡散がタナトスのあらわれであるのならば、自我同一性そのものはパラレルアイと考えられませんか?いじめを受け自殺したアイはタナトスに導かれている=自我同一性が心理不安をもたらし拡散されていくことのメタファーなのかなって。
gatoさんのとおり、アイがアイを守るために青い目を犠牲にしたのも、自らの生と死に向き合うことを意味してるのかなーなんて…
こじつけ、ベタの過ぎる考察でしたが、こんな考えもあるんだ程度に見ていただけたら幸いです。。。
菜々緒みたいな容姿で生まれたかったさんコメントありがとうございます!
>声優陣や作画のクオリティに圧倒された一クールでした
声優陣に関しては僕も印象的でしたね。
仰る通り主演の相川奏多の拙さが残る演技はかえってリアリティを鮮明にしていましたし、大谷育江も不気味さを多様に演じ分けていて、とても印象的でした。
『ワンエグ』はキャスティングの妙が光っていましたね。
地味にワンダーキラーの配役も豪華でしたし。
>H・エリクソン氏の供述に興味深いものを感じ、そこから引用します(ほぼwikiの知識ですが(-_-;))
エリクソンの名前を聞いたことあるくらいで全然知らないんですよね。。
なので仰ることに便乗しながらお返ししますね(笑)
>難しくてよくわかりませんが、わたしなりにかみ砕いて解釈してみれば「自分が自分である理由と意味がわかんない」「自分がどこまで自分でいられるか不安」みたいな状態のことだと思います。
僕も実際の著述を読んでいるわけではないので、ちゃんと適切な意味・文脈に沿えてお返しできるかはわからないのですが…。
個人的には「アイデンティティが社会・大人との摩擦で分解するために再構築しなければならない状態」って印象ですかね。
こう捉えると『ワンエグ』のキャラクターに一応はめられる気はします。
まぁ王道といえば王道の解釈ですね(仰るところのベタの過ぎる考察笑)。
ただ、仰る通り今作は心理学ネタを振りまいている感じがするので、エリクソンを引用すること自体はありだと思います。
>「Refuser」=「拒否」、「Drifter」=放浪、「Searcher」=探索、「Resolver」=解決、の四つがあげられます。
アイと桃恵のはめ方には同意ですが、個人的には探索がリカで、放浪がねいるですね。
リカは父親を探すエピソードがまさに探索的ですし、彼女はある意味自我の地盤がしっかりして、それを正しいと証明してくれる何かを探している印象のキャラクターなので、漠然とさまよっているイメージはないですね。
むしろ放浪はスーツケース片手に移動するねいるがしっくりくる感じがします。
それにねいるは家族がおらず、アイ達が感じる苦悩に共感できないなど、通常の14歳が持っているべき地盤が欠けているので、根無し草的な印象もあります。
>いじめを受け自殺したアイはタナトスに導かれている=自我同一性が心理不安をもたらし拡散されていくことのメタファーなのかなって。
もう一人のアイが分裂したアイデンティティー=自我と捉えるのは面白い解釈ですね。
タナトスに導かれたもう一人のアイを受け容れることでタナトスを克服するという構図はなかなか理に適っています。
そう考えると第12話は自己の他者化することで自己の救済を図る物語と捉えられそうです。
huluでの配信で気になって、イッキ見してしまいました!さすがトレンディードラマの帝王こと野島伸司さん脚本の作品ですね、毎回続きが気になって仕方なかったです。個人的には推しのリカちゃんが半闇堕ち状態になったのが悲しくて…家庭環境と言いアイドル時代の境遇といい自傷癖といい、ただでさえ不幸な人の多いこの物語でも一、二位を争う壮絶な人生を送っているリカちゃん。特別編で桃恵ちゃんとの仲直りや万年の敵討ち成功などの活躍に期待です。
さて、気になる点があるんですけど、まずひとつはねいるちゃんのことについてです。人工授精で誕生したというのもあり、アイちゃん、リカちゃん、桃恵ちゃんとは違って母親が出てくる描写もなかったですし、妹の謎も解き明かされていません。さらに、エンディングの流れてくる絵のなかでも、違和感を感じました。「アイちゃんと小糸」「リカちゃんとちえみ」「桃恵ちゃんとハルカ」という主要キャラ+石像になった少女たち、という構図の絵が連続して出てきますが、「ねいるちゃんと妹」だけはありません。妹ってほんとに実在するんですかね?石像も布で顔が隠れていて視認できなかったですし。それに、目の色。緑色で、こフリルや小糸と同じなのも気になるところですよね。緑って、「青」と「黄色」が混ざってできる色だから、アイとの関連性も感じます。
あと、「父親」。多恵や千秋、桃恵ちゃんの母親(名前わからん笑)は登場するのに、設定で父親の存在をぼかしている印象がありました。言わずもがなリカちゃんやねいるちゃんの父親についてはわからないですし、アイちゃんの父親も物語には登場してないですよね。多恵と離婚してからも、日常的にアイと会っていることを仄めかす会話も作中にありましたが、そのようなシーンもないじゃないですか。くわえて、桃恵ちゃんについても父親の描写はありません。たとえば第10回で、夜遅く、母親とふたりだけで夕食を食べているシーンに違和感をおぼえます。そりゃ仕事がいそがしくていないとか、たまたま未登場なだけとも考えられますが、こうも「父親」が徹底して物語に介入してこないと桃恵ちゃんにも何か事情が…!?と勘ぐってしまいます。沢木先生がもし父方の叔父だとするのならば、桃恵ちゃんの父親が登場していないことにも納得がいくんですけどね… なんでこうも「父親」の存在がぼかされがちなんでしょう?
…なんてダラダラ妄想を垂れ流してたらこんな長文に(笑)ごめんなさい!
特別編楽しみですね、6月が待ち遠しいです!(祝日のない6月がこんなに楽しいのははじめてかも笑)
市川市さんコメントありがとうございます!
>ただでさえ不幸な人の多いこの物語でも一、二位を争う壮絶な人生を送っているリカちゃん
確かにリカはそこそこダーティーな環境で生きてきたので、報われて欲しいですね…。
それにわりと素直なアイ達と違って、リカはあまり本音を口にしないので、これまでの人生で起こったことを彼女がどう感じていたかも知りたいところです。
>さて、気になる点があるんですけど、まずひとつはねいるちゃんのことについてです。
確かにねいるは終盤で大きく立ち位置が変わりましたし、妹の件も色々伏せられていて気になるキャラクターですね。
個人的にねいるはアカや裏アカとのつながりがあったことから、意外とフリルに近い人物なのかなと感じたり…。
>なんでこうも「父親」の存在がぼかされがちなんでしょう?
実は市川市さんと同じような観点を僕も持っていました。
特別編を見てから結論を出そうと想っていたので、イマイチ固まっていないところがありますが…。
抽象的な捉え方になりますが、作中における「父親」は「大人」「男性性」といったものニアイコールだと思っています(ベタな見方ですが笑)
この「父親」は時に重大な承認をもたらす権力や、少女を傷つけ苦しめる暴力性を持っているものです。
だから作中のキャラクターは「父親」に愛されようとしたり(沢木に恋したアイや父を探すリカ)、あるいは「父親」にされてしまったり(男扱いされる桃恵)、あるいは「父親」から耐え難い暴力を受けたり(暴行された薫など)するわけです。
そしてその「父親」に求められ、愛され、傷つけられた少女の代表格がフリルというわけです。
そう考えると、『ワンエグ』は父親が介入しない物語ではなく、ただ父親に該当するキャラクターが少ないだけで、実は「父親」に介入されまくっていることがわかります。
加えて「父親」の影響に晒され続けている少女達がどうやって葛藤を解決し、傷を癒していくかがこの物語の本質といえるのではないでしょうか。
もうちょっと穿った見方を入れるなら、「娘」を求めてフリルを作ったアカと裏アカはある意味「少女」を求めてアニメを見ている我々視聴者に近いものだと捉えられます。
だとしたら、この物語を見ている我々もまた「父親」として、そして「視聴者」としてアイ達の物語に介入していると言えるかもしれません。
こんにちは。特別編の放送時刻が決定しましたね。最終回は一時間スペシャルということで、待ちきれません!
さて、一話を見返して気づいたのですが、エッグになにか刻印があるのに気づいたんです。たとえば西城くるみの場合、彼女のエッグにはk(?(96という文字が書かれています。
なんだこれ?と思ったのですが、どうやらこれ、換字式暗号と呼ばれる暗号らしいです。
そしてその暗号は、どうやらエドガー・アラン・ポーの代表作「黄金中」に登場するらしいのです。黄金虫…コガネムシ。一話でアカ裏アカがコガネムシに乗り移っていましたが、関連性はあるのでしょうか。また、コガネムシは古来からエジプト神話と関連して「復活、転生」のメタファーとして扱われているそうな。
何はともあれ特別編を待ちましょう。
阿佐ヶ谷兄弟さんコメントありがとうございます!
>なんだこれ?と思ったのですが、どうやらこれ、換字式暗号と呼ばれる暗号らしいです。
暗号の件については第1話・2話の記事でも触れましたが、エドガー・アラン・ポーが絡んでいるのは初耳でした。
冒頭でアカがコガネムシで出てきたのも、仰る通りポー絡みとみて間違いないでしょう。
実際第1話は小糸の蘇生ができることを知るエピソードでしたし。
というか、こんな小ネタが散りばめられていたのか…自分も勉強不足でした。。