こんにちは、ウロコです。
大分涼しくなって来ました。お着物の世界でも、夏物から単衣の季節に移ります。
着物と言えば前回と今回の冒頭。生徒会長・桃喰綺羅莉(ももばみ・きらり)も着物姿でしたね。
前回は上半身だけだったので、肩に紋が入っていることしか分かりませんでしたが、今回の全身の映像で見ると五つ紋の黒留袖なのが分かります。
女性が着るものとしては最も格式が高い第1礼装(普通の人は、自分の子供の結婚式くらいしか着る機会ないですよね)を着ているということは、あの会合は余程重要な場なんでしょうね。
ちなみに未婚の若い女性なら、振袖も第1礼装として着られる訳ですが、そこで敢えて黒留袖を着るのは舐められないためのハッタリなのかも知れません。
しかし、あのお屋敷にいたのは本当にきらりなのでしょうか。
…という訳で今回の「賭ケグルイ」。
チョイスポーカーの決着が着くとともに、気になるあの人の素顔もあきらかになりました。
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チョイスポーカー対決の結末
主人公・蛇喰夢子(じゃばみ・ゆめこ)が生徒会会計・豆生田楓(まにゅうだ・かえで)と対決するチョイスポーカー。
ルールの詳細と第2ターンまでの勝負は前回の記事をご参照ください。
第3ターン
【夢子】
手持ちのチップ…100枚(10億円※皇伊月(すめらぎ・いつき)の出資)
賭け金…参加費1+199枚(いつきの追加出資を含む)+いつきの人生計画表(評価額100億。生爪付き)
カード…2枚チェンジ→11のスリーカード
【豆生田】
手持ちのチップ…131枚(13億1000万円)
賭け金…参加費1+299枚(追加出資を含む)+豆生田の人生計画表(評価額100億)
カード…2枚チェンジ→8のスリーカード
選択:強い方(豆生田)→夢子勝利
【豆生田メモ】
夢子は第2ターンと同じく、手札にあった12のワンペアを捨ててチェンジ。
豆生田は今度こそ、夢子がわざと弱い手(ブタ)を作って「弱い方」で勝負すると読みます。
一方、豆生田の手元にあるのは8のスリーカード。仮に夢子の手元にワンペアがあっても「強い方」で勝てるカードです。
ここで勝負は、どちらが選択権を取るか=どちらがより多くのチップを賭けるかの争いに。
…という訳で、元生徒会役員であり、大手トイ・メーカーの社長令嬢(つまりものすごいお金持ち)でもある皇伊月(すめらぎ・いつき)が勝負に加わります。
互いに限界までチップを積み上げ、遂には人生計画表まで賭け合う勝負に。
最終的には豆生田が選択権を手にし、「強い方」を選択。
しかし夢子の手の内にあったのは、豆生田より強い11のスリーカードだったのでした。
スポンサーリンク勝負のポイント
この勝負のポイントはひとつ。
豆生田が、自分の手札が夢子より強いと最後まで信じ込まされていたことです。
わざわざ揃っていたワンペアを捨てる、というプレイを、夢子は既に1度やっています(第2ターン)。
前回、豆生田は二つの仮想を立てていました。
(1)敢えてブタにして「弱い方狙い」か、(2)残った3枚に強い役を残した「強い方狙い」か。
豆生田は「(2)と見せかけて実は(1)」と読みました。実際には夢子は「ストレートを狙ってブタになった」訳ですが、結果的にブタになった事で豆生田の勝利になった訳です。
豆生田は第3ターンで、今度こそ確実に(1)だと確信しています。
それを裏付けるように、夢子が…というより、夢子にパトロンとして付いたいつきが、むきになって「選択権」を取りに来ます。
「強い方」を選びたい豆生田と、「弱い方」を選びたい夢子&いつきの「選択権」の取り合いによる勝負。
豆生田は完全にそう信じて、最終的には自分の「人生」までもチップとして賭けて「選択権」を勝ち取ります。
いつきの覚悟と豆生田の誤算
夢子の狙い
資金力に勝る豆生田に夢子が勝つには、豆生田の資金を限界まで引っ張り出した上で勝負に勝つことが必要なでした。
1.勝ち方
資金力で負けている以上、選択権は相手に取られる確率が高い。
ではどうするか?
強いカードを持っていることをひた隠し、「ブタで、弱い方狙い」だと思わせて相手に「強い方」を選択させる。
それを可能とするカードが第3ターンで来たという訳ですね。
後者の場合、もしチェンジして役ができなかったら、また違う戦い方を選んでいたかも知れません。
ともかく、12のワンペアを捨てて見せて、尚且つ手元には11のスリーカードがある。これは絶好のチャンスです。
2.資金の出させ方
夢子の能力をもってすれば、何度か勝負に勝って豆生田の手元のチップ100枚を奪うことは可能かも知れません。
しかしこの勝負、賭け金の制限がない以上、豆生田はいくらでも追加でチップを出せます。
耐久戦になれば勝ち目はありません。
確実に勝てる手が自分に来た時を狙って、資金を出させるだけ出させて一気に決める必要がありました。
そこで、いつきの出番です。
夢子一人が相手なら、豆生田ももう少し慎重になっていたかも知れません。
実際第2ターンでは、夢子の性癖も考慮に入れて複数の可能性を検討し、手堅く勝つことに成功しています。
しかしいつきが側にいて、ムキになって賭け金を積み上げて来る。
夢子が勝つには、「選択権」を取らなければならない。手元には弱い手しかないから、「弱い方」を選ぶしかないのだと、豆生田は完全に信じて、とどめを刺すつもりでチップ100枚(10億円)をレイズします。
いつきがここで根性を見せて「人生計画表」まで出して来た時には、豆生田の方も30億円を場に出していました。
一旦負けて、次の勝負で取り返すという手に切り替えるには、失うものが大き過ぎます。
豆生田の方こそ、どうやってでも選択権を取り、「強い方」を選ぶしかない状況に追い込まれていたという訳です。
夢子から見れば、「負ければ全てを失うが、ここで勝てば豆生田の方もこれ以上戦いを続けられない」という状況。
狙っていたのはこれだったのですね。
いつきの覚悟と豆生田の誤算
いつき自身が言っていたとおり、豆生田の敗因は「いつきを舐めていたこと」。
豆生田はモノローグで、いつきに対して「お前は黙って金を出していればいい」と語っています。
それに対して夢子は、いつきをプレイヤーとして舞台に立たせていたのです。
少なくとも、夢子の手札を見てからのいつきは、夢子の意図を理解して、積極的に夢子のブラフに協力しています。
とは言え、ブラフを成功させるためのお芝居のためだけに、生爪なんて剥がせません。
第2話のいつきは、全くと言っていいほどリスクを背負っていませんでした。
イカサマ用に作ったトランプでほぼ確実に勝てるゲームをやり、仮に負けても2千万円くらいなら彼女にとってはお小遣いレベル。
そしていざ、「生爪というリスクを背負った五分五分の勝負」を夢子に持ちかけられると泣いて拒否して、夢子を興ざめさせています。
今回で彼女は初めて、本当の意味で「リスクを背負う」覚悟を決めたのですね。
生爪は彼女なりの、「2話の私とは違うんだ!」という意思表明でしょう。
本物のリスクは「人生計画表」の方です。
でも、仮にここで負けて、生徒会への復帰の道が閉ざされたとしたら(前回の豆生田の誘いは現実的なものではなさそうです)、彼女の次期社長への道は閉ざされます。
おそらくいつきは、女社長になる人生以外は想定していないと思われるので、どっちにしてもこの勝負に人生が賭かってしまっているのですね。
そして実は、豆生田も似た状況だったのかも知れません。
豆生田の父は恐らく政府高官。
息子に財務事務次官を目指させるということは、本人もその地位にある可能性が高いですね。
ある意味名誉職に近い大臣に対して、事務次官は実質的な組織のトップですから、国の経済の実権を握る立場かも知れません。
そんな地位を約束されていると同時に、その任に耐えないと判断されたら切り捨てられる立場。
もしも豆生田が自分の「人生計画表」を出さず勝負を降りていたとしても、30億の勝負に負けた事になります。
このまま生徒会に居続けることは困難になるし(仮に在籍できても、西洞院(にしのとういん)さん並みに立場が弱くなるのは避けられないでしょうね)、そうなると父から見切りを付けられる可能性は高いでしょう。
やはり彼も人生を賭けざるを得ないというか、既に賭かってる状況だったのではないでしょうか。
副会長の正体
この勝負、もう一つの大きなポイントとなったのが、ディーラーを務める「副会長」でした。
現金によるチップの賭け合いでは、夢子(&いつき)20億に対して豆生田30億。
それに加えて、いつきの「人生計画表」を賭け金として認めるかどうか。
本来、「人生計画表」を査定することができるのは、生徒会長のきらりただ一人。
そのきらりは、現在学園を離れています。
故に豆生田は、20億 VS 30億 で決着が着いたと思っていました。
ここでディーラーの副会長が、その仮面を取ります。
仮面の下から現れたその素顔は。
生徒会長・桃喰綺羅莉(ももばみ・きらり)その人でした。
髪型完全に一致してますし、というのはさておいて。
夢子はいつから気づいていたのでしょうか。
「人生計画表」を賭け金として認めるかどうかを、「あなたに委ねますよ」と言った時には、そこにいるのがきらりだと確信していますよね。
きらりの性格を読み、「人生計画表」も認めてもらえるとわかっているからこそ、いつきを煽って計画表を出させたのでしょう。
もっと遡ると、このステージイベントが始まる前、ユメミが企画書を持って来た時から、この勝負にきらりが絡んで来ることを予想していた可能性が高いですね。
鈴井くんが「夢子には何が見えているんだろう」と思っていたその時、夢子は既に今のこの状況を想定していたのかも知れません。
かくして、めでたく夢子はきらりと相まみえることができました。
思った通り、似た者同士でした。
賭ケグルイの女が二人、顔を合わせればやることは一つ。
次回最終回、いよいよラストバトルです。
スポンサーリンク第11話「人生を賭ける女」感想
きらりから、「(人生計画表に)価値はない」と切り捨てられる鈴井くんとめありが面白かった第11話。
わかっていても(めありの「人生計画表」は五千万円で発行されてたし)、いざ面と向かってはっきり言われると凹むよね。
そしてやっぱり、この作品は学園物。
学園物といえば恋愛はつきもの。青春ですね。
勝者として豆生田を罵倒するいつきに、「無理はしなくて良いんですよ」と声をかける夢子。
いつきはもしかすると、豆生田にほのかな恋心を抱いていたのかも知れません。
生徒会に入れた喜びだけでなく、憧れの先輩に認められ、同志となったような誇らしい気持ちがあったからこそ、辞めさせられた時は失恋したような気持ちと合わせてダブルショックだったのかも知れませんね。
憧れの先輩だったからこそ見返してやりたい。
いつきにとってこの勝負に勝つことは、「キレイになって、自分をフったことを後悔させてやりたい」という女心と同種のものだったのかも知れません。
でも「見返してやりたい」という怒りの気持ちがあるうちは、まだまだ好きな気持ちも残ってるっていうことなんでしょうね。
さて、次回はいよいよ最終回。
何を考えているのかわからなかった黄泉月るな(よもつき・るな)がまさかのディーラー。
ラスボスはもちろん生徒会長きらりで、相手に取って不足なし。
学園の根幹を揺るがしかねない一大バトルですが、多分夢子は学園をどうこうしようとか考えてません。
果たして夢子は、そしてこの学園は一体どんな結末を迎えるのでしょうか。
そして生徒会長と言えば。
副会長の仮面をかぶって学園にいたのがきらりであるなら、ヘリコプターで学園を去り、謎の会合に出席していたあの「きらり」は何者なんでしょうか?
二人の「きらり」その正体と秘密は、次回で本当に明かされるのでしょうか?
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コメント
───感応精神病。
狂気は、感染する───。
こんばんはー。
皇ちゃんが大活躍!。杀殳ったね…。
違う!、やったね!(*≧∇≦)ノ、だっ!。
それにしても、まるで夢子が取り憑いた様な、賭ケグルイっぷり。豆生田もあの狂気に呑まれなければ、ああも惨敗しなかっただろうに…。
それにしても豆生田戦最終の夢子に配られた札、気になりません?。
ウロコさんの考察を聞きたいです。(もちろん、ウロコさんに暇があったらの話です。)
あぁ、次回最終回かー、長い様で短かったな。
似た者同士の様な二人。でも、会長の方は“法と秩序“、夢子の方は“自由と無秩序“の様な気がします。
最終回はどんなゲームになるか?。楽しみです。
ちなみに、感応精神病を日本ではフランス語で“フォリアドゥ”と言います。訳して、
「二人狂い」といいます。
まさしく、「フタリグルイの女」と言う所でしょうか。
そして次回は、「賭ケグルイの女」でしたね。
それでは、サヨウナラ。( ´∀`)/~~
白昼夢さんこんにちは。コメントありがとうございます。
いつきちゃん、活躍しましたね。
いつきが夢子の狂気に引きずり込まれるような描写がありましたが、豆生田もいつの間にか、2人の狂気に引き込まれていたのかも知れないですね。
第3ターンで夢子が配られたカード、12×2枚 11×3枚 のフルハウスなら話は簡単なんですが、確率はかなり低いですよね。
個人的に「こうだったら面白いな」と思うのは、12×2枚を捨てて、残りが 11・7・9 だったパターンです。これでチェンジして8と10が来ればストレートになるんですよね。
夢子は第2ターンでもストレートを狙ってますので、今回もそれを狙ったら11が2枚来てしまった。なんてことはないでしょうか。
きらりが「支配する者」なのに対して、夢子は「支配しないし、されない者」という対比はありそうですね。秩序か、混沌か、最終回が楽しみですね。
考察、ありがとうございます。( ノ;_ _)ノ
そうだよねー、私もそう思いましたもの。
7、9、J、Q、Q、からの、Q、Q、捨て。ストレートとブタの両天秤…、…でも、これって豆生田の読みそのものですよね。それに、皇ちゃんが夢子はブタを狙ってない。と、言っていた様な、いない様な 。
とすると、最初の配り札がフルハウスでも良いのですが、ここはあえて、9、J、J、Q、Q、から、Q、Q、を捨てた。と私は思います。もちろん、ほぼワンペアを確定させる様な(結果はスリーカード)最悪の切り方なのは解っています。王道なら、J、Q、を捨てて、9、J、Q、のストレートとブタの両天秤です。でも、夢子です、9、J、J、+2枚としてもおかしくは無いと思います。(いや、おかしいよ……。)
そしてここでもう一つ、豆生田の手札ですが、最終手札が、A、5、8、8、8、です。その前の捨て札が2、5、です。んっ…んんうっ、お前、フルハウス、出来てるじゃあないのか…?。
考察書くと長文になるので(すでに長文だけど…。)結果だけ、最初の配り札、2、5、8、8、8、で、2、5、捨て、A、5、引く(引く順番は、5、A、かな?)。フルハウス?は結果論で、2、5、捨ては王道(定石、フォーカード、ファイブカードまで有るからね)。
ここで私の妄想だが、会長、イカサマを仕込んだろう、糸目戦の様に。もっとも今回は豆生田を負けさせるためのイカサマだろうが。(あくまでも妄想です。)
夢子→9、J、J、Q、Q
豆生田→2、5、8、8、8
でもチャンスはあった。豆生田にフルハウスの目があった…。(カードを引く順番もあるからね。そこは解らんね。)だが、王道の豆生田は負けた。(やっぱり妄想。)
こんな偶然が出来るのはディーラーである会長だけ。(くどいけど妄想です。)
なんてね。まあ、私の妄想は無視してください。
ウロコ様に考察させといて、私の好き勝手な考察。
たいへん失礼しました。( ノ;_ _)ノ
さようなら。(^_^)/~~
白昼夢さんこんにちは。
夢子の札に関しては、想像が膨らみますね。まさかのフルハウスか、ツーペアだったのか、敢えてワンペアを捨てたのか。
ディーラーを務めたのはきらりですし、彼女ならシャッフルの時にカードを操って、自分の好きなように勝負を演出することも可能かも知れませんね(本当にやるかどうかとなるとちょっと読めませんが)。
豆生田くんの方は「王道」ですから、素直にスリーカードを手元に残してあとの2枚を捨てたのだと思います。
5を捨てたのに、引いたカードがまた5で結局スリーカードのままだったのでしょうね。