昼間の残暑はまだ厳しいとは言え、朝夕は大分涼しくなって参りました。
皆様如何お過ごしでしょうか。ウロコです。
今回の賭ケグルイでは、債務整理大集会で使われた黒いトランプが再登場。生徒会御用達なのかもしれませんが、オシャレですよね。
ベースとなる紙自体が黒いと、裏側が絶対に透けて見えないのも利点です。
実は通常の白いトランプの場合、透けないように白い紙2枚でグレーの紙を挟んだ専用の用紙が使われてるんですよ。
トランプ専用紙ではない、普通の白い厚紙だと裏側が透けて見えてしまいます(数字の書いていない裏面(共通面といいます)全体に、濃い色の柄を印刷しても透けるのを防ぐことは可能です。ただ、そういう製品はあくまで遊び用なので、正式な勝負やお金の賭かった場面では使えません)。
でも中世のヨーロッパでは、共通面は単なる白紙のトランプが普通に使われていたようですよ。
今と違って照明が暗いから、裏面が透けて見えたりはしなかったのかも知れませんが、イカサマ師たちは目印のためにわざと汚したり傷をつけたり、やりたい放題だったとか。
そこを考えると、第2話で皇伊月(すめらぎ・いつき)が用意したイカサマトランプは、基本の考えは同じでありながら、随分高度な作りになっていたものですね。
という訳で、改めまして今回の「賭ケグルイ」。
生徒会会計・豆生田楓(まにゅうだ・かえで)と主人公・蛇喰夢子(じゃばみ・ゆめこ)との対決のはずが、思わぬ形でいつきが参戦することになります。
スポンサーリンク目次
豆生田楓の野心と揺れる生徒会
豆生田楓の陰謀と目的
前回のラストで問題となった、「破れたファンレター」の犯人。 学園アイドル(兼生徒会役員)夢見弖ユメミ(ゆめみて・ゆめみ)のアイドル生命を断とうと画策していたのは一体誰なのか。
生徒会書記・五十嵐清華(いがらし・さやか)のモノローグを聞く限りでは、豆生田でほぼ確定のようです。
では、一体何のために?
清華はそれを、豆生田が生徒会での発言力を高めるためだと考えました。
同じ2年生のユメミを引きずり下ろせば、それだけ豆生田の影響力は大きくなり、次期生徒会長の座も近づきます。
しかし同時に、生徒会役員が失脚することは、生徒会の弱体化にも繋がります。
つまり、豆生田にとっては生徒会の権威より自分の権力を伸ばすことが優先な訳ですね。
これは生徒会長・桃喰綺羅莉(ももばみ・きらり)に忠誠を尽くす清華にとってはゆゆしき自体と言えるでしょう。
だからと言ってこの勝負、夢子が勝つのも生徒会に取っては問題です。
大勢の生徒が見ている前で、2人続けて生徒会役員がミケに負ける訳ですから、生徒会の求心力はますます低下することになってしまいます。
そんな生徒会。
こんな風に心配しているのが清華一人というのが何よりも問題のような気がしますが、さて、勝負の行方はどうなって行くのでしょうか。
スポンサーリンクチョイスポーカーのルールと勝負
今回、ディーラーとして名乗りを上げたのは生徒会副会長。
ていうか、この謎の仮面キャラ、副会長だったんですね。
今回初めてセリフがありましたが、顔だけでなく声までボイスチェンジャーで隠す徹底ぶり。
生徒会副会長という重要ポジションにも関わらず、未だに名前すら定かではありません。
そんな副会長が提示した、今回の「公式戦」の勝負はチョイスポーカー。
チョイスポーカーのルール
- 掛け金の制限はなし
- チップは1枚1,000万円
- 参加費は1ターンにつきチップ1枚
- 基本ルールは通常のポーカーと同じ
- カードのチェンジは1ターンにつき1度
- フォールド(棄権)とコール(相手と同額を賭ける)は使えない
- ベット(最初に賭ける)とレイズ(相手より高額を賭ける)のみで勝負
- 賭け金が多い方が、「より強い方が勝つ」か、「より弱い方が勝つ」かを選択できる
補足:ブタ同士の場合は、手札のうち最も強いカードで勝敗が決まる。
早乙女芽亜里(さおとめ・めあり)といつきが語っていたように、この勝負のポイントは「強者と弱者、どちらが勝つか」の「選択」です。
選択権を得るためには、相手より多くのチップを賭けなければなりません。
そうすると当然、資金力の勝負になるのですが、生徒会の資金力には底が見えません。
果たして。
チョイスポーカーの勝負
第1ターン
【夢子】
手持ちのチップ…31枚(3億1,000万円)
賭け金…参加費1+20枚
カード…2枚チェンジ→ブタ(最強はA)
【豆生田】
手持ちのチップ…100枚(10億円)
賭け金…参加費1+10枚
カード…1枚チェンジ→ブタ(最強は13)
選択:強い方(夢子)→夢子勝利
【豆生田メモ】
豆生田はストレート狙いの失敗でブタになりました。
一方、夢子は13と11をチェンジ→わざわざ強いカードを捨てるということは、「弱い方」狙い考えるのが普通。しかしその裏をかいて、残る3枚で強いカードを持っている可能性もある。
→豆生田は10枚ベットで様子見。夢子は更にレイズして20枚賭ける。選択権は夢子のものとなり、「強い方」選択でAを持っていた夢子の勝ち。
通常なら、選択権を手にいれるためには1枚増やしてレイズすれば良い。いきなり10枚もレイズすることにメリットはないのですね。夢子は「メリット=損得」より「リスク=スリル」の方を取った訳です。
豆生田は後発の強みで、夢子のこれまでの戦い方のデータを蓄積しています。普通の人なら「損得」を取る場面で、夢子は「スリル」を取る。そこを踏まえた上で、夢子の思考の予測を立てているのは今までの対戦相手と違う所ですね。
第2ターン
【夢子】
手持ちのチップ…42枚(4億2,000万円)
賭け金…参加費1+41枚
カード…2枚チェンジ→ブタ
【豆生田】
手持ちのチップ…89枚(8億9,000万円)
賭け金…参加費1+42枚
カード…チェンジなし→12のワンペア
選択:強い方(豆生田)→豆生田勝利
【豆生田メモ】
夢子は10の札2枚をチェンジ。
その意図を豆生田は予想します(1)「弱い方」を狙ってワンペアを捨てたのか、(2)残る3枚により強い手を持っているのか(ワンペア又はスリーカード)。
豆生田は、チェンジせずに勝負に出ます。12のワンペアが入っているので、何もせずに「強い方」狙いで行けば勝てる確率は高いのですが、敢えてカードを晒すことで夢子を挑発します。
挑発に乗った夢子は手持ちのチップをすべてベット。
チップに余裕のある豆生田はこれに1枚上乗せしてレイズしたため、選択権は豆生田へ。
ここで通常は、「42枚もチップを賭けるのだから、強い手を持っているのだろう」と考え、「弱い方」を選択します。
しかし本当に強い手を持っているなら、チェンジをせず「強い方」を狙った方がリスクは低いし、そもそも最初にツーペアまたはフルハウスができている確率はとても低い。
そこを踏まえて、豆生田は「強い方」を選択。
夢子のカードはブタだったため、豆生田の勝ち。
皇伊月(すめらぎ・いつき)の野望と選択
第2ターンにして持ち金を全部賭けるという無茶をやったため、手持ちのチップがなくなってしまった夢子。しかしこの勝負、賭け金に制限はありません。
追加でチップを購入すれば、勝負は更に続きます。
しかし夢子は最初に31枚チップを買った時点で、手持ちの現金は全て使ったはずでした。
そこで夢子は、いつきに呼びかけます。
いつきの「覚悟」とは
実はこの勝負、夢子以上に人生賭かってるのがいつきでした。
大企業の社長令嬢ないつきですが、父から社長の地位を引き継ぐ条件は、この学園の生徒会役員になること。
現生徒会から追い出された以上、夢子に次の生徒会長になって貰った上で、夢子に役員にしてもらうしか方法がないのです。
夢子本人よりも、夢子に勝って貰わなければならないのがいつきなのでした。
百花王学園生徒会とは
ここで回想の形で、この学園の「生徒会」が如何なるものかが語られます。
政財界への大きな影響力を持つといわれる百花王学園。
ここまで登場した在校生を見ても、日本を代表する大企業の社長令嬢であるいつきの他に、現職県知事の息子(木渡)が登場しています。
そんな生徒たちが卒業して親の後を継いで行くということは、この学園は、卒業生に政財界の大物を多数揃えて一大学閥を形成していると考えて良いでしょう。
その学閥にとって学園は、次の世代の学閥メンバーの育成の場。
そんな学園を絶対的な権力で支配する生徒会が、ただの学生の集まりではない理由が見えて来ました。
生徒会役員になれば、それだけ大きな権力を手にできる。
その分学閥OBからのプレッシャーも大きいし、期待に応えられなかった場合のリスクも半端ではない訳ですね。
それでも生徒会役員になりたい。更には生徒会長の椅子も狙っている。
いつきは豆生田の前でそれだけの「覚悟」を語り、それを買って豆生田はいつきを役員に推薦した訳ですが、結果はご存知の通りでした。
夢子のおねだりといつきの覚悟
「生徒会役員になりたい」といういつきに、上記のようなリスクを説明した上で覚悟のほどを語らせた豆生田でしたが。
一方の夢子は、そんな回りくどいことは言いません。
「いくらまで出せますか?」
前々回、第8話で「何でもやります!」と言ったいつきへのアンサーがこれでしょう。
いつきの一番の武器は「お金」ですから、求められる協力も、当然そこですね。
言葉で言うだけなら簡単。実際に身を削ってリスクを背負うことが本当にできるのか。
どこまでの「覚悟」を示せますか?
ここでいつきに付けつけられた「選択」は、第5話で蕾奈々美(つぼみ・ななみ)が直面したものと似ています。
豆生田に頭を下げればリスクなく生徒会へ復帰できるかも知れませんが、確実に豆生田に頭を抑えられます。
夢子に付く選択にはリスクしかありませんが、自分の力で勝負するチャンスは残されます。
そしてこういう時、夢子は相手を煽って誘導するのがものすごく上手い。
生徒会長の行動と仮面の副会長
それにしても、気になるのは副会長の正体です。
堂々たるディーラーっぷりからは、場数を踏んで来た強者の風格さえ感じますが、声や顔を隠し、名前さえ伏せる理由はなんでしょう。
仮面の下にあるのは、私たちの知った顔なのでしょうか。
でも髪型(と色)からして、思い当たるのはただ一人なのですが…。
副会長と同じ色・長さの髪を持つ生徒会長・きらりは現在学園を離れています。
その証拠に、何やら凄そうなお屋敷で、誰やら大物そうな人たちと会っている場面が冒頭にありました(回想以外で、学園以外の場所が登場したのは、これが初めてではないでしょうか)。
でもあの場面にいたのは、本当にきらり本人なのでしょうか。
きらりが編み込んだ髪を下せば、副会長とお揃いのヘアスタイルになるはずなのですが…。
第10話「選択する女」感想
サブタイトルは、最後の最後で登場。
「選択する女」とは、いつきのことでしたね。
第2話で一度は夢子に負けた訳ですが、そのままでは終わらない、ためには、やはり相応のリスクを背負うことが要求される訳です。
豆生田本人が言う通り、豆生田といつきは似た部分があります。
その意味では、豆生田に切り捨てられたことを、いつきは恨める立場ではないのかも知れません。
どちらも自分の目的が最優先、他人は損得で切り捨てる。
豆生田といつきでは、豆生田の方が立場が強かったから、いつきの方が切り捨てられたというだけのこと。
ということは、ここで豆生田に頭を下げた場合、確実に彼より下の立場で固定される訳なので、やっぱりいつまた切り捨てられるかわかったもんじゃないですね。
一方夢子は。
妄は彼女を「すべてを持っている」と評価した際、「仲間との信頼」をその「すべて」の内に含めました。
「仲間」=夢子が言うところの「お友達」に対して、確かに夢子は信頼を寄せています。
信頼とは、言葉を変えれば「裏切られるリスク」を背負うことと同義ですから、リスク大好きな夢子が、「お友達」を信頼するのはある意味自然な流れかも知れません。
鈴井くんは、ミケになった夢子のために100万円(彼にとっては大金)を貸そうとしたし、めありは債務整理大集会で、夢子と組んで億単位の勝負に出ています。
今回のいつきへの呼びかけは、いわば彼女への「試金石」なのかも知れません。
夢子と「お友達」になれば、確かに本当の信頼関係は築けます。
しかし同時に、彼女のハイリスク体質に有無を言わさず巻き込まれるということでもあるのですね。
今回しっかり巻き添えをくらい、10億の出資を決めたいつき。
この投資が吉と出るのか凶と出るのか、そして副会長の仮面の下の素顔は見られるのか?
次回も目が離せませんね。
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