皆々様こんにちは。
『機動戦士ガンダム水星の魔女(以下『水星の魔女』)』担当のgatoです。
いよいよスタートした『水星の魔女』ですが、スレッタがミオリネの婚約者になるという超展開を見せました。
『少女革命ウテナ』のような展開に多くの視聴者が驚愕したことでしょう。
さて、今回はガンダムにスポットライトが当たるようですが、どうなることやら…。
なお、前回公式サイトに小説があるという情報をいただいたので、今回からはそこから得た情報も取り入れていきます。
目次
許されざるモビルスーツ
今回はスレッタが持ち込んだガンダムについて、さまざまな思惑が交錯していました。
ガンダムにあらず
今作においてガンダムは忌むべきMSとして否定されていましたが、案の定、スレッタが性能を発揮した途端、ベネリットグループが動き出しました。
スレッタは「ガンダム」ではないと否定し、プロスペラはエアリアルを「新型ドローン」だと主張していましたが…。
いや、まぁエアリアルは絶対にガンダムなんですけども(笑)
ただ、彼女達の主張もあながち間違いないではない気がします。
公式サイトで公開されている小説『ゆりかごの星』は、エアリアルが語り部を担っていますが(この時点でガンダムってばらしています笑)、この語り部を担っている時点で、エアリアルには意志があるような捉え方がされていることがわかります。
実際、『PROLOGUE』でエリクト=スレッタがルブリスと対話しているかのような描写がありますし、第1話でもスレッタはエアリアルと話しているように描写されていました(一般的な会話とは違うようですけど)。
こうなると、エアリアルはAIか何かを搭載していることによって自我を持っている…それも、復讐の概念を理解し、エリクトとエルノラの板挟みになるほど人間のそれに近い自我を持っていることが窺えます。
その意味では、エアリアルは無人で動きうるのでドローン(無人機)と定義することは不可能ではないんですよね。
ただ、『ゆりかごの星』でエアリアルは「エルノラに逆らえない」みたいなことを言っていました。
『PROLOGUE』ではエリクト=スレッタによってルブリスは最大のパフォーマンスを発揮していましたが、エアリアルはエルノラが優位性を持つような設定がされてしまっている予感がしますね…。
他方で、『PROLOGUE』でカルドはガンダムを「宇宙で適応できる体」・「GUNDの未来」と表現していました。
作中ではGUNDをはじめ、パーメットのように身体拡張技術が何かと登場しています。
GUNDが義手や義足などの身体拡張技術だとしたら、ガンダムもその文脈で捉えるべきでしょう。
だとしたら、作中のガンダムは人の新たな身体…やや固い言い方をするなら「拡張した身体を外在化した存在」というべきでしょうか。
嗤うプロスペラ
今回はスレッタがエアリアルを使用したことは、ベネリットグループが動き出す事態を引き起こしました。
エアリアルを開発したのは水星にてパーメット採掘を行っている「シン・セー開発公社」であり、その代表はヘッドギアを装着した謎の人物であるプロスペラとのことでしたが…。
いやいやいやいや、プロスペラって声優がエルノラと一緒じゃん!
しかも右腕の義手やそのデザインも瓜二つ…ガンダムが絡むことも踏まえると、完全に同一人物っぽいですね…。
本人曰く右腕と顔は「水星の磁場に持っていかれた」とのことですが、もし彼女がエルノラなら右腕は水星に行く前から失っていたはずですが…。
うーん、まぁヘッドギアを含めて単純に素性をかくすために嘘をついている可能性が高いですけど(シャアが前例ですね)。
そんなプロスペラですが、どうやらベネリットグループからエアリアル等開発への支援を引き出そうとしているようです。
あの様子を見る限り、スレッタがエアリアルで決闘することも織り込み済みのようですし、ヴィムを抱き込むことも含めて、事前に計画を進めていたのでしょう。
ヴィムはデリングに敵愾心を持っているようなので、一緒に総裁を引きずり下ろそう的な方向で説得したのでしょうかね。
そしてプロスペラがエアリアル開発を進めたいのはパーメット採掘事業をより進めるため…と言っていますが、実際は怪しいところですね。
公式サイトで公開されている『ゆりかごの星』では語り部であるエアリアルが明確にエルノラがスレッタを復讐の道具にしていると語っています。
入学前の時点でミオリネの婚約者を決める条件に決闘が入っていたことを知っているところを見ると、スレッタとグエルの衝突は事前に予測していたのでしょう。
それかスレッタがエルノラの指示通りにミオリネに接触していたのか…(だとしたらスレッタはえげつない演技力の持主ですけども)
単純に予測するなら、シン・セー開発公社の社長に成り上がったうえでエアリアル(もとい、ガンダム)を利用してベネリットグループ内で地位を高めると同時に、デリングに不満を持つ御三家を抱き込んでグループを崩壊に導くシナリオってとこでしょうか…。
いずれにせよ、プロスペラの暗躍は今後作中の展開を大きく左右しそうです。
ちなみにパーメットとは作中の世界で発見された太陽系の鉱物に含まれている元素だそうです。
個々のパーメットが情報を共有する性質があるらしく、推進剤などに混ぜて使ったり、人体に流入することで(!?)身体機能の拡張もできるのだとか。
具体的にどんなものかは、描写が少ないので推察するしかないですが、MSとパイロットの連動性を向上させる効果がありそうな印象です。
うーん、パイロットにも影響が及ぶ素材…もとい技術という点では、GUNDフォーマット技術に近いものがありそうですね…尤も、ガンダムと違ってダイレクトに接続する感じではなさそうですけど。
ただ、「さらなる宇宙進出のためには新しい技術が必要」というプロスペラのスタンスは、『PROLOGUE』でのカルドのスタンスに近しいものを感じます。
ヴァナディース機関の思想は形を変えてここに残っているのでしょうね。
一方、エルノラがプロスペラだった場合、少し恐ろしいことがわかります。
カルドはガンダムが兵器であることを口惜しがっていました。
ただ、『ゆりかごの星』でエルノラはエアリアルを「剣」と呼んでいます。
かつて兵器ではなく、人の可能性を拡張するものとして開発されたガンダムを、カルドの申し子であるエルノラが兵器として扱ってしまっている。
ここに、彼女の歪みが表れている気がします。
魔女裁判
後半ではデリングによるプロスペラへの審問会が開かれていましたが…なんていうか、結構ひどかったですね。
まぁ「証拠がない」を盾にはぐらかしてばかりのプロスペラも悪いですが、それを差し引いてもデリングのジャイアニズム全開な裁き方もヤバいですね。
ミオリネの婚約者のくだりもそうですが、ダブスタになろうがなんだろうが自分の決定が全て。
「俺こそルールだ」を地でいく姿は、なるほど、御三家から疎ましく思われても無理はありません。
ただ、『ガンダム』シリーズには頭がおかしい指導者が何かと出てきますが、その辺と比べるとデリングはまだマイルドというか…。
もちろん企業グループの総裁としては完全に滅茶苦茶な人ですけど、デリングのカテドラル成立時の振る舞いを考えると、ガンダムに対して過剰に敵視する姿勢は、彼の戦場での経験や兵器への考えが反映されているような気もします。
それに、プロスペラが明らかに腹に一物持っている人物であることも自明ですしね(笑)
しかし、今回はあまりに強引過ぎるやり方をしたせいで、ついにミオリネから決闘を申し込まれるという緊急事態になりました。
次回からのデリングの立ち回りに注目ですね。
老人の星
ここでは、作中で言及される水星について色々掘り下げてみましょう。
『ゆりかごの星』では水星は太陽に近いために軌道が不安定なうえに、太陽熱と極寒による暑さと寒さ、太陽風による日常的な電子機器障害など、到底人間が住める環境ではないと描かれています。
また、子供がいないとの記述や、言及されている住人が老人ばかりであることを踏まえると、住民が老人ばかりの僻地であることがわかります。
シン・セー開発公社がベネリットグループの一員であり、プロスペラが社長就任時にヴィムと会っているので、ほかのコロニーとの交流は一応あるようですが、誰もが忌避する過酷でさびれまくっている場所であることは間違いないようです。
うーむ、後述するように作中の世界は実力主義的な競争とそれに応じて発生する格差が深刻化していますが、水星はその中でも最底辺に位置する場所のようですね。
競争と格差
さて、ここでは度々出てくるアースシアンとスペーシアンについて語ってみましょう。
これまで何度か登場していたアースシアンとスペーシアンですが、公式HPでの解説だと、やはり地球人と宇宙人…正確には地球居住者と宇宙居住者を指す言葉のようです。
また、やはりスペーシアンが宇宙において幅をきかせているらしく、スペーシアンが社会のヒエラルキーのトップに立ち、アーシアンはすっかり底辺に追いやられているようですね。
『PROLOGUE』でも垣間見えたスペーシアンとアーシアンの対立もそうですが、今回はチュチュ・ニカ・マルタンがスペーシアンからいびられていました。
ただ、両者の対立は人種・民族というより経済的格差が根底にあるようですね。
すごくわかりやすくいうなら、富裕層が貧困層を見下しているといった具合でしょうか。
これまでの『ガンダム』シリーズで見られたアースノイドとスペースノイドの対立は政治的主権を巡るものが多いですが、今回はちょっと毛色が違う感じですね。
まぁ『パラサイト』や『万引き家族』が評価されたことでわかるように、経済的格差による社会の分断や人々の対立はトレンドになっています。
わりと面白いところを取り入れたなぁ…って印象ですね。
3人の御曹司
個人的に今回はグエル・エラン・シャディクの立ち回りが興味深かったので、それぞれ掘り下げてみましょう。
屈辱と反省
前回、見事にかませ犬(笑)の役割を果たしたグエルですが、今回はちょっと違う動きを見せていました。
ラウダ達に自分が壊したミオリネの部屋の内装を直すように命じているところを見ると、負けてから彼なりに反省していることがわかりますが…。
粗暴な言動が印象的なグエルですけど、実はそれなりに筋道が通っている人なのかもしれませんね。
まぁ筋道が通っている人間なら女の子の部屋で暴れたりとかはしないものですが、そこは若さゆえの過ちって奴で(笑)。
ヴィムに怒られたときも素直に頭を下げていましたし、それなりに真っ当な子だったりするのかしら…。
次回はグエルにスポットライトが当たるようなので、彼がどう動くに注目です。
人を好きなったりしない
「人を好きになったりしない、絶対に」と言えるほどクールでドライな印象があるエランですが、後半ではスレッタに急接近するなど、ガンダムとパイロットに強い興味を抱いている様子を見せました。
わざわざ係と変わってまで食事を届けに行ったりとなかなか献身的な人…かと思いきや、食事をしたスレッタが思わず泣きだしたところを見ても終始無表情と、なんか冷め切っている感じがしますね。
根は悪い人はない感じがしますし、これまで百合展開ばかりが注目されている中で。エラン×スレッタの可能性が見えてきたので個人的にはどうなるか楽しみですが(笑)
ところで、グエルはヴィムの息子、シャディクはサリウスの養子と、御三家との関係性が明らかになっていますが、ペイル社が擁立したエランだけはCEOであるニューゲン達との関係が明らかになっていません。
第1話を見る限り御三家は血縁関係や家父長的な権威にこだわる古風な傾向がみられましたが、ペイル社だけ赤の他人をパイロットに擁立している(それだけ優秀なんでしょうが)のは少し不思議な印象もあります。
彼の立ち振る舞いを見ている限り、一般的な生徒とは違う環境で生きてきた予感がしますが…個人的にちょっと注目したいところおです。
大人のように
ほかの御曹司と比べて、かなり表舞台に出ている印象があったのがシャディクでした。
決闘委員会を取り仕切っているだけでなく、養父のサリウスに従ってプロスペラの審問会にも出席し、報告を行うなど、ベネリットグループの中枢に既に入りこんでいるようですね。
また、魔女のモビルスーツに対して興味を持つなど、彼なりに色々企みがあって動いていそうな感じもします。
前回のヴィムの発言から、サリウスもデリングを疎ましく思っている可能性が高いですが、シャディクも総裁排除のためにあれやこれやと策を巡らせている可能性はありそうですね。
尤も、現段階では傍観者のような雰囲気もぬぐえませんが…。
新しいルール
今回はミオリネの地球への脱走を手助けするフェンとグストンが登場しました。
前回の記事で、ミオリネの脱走には何らかのあてがあったのではないかと触れましたが、どうやら彼女達が協力者のようです。
料金をもらっているところを見ると、運び屋か何かのようですが…絶対何か裏があるよね(笑)
そもそもミオリネのような監視されやすい対象を地球へ運べる時点で、地球に何らかのコネクションを持っている人物であることが窺えます。
また、脱出に失敗したミオリネをわざわざもう一度連れ出したり、彼女の希望に従って審問会に連れて行ったりするだけでなく、「宇宙には新しいルールが必要」と言っていたことから、何らかの政治的な狙いも持っていそうな感じがしますね。
これを踏まえて推測すると、地球へのコネを持っていたことを踏まえると、フェンとグストンはアーシアンに関係する勢力の可能性が高そうです。
地球にある統治機関に所属しているエージェントか、本編開始時点で消滅したと思われるオックス・アースの残党あたりが濃厚ですかね。
ただ、『ゆりかごの星』の時点でミオリネを認識していたエルノラの関係者である可能性もゼロじゃないんだよなぁ…。
もしエルノラ=プロスペラだとしたら…彼女はミオリネをも復讐の道具として利用している可能性が出てくるんですよねぇ…。
そして決闘へ
ではでは、最後にミオリネとスレッタの動向を追っかけてみましょう。
ミオリネの奮闘
スレッタのおかげでグエルを婚約者から脱落させたものの、デリングの鶴の一声で婚約が解消されるだけでなく、学園を退学させられるという散々な目にあったミオリネですが、今回は彼女のデレっぷり(笑)が描かれていた印象です。
相変わらず口は悪いですが、詫びを入れに来た(?)ラウダ達に悪態を吐きながらも受け入れたり、スレッタの言葉を思い返しながら彼女を解放するためにデリングと対峙するなど、体を張っていました。
付き合いづらいうえに自身を取り巻く環境の影響ですっかりささくれてしまっているミオリネですが、自分を助けてくれた人や詫びを入れてきた人に対しては寛容なようですね。
まぁ、スレッタに関しては助けてくれた恩義だけでなく、彼女の存在がベネリットグループに囚われている自身を解放するきっかけになると感じたからでしょう。
ただ、フェンのような得体のしれない存在に地球脱出に協力してもらったりと、ちょっと好き勝手に動いていたことが裏目に出なければいいですが…。
それにしてもデリングの娘というだけで、ここまで政局を左右する存在っていうのもすごいですね。
ここまでくるとミオリネには他にも何かあるのではないかと邪推しますけど(笑)
スレッタの孤独
これから始まる学園生活に胸を躍らせていたものの、エアリアルを使ったことでいきなり捕まったうえに退学という最悪な状況になったスレッタ。
エランに食事を持ってきてもらうシーンでは涙をこぼすなど、精神的にかなり参っていました。
『ゆりかごの星』では地球での生活に憧れながらも、水星での生活しか知らないために恐れも感じていました。
第1話ではワクワクに抑圧されていた彼女の不安が一挙に噴き出したような感じでしょうね。
今回は彼女の精神面での脆さや内面に抱えた孤独が明らかになった印象があります。
ただ、ラストではミオリネの奮闘で拘束から解放されたものの、いきなし次の決闘に突っ込まれることに…。
相手はラストに登場したあのMSなのかな?
見た目はディランザっぽいですが、パイロットは誰なんだろうか…。
『PROLOGUE』に出たベギルベウみたいなガンダム対策をしていたら厄介だろうなぁ…。
『水星の魔女』第2話感想
いきなし決闘に勝って婚約者を手に入れたかと思ったら、すぐに捕まって退学処分…。
全然が学園生活が始まらないのだけど大丈夫なんだろうか(笑)
今回は捕まったスレッタの孤独やミオリネの奮闘を描きつつも、ガンダムを中心に蠢く大人達や学生達のリアクションの動きが描かれた印象でした。
これまでのガンダムにはない展開が連続していて、最早何がどうなるかが正直全くわかりませんが(笑)
次回は『グエルのプライド』ということで、ここまでいいところが何一つないグエルが活躍する予感…。
一体どうなるか、楽しみに待ちましょう。
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