ご無沙汰しております。ウロコです。
熱戦が繰り広げられた世界陸上も幕を下ろしましたね。ボルト選手のまさかの失速は残念でしたが、銅メダルを取ったリレーチームはじめ日本代表の皆さん、おめでとうございます&お疲れ様でした。
そんな世陸の煽りで1週飛んでしまった「賭ケグルイ」第6話。
まずは前回、借金付け替えゲームのおさらいからスタートです。
スポンサーリンク目次
借金付け替えゲーム最終結果
借金5千万円を申告した蛇喰夢子(じゃばみ・ゆめこ):3位で借金5千万円は変わらず。
→実際は生徒会に3億1千万円借金していたため、3億1千万円の借金がそのまま残っている。
借金3億1千万円を申告した早乙女芽亜里(さおとめ・めあり):1位で3億1千万円が1千万円に減額。
- 生徒会への借金5千万円+鈴井への借金(架空申告)2億6千万円=3億1千万円で自己申告。
- 債務整理大集会には、生徒間の借金を生徒会に一本化する目的もあるため、鈴井へ生徒会から2億6千万が支払われる(鈴井に代わって生徒会が債権者となる)
- もとの5千万円と合わせて、生徒会への借金が3億1千万円となる。その上で、借金付け替えゲームの結果を踏まえて3億円が免除され、残る借金は1千万円に。
- 鈴井に渡った2億6千万を返してもらい、そのうち1千万円で生徒会への残りの借金を返済。
- 残った2億5千万円を夢子に譲渡。
夢子がこの2億5千万円を使えば、生徒会への借金を6千万円まで減らせるはずですが(6千万円なら夢子ならどうとでもできるだろう、と思えてしまうのが恐ろしい)、何故か夢子はそうしません。
それどころか、2億5千万円をめありと山分けしようと持ちかける始末(めありが全力で断りましたが)。
夢子は何を考えているのか?
という所で思い出すのは第3話。
家畜に与えられた唯一の権利=公式戦。
生徒会メンバーに巨額の賭けを挑むことができるというもの。
生徒会長・桃喰綺羅莉(ももばみ・きらり)との対決を熱望している夢子は、この権利を行使するつもりに違いない。
誰もがそう思った所から、思わぬ方向に物語が進みます。
まず動いたのは、生徒会美化委員長・生志摩妄(いきしま・みだり)。
学園という名の治外法権
常人とも、他の生徒会メンバーとも異なる思考回路を持っている、有り体に言えば変態の妄。
夢子がきらりと対決する前にと、夢子を「逮捕」します。
何故なら、自分が夢子と対決したいから。夢子と妄には、(ベクトルは違う気がしますが)賭けに勝って得られるお金よりも、純粋な「スリル」を求めているという共通点があります。
妄の求める「スリリングな勝負」を受けてくれるのは夢子しかいない!という気持ちは、迷惑ですが切実です。
生徒が生徒を「逮捕する」とは?
妄が率いる美化委員は、学園で逮捕権限を持つと説明されています。
日本の法律では、逮捕権を持つのは警察だけで、どんな立場であろうと一般市民にはありません。
しかし、ここは百華王学園。ここでは生徒会が法律なのです。
第3話の記事でも触れたように、「学園モノ」に於いて「生徒会」の持つ権力は絶大です。
時には日本の法律をも超越し、学校内の独自のルールが大手を振ってまかり通る。そしてそのルールを手中にしているのが生徒会であり、その頂点に立つ「生徒会長」はまさに絶対君主。
生徒を家畜として扱う「ポチ・ミケ制」も、同じこと。
日本の法律どころか憲法(基本的人権の尊重)にすら抵触する制度ですが、架空国家「百華王学園」ではそれが許されるのです。
こうしてみると、「学園モノ」というのはある意味ファンタジーに構図が似ています。
学校は小さな架空の国、時には架空の「世界」として、「現実」とは違うルールによって運行されています。生徒会長は、暗黒のルールで世界を支配する「悪の魔王」と、物語的には同じ立ち位置なのですね。
めあり、勇者になる?!
では、「百華王学園」という世界で、魔王を倒す「勇者」となるのは誰なのか?
本来なら主人公の夢子がその立ち位置に着くはずですが、彼女はどうにも一筋縄ではいかないキャラクターです。
彼女の立ち位置は、その名の通り「蛇」に近いようにも見えますね。
独自のルールによって一応の「平和」が保たれている楽園ならぬ学園の住人に知恵の実を食べさせ、混乱に陥れるトリックスター。
楽園の中で蛇だけが神を信仰していないのと同じように、夢子だけは、(例え首から「ミケ」の札を提げていても)学園のルールに支配されていないのです。
勇者という立ち位置に近いのは、めありの方かも知れません。
冒頭、「ミケ」になっためありをバカにしていたクラスメイトたちが、気まずそうに仲直りを持ちかけて来ます。
随分虫の良い話ですが、どうやらめありの意識は一段高い所へ登ってしまったみたいですね。
クラスメイトたちの変節に腹を立てても仕方ない。彼女たちは学園のルールに従っているだけなのだから、本当に怒りをぶつけるべきは、ルールを作った張本人。
第1話以前の彼女なら、学園のルールの中でクラスのボスに成り上がり、そこで満足していたはず。
しかし、夢子に負けて「ミケ」に落とされ、公式戦で地獄を見た上に、「人生計画書」まで突きつけられて気付いてしまったのではないでしょうか。
仮にミケを返上し、再びクラスのボスに返り咲いた所で、結局は生徒会の掌の上で踊らされているだけだと。
独自のルールで自分たちを縛り、人生までも支配しようとする生徒会に対して生理的な嫌悪感さえ感じている彼女。勇者コースまであと一歩、という所ですが、その背後に怪しい影が忍びよります…。
鈴井くん、聖者になる?!
そしてめありが勇者なら、鈴井くんはさながら聖者ですかと思ってしまった第6話。
第1話の段階では、少し気弱でお人好しな、どこにでもいる普通の生徒でした。
しかし話が進む内に段々見えて来るのです。
この学園で「普通の」感覚を持ち続けていることは、実はとんでもない偉業なのではないかと。
生徒会メンバーのキャラが強烈なのは、ある意味「そういう人たちなんだ」で済みます。寧ろ「ポチ・ミケ制」を受け入れて、簡単に掌を返す無名の生徒たちの方にこそ、この学園の恐ろしさを感じます。
基本的に何もできないなりに、家畜になった生徒のことも心配し、夢子のためにお金を工面したり、便宜上手渡された大金をあっさりめありに返したりする彼の「普通」さは実は普通ではないのかも知れません。
今回、夢子と妄の対決に巻き込まれてディーラー役を押し付けられた鈴井くんですが、「「ポチ」から人間に復帰できたのも夢子のお陰なのだから、今度は自分が彼女を助けなければ」と必死になる辺り、健気ですらありますね。
スポンサーリンクESP“デスマッチ”ゲームのルール
お待たせしました。今回の賭けは妄の仕掛けたESPゲーム。
妄らしく、文字どおり自分の命をチップとして賭けるオプション付き。
場所は地下の取り調べ室(聴取室&監視室)で雰囲気もタップリ(笑)。
- 聴取室と監視室はそれぞれ完全防音ですが、監視カメラとモニターによってお互いの様子を見ることができます。
- 監視室の側からは聴取室の全体が見渡せますが、聴取室の側からは、監視室にいるディーラーのカードと手元しか見えません。
- 音声のやりとりはできないので、連絡には携帯電話を使用。
準備
(1)《聴取室》6発装填式のリボルバー銃に、それぞれ好きな数(0〜6発)だけ弾を込める。
(2)《聴取室》銃をスロットルに入れ、シャッフルする。
勝負
(3)《監視室》ディーラーが5枚のESPカードを好きな順番に並べる。
(4)《聴取室》プレイヤーはディーラーが並べる順番を予想し、同じようにカードを並べる。
(5)《監視室》《聴取室》ディーラーとプレイヤーが同時にカードを開示する。
ディーラーと同じ位置にあるカードの数で勝負する。
勝敗の決定
(6)《聴取室》ディーラーと位置の一致したカードが多い方が勝ち。二人の、一致したカードの枚数の差が勝ち点となる。
(7)勝者は、勝ち点の回数だけ敗者に向けて銃を撃つ。(1)で用意した2丁の銃の内1丁を選ぶが、どちらが弾を込めた銃なのかはシャッフルされているのでわからない。
(8)一発でも弾が当たった方が負け(ゲーム続行不可能になるので必然的に終わりますよね…)
【夢子の追加した条件】
- ディーラーは鈴井くん
- ゲームは3回勝負
- 敗者は勝者に10億円払う
【妄が更に追加した条件】
銃を撃つ時、わざと外したら、その回数逆に相手に撃たれる
銃刀法はどうしたとか、本気で息の根止めに来てるとか10億円って…とか色々言いたいことはありますが。
ここでのポイントは、それぞれが追加した条件でしょう。
夢子は「2人共」生きて勝負を終えることを前提にしています。だからこそ、10億円という金銭のやり取りを最後に付け足したのでしょう。敗者が生きていなければ、支払いどころではありませんから。
勝負を「3回」に区切ったのも、3回を両者生還で終わらせる手段を持っているということでしょう。
対する妄は、どちらかの絶命でケリをつけたい。というか、何がなんでも「自分の命は今日ここで終わるかも」という可能性を残さなければ気が済まない様子。
夢子の仕掛けたトリックとは?
これまでの勝負のパターンは、「相手側のイカサマを夢子が見破り、逆手に取って反撃する」というものでした。
しかし、今回ばかりは違うパターンになりそうです。
妄の目的は「賭けに勝つ」ことではなく、「スリルを味わう」ことにあるのだから、イカサマを使って「確実に勝てる」勝負をしても意味がない。
「何か」を仕掛けるとしたら寧ろ夢子の方で、その鍵となるのが彼女の提示した3つのポイントなのではないでしょうか。
鈴井をディーラーに指名したのは、表向きは妄のイカサマを封じるため。でも本当は逆で、「私たちにはイカサマの手段がありますよ」と妄に匂わせる方が主目的だと思われます。
そこは鈴井くんも心得て、彼なりに「演技」をしてみせる。
(鈴井くん、性格的に嘘をついたり相手の嘘を見破るのは下手そうだけど、頭は決して悪くなさそうですね)
鈴井の誤算
鈴井くんは、自分たちがイカサマをやっていると思わせることで、妄を牽制できると考えます。
【仮定1】夢子はリボルバーに弾を込めない。
【仮定2】そして妄も、夢子たちがイカサマをしている=自分が負けると考えれば、自分がほぼ確実に「撃たれる」側になるというリスクを考えて弾を込めない。
そうなれば、どちらが勝っても負けても銃弾が発射されることはないという訳です。
しかし、鈴井くんはひとつ、重大な考え違いをしていました。
妄は普通ではありません。
普通なら、「自分が実弾入りの銃で撃たれる」可能性は全力で回避するものです。
しかし妄は、「自分に向けられた銃に、弾が入っているかもしれない」と考えてドキドキする所までがお楽しみの範疇なので、躊躇なく弾を込めます。それも6発フル装填。
勝敗の結果
【1ゲーム目】
夢子:5枚中2枚的中
妄:5枚中3枚的中
結果:妄の勝ち(差分:1枚)
夢子に向かって1回引き金を引けるということで、妄は嬉々として銃口を向けます。
対する夢子。
「その引き金を引くのはおすすめしません」
これがアクションものならば、「銃身に異物を詰めてある」というのがお約束です。
引き金を引くと暴発し、あなたの腕が吹っ飛びますよ、というもの。
しかし、よく注意するとラストシーンの暗転で「カチッ」という音が入っています。
- 「カチッ」というのは撃鉄を起こす音。まだ引き金は引いていない。
- 引き金を引いたが、弾は出なかった(入っていなかった)
妄がノリノリで撃とうとしていたことから考えると、考えられるのはパターン(2)の方。
ですが、妄は6つの弾倉すべてに装填しているので、撃てば必ず弾が出ます。
つまり、妄が手にしたのは、夢子が弾を込めた方の銃だということ。
(夢子が何発の弾を装填したのかは、明らかになっていません)
そしてもう一つ。
カードの位置当てであっさり負けてしまったということは、夢子はカード当ての勝負で勝つためのイカサマは使っていない可能性が高い(鈴井が何も知らない事ははっきりしていますしね)。
鈴井くんは、「イカサマを匂わせる」小芝居の目的を、「妄に弾を装填させないため」のものだと考えました。
しかし夢子には、別の目的があったのかもしれません。
何らかの方法で、妄が「夢子の装填した銃」を手にするようにコントロールする。
そのトリックから目を逸らすための小芝居だったと考えられそうです。
さてその方法とは?
夢子の資産
今回は、今まで謎だった夢子の私生活についても、「生徒会の身辺調査」という形でその一端が明らかになりました。
やはり、経済的にかなり恵まれているのは間違いなさそう。しかしその収入源などは謎のままです。
家族は姉だけということですが、両親は何者でどうなったのか?明らかになる日は来るのでしょうか。
病室で鶴を折り続ける女性…それだけなら、ひたむきで慎み深い病身の女性の、よくある描写なのですが…。
鶴を折る折り紙が万札って、リッチさよりも狂気の方を感じます。
スポンサーリンク第6話「誘う女」感想
夢子と妄が(文字どおり)命を賭けたゲームで対決しているその頃、めありは生徒会長・きらりから、生徒会役員になるよう誘われていました。
サブタイトルの「誘う女」は、「夢子を誘う妄」、「めありを誘うきらり」のダブルミーニングのようですね。
めありの考え方からすれば、きらりの誘いに乗るはずはないのですが、お断りするには生徒会長が怖すぎる。
果たして、めありはきらりのお誘いから逃げ切ることが出来るのか。
そして夢子は如何なる手段で妄の仕掛けたデスマッチを切り抜けるのか。
ESPカード、そういえば昔流行ったな〜なんて郷愁に浸っている場合ではありません。
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