こんにちは。原作未読ライターのくらむBONです。
この記事では『鬼滅の刃 遊郭編2話・遊郭潜入』の内容に触れる部分がありますので、ネタバレに注意してください。
吉原遊郭で潜入捜査中に音信不通となった音柱・宇髄天元の3人の嫁を探し出すため、炭治郎達は天元によって女装させられます。
遊郭という歴史的な事実と剣劇ファンタジーが映像として融合していて、表向きは華やかな遊郭の裏側で、人間の欲望と闇が渦巻く世界に巣食う鬼という設定が面白い話でした。
今回は「宇随天元の3人の嫁と絡新婦(じょろうぐも)」をテーマに考察していきます。
では第2話を振り返っていきましょう。
目次
音柱・宇髄天元と3人の嫁
前回の記事でOPに登場していた3人の女性について記述していましたが、今回3人とも音柱の宇随天元の嫁であることが判明したので、まずは記載致します。
前回記事はこちらからどうぞ。
宇随天元のセリフから「須磨・まきを・雛鶴」の3人の嫁がいると判明しており、「炭治郎・善逸・伊之助」がそれぞれの捜索担当となって、妓楼(ぎろう)に潜入することになりました。
作中の吉原遊郭の設定は天元によって概要が語られていて、歴史的事実が元となっているので、設定の詳しい解説はWikipediaなどにおまかせするとしましょう。
個人的に女衒(ぜげん)に化けた宇随天元が、妓楼の遣手婆(やりてばばあ)に売り込んでいく過程などは興味深かった描写でした。
潜入捜査と嫁の所在まとめ
先行して潜入していた3人の嫁は宇随天元の心配通り、1名は行方不明、1名は囚われ、1名は未登場となっています。
現状行方が分からなくなっている3人がどうなっているのか、作品のセリフだけでは分かりにくいのでまとめてみましょう。
捜索担当 | 行方不明 | 妓楼 | 現状 |
炭治郎 | 須磨 | ときと屋 | 書き置きがあり、行方不明 |
伊之助 | まきを | 荻元屋 | 上弦の鬼に捕らえられている |
善逸 | 雛鶴 | 京極屋 | 未登場により詳細不明 |
音柱の宇随天元の見立てでは遊郭に巣食う鬼は上弦の鬼ではないかと、セリフによって語られていました。
行方不明の「須磨」と、現在捕らえられている「まきを」はクノイチなので、そう簡単に情報を吐いてしまうとは思えず、須磨はどこかに幽閉されているのかな?
証拠隠滅のために喰うよりも人質とした方が有効利用できそうかなと予想します。
3人の嫁と宇随天元の過去に何があった?
可愛いお嫁さんが3人もいるというのは善逸でなくともうらやましい話で、3人の女性と「元忍び」の宇随天元が結婚したのには何か理由がありそうです。
OPやEDから宇随天元がなにがしかの理由で、鬼殺隊に入ったと伺えるシーンがあるので、どんな理由がありそうなのか考察してみましょう。
①元々、日本は一夫多妻制の国だったので大正の世となった作中でも、忍びという旧態然とした組織ではまだその名残があった。
②戦闘力の高い忍はモノとして扱われ、良い血統を残そうとするため数名の嫁を確保していて、宇随天元は忍の元締めの家系出身ではないか。
(身分の低い忍には人権などないので身分の高い家柄だと推察される。)
③鬼によって郷を滅ぼされ鬼殺隊に入隊した、もしくは血塗られた旧態然とした組織に嫌気がさして抜け忍となり、鬼殺隊に入隊した。
(宇随天元が派手好みの性格となったのは、後者が理由なのかもしれません。)
戦うためのモノとして扱われていた元忍びが、欲望を満たす道具として扱われる遊女の舞台で戦う『遊郭編』は、そのモチーフから、原作者「吾峠呼世晴」先生のの作家性が出ていて興味深いです。
変装と遊郭潜入
炭治郎達はそれぞれの妓楼へ侵入することに成功したけど、性格的な問題などがあってなかなか上手くいかない模様です。
作中ではコントをこなしつつ、少しずつ真相に向かっていきますが、前回の記事で潜入に向いていないんじゃないかと考えていた伊之助がファインプレーを見せていました。
「嘘のつけない端女・すみちゃん」と「ぶちゃいくで三味線しか取り柄が無い善子」は潜入したものの、捜索には入れないのではないかと考えられます。
意外にも「器量良しでもしゃべれない猪子」が一番役に立っていたので、伊之助も成長したのでしょう。
「まきを」を捕らえている鬼の正体に近づいていくヒキが良かったお話です。
鬼のモチーフは絡新婦?
この話のラストで上弦の鬼は着物の帯を使って妓楼で「まきを」を捉えていました。
OPを一見したときから感じていたのですが、この上弦の鬼は妖怪の「絡新婦」がベースなのではないかと考えられます。
絡新婦は女郎蜘蛛という別名があり、様々な作品で登場する妖怪で、女郎とは遊郭などで働く遊女と同じ意味がある言葉です。
絡新婦は美しい女の姿をした妖怪で、子蜘蛛を操り罠を張って人を惑わせます。
鬼の造形として面白いのは、蜘蛛の糸ではなく着物の帯で獲物を捕らえるという独自性で、那田蜘蛛山の「蜘蛛の鬼」一家とは区別され、特徴があります。
妖怪「絡新婦」の登場する作品
女性と蜘蛛というモチーフはクトゥルフ神話の「アトラク=ナクア」をベースとしたR18のPCノベルゲームでも登場していて、「比良坂初音(ひらさか・はつね)」というキャラクターは後発の作品に影響を与えています。
絡新婦がどのような妖怪なのかについては京極夏彦先生の「百鬼夜行シリーズ」の『絡新婦の理』の解説で、非常に面白く知ることが出来るのでぜひ一読ください。
奇しくも、『鬼滅の刃 遊郭編』の遊女に対して、『絡新婦の理』が女権拡張論と赤線という、モチーフに類似点があるのも興味をそそられます。
・『絡新婦の理』(妖怪小説/漫画・1996)
・『アトラク=ナクア』(R18ノベルゲーム・1997)
・『xxxHOLiC』(漫画/アニメ・2003-)
・『這いよれ!ニャル子さんF』(ラノベ/アニメ・2009-)
鬼滅の刃遊郭編2話感想まとめ
宇随天元と炭治郎たちのギャグパートによって、ざっくりとした舞台背景が語られ、物語の本題「宇随天元の嫁たちの行方と遊郭に棲む鬼の探索」が始まっていきました。
派手なイケメンの宇随天元がカッコ良く、かわいい嫁さんが3人もいるのは羨ましい限りです。
宇随天元の非常な世界に生きる元忍びというキャラクターが光っているので、ギャグ要員となってしまった炭治郎たちが霞むのは仕方ないかなと思います。
今後は無限列車編の煉獄に続いて、スゴイ先輩の宇随天元から未熟な炭治郎たちが何を学び取っていくのかが見どころになるのでしょう。
また、「遊郭編」2話からEDも個人的にファンなAimerさんが担当していて、OPとED両方担当とは思い切ったっことをするなあという印象です。
梶浦由記さんがEDの作詞作曲なのでOPとの対比も楽しめ、ufotable作品との相性はFateなどで実績があるせいか、EDテーマと映像とのマッチングも良かったと思います。
3話が今から楽しみです。
ではまた次回で。
ばいばい。
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