皆々様こんにちは。
『メタリックルージュ』担当のgatoです。
ちょっとプライベートが忙しくて大分間が空いてしまった…。
さて、前回は、ネアン居留地が弾圧を受ける中、アフダルが幻影のヴェルダであると判明しました。
心に抱えるトラウマに悩まされながらも、ルジュはアフダルを倒しますが、共倒れに近い形で力尽きてしまいます。
おまけに、謎の移動式サーカスが現場に現れるなど、何やらキナ臭い展開が待っている模様…。
ひとまず、何があったかじっくり掘り下げましょう。
目次
家族と面影
今回はルジュが回想と虚構が入り混じった奇妙な夢を見続ける場面が多く描かれましたが、色々重要なシーンが盛り沢山な感じでしたね。
兄とチョコレート
これまであまり出番がなかったジーンでしたが、今回は比較的描写が多く、気になる発言も多くありました。
まずジーンがピアノを弾いている場面。
ジーンは曲について説明する際、「僕と君を作った母さんが好きだった曲」と語っていました。
ロイが「自分とジーンは〈ネクタル〉が必要ない」と語っていたところを見ると、ジーンは人間であることが示唆されていますが、だとしたら人である自分を「作った」と語るのは少し奇妙な印象があります。
まるで人間と〈ネアン〉を同列にしている感じがしますね。
それに、公式サイト上ではロイがルジュの生みの親と記載されていますが、ジーンの口ぶりだと「母さん」もまた作り手の一人であるかのように思わせてきますね。
うーん、この公式サイト上の情報との微妙なズレは今後大きな意味を持ちそうな予感…。
あと、それとなく今回の描写でルジュがチョコレート好きである理由が示されている印象がありました。
ジーンはルジュにチョコレートを渡す際、「これなら一緒に食べられるよ」と口にしていました。
直前に何か一思案していたところをみると、あれはジーンなりの気遣いでしょう。
つまり、自分だけ〈ネクタル〉を摂取しなければいけないという事実から、ルジュが覚えるであろう疎外感をチョコレートを共有することで和らげようとしているわけです。
チョコレートを一緒に食べることで、ある種の連帯感を演出しようとしている感じでしょうか。
これまでジーンは、ルジュが慕っているのに対し、どこかドライな印象を持っていましたが、少なくともこの時点では(現実であるのなら)妹を大切にする兄として振舞っていたとわかります。
ルジュが子ども相手にも渡すことを渋っていたのは、自分にとってチョコレートが兄との絆の象徴だったからでしょう。
しかし、ロイが命を落とした後に、ルジュに対し復讐を持ちかけている場面でのジーンは冷徹な雰囲気を漂わせていました。
描写を見る限り、どうやらロイが命を落とした現場には立ち会っていなかったようですが、父を喪ったことで〈インモータルナイン〉への憎しみに囚われ始めたようですね。
父と母
やはりひときわ気になったのが、ルジュの父と母に関する描写でしょう。
父であるロイは、穏やかで優しそうな雰囲気を出していましたが、グラディエーターに変身するルジュを険しい顔を見ているシーンでは、彼がルジュを可愛がりつつも、どこか兵器として扱っていたかのような印象を感じさせます。
しかし、人形遣い師によると、〈インモータルナイン〉に命を奪われる直前、ロイは人間を憎む彼らを止めようとしていたとのこと。
つまり、人間と〈ネアン〉の対立を避けようとしていたことが窺えます。
少なくとも、ルジュや〈インモータルナイン〉をオーバースペックにしていたことは、人間への攻撃を想定したものではない可能性が高そうですね。
うーん、だとしたら〈簒奪者〉に対抗するために作ったみたいな話にもなりそうだけど…結局〈インモータルナイン〉を排除する方向になっているところを見るとそういうわけでもなさそう…。
一方で、個人的に気になったのがルジュの母です。
ジーンの口ぶりだと、母親がいることは間違いないのですが、それらしい人物はほとんど出てこない。
代わりに、まるでサブリミナル映像のようにちょこちょこメガネをかけた女性が出てくるだけでした。
ルジュが全く反応を示さないところを見ると、純粋に彼女を知らないのか、あるいは忘れているかのどちらかのような感じがしますね。
公式サイトを見ると、どうやら彼女は〈インモータルナイン〉の生みの親の一人であるエヴァ・クリステラのようですが…説明を見る限り既に故人とのこと。
それもロイより先に事故で命を落としているようですね。
うーん、立ち位置的には彼女が母親のような雰囲気がありますが…なんだろう、あの意味深さは(笑)
とりわけピアノを弾く姿を何かとジーンとダブらせてくる描写はすごく意味深ですよね(笑)
あの場面を真に受けるとしたら、実はピアノを弾いたり、チョコレートをあげたりしていたのはジーンではなくエヴァの方で、ルジュは何らかの記憶操作によって、ジーンだと思わされている…みたいなことが考えられます。
となると、ルジュはエヴァに関する記憶を抹消され、ジーンを慕うように誘導されている…なんてなかなか酷な真相が浮かび上がってきますが…。
ちょっと邪推ですけど、そんな可能性を感じさせてくる場面なんだよなぁ…。
疑問と目的
後半では、ロイの命を奪われた怒りから、ルジュがジーンと共に〈インモータルナイン〉への復讐を誓う場面が描かれました。
しかし、実際に復讐を実行していったのはいいものの、次第に同胞を手にかける罪悪感に苛まれている様子が描写されています。
この辺りは前回のエピソードでも描かれていましたね。
やはりルジュにとって同胞である〈ネアン〉の命を奪うことは、耐えがたいものがあるのでしょうね。
また、気になるのが、ルジュに〈インモータルナイン〉を倒す理由を問われた際に、ジーンが「どうしてもだ」としか答えなかった場面です。
普通にロイの敵討ちといえばいいのに、ジーンは「どうしてもだ」という至極曖昧な表現を使っていました。
これだと、〈インモータルナイン〉の打倒には復讐以外にもルジュにはいえない別の理由があるような印象を持っちゃうんですよね…。
ここまでくるとジーンが黒幕に見えてくる感じがします(笑)
〈コード・イヴ〉はどこにある?
さて、前回も意味深に登場した〈コード・イヴ〉という言葉ですが、今回は人形遣い師がルジュの夢に介入して、何度もその在り処を聞き出そうとするなど、かなり重要性を帯びてきました。
しかし、その正体については相変わらず何の情報もなし…推測のしようがない有様です(笑)
ただ、人形遣い師がいった「〈コード・イヴ〉はどこにある?」というセリフから微妙に情報は拾えましたね。
まず〈コード・イヴ〉は恐らくルジュが無自覚に所有しているという点。
それも物理的なデバイスのようなものではない感じですね。
人形遣い師がわざわざルジュに催眠療法みたいな感じで夢を見せ、そこで問いかけているところを見ると、ルジュの精神…もといプログラム内に仕込まれた文字通りのコードの可能性が高そうです。
人形遣い師曰く、「世界を変革する」ほどの代物であるなら、ルジュが作られた目的は〈コード・イヴ〉の発動にあるのかもしれませんね。
だとしたら、ジーンがやらせている〈インモータルナイン〉の打倒とイドの回収は、その〈コード・イヴ〉の発動に必要な条件を満たすプロセスである可能性も浮上してきます。
とまぁ、今の時点で推測できるのはこれくらいでしょうか。
いずれにせよ、〈コード・イヴ〉を巡る動きは今後も注目すべき要素でしょう。
サーカスが始まる
ここではルジュを探すナオミとエデン、そして移動式サーカスについて掘り下げましょう。
盗掘家の流儀
いきなり登場した挙句になぜかナオミと行動を共にしたエデンですが…いやぁこいつほんと曲者過ぎて(笑)
すんなり移動式サーカスに潜入したうえに、あの宇宙船の内部を知っているかのような振る舞い。
おまけにグラディエーターに変身する場面もありました。
つーかお前〈インモータルナイン〉だろ!
第2話時点では怪し過ぎて逆にないと思っていましたが、ここまでくるとあのエピソードに登場した公式サイトに載っている人物は、全員〈インモータルナイン〉の可能性がありますね(笑)
他方で、エデンが〈インモータルナイン〉の場合、敵であるルジュをわざわざ助けたってことになりますが…一体目的はなんなのやら。
というか、変身した彼を見たナオミが何も反応していなかったところを見ると、実はプロトネアンなだけで、実際は〈インモータルナイン〉じゃない説もあるのかしら…。
少なくとも、エデンの言動を見ていると、彼はジャロンやアフダルのような〈アルター〉の一員ではない印象がありますね。
むしろ戦争遺跡を調べているところから、〈簒奪者〉に関連するものを調査しているイメージがあります。
本作で度々語られる〈来訪者〉と〈簒奪者〉の対立ですが、エデンはむしろそこに眼を向けている可能性が高そうですね。
〈簒奪者〉の影
さて、怪しいことこの上ない移動式サーカスですが、作中の描写やナオミを言動を見る限り、人形遣い師や部下のオペラは〈簒奪者〉に関連する組織の可能性が高そうですね。
そうでなきゃ、あんだけわんさかシリンダーヘッドを出してくるはずがないわけで(笑)
オペラも〈簒奪者〉の関係者扱いされて否定はしていないですし、恐らく間違いはないでしょう。
だとしたら、気になる点が2つ。
まず、〈簒奪者〉もまた〈コード・イヴ〉の発動を狙っている可能性が高い点。
厳密には、アフダルのイドを奪われても人形遣い師が平然しているところを見ると、積極的に発動させるというより、「発動する瞬間を観測しようとしている」というニュアンスの方が強いでしょうか。
いずれにせよ、〈コード・イヴ〉の発動は〈簒奪者〉にも影響を及ぼすものとして捉えるべきでしょう。
となると、〈コード・イヴ〉の発動を巡る争いは〈来訪者〉と〈簒奪者〉の対立が背景にあるような感じさえ出てきますね…。
ところで、、明らかに人間じゃない外見の人形遣い師(仮面の奥は人間のような眼をしていましたが)や、人形のように動くオペラは明らかに人間ではない雰囲気がありますが、〈ネアン〉でもない感じがします。
シリンダーヘッドのことも踏まえると、共通しているのはいずれも非人間的な、機械的な何かであるところでしょうか。
〈来訪者〉が創造に手を貸した〈ネアン〉は強大な力を有していながらも、どこか人間らしさを残しているものであるのに対し、〈簒奪者〉に関連するものは非人間敵であると同時に、どこか超然的な雰囲気を漂わせている感じがしますね。
つまり、創造したものにおいても両者は対照的というわけです。
ただし、人形遣い師が〈コード・イヴ〉の発動にこだわっているところを見ると、どうやら〈コード・イヴ〉は〈ネアン〉に限らず、人工的に作られた存在全てに作用するものと考えるべきなんでしょうかね…。
そしてもう1つ気になる点がオペラがナオミに対し、「同じ匂いがする」と口にした点です。
前回の記事でもジャロンがナオミに何かを感じ取った描写がありましたが、今回のオペラも似たようなものだと考えられるでしょう。
だとしたらナオミは〈簒奪者〉が作り出した何か…ということになりそうですね。
いやぁ…そうだったらかなりの急展開ですけどね(笑)
それにナオミは〈コード・イヴ〉について何も触れていないですし、人形遣い師やオペラとも面識がないようですが…。
でも、ナオミの存在が急にきな臭くなってきたなぁ…。
お前は自分か?
ルジュの夢に介入したり、〈コード・イヴ〉について問い質したりと、色々暗躍していた人形遣い師ですが、あっさりルジュを逃がすばかりでなく、アフダルのイドも持って行かせてしまうなど、結局何がしたかったのかよくわからない立ち回りでした。
ただ、人形遣い師の言動を見る限り、〈コード・イヴ〉の発動はルジュが「自由にいきること」に関連しているような印象があります。
何かにつけて人形遣い師がルジュに「お前は自由か?」「お前は自分か?」と問いかけていたり、「真の自由を手にした時に相まみえよう」と語っていたりしたところを見ると、ルジュが自由に生きる、自分として生きることを彼は望んでいるようです。
これだけ聞くと、人形遣い師は意外といい奴…にも思えますが、ちゃっかり目的を果たしていましたが…。
ところで、面白かったのが、今回のエピソードを含め、第3話以降自由を説くものが3人現れた点です。
まずは第3話の記事でも掘り下げたユバル087。
ユバル087は人間に囚われないルジュの生き方に希望を見出し、「自由な意志」を尊重するスタンスを取っていました。
対して、ジャロンは第4話で自由について説いていましたが、それは自らの欲求の充足を優先する享楽的なものです。
ジャロンの思想は「やりたいことを好きにやる」というものにみえる反面、実際は利己的な危ういものといえるでしょう。
そして人形遣い師の言動はユバル087のような雰囲気がありつつも、自由と同じくらい「自分=自己」を重視するスタンスでした。
ユバル087のような〈ネアン〉の模範という前提はなく、あくまで「ルジュ・レッドスターはどう在るべきか」を重視する雰囲気です。
ただし、自由になるために呪縛を解き放とうとするところは、ちょっとジャロンのような感じはしますが…。
いずれにせよ、人形遣い師の目論見は純粋にルジュのためになることではない予感はしますね。
閉幕、そして…
無事にナオミと合流できたルジュは、エデンの助けを借りつつ、オペラやシリンダーヘッドの追撃から逃れ、無事に移動式サーカスを脱出しました。
アフダルのイドも回収できたし、これでめでたしめでたし…と思いきや、どうやら人形遣い師の目的はルジュのデータを取得し、水色の髪を持つの少女を作り出すことにあったようです。
どうやらこの少女、公式サイトに掲載されていたシアン・ブルースターのようですが…。
ちょっと気になるのが、ルジュと対面した過去のジーンが、傍らにいたもう1人のルジュを「妹」と紹介した直後、彼女の髪が青くなった場面。
まるでシアンがルジュに成り代わる存在であることを示唆しているかのようですね。
うーん、この様子だと、シアンはルジュの代理で〈コード・イヴ〉の発動させる、あるいはルジュの〈コード・イヴ〉の発動を何らかの形で促すための存在と捉えるべきでしょう。
そして同時に、彼女の誕生は〈来訪者〉側の技術が〈簒奪者〉の手に渡ったことも意味する気がしますね。
公式サイトによるとシアンはルジュの敵になるようですが…。
シアンがどんな立ち回りを見せるか注目です。
『メタリックルージュ』第5話感想
過去の回想と虚構が入り混じった隠喩と示唆だらけのエピソードでしたね。
この感じ…20年前のアニメを見ているかのよう(笑)
結構好みですけど、見るだけで体力使うんだよなぁ…(笑)
一見すると後半のバトルシーンが盛り上がっているだけの印象がありますが、全体的になかなか不穏な火種が散りばめられているエピソードだと感じました。
こりゃ近いうちに一波乱あるんじゃねぇか…。
次回に注目ですね。
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