皆々様こんにちは。
『機動戦士ガンダムGUuuuuuuX(以下『ジークアクス』)』担当のgatoです。
前回はアマテとニャアン、そして赤いガンダムとの出会いが描かれましたが、今回は一年戦争でガンダムを手に入れたシャアの動向が描かれました。
劇場版とは逆の構成になっていたの印象的でしたね。
さて、今回は何が起こったのか、じっくり振り返っていきましょう。
颯爽たるシャア
劇場版『The Beginning』の記事でも触れましたが、あらためて本作ではシャアがV作戦を失敗に追い込み、ガンダムやペガサス(ホワイトベース)を強奪した場面が描かれました。
その結果、さまざまな運命の歯車が狂い、シャアがガンダムのパイロットとして一年戦争を戦い、ジオンが勝利しました。
『1st』と変わらず、シャアはしっかり活躍していましたが、個人的に印象的だったのが、サイド7でのガンダム強奪からガンキャノンとの戦闘までの流れが、そのままアムロのパロディとなっていたことです。
その後の01ガンダムとの戦闘ではしっかりシャアの飛び蹴りを描かれていましたが、本作におけるシャアはアムロ的な要素も持ち合わせていると捉えられるかもしれません。
つまり作中におけるニュータイプの代表であり、彼の振る舞い方が本作におけるニュータイプの定義に当てはまり得るというわけです。
あと、現状描写が少ないので何とも言えませんが、『ジークアクス』におけるシャアは母性を求めるようなナイーヴな一面はあまり描かれていない印象ですね。
シンプルにララァと出会っていないから…ともいえますが、最後まで男性キャラとの絡みばかりで、女性との絡みはまったくといっていいほど描かれていません。
なんというか、シャリアとの交流も含めて、非常にホモソーシャル的な関係性の中にいる印象があります。
まぁ、厳密にはアルテイシアとの絡みがありますが…テレビ版ではなぜかカットされているようです。
というより、ソロモンでの戦い自体がカットされていますね。
この辺りは色々重要な印象があるので、後日描かれるかと思われますが…。
ひとまず、第2話を見た時点で新たに得た『ジークアクス』のシャアの印象はこんなところでしょうか。
木星帰りのマヴ
『The Beginning』にあったいくつかの場面はカットされていたものの、本作はシャリアとシャアの出会いがしっかり描かれていました。
この場面であらためて思ったのが、「友人」と称しているようにシャリアとシャアはかなり腹の割った話ができる関係だったということです。
互いがニュータイプであることもあり、キシリアとギレンの板挟みになっていることを慮るなど、シャアはシャリアにかなり寄り添った対応をしています。
シャリアが内心を見透かそうとしてきたことに対してシャアが牽制をかけていましたが、「いずれ隠し事がなくなる」と今後より仲が深まることを示唆してもいます。
うーん、劇場版の記事では『ジークアクス』におけるシャアは「アムロにもララァにも出会っていない」と表現しましたが、シャリアがシャアにとってのアムロ的・ララァ的な存在と捉えられる予感がしますね。
BL的な意味ではなく(笑)、キャスバル・レム・ダイクンを隠してシャア・アズナブルとして生きてきたシャアにとって、同じ才能を持ち、板挟みになって自分を出せないシャリアの姿は、自分と重なることがあったのでしょう。
ある種の深い共感と共鳴が生まれる存在…それがシャアにとってのシャリアなのかもしれません。
そしてそれはシャリアも同じなのでしょう。
第1話の記事で書いたように、シャアと同じような感情を抱いたからこそ、シャリアの中の1年戦争はなかなか終わらないのかもしれません。
ザビ家の生存
シャアの仇敵であるザビ家ですが、今作ではドズルを除く3名が生存しています(デギンは不明なので割愛)。
『The Beginning』の記事ではキシリアやギレンが生存していることについて触れていましたが、シャアのセリフからすると、どうやらガルマは戦場から離れている…つまり軍から除隊している可能性が高そうですね。
『1st』ではシャアによって容赦なくハメられていたガルマですが、今回はどうやら無事に生き残ったようです。
というか、『ジークアクス』は復讐者としてのシャアの一面がほとんど描かれていないので、正直彼がザビ家に対してどこまで憎悪を燃やしているかが読み切れないところがありますね。
過去の経緯自体に違いはないはずですし、劇場版でアルテイシアとの絡みがあったことも踏まえると、シャアがザビ家に何もしないことはあり得ないのですが…。
一方のキシリアやギレンについては、『1st』のように政治的・軍事的な思想の違いがあり、なかなか不穏な空気が漂っていました。
ギレンがデギンを手にかけていない(と思われる)ためか、決定的な対立はまだないようですが、ニュータイプを重視するキシリアにとって、「口先だけ」の革新を唱えるギレンは目の上のたんこぶのようです。
先述したように「新しき時代」「人類のために」を唱えるシャアがキシリア側にいる以上(まぁ本気で結託はしていないでしょうけど)、キシリアとギレンの衝突は避けられないような気がしますね。
ゼクノヴァの果て
劇場版では経緯が描かれたゼクノヴァですが、第2話はシャリアのモノローグのみで描かれる程度になりました。
劇場版の記事ではゼクノヴァについて色々記載しましたが…まぁ今回は別の観点で見てみましょう。
あらためてみると、ゼクノヴァによってソロモンの一部が消失し、光の粒子をまといながら移動していく姿は、『逆襲のシャア』を彷彿とさせましたね。
有名な「アクシズ・ショック」というやつです。
『逆襲のシャア』におけるアクシズ・ショックは後出の作品によってさまざまな解釈・描写がされていますが、個人的には「人と人が誤解なくわかりあえることによって起こった奇跡」と思っています。
最後まで対立していたアムロとシャアの戦いによってこのような奇跡が起こったのは何とも皮肉ですね。
本作におけるゼクノヴァに、僕のアクシズ・ショックの解釈をそのまま当てはめるのは難しいですが、あの描き方をしている以上、アクシズ・ショックが念頭に置かれている可能性は高いでしょう。
ただ、現状ゼクノヴァに対する解釈が僕の中で固まっていないので、これ以上のことは掘り下げにくいのですが(笑)
現時点でいえるとしたら…やはりゼクノヴァは何かしらの奇跡なのでしょう。
しかし、作中ではアクシズ・ショックのような「人に希望をもたらしうるもの」というよりも、「人が持つ未知の可能性が暴発したもの」と捉えているようです。
実際、第1話でもゼクノヴァの発生を危惧するセリフがありましたしね。
アクシズ・ショックのように連邦軍とネオ・ジオンが助け合ったような描写もなかったですし、そこまでポジティブに捉えられるものでもないかもしれませんね。
ところで、話は反れますが、シャアのガンダムに搭載していたアルファ・サイコミュって、ちょうど第1話で登場したオメガ・サイコミュと対になる感じですね。
ヨハネの黙示録に「私はアルファであり、オメガである」という言葉がありますが、アルファとオメガは並べることで「永遠」や「全て」を意味します。
なんともいえませんが、この辺は劇場版の記事でも書いた〈刻〉となんとなく重なる気がしますね。
『ジークアクス』第2話感想
1年戦争のパロディに溢れた第2話ですが、今後につながりそうな印象的な描写が多かったですね。
カットされた部分はその後の話で流されるのだろうか…出ないと記憶がキツい(笑)
さて、次回は時間軸が戻り、あらためてアマテたちが出てくるようです。
さらにやっとシュウジとの出会いが描かれるようですね。
次回も楽しみにしましょう。
▼ジークアクスの記事はこちらにまとめてあります!
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