皆々様こんにちは。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』担当のgatoです。
長らく間が空いてしまいましたが、ようやっと『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の公開が決まりましたので、それに合わせて『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(以下『Q』)』のおさらい記事を投下したいと思います。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』で最も賛否両論となったといっても過言ではない『Q』ですが、一体どんな作品だったでしょうか。
それでは、早速振り返ってみましょう。
目次
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』とは
―――YOU CAN(NOT) REDO.
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の第三作として公開されたのが『Q』ですが、色々話題があったことでも有名な作品でした。
元々発表されていたタイトルは序・破・急に合わせた『急』でしたが、それが『Q』に変更、さらに前作から5年のインターバルを終えて公開…とファンを焦らしまくっていました(『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』ほどじゃなかったけど笑)。
おまけに実際公開されるや否や、その内容は賛否両論…絶賛とブーイングが乱立する問題作となりました。
個人的には『エヴァ』らしいなと思ったんですがね(笑)
喝采と困惑を一身に浴びた『Q』は良くも悪くも、世間の注目をより多く集めることになった作品といえます。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』ネタバレあらすじ
それでは『Q』のあらすじをタームごとに区切ってみてましょう。
プロローグ
衛星軌道上でミサトが主導する「US作戦」が決行。
エヴァンゲリオン改弐号機に乗ったアスカ、エヴァンゲリオン八号機に乗ったマリはEVANGELION Mark.04「コード4A」と「コード4B」の妨害を受ける。
コード4Aは撃退したものの、途中高度不足でマリが離脱したために、アスカは単機でコード4Bと戦う羽目になる。
アスカは苦戦するも、途中で強奪目標の封印物が覚醒し、破壊光線でコード4Bを破壊する。
それにより、アスカは封印されていた初号機、そしてシンジの強奪に成功した。
He was aware that he was still a child.
目覚めたシンジはミサトが率いる組織「ヴィレ」に拘束されていた。
しかし、再会したミサトやリツコ達ネルフの面々の只ならぬ雰囲気にシンジは戸惑いを覚える。
そんな中、「コード4C」がヴィレを襲撃するも、ミサトはAAAヴンダーを発進させ、とりついてきたコード4Cを撃破する。
窮地を脱した後、シンジは初号機を覚醒させる危険因子としてDSSチョーカーを付けられ、監視下に置かれることとなる。
さらにシンジはアスカから最後の戦いから14年が経過していたこと、エヴァンゲリオンのパイロットはエヴァの呪縛で外見が変わっていないこと、レイがすでに存在していないことを告げられる。
その矢先、Mark.09がヴンダーを襲撃。
ミサトやアスカ達の急変にショックを受けていたシンジは、レイの声に導かれるままMark.09に同行する。
ミサトはDSSチョーカーを起動させようとするが、できなかった。
Don’t Be
Mark.09に連れられてネルフ本部に到着したシンジは、ゲンドウやレイと思しき人物と再会するも、彼らは何も語らなかった。
しかしピアノの連弾をきっかけに、シンジは謎の少年のカヲルと親睦を深めていく。
ある時、カヲルはシンジに14年前に起こったことを語る。
第10の使徒との戦いでシンジはニアサードインパクトを起こしてしまい、それが引き金になって発生したサードインパクトによって世界は荒廃してしまったのだ。
さらに、シンジは冬月から母のユイがエヴァンゲリオンの制御システムとなっていたこと、再会したレイ(以下「レイ(仮)」)が別の複製体であることを告げられる。
衝撃的な真実を知り、シンジはすっかり塞ぎ込んでしまう。
ゲンドウの計画に必要なエヴァンゲリオン第13号機が完成するも、シンジは搭乗を拒否する。
だがDSSチョーカーを外し、自分に装着してみせたカヲルの説得を受け、シンジは落ち着きを取り戻す。
カヲルに「世界が修復できる」と伝えられたシンジは、彼と共にエヴァンゲリオン第13号機に乗り込む。
最後のシ者
「槍」を引き抜くため、シンジとカヲルは第13号機に乗り、Mark.09に乗るレイ(仮)と共にセントラルドグマ最深部に向かう。
しかしカシウスとロンギヌスに分かれている「槍」は同じ形状になっていた。
そのことをカヲルが疑問に思っていると、シンジ達を止めるべくアスカとマリが急襲する。
シンジはレイ(仮)の援護を受けつつアスカの制止を振り切って2本の槍を引き抜く。
すると遺棄されていたMark.06から突如目覚めた第12の使徒が第13号機を取り込んでしまう。
それに対して第13号機が覚醒し、第12使徒を吸収。
擬似シン化形態すら超越し、フォースインパクトが開始される。
愕然とするシンジはカヲルが首に巻いたDSSチョーカーが発動していることに気づく。
フォースインパクトが開始される中、ミサト達が乗るヴンダーが駆け付け、第13号機に攻撃を仕掛ける。
しかし、レイ(仮)の操作を無視したMark.09がヴンダーにとりつく。
ヴンダーの制御が奪われようとする中、アスカがMark.09を攻撃。
レイはアスカに「あんたはどうしたいの!!」と問いかけられたのをきっかけに脱出、アスカは機体を自爆させてMark.09を破壊する。
Do you love me?
悲嘆に暮れるシンジに、カヲルは自身がフォースインパクトのトリガーになってしまったと語る。
そしてカヲルは自らフォースインパクトを止めると告げ、シンジに温かい言葉をかける。
「そんな顔しないで」
「また会えるよ。シンジ君」
カヲルは笑顔のままDSSチョーカーによって絶命する。
カヲルが事切れたことにより、第13号機が停止する。
そしてマリがシンジを助け出したことによって、フォースインパクトは停止する。
エピローグ
シンジはエントリープラグの中で膝を抱えていた。
そこにアスカが現れ、シンジを連れ出す。
さらにレイ(仮)も合流し、3人はあてもなく歩き出すのだった。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』解説
『Q』は『破』の続編とは思えないくらいぶっ飛んでいるので、どこから手をつければいいか正直検討もつかない(笑)
とりあえず今回は3つのポイントに絞ってみたいと思います。
シンジと、彼を取り巻く人々
『Q』では何かと酷い目に遭ったシンジですが、彼にとって一番きつかったのは周囲の人間から徹底して排他されたことでしょう。
意図せぬこととはいえ、ニアサードインパクトを引き起こしてしまったシンジはミサト達ヴィレの面々からは完全に厄介者扱い。
アスカには邪険に扱われた挙句に攻撃され、ゲンドウは相変わらずの塩対応。
珍しく冬月からアプローチを受けますが、特に効果をあげたわけではなく…。
そして命を張って助けたはずのレイは消えており、代わりに何も知らないレイ(仮)がいるだけ。
自分を信じてくれた人も、助けたかった人も、誰もいなくなったわけです。
おまけに世界も変わり果ててしまったのですから、欝まっしぐらになるのも無理はないですね(笑)
そしてカヲルの末路を見て、シンジはテレビシリーズ・旧劇場版同様に完全に塞ぎ込んでしまいます。
このようなシンジの状態を、個人的には「切断されている」と解釈しています。
そもそも新劇場版に限らず、『エヴァンゲリオン』は「シンジと他者、セカイが矛盾なく心地よく共存できるかどうか」がテーマの一つだと思っています。
自分と他者が分かり合い、共にセカイで生きていける…もっと単純にいうなら「寂しくないように生きていける」ようにするためにシンジ達は頑張っているわけです。
しかしシンジは世界が荒廃する原因を作ってしまい、ミサト達から邪険にされてしまい、またレイを失ったことで戦いの成果を、エヴァンゲリオンに乗れなくなったことで(社会的に)存在している理由を、そして世界が荒廃したことで守るべきセカイを失ってしまいます。
シンジは『破』の段階まで彼自身を成立させていたあらゆる要素を眠っていた14年間の間に失い、そしてカヲルという支えすらも喪うことで、完全に周囲から切断されてしまったということですね。
他方で、『Q』のラストにおけるシンジの状況は旧劇場版に続くテレビシリーズのラストのシンジとは若干ニュアンスが違う気がします。
テレビシリーズのシンジも『Q』と同じように周囲から切断されている状態です。
例えばレイが犠牲になったり、アスカが欝になったり、トウジやケンスケが疎開でいなくなったり、ミサトがいろんなこととかかりきりですれ違うようになったりと、シンジが意図しない形で周囲との距離が生まれています。
この流れは目覚めたら世界が一変していた『Q』と比べると緩やかですが、最後の命綱ともいえるカヲルをその手にかけることでシンジは自分自身の手で周囲との切断を決定づけてしまいます。
対して『Q』はシンジがニアサードインパクトを起こしたことが原因とはいえ、周囲との切断に彼が直接関わることはありません。
気づいたら何もかも変わっているような形で、一方的に切断されてしまっています。
さらにミサトもゲンドウも何も教えないまま、シンジを一方的に振り回します。
そしてちゃんと意義を理解しないまま槍を引き抜いたことが原因でカヲルが悲しい末路を迎えさせてしまいます。
つまり『Q』のシンジは一方的に周囲から切断された挙句に、訳も分からないまま何もかもをどんどん奪われている状態です。
おまけに一際悲しいのが『破』でゲンドウと和解の兆しが見え、激闘の末にレイを助けられたという希望があったにも関わらず、シンジが関知できない間に何もかもが喪われてしまったということですね。
もちろんテレビシリーズでのシンジも意図しないところで周囲からの切断が進んでしまっていますが、ラストは自分の手でトドメを刺していました。
しかし今回はそれすらできなかった分、不条理感が増している印象があります。
個人的に『Q』がこんな構図になったのは庵野秀明が3.11の影響を受けたのではないかと思っていたりしますが…その辺は話が逸れるので触れないでおきましょう。
いずれにせよ、『Q』はテレビシリーズと同様にシンジが周囲から切断されて完全に気落ちしてしまう過程を描くことが念頭に置かれていた感じがします。
テレビシリーズでいうなら第23話、旧劇場版の直前のシンジという感じでしょうか。
だとしたら、奇しくも『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』は旧劇場版と同じような状態のシンジからスタートする形になるようですね。
他方で、個人的にシンジにはまだ希望がある余地があると踏んでいます。
結局失敗してしまいましたが、シンジは槍を引き抜く直前に「カヲル君のためにみんなの為に槍を手に入れる」、「そうすれば…ミサトさんだって」と言っています。
今回のシンジの暴走は自分のやってしまった過ちを帳消しにしたいという彼の利己的な願いが多少原因ではあるものの、「他者のために成し遂げなければならない」という想いも少なからずあるわけです。
つまりシンジは必ずしも自分のためだけに槍を抜いたわけではないといえます。
『破』のラストではミサトが「自分のために」戦うようシンジに訴えますが、シンジの台詞を直接受け取るなら彼は前作と逆のスタンスを貫ているとも解釈できそうですね。
一方的に周囲の人間から切断されてしまったにも関わらず、シンジが尚も他者を想える思いを残している分、僕は救いがあるのではないか…と思ってしまうわけです。
まぁでもレイ(仮)がレイじゃないと知るや否や、メチャクチャ冷たく突き放していたところを見ると、まだシンジは見返りを求めて他者と付き合っている節があるといえなくもありません。
他方でシンジの孤独と父とのつながり(或いは確執)の象徴であるカセットレコーダーが復元されるなど、まだ彼が他者とのつながりを捨てていないと示唆する描写もあります。
だから次回はその辺りを解消するところから始まるのじゃないかなーと思っています。
エヴァの呪縛、変わらない子供達
『Q』である意味一番衝撃的だったのがシンジやアスカ、マリ、カヲルが14年経っても変わらない姿のままでいたことでしょう。
封印されていたシンジや使徒であるカヲルは除くにしても(もちろんレイも除く)、アスカやマリの姿が全く変わらないのは不思議なことです。
アスカがいう「エヴァの呪縛」を真に受けるなら、恐らくエヴァンゲリオンのパイロット全員が受けている影響なのでしょう。
仮にその「エヴァの呪縛」とは使徒的な何かに変化する過程のようなものだとしましょう。
『Q』ではアスカの眼帯が青く発光するシーンがありましたし、作中登場したMark.04(ネーメズィスシリーズ」が「≒BLUE」と表記されていました。
Mark.06に第12の使徒が憑りついてましたし、恐らく何らかの形で使徒とエヴァンゲリオンはつながっているのでしょう。
細かい設定をあげるとキリがないので割愛しますが、いずれにせよエヴァンゲリオンのパイロットは人間とは異なる存在に変化しているといえます。
だからこそラストでアスカはカヲルと同じように「リリン(人間)」という言葉を使ったわけです。
後、シンジが「DSSチョーカーを付けられた」という事象自体も気になるところです。
カヲルが言う所によると、DSSチョーカーは元々「カヲルを恐れてリリンが創ったもの」とのこと。
だとしたら使徒につけるために作った器具が人間であるはずのシンジに付けられるということが、エヴァの呪縛=使徒的な何かになることの証左になり得ます。
ただ、この解釈でいくと新劇場版における使徒やエヴァンゲリオン、そしてそのパイロットが何を意味しているかがテレビシリーズや旧劇場版と異なっている気がしてきます。
前作同様にエヴァンゲリオン初号機のベースにはシンジの母であるユイが使われてはいますが、新劇場版ではアスカとキョウコのエピソードがないため、弐号機や他のエヴァンゲリオンが同じ設定になっているかどうかは不明です。
そのため、エディプスコンプレックス的な設定が今回は希薄な感じがするんですよね。
それに使徒も同型でも前作の同一個体とは断定できない(名前がないから)、カヲルにいたっては順番も変わっているため、前作の使徒と同じかどうかが不明です。
もちろんベースにある細かい設定(生命の実VS知恵の実)は共通しているかもしれませんが、新劇場版の使徒は人間を理解しようとアプローチしてくる描写がほとんどありません。
いってしまえば、カヲルでさえもシンジをより理解しようとして接触している感じが前作より希薄なんですよね。
正直、この辺の諸々の事情は設定考察が好きな方に任せて(笑)、個人的に最もよくわからないマリに触れてみましょう。
僕もマリは巷で噂されているように貞本義行版で登場したゲンドウやユイの同級生の「真希波マリ」と同一人物かと思っています。
年齢とか時系列とか、そういう細かい辻褄は一度置いてしまいますが(笑)、ゲンドウを「ゲンドウ君」と呼び、レイのオリジナル=ユイを知ったような発言をしているところを見ると、少なくともゲンドウやユイと関わりを持つ人物でしょう。
そうなると同世代のゲンドウ達と違い、外見が変わっていないこともエヴァの呪縛を受けているから…と一応説明はできます。
しかし、彼女がアスカのように使徒的な何かに変化していると思しき描写はありません。
そもそもアスカは第9の使徒に侵食されたことがあるので、使徒的な何かになりそうな伏線はありますが、マリは今の所そんな描写は見えません。
一方でマリは弐号機の裏コードを知っているなど、他のパイロットと比べてエヴァンゲリオンの裏事情まで知り、なおかつその性能をフルに引き出せる存在であるため、それをもって使徒的な何かになっているといえなくもありません(前作のカヲルがエヴァンゲリオンを自在に操れたように)。
だとしたら、マリもまた使徒的な何かになっている可能性はゼロではなさそうですね。
まぁいずれにせよ、エヴァの呪縛を得た彼らが何になっていく(なってしまっている)のかは続きを観ないとわからないところです。
個人的にエヴァンゲリオンのパイロットがどんどん人間から外れてしまっていくところが面白いので、ちょっと注目したいところですね。
14年の空白、人類補完計画
さぁて、一番面倒くさいゾーンがやってまいりました(笑)
ただ、ここは盛大に手抜きします。
だって情報がないんだもの、よくわからないんだもの(笑)
ひとまず個人的に色々情報を集めたうえで推察した14年の空白の内容が以下の通りです。
①『破』のラスト
②ニアサードインパクト発生によりネルフが解体(ゲンドウと冬月が一時的に追放?)
③ゼーレがゲンドウと冬月を追放、ネルフ職員を幽閉、カヲルがネルフ入りする
④ただ、なぜかカヲルが非協力的なためゼーレが自律型(多分ダミープラグ搭載)のMark.06を投下してサードインパクトを決行
⑤同時期にネルフとヴィレがヴンダーを作る
⑥しかしヴィレによって妨害されたために(ついでにヴンダー奪取)サードインパクトは完全には成功せず、ただし世界は荒廃する
⑦ゲンドウと冬月が混乱に乗じてネルフ掌握。以降はゼーレと協力関係を築く
⑧以降、『Q』本編までヴィレとネルフが戦闘を続ける
ざっくりまとめるとこんな感じだと推察していますが…はい、粗は多いです、その辺りはご愛敬(笑)
個人的にミソなのがカヲルとヴンダーですね。
まずカヲルは基本的に〇〇インパクトを起こすことには否定的であり、『Q』でもシンジを止めていました。
そもそも彼はシンジラブですから、彼が望まないであろうことはしないはず。
だとしたらカヲルがサードインパクトに加担しているとは思えないので、恐らく彼抜きでサードインパクトは決行された可能性が高いです。
ただ、だとしたら槍を誰が抜いたのかが問題になりますが…この辺りは正直よくわかりません(笑)
Mark.06を利用する方法ですが、カヲルが協力しなかったと考えるなら抜く人物が不明瞭です。
カヲルがいっていたように一本につき一つの魂がないと槍は抜けないため、魂の場所が違う綾波シリーズでは無理。
だとしたら可能性としてはアスカかマリになりますが…。
2人を除いたら、後はダミープラグしかなくなりますが、それはそれでいいのかと思っちゃうけど(笑)
そしてヴンダー。
ヴンダーはゼーレが作り上げたものであるとそれとなく示唆されており、またヴンダーは作中で何度か出てきた「神ゴロし」のためのものだとなっています。
さらにATフィールドが使えるうえに、エヴァンゲリオンの力を使うことが前提だと考えると、ヴンダーは人類補完計画に必要不可欠なもの(あるいはヴンダーもまたエヴァンゲリオン?)であることが窺えます。
しかしいずれにせよ「神ゴロし」が何なのか、これをどうにかしないとヴンダーの意義はよくわからないことになります。
ひとまず旧劇場版と比べながら、ゼーレやゲンドウがやろうとしていることを推測してみましょう。
ゼーレとゲンドウが掲げるそれぞれの人類補完計画は異なるものですが、面倒なので旧劇場版で起こった事象だけをピックアップします。
旧劇場版では最終的に全ての人間がアンチATフィールドによってLCLとなってしまう結末になっていました(例外がシンジとアスカ)。
これと比べると、『Q』は人間がLCLになったような描写はなく、代わりにコア化した大地とインフィニティのなり損ないが発生しています。
これだけ見ると、新劇場版は旧劇場版のように「全ての人間が統合し単体の生命体となることで他者を失くして完全な存在となる」ような方向にならない予感がします。
また「神ゴロし」という言葉が出てくるように、サードインパクトに加えてまた別の何かを倒さすことが目的に加わっている印象もあります(個人的に『コードギアス』を連想しました)。
つまり今回の人類補完計画は単一の生命体に全人類を統合することではなく、全人類をインフィニティに進化させ、箱舟たるヴンダーと共に神(と呼ばれる何か)を倒すことになっているのではないか…といえそうな気がします。
…うん、これも確たる根拠はないですし、神を倒してどうなるかまではわからないし、そもそもゲンドウの「もうじきユイと会える」的な発言を拾えてないんですけど(笑)
ただ、旧劇場版の結末の、一歩進んだ先を目指している気はするんですよね。
本当に次回でそうなるかわからないんですけどね(笑)
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』感想
そうです、長々と書いたわりには結局何も解き明かせていません(笑)
結構間を置いて、これまでの記事で散々もったいぶった挙句にこの有様…。
お詫びの仕様がありませんorz
正直情報が少ない中で仮説を積み上げても確度に自信がないので、ざっくりした推察をそのまま走らせることしかできませんでした…。
というか、全部細かくやったら文字数がすごいことになる!(笑)
何はともあれ、ここまで頭を悩ませた新劇場版がやっと次回で終わるわけです。
きっと『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』で全部回収してくれるわけです。
あの庵野秀明がそれをやってくれるとは限らないけど!
相変わらずの結末になるかもだけど!
でもそんな理不尽をやってくれる『エヴァンゲリオン』が好きなんだよなぁ…(笑)
そうです、色々悩ませてきた挙句に全てをかなぐり捨ててしまう身勝手さが『エヴァンゲリオン』なのです(笑)
と、言い訳はこれくらいにして、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
またどこかでお会いしましょう!
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