大赦のゼーレ会議にイライラがおさまらん…!
こんにちは! 結城友奈は勇者である(ゆゆゆ)3期担当の模造紙です。
11話はとうとう待望のクライマックス…! 勇者の章を巧みに補完した完全版と言える文句なしのシナリオでした。
それぞれのキャラの心理描写、特に東郷さんが真摯に友奈を想う気持ちや、世の中と友達を天秤にかけて最終的に世界を捨てる選択をするに至った友奈の気持ちの変遷がじっくりと描かれていて胸のすく思いでした。
“仕方がないこと”だからと、かけがえのない存在の犠牲を肯定してはいけない――そんな当たり前のことをダイレクトに問題提起してくれた興味深い構成だと思います。
というわけで今回も気になったポイントについて、さっくり語って参りたいと思います!
アニメ勢への大きなネタバレを控えての記事となりますので、ご了承ください。
目次
11話で登場した神婚の儀あれこれについて
自己犠牲は厭わずとも大切な友達が世界の犠牲になるのは看過できない東郷さん。
そんな彼女はとうとう神婚の儀に臨む友奈のもとに辿りつきます。
神婚が執り行われる場所は黄泉の国
ゆゆゆは装束や音楽、背景や心象描写など色んな箇所で和モチーフが使用されています。
そもそも大地の神である神樹様を信仰し、人類を滅ぼさんとすべく天の神を敵対させる点からも日本神話が頭を過ぎります。
東郷さんが水中(おそらく海の中)に潜る → でも呼吸ができるという描写から、友奈のいる場所は海底であり且つ神聖な空間だと予測できます。
また数多の怨霊的な何かがうごめいている点からは、ここが生者の存在する空間ではないと判断可能です。
つまり、タヒ者の世界の境界である黄泉の比良坂(海中)の潜った先に、海底の没後の世界である黄泉の国があるという解釈です。
日本神話だと、妻のイザナミがなくなったのち夫のイザナギが黄泉の国まで後を追っていくエピソードが有名ですね。
友奈は東郷さんは国造りをしたわけじゃないけど、実質この後に天の神を撤退させ神樹様の最後の力を借りて世界を復興させます。
なので、ある意味国を創造し直したとも言えるんですよね。
その点ではイザナギイザナミの神様と類似していると考えられます。
大赦はやっぱりエゴまみれだった
1人の少女の尊い犠牲により多くの人類は神樹様の一部となって永らえる――クソ大赦の女の子ひとりに全てを押し付ける安定の無能っぷりが今回も炸裂でした。
冒頭では馬鹿丁寧に口上を並べ立てるも訳すると「万策尽きた。神官では太刀打ちできん。ワンチャン勇者を生贄に人間辞めて生きてこ」なわけで、大赦のトップは何処までいっても身勝手でこの時点ではもう諦めてるんだなってのがヒシヒシと伝わってきました。
そんな中でも、安芸先生だけは義務と責任だけで生きているように見えても心は勇者に寄り添っているのが感じられ、最後まで神婚の儀に疑問を抱きつつ抵抗を試みようしているのが見ていて辛かったです…。
「私が我慢すればそれでいいから」に込められた問題提起
大赦のクソ上層部だけでなく、実際問題、学校でも社会でもコミュニティ間ではエゴや私欲や打算はそこかしこに塗れていて、逃れることは不可避なわけですが、神婚の儀に限っては全ての責が友奈ただ1人に押し付けられた形となっていて「仕方ない」「我慢するしかない」で済ますには到底できないレベルです。
神婚の儀に臨む友奈が悲痛に絞り出した「私が我慢すればそれでいいから」は、ゆゆゆのテーマ全て凝縮したような言葉だと感じます。
世界の存続と自身の命を天秤にかけて自己犠牲を選択することは絶対的に正しいと思わせる風潮とか、お願いや委ねると言った一見優しい投げかけだけど実際には断る選択肢を与えていないとか、「No」と決して言わせないプレッシャーを与え続けて我慢を強いているという異常さったらない。
しかも他者は悪くなく選んだのは自分だから責を負うのは当然であると思わせる点も、この世界の道徳性の悪しき部分が凝縮されたと言えるでしょう。なんのパワハラだよっていう。
「私が我慢すれば」の気質は友奈だけじゃなく、同一の存在である高嶋さんも同様で諍いや争い事を避けるために自分の意見や意志を敢えて出さないようにしてきたといいうくだりもありました。
周囲が安定的に循環するために無意識のうちに自己を抑制して来たとしても、ここぞという節目(今回でいうと世界のために自己犠牲を選んだ)の我慢が本当に正しいかどうかはわからないってことなんですよね。
だけど結局どっちの選択が正しいかは選んだ時点だと誰にも判断できず、今回の展開的には歴代勇者の力が終結して、最後、神樹様が考え直してくれて友奈に力を与えてくれたから事態は好転したけど、そうじゃない結末も当然有りえたわけです。
「私だけが我慢すればいい」というマイナスな選択は結果的に成功したとしても後味が悪く、今回で言うと実質は時間稼ぎだから神婚成立したとしてもまだまだ課題は当然つきまとうし、多分一定の期間を経た後に天の神の再攻撃があって日本全土壊滅する未来も遠くないでしょう。
それこそ、大赦のミジンコみたいなプライドを守るために人々はうどん粉化するリスクを背負い、人類視点では何もメリットなかったよねっていう結末になりかねない(笑)
周囲の空気を察して上手く立ち回れる人はコミュニティでは歓迎されるし世渡り上手と言われるのも事実。
「仕方がない」「我慢すればすむ」に逃げると思考を止められてラクだけど本当に大切な人、大事な友人や家族が手を差し伸べてくれた時に、嘘偽りなく本音を明かすのは意外に難しい――けどここぞという正念場には全てをさらけ出す勇気が必要である。
そんなメッセージ性が神婚の儀における友奈と東郷さんのやり取りから感じられました。
友奈と東郷さんは困難を乗り越えてまた深い絆で結ばれたというわけですね…!!とうとう誰も間に割って入るスキがない笑
牛鬼の正体
高嶋さんは牛鬼として友奈を見守っていた
2期放送当時から疑問視されていた牛鬼の正体問題。
以前の記事でも高嶋さんの姿を変えたのでは?と触れていたのですが、
精霊たちが消えるなか牛鬼だけは消滅せずにいるくだりとか、高嶋さんが現れてからの「行こう」でフュージョンする流れなどなど。
これは実質、高嶋さん=牛鬼だったと言えるのでは…!!
つまり友奈と友奈が合体してアルティメット友奈になったという…!
牛鬼も最後は消えてしまいますが、ずっと精霊の姿を借りて友奈のことを見守ってくれてたと思うと涙が。
補足しておくと匂わせたに留まらず明言したわけじゃないので完全に明らかになったとは言えないんですよね。
ただ勇者の章よりも遥かにヒントは明示したと思うので解釈と想像に委ねますってやつでしょう。
結城友奈は勇者である(ゆゆゆ)3期11話感想
クライマックス部分は一度勇者の章で見てるしそこまで引き込まれないやろと高を括ってたら……最高かよ! ありがとう!おかえり!!!
大切な人を失わないために運命を変えるとか、諦めないとか、言葉にすると超安直なんだけど、歴代勇者の苦悩や希望とか、人としての道を進みたいとか神様に人を信じて欲しい気持ちが入り交じってめちゃめちゃ涙してました…!!
銀のサポートはじめ、
今まで生きて来た歴代勇者たちや巫女たちの力を集結した色んな思いが詰まった勇気のバドン、「勇者パンチ」も最高にカッコ良かったです!!
安易なネーミングだけどこれほどしっくりくる名づけはないですよね!
これまで頻繁に登場していた青い鳥の正体のヒントも明示してくれていて良い演出でした。
さて、次回はとうとう“これから”の物語。
最終回だけど実質完全な続編なのでめちゃくちゃ楽しみです! 平和な日常を是非ともお願いします(願望)
それでは次回もお会いできますように!
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