ごきげんよう。もうすぐ4月、ぽかぽか小春日和が続き、自然と外出機会が増え始めた模造紙です。
アニメもクールが入れ替わり時期で、ひとつまたひとつと冬アニメが終わりを迎えていますね。
刻刻も無事に結末に辿りつき、最後の最後まで目が離せない展開に息をのむばかりでした。
ヒロインの思い切りの良さ、家族愛、じいさんと孫の絆など、日常のすぐそこにある幸せがいかに大切なのかを再認識されられます。
原作完結作品のアニメ化って、話の行く末はアニメで知れてしまうので、それ程原作読みたいな~とはならないのですが、刻刻は是非とも原作まで読んで、このディティールの凝った世界にもっと浸りたい――そんな気持ちにさせてくれる作品でした。
さて、考察記事最後となる今回は、唐突なチート能力キャラ・マリヤとは結局なんだったのか?について考えていきたいと思います。
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1話のアバンが最終話に繋がった
今期は、チートによる全面解決が流行っていますねww 笑
私が今クール執筆していた別作品でも、時空超越する能力者が登場し物語が収束するというオチでしたよ…!▼
ただ、刻刻の場合は1話の超冒頭部分でしっかりと伏線が貼られていたので、じっくり本編を見ていれば予想できる範疇の結末だっただけに、よく練られた構成だったとひたすら敬服するのみです。
おそらく、流れ的には
樹里はカヌリニになりかけたため他人の体内のカヌリニが察知できるようになった
↓
マリヤの体内に宿るタマワニを見つけて手を伸ばし、彼女を18時59分の止界に引き込んだ ※これが1話アバンの部分
↓
マリヤの力(彼女の体内のタマワニによる能力?)により樹里はカヌリニ化を免れる
(※ ストーリー中で彼女は名乗っていませんが、EDクレジットで「マリヤ」と表記されていたので当記事でもその名前で進めますね)
と言った感じになるのかな?
https://animedeeply.com/mozoushi/kokkoku/10968/
▲2話の考察記事で、彼女が止界術関連の人間で、じいさんが本石を発動したタイミングで止界に入ったのでは?と予想していたのですが、マリヤが止界に入った真相はハズレでしたね。
樹里がカヌリニの力で体内にタマワニを宿す人間を察知した(引き寄せられた)結果、マリヤと出会うことができたわけで、樹里のカヌリニ化も彼女が帰還するための綿密なストーリー構成の一部だったというわけです。
マリヤこそ佐河が目指していた存在では?
生まれながらに体内にタマワニを宿して、歳を取らす長い年月を生き続けて来たマリヤ。
自由に止界への出入りができて、「まだしばらくはこの時代にいるから」と、何なら生きる時代も選べるようなことを言っていますよね。
これって、佐河がなろうとしていた現実での止者化のことで、時間を止めることもできればその逆の加速も可能ということでは。
加速し続ければ人類の行く末まで見届けることが可能だし、現在は今の時代にいるけども、もし飽きたら加速して、マリヤの意識としては未来に移動するって解釈ができます。
佐河がなりたかった存在=マリヤで、樹里たちがあれこれ模索し攻防していた裏で、実は止界の始まりの存在が既にいたなんて凄い皮肉だなぁと感じますね。
しかもあんなサバサバした素敵な性格だから余計に… 笑
マリヤが石の発動タイミングで止界に入っていたら、すぐにゴタゴタは解決しただろうし、失われる命や損害も少なかっただろうに…と残念に思うのは詮無きことでしょう。
マリヤの旦那=実愛会の創始者
マリヤの旦那が石を作った止界術の始祖でした。
正しくは、特異体質のマリヤが窮地に陥ったところを救出し一緒に逃げたのが旦那(後の止界術の創始者)だったと。
恋に落ちた2人は、止界に一緒に出入りするようになり、いつしか男は止界の研究そのものに没頭するようになり200年近くをマリヤと生きたらしい。
生まれながらにタマワニを宿すマリヤとは違い、元は普通の人間で理性でタマワニを制御しても、マリヤと永久に一緒にいることは叶わなかったんですね…。
大円行記の詳細内容も、恐らくはマリヤのサポートがあってこそなのでしょう。
佐河は大円行記を、1300年~1800年代に同一人物が記述したと言っていましたが、書き終わりは没年代と一致していますが、創始者が200年生きたとすると書き始めが合わないんですよね。
頻繁に止界に出入りしていると、タマワニのほうが馴染むと佐河も言っていましたし、創始者もその状態で、マリヤのサポートもあって現実世界で止者化した期間がかなりあり、その期間で書いたということなのでしょうか?
スポンサーリンク石の中身は目玉だった!
最終話にして衝撃の事実が(笑)
結構わかりやすい演出で親切ですね!
▼片目を失ったリュウグウノツカイ(?)のような生き物と、
▼マリヤの過去回想で創始者の旦那が生き物の目を突くシーン
この目玉の持ち主――おそらく止界の主か上位のタマワニなのかな?
石そのものは核である目玉を守る器に過ぎず、動く世界と止界を行き来する媒介として「目玉」を使ったってことなんですね。
そもそも何のために本石や属石を作ったのかとか(止界研究と知的好奇心を満たすため?)、なぜ石を佑河、佐河、間島家に託したかの謎は分からずじまいで残念。
自分が作った止界信仰の団体に、そのまま本石と大円行記をセットで置いておくのを危惧して、他所に逃がしたってことでしょうか?
「ただいま」に全てが込められていた
きっと、このシーンが描きたくて紡いだ物語だったんだろうな…と思わずにはいられない、胸がギュッと苦しくなりつつも温かくなる素晴らしい結末でした。
何気なく言っている「ただいま」を言える相手と場所があることの幸せ。
サブタイトルの、「いっしょに帰ろう」も回収されて文句なしの最終回でした。
ずっと玄関で待ってるじいさんとか(寝てたけどw)思わず泣いてしまったじゃないか…!!
樹里だけが少しだけ歳を重ね、家族が一人増えて、とてもいい結末だったと思います。
佐河も現在は記憶はないにしろ、元の彼が本当になりたかった自分になって幸せな家庭で成長している描写が凄く良かったですね。
そして、止界でのあれこれを経て、翼がスーツ姿で脱ニートしていることもうかがえ、確実に佑河家に変化が訪れたというのが、1話の詰んだ感と比較すると何より喜ばしいことでしょう。
スポンサーリンク刻刻12話(最終回)の感想
1話の時点で止界に希望をなくして精神を手放しかけた樹里と、止界を出入りする元祖のマリヤが出会っていたんですね…!!
すごい演出だな…!!
見返したいけど、録画消しちゃったから円盤買うしか…。
1話でチラっと出た人物による全面解決で、見方によってはご都合主義とも言えますが、カヌリニ化BADよりもキレイにまとまっていて遥かにいいんじゃないかと!
瞬きする間もない程の瞬間に、登場人物それぞれの人生を左右する出来事と成長と変化がつまっていて、非常に感慨深い作品でした。
時計が刻まれることの嬉しさ、音が聞こえることの心地よさを噛みしめながら、佑河家はこれから動く世界で生きていくんですね。
佐河は樹里や佑河家の家族と共に、きっと真っすぐな人間として成長するのでしょう。
じいさんが活躍する作品は良作に違いないと思って見始めましたが、それどころか隠れた名作!
(キャラデザが地味なせいか何なのか、盛り上がりに欠けたイメージかあるので隠れたにしています 笑)
主要人物以外もモブのキャラ造形や設定も細かくて、かなり見応えがあった作品でした。
親父は育児担当なのかな?
人間的には疑問だけど、子どもたちにとっても良いじぃじなんだろうなぁ。
同じ作者の次回作も面白いと話題のようですし、こちらも映像化が期待できそうで楽しみです。
それでは長きに渡りお付き合いいただき、ありがとうございました!
また来期も考察記事を書きますので、良ければ読んでいただけると幸いです。
それではまた!
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コメント
刻刻の主人公樹里の声が安済さんなんですね。最終話の「暗いことは考えない」の声で誰かな?と観てなかったEDで不覚にもリコリコの安済さんと分かりました。良い声ですよね。千束とちょっと変えてるけど。
「刻刻」良い作品でした。ありがとうございました。