皆々様こんにちは。
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完(以下『完』)担当のgatoです。
いやーコロナ禍で紆余曲折ありつつも、やっと『完』が放送されましたね。
楽しみにしていた方はすっかり待ちくたびれてしまったのではないでしょうか。
さて、アニメ放送開始から早7年…。
多くのファンを魅了した『俺ガイル』シリーズはどんな完結を迎えようとしているのか…。
それでは、記念すべき第一話を振り返っていきましょう。
原作ファンの方は初見勢の考察にニヤニヤしながら読んで頂ければと思います。
※コメント欄でのネタバレも厳禁でお願いします。
長い長い話
今回のAパートは『続』の最終回の延長線上にありました。
一時期は結衣と雪乃の胸の内に――彼女の場合は無意識に――八幡への恋心が生まれてしまったために、奉仕部はお互いの関係性を守るために欺瞞を選びそうな状態でした。
しかし、「本物」を求めてやまない八幡の言葉により、その未来は回避され、お互いが求める「本物」のために向き合う道を選んだわけです。
その後の3人のやり取りにはいつもの感じが戻りましたが、よくよく考えるとこれは誰かが傷つき得る三角関係を選んだということでもあります。
そもそも、往々にして恋愛は友好的な関係を一変させてしまうものです。
実際、『続』の修学旅行のエピソードでは、海老名がまさにその恋愛による変貌を防ぐために八幡や葉山の力を借りていましたね。
ただ、八幡達は欺瞞をやめるために、その恋愛すら生まれる余地を残しておく道を選びました。
三角関係は関わる誰かを、あるいは全員を傷つけてしまう結果すら招くものです。
しかし、まだ明確に恋心が表層化されていないことも差し引いても、奉仕部…もとい、八幡・雪乃・結衣の関係性を選んだ段階で、彼らはお互いに十分すぎるほどの信頼感とシンパシーを持っているのでしょう。
原作を知らないので、先々の展開も『完』の構成も完全に予測することはできませんが、『続』と似たような構成なら冒頭のやり取りが後々の展開を示唆していることもあるので、色々注視しておきたいところです。
雪乃の依頼
『続』の最終回でも出てきた雪乃の依頼は、「自分の思い描いた将来をちゃんと家族に話したうえで、諦める様を二人に見届けてほしい」というものでした。
敗北を前提にしてしまっているところがなんだか切ないものがありますが、逆に雪乃にとっては負けることこそが大きな意味を持つのでしょう。
家族の中心に立ち、誰も逆らえない母親と自分以上に優れた才覚を持つ姉に阻まれ、父の仕事をやりたいという自分の夢を叶えられない。
おまけに周囲の人間からは理解してもらえず、むしろ疎まれ、嫌われてしまう。
そんな雪乃が選んだ道は自分を抑圧し、孤立する道でした。
ただ、その選択は結果的に雪乃に自分自身の問題から目を逸らさせ続けることになったわけです。(まさに欺瞞!)
そして雪乃は陽乃に「自分がない」と指摘され、さらに自分の素直な想いを言葉にできないという脆さを抱えてしまいました。
しかし、そんな雪乃にとって「敗北」は自分自身をちゃんと問題の本質に向き合わせることにつながります。
さらに自分の苦悩を、自分の敗北を八幡と結衣に開示することも、雪乃が雪乃であることを明確に維持するうえで欠かせないことでしょう。
苦悩も敗北も分かり合い、受け入れてくれる関係性…つまり「本物」の関係性を手に入れるからこそ、雪乃は雪乃であることを、問題に向き合うことを選べます。
そして欺瞞で自分を守っていた彼女にとって、「本物」を手に入れたからこそ、雪乃は「みんな」の中に向かえるのかもしれません。
個人的に、雪乃の選択は「本物が欲しい」という本音を吐露することで図らずも結衣や雪乃に受け入られ、前進できた八幡を彷彿とさせるものがありますね。
妹から
今回の後半のピークは試験を終えた小町が兄の八幡へ感謝を告げる場面でした。
普段は呪邪気で小憎らしい小町が急に真面目に感謝を告げる…ギャップのインパクトが強くて感動した方も多いのではないでしょうか。
まぁなかなか人に感謝されることがないであろう(笑)、八幡が泣いちゃうのも無理はないだろうな(笑)
ただ、あれはあれで彼が求めてやまない「本物」のモデルケースの一つかもしれませんね。
ところで、今回は雪乃といい、京華といい、小町といい、「妹」が中心になっている回でしたね。
まぁだからなんだってとこですけど(笑)
もしこれに意味があるなら後ほど回収されていく感じなのかな…。
それか、今回のエピソードは「家族」に関するものが多かったですが、『完』は「家族」が軸の一つとして機能していくことを今回は示唆しているかもしれませんね。
『俺ガイル完』第1話感想
『続』の最終回を引っ張りつつ、小町の受験にまつわるエピソードや久しぶりに登場した川崎とのやり取りが新鮮でしたね。
ただ『完』としての物語のエピローグと言う感じがして、本格的なスタートという印象は薄かったですね。
どちらかというと『続』の余韻…って感じでしょうか。
いずれにせよ、次回から物語が動き出す感じなのでしょうね…。
とにかく、次回に注目しましょう!
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