皆々様こんにちは。
『機動戦士ガンダム水星の魔女(以下『水星の魔女』)』担当のgatoです。
前回はミオリネとシャディクのいじらしくもほろ苦い関係が描かれました。
これまで腹の底を見せなかったシャディクでしたが、前回でちょっとした失恋を味わった様を見て、結構印象が変わりましたね。
さて、今回はベネリットグループ内の内紛がいよいよ本格化するようです。
何が起こったのか、じっくり振り返りましょう。
目次
スレッタの青春
今回はスレッタ絡みでさまざまなシークエンスが描写されました。
リストは埋まっていく
後半があまりに不穏すぎるので、最初に微笑ましい場面から掘り下げていきましょう。
今回はスレッタがリストを順調に埋めていく場面が描かれました。
みんなで株式会社ガンダム(部活)をやったり、「スレッタ忘れった」というしょうもないジョークで友達を笑わせたり、おそろいのキーホルダーをミオリネにプレゼントしようとしたり…。
『ゆりかごの星』でも見せていた、憧れの青春を精一杯謳歌している感じですね。
ヴァナディースの絆
株式会社ガンダムの設立以降、ペイル社の窓口のような立ち位置になっているベルメリアですが、わりとスレッタ達の仕事にがっつり関わっていましたね。
ニカの代理として義足の調整も行うなど、なんか出向してきた社員みたいでした。
そんな彼女ですが、スレッタに医療工学を学んでいた過去を明かしており、株式会社ガンダムでの仕事を心から楽しんでいましたね。
そもそもヴァナディース機関はガンダムという兵器こそ作っていましたが、カルドをはじめとするメンバーは医療工学としてのGUND技術を重視している節がありました。
第8話の記事でも記載しましたが、ガンダムという兵器としてGUND技術が使われている状況はカルド達の夢を歪ませている状況でもありました。
ベルメリア自身も強化人士を何体も使い潰してファラクトを開発することに後ろめたさを覚えている節もありました。
そんな彼女にとって株式会社ガンダムの仕事に関わることは、自分の夢を取り戻す行為でもあり、同時にこれまでの行いに対する代償行為でもあるんでしょうね。
ところで、ベルメリアとスレッタが会話する場面はちょっと胸に来るものがありましたね。
世界から否定された魔女同士が、途絶えた夢を蘇らせようとしている…。
故人となってしまったカルド達が知ったら喜ぶかもしれません。
他方で、ベルメリアはスレッタの存在自体は知っていましたが、あまりプロスペラについて尋ねたりはしていなかったですね。
というか、スレッタからしたらベルメリアは「ペイル社」の人間か…。
ベルメリアがスレッタにプロスペラとの関係を話していないことが示唆されていますが、彼女がプロスペラに触れないのは、復讐をあえて隠そうとする優しさからくるものでしょうか。
一方で前回スレッタがエアリアルを覚醒させたこと自体は気にしている…。
地味にベルメリアが重要なポジションに立ちつつある気がしますね。
強化人士5号
久しぶり復学した「エラン・ケレス」…ついにオリジナルが来たかと思ったら、以前存在が示唆されていた強化人士5号のようですね(以降「5号」と呼称します)。
5号は4号とは違って社交的でありつつも腹黒い性格であり、どちらかというとオリジナルに近いタイプです。
実際ニューゲンも選んだ理由が「オリジナルと同じ性格の悪さ」と言っちゃっていますしね笑(というか、わりとニューゲンはオリジナルとフランクに話せる立場なんですね)
そして5号の仕事は株式会社ガンダムのテスターとして入り、内部の情報を取りつつスレッタを手籠めにする…という感じでしょうか。
まぁさすがにスレッタも変化に気づいていましたが…個人的にちょっと怖い展開が来そうな予感もしますね。
後述しますが、今回スレッタはミオリネと致命的なすれ違いを経験しますが、これには彼女が大切な人間に対する依存度の高さが一因です。
そして現在の彼女の大切な人間は復讐を目論みスレッタを明らかに利用している節があるプロスペラと、共感性がイマイチ低く大人になる道を選んだためにすれ違っているミオリネ。
もし何かのきっかけで両者に依存できなくなった場合、わりと高確率でスレッタは5号にいっちゃいそうな気がするんだよなぁ…。
もちろんそれでハッピーエンドを迎えることはなく、かつて親交を深めた4号の真実を知る…。
こうなるともう絶望しかない(笑)
ただ、個人的にスレッタを利用する気満々の5号に対し、第7話でミオリネの頑張りを認める節があったオリジナルがベビーターンする展開もあったりしそう…。
そしてオリジナルが4号のように本気でスレッタに惚れる…可能性はさすがに低そうですけどね(笑)
個人的にオリジナルってシャディクに近いタイプの印象なんですよね。
大局を読み、非情な判断も下し、時に他人を平然と利用できる「大人」寄りの人間。
というか、ミオリネの頑張りを認めていたところを見ると、むしろ彼はミオリネにいきそうなんですけどね(笑)
ミオリネの青春
今回はミオリネも色々あったので、順番に振り返ってみましょう。
父娘の交わり
前半ではミオリネがデリングに業務連絡をしている場面が描かれましたが、デリングの変化が如実に描写されていましたね。
あれだけ威圧的だったデリングの変化は第7話の記事でも指摘していましたが、今回の描写を見ていると上司としてちゃんとミオリネを監督している様子が窺えます。
というか、サリウスとラジャンのやり取りから察するに、デリングはやはりTPOが揃えばガンダム、ひいてはGUND技術を復活させる考えがあったようですね。
むしろ兵器としてのガンダムを否定し、医療技術としてのGUND技術は認めている…という感じかな?
ガンダムやGUND技術を監査するカテドラルやドミニコスを動かさないところを見ると、デリングの中ですでにガンダムは危険因子から外れつつあったりして…。
ただ、世界に強烈な呪いを残したGUND技術を有効的に活用する存在を見いだせなかったからこそ、これまで徹底して否定的なスタンスを取っていたのかもしれません。
となると当初プロスペラに対してガンダム否定の態度を取った理由が気になりますが…まぁプロスペラは腹黒さがにじみ出ているからなぁ(笑)
冗談はさておき、あれだけ強権的だったのに決闘でグエルが負けたらあっさり諦めるところを見ると、プロスペラが出てきた段階から誰にGUND技術を託すべきか見定めようとしていたのかな…。
もしかしたらプロスペラがヴァナディース機関出身者であることもそれとなく察知しているかもしれませんね。
いずれにせよ、デリングのGUND技術に対する態度の軟化は、そのままミオリネとの関係性にも変化を齎しています。
しかし後述するように、デリングの命を狙う計画は既に動いていました。
そしてデリングはプロスペラと謎の接触…。
こりゃ11話と12話は大荒れしそうですな…。
ところで、Twitterなどで「デリングがやたら老けているのは宇宙放射線の影響では?」と指摘する声がありますが、個人的には非常に興味深い意見です。
だとしたら、デリングがGUND技術を否定しないスタンスとそれとなく通じますからね。
あと、個人的にはミオリネの母…つまりデリングの妻が命を落とした理由も絡んでいるのかな…と思っていたりします。
宇宙議会連合
今回は久しぶりフェンとグストンが登場し、2人が「宇宙議会連合」の関係者であることが明らかになりました。
第2話の記事で2人はアーシアン関係の勢力ではないかと推測しましたが…思いっきり外れた(笑)
宇宙議会連合が具体的にどういう組織かは不明ですが、名前からして地球・宇宙にある各国家の連合体みたいな感じでしょうか。
雰囲気的には『ガンダム』シリーズにおける地球連邦や地球連合みたいですが、「宇宙」と名を冠していることを踏まえると、必ずしも地球よりの組織ではない雰囲気もあります。
ただ、気になるのは第2話でのフェンの「宇宙には新しいルールが必要」という発言です。
そもそもフェンとグストンはベネリットグループにおいて最も重要な存在であるミオリネを地球へ脱出させようとしていました。
利害が一致しているとはいえ、これは実質的な拉致も同然であり、彼女の存在が総裁の地位を左右する以上、ベネリットグループに対して大きな打撃を与えることにもなりかねません。
つまりフェンとグストンの行動はベネリットグループそのものに対する攻撃にも等しいわけです。
おまけに2人は地球に決して肩入れしているわけではない…下手したらスペーシアンである可能性もあります。
これまで自分は今作を地球VS宇宙という構図で見てきましたが、宇宙議会連合が宇宙・地球の二項対立に留まらない組織だった場合、作中の対立構図はより複雑なものになりそうです。
いってしまえば、一企業グループを政治的組織が揺るがそうとしているわけですからね。
今作は資本主義的社会が加速した結果、最先端の技術と莫大な資金力を有する企業が肥大化したような世界を描いていますが、フェンとグストンの目的はベネリットグループを揺るがすことで既存の社会構造を転倒しようとしている…。
今のところそんな印象がありますね。
そうなると、宇宙議会連合がガンダムをどう捉えるかによって政局が大きく変わる気がします。
今のところフェンとグストンはミオリネの敵ではないと明言していますが、彼女らがどう立ち回るかに注目です。
夫婦はすれ違う
ここまで順風満帆に見えたスレッタとミオリネですが、終盤では二人がすれ違う場面が描かれました。
原因はミオリネがスレッタの負担を考えて温室の管理を業者に委託したり、もう一人のテスターをエランに任せたり、エランとのデートをOKしたことなどでした。
スレッタからしたらこれまで自分に頼ってくれていたミオリネが急に自分を切り離したように感じたのでしょうね。
それこそオジェロ達が予見していたように、ミオリネが「遠く」なったわけです。
ただ、ミオリネの振る舞いは決して彼女がスレッタを遠ざけようとしたものではないことは自明です。
明言していたように、ミオリネなりにスレッタにかかる負担を減らしたかったでしょうし、エランとのデートをOKしたのも、スレッタがエランを慕っていることを知っていたからでしょう。
何より自分との婚約でスレッタを束縛したくないという気持ちがあったのかもしれません。
それにスレッタがいち早くエアリアルと再会できるように取り計らうなど、ちゃんと彼女の気持ちを汲んでいる節もありました。
そもそもミオリネは第8話での言動でわかるように、物言いがストレートなうえにやや共感性が低い一面がありましたが、今回のエピソードで着実に他人の機微を理解できるようになっていることが窺えます。
しかし、今回はそんなミオリネの言動がスレッタにとって逆効果となってしまっていました。
この原因は、残念ながらスレッタの未熟さにあるでしょう。
第8話でのプロスペラとのやり取りからわかるように、スレッタは一途でお人好しな分、大切な人を盲目的に信頼してしまう傾向があります。
だからこそ忠犬のように相手に頼られることを喜んでしまう。
裏を返せば、相手に頼られる形でしか愛情を確認できないわけです。
そんなスレッタにとって、ミオリネが自分に頼らなくなることはこの上ない苦痛なのでしょう。
いってしまえば非常に依存しやすい性格なわけですね。
正直、このパーソナリティはプロスペラの教育による影響があるのでしょうけど、スレッタの置かれていた状況を考えると致し方ない部分もあります。
『ゆりかごの星』での描写も踏まえると、水星は一歩間違えればすぐに命を落とす厳しい環境であり、おまけにスレッタとプロスペラは住人達に歓迎されていなかった。
そんなシビアな状況で生き残るには、いかに「誰かの役に立てるか」が重要だったはずです。
誰かの役に立たないと認めてもらえない…そんな状況とプロスペラの教育の結果、スレッタは周囲の人間の役に立ち、認められることでしか愛されていると感じられなくなったのかもしれません。
第2話で退学の危機に瀕した際、孤立した彼女が打ちのめされてしまったのも、誰かに頼らないと自分を保てない脆さが露呈したからでしょう。
そう考えると、少し意地悪な見方ですが、今回描写されたスレッタとミオリネのすれ違いは、成長していないスレッタと成長しているミオリネのズレを示唆しているといえます。
大切な人を盲目的に信じる子どものままでいるスレッタと、対立や猜疑を繰り返しながらも他人を受け入れる大人になる道を選んだミオリネ…致命的な衝突は次も起こるでしょうね。
こうなるとスレッタがポンコツだと批判されてもおかしくはないですが…個人的に同情の気持ちを隠せません。
だって学校はおろか、同年代の友人すらいない世界で生きてきたスレッタにとって、アスティカシア高等学園はフィクションでしか味わえない夢そのものです。
だからこそ、スレッタは健気に「やりたいことリスト」を埋めていくことを生き甲斐しているわけです。
せめて年相応に堪能したいじゃないですか…。
ただそれも、スレッタが自身やエアリアルにまつわる呪いを知らずに生きてきたからできること。
残念ながら、彼女が夢から醒める時が近づいているようですね…。
ボブのこれから
ホルダーからホームレス、そしていじめられっ子になったグエルは前回父親から退学と子会社への赴任を申し渡されていましたが…。
なんと本当に退学+就職!
おまけに名前を「ボブ」に変えていました。
ラウダやペトラが行方を知らないところを見ると、どうやらグエルは何も告げずに退学して就職したようですね。
というか、名前がボブになっているのは、恐らく名前を変えさせられたんでしょうかね。
そりゃ親会社の御曹司が子会社に入ってくる時点でざわつきますし、ヴィムからしたらもうジェタークの名前で行動してほしくないでしょう。
そうなると、グエルは完全にジェターク家から絶縁された状態ともいえます。
まぁジェターク家、あるいはヴィムの存在は良くも悪くもグエルに制約を課していましたし、これまで御曹司の立場で好き勝手やってきたツケもありますから、この展開自体はグエルにとっていいきっかけになるかもしれません。
それに、ある意味グエルは一番最初に学園を卒業したキャラクターと捉えられますからね。
別の言い方をすれば、彼はメインキャラクターの中で一番最初に大人になる道を選んだといえるかもしれません。
ところで、ラストでグエルはフォルドの夜明けの強襲に巻きこまれるという最悪な事態に陥っていましたが…シャディクの独断である可能性が高いとはいえ、この日にプラント・クエタに行くことをヴィムは把握していなかったんでしょうか…。
まぁサリウスにがさつ者と称されるヴィムですから、うっかりしていたんでしょうけども…グエルがヴィムと決別するきっかけになりそうですね。
他方で、もしかしたらシャディクが意図的にグエルを巻き込んだ…なんてこともあり得そうですね。
シャディクはグエルを味方にしようとしていましたし…彼の目的を踏まえると、今のグエルは有用的な感じはします。
デリングを排除せよ
今回はデリングを排除する計画が着々と進行する場面が描かれました。
シャディクの暗躍
第1話時点からデリングの命を狙った計画は度々浮上していましたが、今回はヴィムだけでなくサリウスやシャディク、そして「フォルドの夜明け」なる武装組織までが加担する規模が大きいものになりました。
サリウスからしたらガンダムやGUND技術を解放する動きを見せたことがデリング排除を決意させるきっかけになったようですね。
ただ、個人的に驚いたのがシャディクがサリウスやヴィムとはまた別の思惑を以て参入した点です。
いやー前回の記事でシャディクについては色々掘り下げてはいましたが…。
正直、予想が外れました(笑)
個人的にシャディクはベネリットグループの勢力図を動かして権力を得ようとしていると考えていましたが、実際はグループそのものの解体を狙っていました。
まぁ確かに頑なにガンダムを拒絶するサリウスには批判的でしたが…まさかグループそのものの解体を狙っていたとは…。
そうなると、シャディクの目的は単純な出世競争に留まらない、かなり苛烈なものである可能性が高くなります。
実際、終盤でシャディクは恐らく独断でフォルドの夜明けを動かしていました。
おまけにフォルドの夜明けが使っているMSはガンダム…つまりシャディクはサリウスが忌避するガンダムすら手駒にしていることがわかります。
この時点でシャディクはサリウスとは別の思惑で動ていることがわかりますね。
うーん、フォルドの夜明けについては後述するとして、現状シャディクについて気になる点は2つです。
まずチーム・シャディクについて。
前回触れたように、チーム・シャディクの面々は決闘において味方の犠牲を厭わないかなりシビアな戦いぶりを見せていましたが、シャディクの野心を知ったうえで従っていたなら納得です。
ビジネスではなく、軍事的にグループの解体を狙うなら、命を捨てることすら想定した戦法は必要でしょう。
それだけ彼女達がシャディクの野心達成に期待をかけていることが窺えます。
また、チーム・シャディクの面々はシャディクのハーレムというより、彼と目的を共有した同志のような関係の印象がありました。
コメントでも触れた方がいましたが、彼女達がシャディクと同じ施設出身の孤児ないし、同じような境遇の可能性は高いでしょう。
さらにシャディクはアーシアンで構成されていると思しきフォルドの夜明けを味方につけています。
つまり彼の仲間は孤児やアーシアンなど、作中の社会において地位が低い立場の人間達で構成されている可能性が高いわけです。
第8話でもシャディクが非主流派であるミオリネやグエルを取り込もうとしていた点に触れていましたが…。
そうなるシャディクにとってグループの解体は単純な出世願望というよりも、社会を支配する上流階級を一掃し、格差そのものを転倒させようとするものである可能性が高そうです。
つまり、物凄く端的にいうなら…シャディクの目的は「革命」なのではないでしょうか。
そしてもう1つの気になるポイントが、シャディクの野心において、ミオリネはどのような地位を占めているか…です。
前回も散々触れましたが、彼女を愛しているが故に身を引こうとするなど屈折こそありましたが、シャディクはミオリネにかなり本気で惚れています。
そんなシャディクがミオリネの父であるデリングの排除とグループの解体を行おうとしている。
うーん、ミオリネを前提にするとシャディクの心情が色々面白そうになるんですよね。
個人的にシャディクはデリングみたいにミオリネを大切に思うあまり手元に置いておこうとしているタイプだと思っていましたが、こうなると前回のように彼がミオリネを手元に置こうとしていたのは、自分の行動に巻きこませないためである可能性が高そうですよね。
グエルになら任せておけると思ったのも、その事情が絡んでいるからかもしれません。
それに、デリングやベネリットグループはミオリネを制約し続ける厄介な「呪」縛でもあります。
もしかしたら、シャディクからしたらグループの解体はデリングの排除やミオリネを自由にするための一手…である可能性もありそうですね。
まぁシャディクにしては少しロマンチシズムが過ぎる気がしますが…前回のミオリネへの未練を見せていた彼が、ドライにデリングの命を奪えるとも思えない…。
うーん、まぁミオリネに完全にフラれて吹っ切れた可能性もあるから、何ともいえないんですが。
ただ、シャディクのミオリネへの想いはサビーナ達も知っていましたし、ミオリネのことを頭の片隅に置いてはいそうなんですよね。
フォルドの夜明け
今回恐らく一番皆さんの度肝を抜いたのが、「フォルドの夜明け」の登場でしょう。
地球(それも日本!)に基地を持つ、アーシアンで構成された謎の武装組織。
普段からシャディクの依頼を受けていたことが示唆されていましたが、非常に謎です。
ただの傭兵かと思いきやなんとガンダムを所有しているうえに、魔女の存在も知っているなど、作中の世界の裏事情にかなり深く加担していそうですね。
ひとまず現段階でわかる情報を整理してみましょう。
まず、アーシアンの組織にガンダムがあるという事態は、個人的にはそこまで違和感を覚えませんでした。
『PROLOGUE』の記事でも触れましたが、そもそもヴァナディース機関の親会社であるオックス・アース社はアーシアンの企業であり、ナディムを始めヴァナディース機関アーシアンと思しきメンバーが在籍していました。
つまりガンダムやGUNDフォーマットはむしろアーシアンが発展させた技術であり、それを有しているアーシアンがいても不思議ではないわけです。
おまけにラストで搭乗した2体のガンダムの名前はそれぞれ「ガンダムルブリスソーン」・「ガンダムルブリスウル」とのこと。
ド直球で『PROLOGUE』に搭乗したガンダムルブリスの後継機っぽいですよね。
だとしたらフォルドの夜明けはヴァナディース機関と繋がっている可能性が高いわけです。
ただ、個人的には医療技術としてのGUND技術を重視していたヴァナディース機関というよりも、軍拡の一環として機関を買収したと推測されていたオックス・アース社の残党がベースになっている印象がありますが…
他方で、彼らの拠点が潰れた学校で、野営用テントや畑があることを踏まえると、必ずしも裕福な集団ではない印象があります。
遊んでいる子ども達もいましたし、そこまで過激な集団ではない感じですね。
シャディクの依頼を受けて非合法なことに手を染めつつ、アーシアンを守っている自警団みたいな組織の可能性もありそうだな…。
一方、今回はシャディクのスパイをしていたニカがフォルドの夜明けの一員と思しきナジの関係者であることが明らかになりました。
シャディクが「お父さん役」といっていたところを見ると、ニカはソフィやノレアと同じような立場である可能性が高そうですね。
ってことはガンダムについてある程度知り得る立場でもあったわけで…。
でもエアリアルの技術を100%把握している様子はなかったしな…彼女がフォルドの夜明けの関係者ならガンダムを知らないはずないし…。
後、個人的に気になったのがソーンとウルに乗っていたソフィとノレアです。
彼女達がどういう出生なのかはまだ不明ですが…ガンダムに乗っているとき、彼女達の顔にパーメットリンクの紋様が浮かび上がっていなかったですよね。
21年経ってもパーメットリンクの問題を解決できていないと思しきペイル社と違い、フォルドの夜明けはその問題を解決していることを示唆しています。
つまりソーンとウルに使われているGUND技術はエアリアルと同程度の可能性が高いわけです。
ただ、ガンダムの名を冠しているだけのパチモンの可能性もゼロではないので…もう少しソーンとウルの描写を見ないとわからないですね。
というか、そもそもシャディクは密かにヴァナディース機関かオックス・アース社の生き残りを囲っていたのか…。
シャディクがガンダムに強い関心を持っていたのはそもそも手元にガンダムを有していたからなんでしょうね。
そしてプラント・クエタへ
さて、次回に向けて改めて状況を整理しましょう。
事態はファーストシーズンのクライマックスに向けて動いています。
デリングがプラント・クエタに行くタイミングを見計らい、サリウスとヴィムは彼の排除を計画。
シャディクもそれに参加し、フォルドの夜明けを動かし、グエルが巻き込まれた…。
そしてエアリアルを取りに行くために次回スレッタとミオリネがプラント・クエタに行くことが示唆されています。
一方、デリングはプラント・クエタでプロスペラと接触していました。
株式会社ガンダムが設立され、ガンダムやGUND技術が世界に広がりつつある中でのプロスペラとの接触…絶対これメチャクチャ重要な会談ですよね。
となると、やはり注目せざるを得ないのがこれから起こる事件におけるプロスペラの立ち位置です。
第7話時点でプロスペラはラウダを通じたヴィムから再度接触を受けていますが、結局取引は行っていないような感じでした。
それにガンダム嫌いのサリウスがプロスペラを積極的に利用するとも思えない。
とはいえ、目の前にヴァナディース機関を潰したデリングがいる以上、プロスペラが何もしないとは考えにくい…。
順当にいけばプロスペラはサリウスやヴィムとは組まず、シャディクと結託して動いていて…謎のガンダムを有しているフォルドの夜明けのバックにはプロスペラがいる…という具合でしょうか。
ただ、この推測は現時点で断定ができません。
確かにプロスペラは『ゆりかごの星』で地球圏に行っていることが示唆されているため、フォルドの夜明けと関係を持っている可能性はあるでしょう。
しかし、ガンダムについて詳しいはずのシャディクやニカ達がエアリアルの原理を理解している様子がない。
実際ニカはエアリアルの構造を知りたがっていましたしね。
ソーンとウルがエアリアルと同じ技術を使っているなら、彼女達が知らないはずがありません。
それにスレッタやエアリアルの存在を織り込み済みなら、シャディクももっとスムーズに彼女達を手中に収めようとするでしょうしね。
だとしたら、プロスペラはフォルドの夜明けに関わっていない可能性が出てくるわけです。
実際ベルメリアのように、プロスペラとは別にGUNDフォーマットやガンダムを持ちこむ人物がほかにいても不思議ではないですし、プロスペラもベルメリアをコントロールしているわけではありませんでした。
うーん、プロスペラは魔女を炙り出そうとしている節があったし、フォルドの夜明け自体には関わっていなくても、登場してくることを予見していた可能性はありそうですね。
ただ、デリングの排除というヤバすぎるイベントにせっかく表舞台に出つつあるガンダムを関わらせるっていうのもな…。
正直、プロスペラの立ち位置はまだちょっとよくわかりませんね…。
というか、個人的にラストでプロスペラがデリングを「デリング・レンブラン」と、フルネームかつ呼び捨てにしていたことが気になるんですよね。
あの時点の二人はベネリットグループの上司と部下というよりも、より私的な関係で向き合っていた印象があります。
だとしたら、次回でプロスペラがついに正体を明らかにするのだろうか…。
『水星の魔女』第10話感想
いやぁメチャクチャ濃厚なエピソードでしたね。
ファーストシーズンのクライマックスに向けての下準備でしょうけど、シャディクが暗躍するわ、新しい組織が出てくるわ、新しいガンダムが出てくるわで人間関係も勢力図も一気に複雑化してきた印象です。
正直、この記事でちゃんと整理できているかわからない…。
ミスがあったらぜひご指摘ください(笑)
ところで、次回のサブタイトルの『地球の魔女』ですけど、誰を指す言葉なんでしょうね。
もちろん次回予告のナレーションをやっていたソフィや、彼女と一緒にソーンとウルに乗っているノレアを示す可能性が高いんですが、個人的にガンダムと関わりを持っていると思しきニカも候補に入るんだよな…。
つーか、ニカってかなりヤバい組織の一員であるっぽいし、今後かなりシビアな立場に立たされそうですよね…。
おまけにアーシアンがデリングの排除に加担しているとなれば…。
いよいよアスティカシア高等学園での楽しい学園生活に終止符が打たれる予感がします…。
いずれにせよ、次回は必見ですね。
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