みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
キノの旅担当・monyoです!
連週言っていますが、寒いですねぇ・・・。
いや!私は寒くない!!ぜんぜん寒くない!半袖で過ごせます!!
・・・なんて言えたら面白いんでしょうが、それは100%嘘になってしまいますから、無理です。
寒がりな私ですので・・・。
寒がりな私なのに、平均体温は基本的に高いので、“人間ホッカイロ”として、いろんな人から体温を奪われるという。自分に得のない感じです。
なんか私の愚痴みたいになってしまいました。そんなことはさておき。
1人の旅人と1台の二輪車が一緒に旅をするハートフルストーリー・キノの旅。
今回は、どんな国を訪れたんでしょうかね?
それでは、旅人の冒険をのぞいてみましょう!
スポンサーリンク第5話 「嘘つき達の国」
キノとエルメスは、とある国に入国した際、ある1人の男性に出会います。
男性は口頭1番にこういいました。
「僕の恋人を見なかったか?あるやむを得ない事情で旅にでてしまったんだ」。
スポンサーリンク「旅人の話 –you-」
嘘つき達の国を訪れる前、キノはある旅人が作った国の記念館に立ち寄っていました。
その国の創設者の記念館。彼ら使ったであろう道具がずらっと展示されていました。
その中には、創立者が乗っていたモトラドも。
モトラドと1人・2台で部屋にいるとき、創立者のモトラドが、エルメスに向かって言いました。
「いいなぁ」っと。
モトラドは、走ることが全て。その持ち主と一緒に走るのが最高の喜び。
しかし、創立者はなくなり、モトラドは走ることなくただただ展示されるだけ。
走れず、飾り物に成り下がった自分が、今一番嫌いだったのでしょう。
自分ひとりで走ることも出来ない。乗ってくれる相手もいない。まさに地獄。
モトラドはキノに「旅人さん、俺に乗ってくれないか」といいました。
しかしそれをすれば、エルメスを手放さなくてはならなくなる。
それはキノの本意ではない。だから「できません」と応えました。
「では、壊してくれ」とモトラドは言いました。キノは「できません」と一言。
そのモトラドを壊せば、キノは確実にその国の人間からひどい仕打ちを受け、エルメスもその二の舞になってしまう。
それは、1人と1台の本意ではない。
それを受け入れたモトラドはまた静かに黙ってしまいました。
1人と1台で、旅をする。人が変わったり、物が変わってしまったら意味がない。
キノとエルメスだからこそ旅をする意味が生まれる。
そのモトラドを可哀想に、どうにかしたいと思うけれど、自分達は自分達のことだけで精一杯。
だからこそ、キノは旅人を志す少年に、モトラドを託したのではないでしょうか。
少年にもモトラドにもなく、キノとエルメスにあるもの、それはパートナーです。
少年は、旅をしたいけどどうすればいいかわからない。
モトラドは、走りたい。そして、自分を走らせてくれる人間がほしい。
一度創立者と旅をしたことがあるモトラドなら、少年に旅の知恵を貸してくれるはず。
そして、少年はモトラドにのり、走ってくれるでしょう。
少年とモトラドの利害は一致しています。
だから、キノは少年に「記念館に飾られているモトラドに話しかけてみたら?」といったのだと思います。
また、キノは過去の自分と少年を重ねたのではないでしょうか。
キノの過去を知っている方はピ-ンとくるのではありませんか?
知らない人のネタバレ防止のため、これ以上の発言は控えますが、
レールの上を歩くだけの人生ではなく、自由な道・自分が望んだ道を進んで欲しいと思ったのではないでしょうか。
登場人物たちがついた優しい嘘
恋人を探している男性とその家政婦に出会った後、その国の人たちから話を聞きます。
それは、過去にこの国で革命が起き、彼はその革命のメンバーであったこと。
そして、彼が探している女性は、国のお姫様であったこと。
自分が愛していた女性が革命相手のお姫様であったこと・自分が愛した女性を自分の手でコ口してしまったこと。
その事実に彼の心は壊れてしまったのだと。
この物語の住人は、それぞれ誰かしらに嘘をついています。
それは決して悪意のある嘘ではなく、1人の男性を守るための優しく残酷な嘘を。
1.国民(革命参加者)
革命で起きた悲惨な事実、そして、彼女の所在について嘘をついています。
彼が壊れる原因となったのは、最愛の女性を自分の手でコ口してしまったこと・
その相手が自分の敵であったこと。
それを知られるわけにはいかない。それを知られれば、また彼の心は壊れる可能性がある。
彼らはそれを1番に恐れました。
自分達をひどい国政から守ってくれた英雄をほってはおけない。
そのために、嘘を付きました。
革命のことを隠し、愛した女性は旅に出ている。と。
自分で手をかけ、なくなった彼女を“生きている”ことにしたのです。
彼の心をこれ以上壊さないように。
2.家政婦
彼女は、彼の世話を親身にやっています。
それは、彼に犯した罪からなのか。それとも、本心からなのか。
私には、どちらもだと思います。
彼女は、彼が愛した革命前の国のお姫様。
彼女は、最初彼に国のスパイとして近づき、国王である父親に情報を流していました。
しかし、次第に彼のことを愛おしく思うようになりました。
革命が起きたとき、身代わりを用意し、彼女は逃げ延びました。
別の場所で静かに暮らしていると、彼の状態が情報として流れてきました。
心が壊れ、恋人をずっと探している、世話をする人が必要だと。
彼女は悩み、旅人となり、彼の元を訪れ、世話をするようになりました。
そして、キノが訪れた時の状態になります。
彼女の嘘は、自分の素性。
自分が愛した人間であるということを言ってしまえば、壊れてしまう前の彼に戻ってしまう。
彼が普通の生活に戻るのは本位ではありますが、そうなった場合怖いのは
「自分が憎むべき相手を愛してしまっていた」という事実を再確認してまたおかしくなってしまうかもしれないということ。
また彼の心が壊れてしまわないかということ。
そして、彼女が一番恐れているのは、愛する人に嫌われること。
自分の記憶がなく、自分に振り向いてもらわなくても、
過去の自分を想い、探し回ってくれる。愛する人を側で一緒にいられる。
彼女は自分を思い出してもらうことよりも、自分が彼のそばにいることを選んだ結果が
彼へ付いている嘘なのです。
国民たちも彼女も、彼に対して嘘をついているのはとても辛いこと。
全て話したい。あの頃に戻りたい。と思うことは少なからずあるはずです。
しかし、それをしないのは彼に対する愛情や心配から。
自分たちに親身になってくれた彼に対する敬意なのだと思います。
愛するがゆえに、優しく残酷な嘘をつき続けるのです。
愛する者のために、自分の気持ちを犠牲にする人間もいるのに、世の中には自分の好きなように人を操る人間もいるんですよねぇ・・・。
この物語の人間のような非常な人間が。
↑に出てくる男性のようには絶対なりたくないですね。
彼が国外に出た理由
キノが出国しようとしたとき、英雄であった彼は、門の外に出てきました。
そして、彼は言いました。「これでいいんだ」っと。
彼は、壊れていなかったのです。
最初はどうだったかは、わかりません。
愛する者に裏切られた上に、それが憎むべき相手だったというのは、想像を絶するものだと思います。
今の家政婦の女性=自分の愛した女性が来るまでは本当に壊れていたのかもしれません。
しかし今は、国の情勢、国民が自分を思ってくれる思い、そして彼女の愛情をしっかりと受け止め、しっかり生きている。
それをキノに伝えたかったのでしょう。
なぜ、彼は国外にでてそれを言ったのでしょうか。
彼の過去を教えてくれた国民が言っていました。
「この国の人間は、国外に出ることはできない。」と。
しようとすれば、止められる。許されない行為。
そんな許されない行為をしてまで、伝えたかったことなのでしょうか?
伝えたければ、国の中でいえば良かったのではないのでしょうか?
問題は、そこです。「国の中」では言えないのです。
国の中では、彼は「すでにこの世に存在しない愛する人間を探し続ける心の壊れた人」。
その人間がいきなり、全部把握していると告げたら周りはびっくりです。
そして、彼はそれを隠しています。自分が受けている想いや愛情を無碍にしないように。
そのためには、自分が自分でなくなる場所にいく必要があった。
それは、国外。
国内であれば、いろんな決まりや法律で縛られますが、一度出てしまえばそれは全てとっぱらえます。
国内の彼は、壊れた人。しかし、国外では普通の正常な人間でいられるのです。
そして、彼は自分の真実をキノに伝えた。
壊れた振りをしている偽りの自分ではなく、本当の自分で真実と本心を。
だからこそ、彼女から離れ、国外にでて、キノに伝えたのだと思います。
自分は今、幸せであると。
彼を、国内では本当の自分ではいられません。ずっと心を壊していなければならない。
演技をしていなければならない。
しかし、彼のそばには愛する人がいる。自分を思ってくれる仲間がいる。
それだけで、彼は幸せなんだと思います。
スポンサーリンクキノの旅第5話感想
とても心あたたまる物語で、楽しめました。
嘘をつき続けることはとても辛いことだけど、相手を思っての嘘ならば辛くとも耐えられる。
そう思って彼らは生きているのではないでしょうか。
最後にでてきたタイトルのシーン。あれにも嘘が入っていましたね。
最後の水たまりに夕焼けが映るシーン。どこが嘘かって?
夕焼けが映ることです。
あれは、本来そこにあったものではなく、水の特性から反射して夕焼けが見えているのです。
いわば、虚像。
ほら、嘘が入っているでしょ?
これは製作陣がわざと入れたのか、それとも偶然か。
どちらなんでしょうか。どちらにしてもとても粋な演出でとても好きでした!!
では、今回はこのへんで!
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コメント
最後に国の外に出た彼が言った
「王家のスパイだった彼」というのも見落としてはいけないと思います。
おそらく革命で彼の配下だった役人が王国の二重スパイで王家に情報を流していた
そのことに気付いていると悟られてもいけないという思いも