こんにちは、ウロコです。
今期「賭ケグルイ」を担当させて頂く運びとなりました。
暑さがうっとおしい季節になって参りましたが、夏バテに負けないよう頑張って参りたいと思いますので、よろしくお願い致します。
ではさっそく「賭ケグルイ」第1話。物語は主人公、蛇喰夢子(じゃばみ・ゆめこ)が私立百花王学園に転校して来る所から始まります。
一見すると世間知らずなお嬢様風の夢子。
しかしその清楚な仮面の下に彼女が隠していたのはとんでもない狂気。
サブタイトルどおり、この蛇喰夢子がどんな女かを、分かりやすく叩き込んでくれた1本でした。
今回中心になっていたのは、夢子とクラスのボス的存在・早乙女芽亜里(さおとめ・めあり)との勝負。
作中でも解説がありましたが、ここで改めてこの「投票じゃんけん」勝負を振り返ってみたいと思います。
スポンサーリンク投票じゃんけんのルール
- 参加者の2人を除いた生徒は、白紙のカードに「グー」「チョキ」「パー」の3つの手から1つを選んで記入し、投票する。1人1枚。
- 参加者は投票箱からそれぞれ3枚のカードを取る。カードに書かれている手は見えないので、選べない。
- 3枚のカードから1枚ずつ出し合い、じゃんけんのルールで勝負を決める。あいこが出たら、残った2枚から出し合う。
ポイント
- 通常のじゃんけんと違い、3つの手すべてが使える訳ではない。
- 箱の中のカードには、3つの手が均等に入っている訳ではない。
早乙女芽亜里のイカサマの手口
生徒たちが記入する手によって、箱の中のカードの種類には偏りが出るのがこのゲームのポイントです。
そしてクラスの生徒たち30人のうち21人は芽亜里の手下状態。これにより、芽亜里はゲームを支配下におくことができます。
- 投票する生徒たちに密かに指示を出し、箱の中の手を恣意的に偏った状態にする。
- 例として、箱の中身が「グー」と「パー」ばかりの場合、「パー」を出しておけばまず負けない。
イカサマを見破った夢子の考え
まず、芽亜里が50万円の勝負の際、2回続けてパーを出したことから、投票を操作していると考えました。
(※芽亜里はこの時、箱の中身がほぼグーとパーだけになるよう操作していたと思われます)
次に、芽亜里がどうやって生徒たちに指示を出しているか消去法で消して行きます。
- 予め決めておく→規則性はない×
- 芽亜里が合図を出している→不審な動きや音はない×
- 芽亜里以外に合図を出している者がいる○
そして、生徒たちの視線から鈴井が合図を出していると読み、鏡を使って自分の背後に立つ鈴井の動きから芽亜里の指示を読み取ったという訳ですね。
わずかな手がかりを元に相手の手の内を読む知能の高さ、観察力の鋭さ、冷静さ。
ここぞのタイミングでハッタリをかませ、相手の気持ちにゆさぶりをかける豪胆さ。
しかしそれだけでは、蛇喰夢子という女は語れません。
夢子の語る賭けの本質
狂気こそ賭け事の本質だと夢子は言い切ります。
生きるのに必要不可欠なお金はある意味では命と同義。だからお金を賭けるのは、命を賭けているのに等しいのだと。
遊びで命運を天に任せるのだから、これほど酔狂なことはないと夢子は言います。
人間というのは不思議なもので、余りにも平穏な日々が続くと、生きているという実感を失くして精神を病んだりすることがあります。
大切なものを、失ってからその価値に気づくように、命の危険にさらされて、初めて命の大切さに気づき、自分が生きていることを実感できるということもあるのでしょう。
絶叫マシンやバンジージャンプに、何故多くの人が集まるのか。より危険なチャレンジを求めてエクストリームスポーツに挑む人々を駆り立てるのは何なのか。
人は敢えて、命を危険に晒したい。それも一つの本能なのでしょう。
そして、無理に体を張らなくても、自らの命を危険に晒し、スリルを味わうことはできる。
それが、命の代わりにお金を賭けることだと、夢子は知っているのです。
本能の奥底でスリルは快楽へと変わり、より強い刺激を求めて、彼女は危険な勝負に挑む。
快楽をとことん味わい尽くそうという、その貪欲さはまさに蛇。
早乙女芽亜里はなぜ負けたのか
夢子が純粋に、心の底から「楽しむ」ために賭けていたのに対して、芽亜里には別の目的がありました。
彼女からはある意味、怖い道の人に近い感覚を感じます。
その道のプロは、決して自分たちが損をするような真似はしません。確実に、カモからお金をむしります。時には、特定のターゲットを意図的にハメたりもします。
お金が欲しいというよりは、借金を背負わせて弱みを握り、支配するのが目的です。
楽しみではなく、一種の「仕事」として賭けに勤しんでいた。
相手が鈴井くんのような素人なら、手も足も出なかったことでしょう。
しかし夢子は、芽亜里の想定していた「素人」ではありませんでした。
純粋に「楽しむ」ことを目的にした夢子に比べれば、「仕事」として「勝つ」ことを目的としていた芽亜里は、勝負に賭ける熱量の差で、既に負けていたのかも知れません。
確実に勝てる「イカサマ」に逃げている時点で、夢子とは覚悟が違いました。
スポンサーリンク第1話「蛇喰夢子という女」感想
第1話にして「私、地道に働いて稼ごう」と思いました。
ある意味、大変教育に良い内容かと思われます。
多分この作品の登場人物で最も人として真っ当なのは鈴井くんです。
そしてそんな真っ当な人は、絶対にバクチでは勝てないという事がとってもよく分かりました。
賭け事は、運が無ければ勝てません。しかし運だけで勝てるようなものでもありません。
鈴井くんじゃなくても、夢子を見れば「自分には絶対こんな真似はできない」と思ってしまいます。
素人は、賭け事でお金を儲けようなんて間違えても考えてはいけないのですね。
しかしこの学園には、私や鈴井くんのような小心者とは一味もふた味も違う曲者たちが他にも大勢いるようです。
確実に負ける勝負はしない=相手のイカサマは許さない。
確実に勝つ勝負もしない=それでは「スリルを味わう」という彼女本来の賭けの目的を果たせない。
そんな夢子が次に勝負を挑むのはどんな相手なのでしょうか。楽しみですね。
スポンサーリンク
最新情報をお届けします
Twitter で2017春夏秋冬アニメ考察・解説ブログをフォローしよう!
Follow @anideep11