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ガンダムGQuuuuuuX The Beginning 感想・考察・解説!シャアは並行世界に行った?【機動戦士ガンダムジークアクス】

皆々様こんにちは。

この度『機動戦士GundamGQuuuuuuX(以下『ジークアクス』)の担当になったgatoです。

『機動戦士ガンダム』シリーズを手がけるサンライズと『ヱヴァンゲリヲン劇場版』シリーズのカラーがコラボした『ジークアクス』。

ガンダム好きはもちろん、アニメ好きとしては絶対に無視できない作品ですよね。

早速の公開当日(17日)に観てきたので、思ったことをつらつら書いていこうかと思います。

ちなみに、この記事について、以下3点の注意点がありますので、お読みになる前にご一読ください。

・2年ぶりにこの手の記事を書くので多分記事のクオリティが落ちているかも…そこは温かい目で見てください(笑)

・劇場版を1回観た状態で書いているので記憶違いや誤認が混じっていることがあるかと思いますが、そのときは温かく指摘してください(笑)

ネタバレしています!!!未視聴の方・ネタバレが嫌な方はブラウザバックを推奨します。

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もうひとつの“宇宙世紀”

さて、『ジークアクス』の情報が解禁された時点でネット界隈を騒がせたのが「『ジークアクス』の世界は宇宙世紀のパラレルではないか」という説です。

実際、予告映像では『機動戦士ガンダム(以下『1st』)」には登場しないカラーリングのザク(軍警の機体)を始め、ビットや緑色に塗られたペガサス級戦艦(ホワイトベース)、そしてシャリア・ブルと思しき人物などが映されたことから、「ジオンが勝利した世界線」と見なす解釈が流布していました。

正直、最初は半信半疑だったんですよね…。

宇宙世紀が絡まない『ガンダム』シリーズでは、『1st』のパロディは珍しくないですし(『SEED』が典型例)、個人的にパラレルの宇宙世紀をやる意味がよくわからなかったですし。

どうなることやらと思いつつ本作を観てみましたが…これがビックリ!

マジで宇宙世紀のパラレルでした(笑)

山下いくとがデザインを手がけていることもあり、ザクの意匠などに違いはあったものの、基本的に『1st』と同じ歴史を歩んでいた世界でしたね。

コロニー落としも1年戦争も当たり前に出てきます。

おまけにシャリア・ブルをはじめ、キシリア・ザビ、マ・クベ、テム・レイ、カムランなど、『1st』のキャラクターが続々と登場していました。

極めつけは…『1st』、いえ『ガンダム』シリーズを語るうえで欠かせないあの「赤い彗星」も…!

しかし、グラナダに落下する宇宙要塞ソロモンを破壊する際、突如起こった謎の爆発によってシャアはガンダムとともに消息不明に…。

そして今作は赤い彗星ことシャア・アズナブルが物語の核心を担っています。

それについては、後ほど掘り下げましょう。

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出会わなかった者達

最初に今作の〈宇宙世紀〉について掘り下げてみましょう。

あり得なかった勝利

本作は『1st』と同様に1年戦争が勃発したものの、本編とは異なる結末を迎えました。

シャアがガンダムおよびホワイトベースを奪取したことにより、V作戦による逆転は完全に失敗。

サイコミュとビットを搭載したことでニュータイプ仕様になったガンダムや、すっかりジオンカラーに染められたホワイトベース、そして木星帰りのシャリア・ブルの活躍により、ジオンは地球連邦を圧倒し、最終的には勝利しました。

それにより、宇宙世紀はスペースノイド優勢の時代を迎えます。

本編との違いの内、個人的に注目したい変更点は以下の2つです。

ザビ家生存(キシリアとギレン)

シャアがアムロとララァと出会わない

ザビ家生存については、デギンやガルマがよくわからないので何とも言えないのですが、ひとまずキシリアとギレンが生存していることは確実でしょう。

ドズルが落命したことにはちょっと笑いましたが(笑)

そして、シャアがアムロとララァに出会わなかった展開となっていることは、本作の最大の注目点だと思っています。

シャリア・ブルやフラナガンといったニュータイプ関連の重要人物にこそいるものの、シャアの人生を大きく狂わせたアムロやララァと出会わなかったことは、かなり意味があることかもしれません。

ただ、テム・レイが登場していた以上、あの世界にアムロはいるでしょうし、ララァ・スンも何かしらの形で登場するかもしれません。

また、もちろんシャアが行方不明になる寸前に遭遇したアルテイシア=セイラ・マスも要注目です。

あの感じを見る限り、彼女はアムロに変わって連邦のエースパイロットととして戦っていた感じでしょうか。

あの様子だと、彼女もシャアと一緒に行方不明になってそうな感じですが…。

戦争が終わっても

さて、マチュたち主人公が活躍するのは宇宙世紀0085ですが、この時代はどんな時代だったでしょうか。

ジオンの勝利によりジオン公国は無事独立、『1st』から連なる〈正史〉の宇宙世紀ではなかなか実現しなかったスペースノイドの権利獲得が実現した平和な時代…と思いきや、残念ながらそうではないようです。

ガンダムや、ジークアクスを奪われ逮捕されたエグザベの処遇を巡ってジオンとイヅマ・コロニーがギスギスしていましたし、作中では戦争難民に対して軍警が不条理な扱いをしている場面も見られました。

特にジークアクスの行方を追った軍警が、難民がいるにも関わらず、不法居住区の床を剥がしてメチャクチャにするシーンはインパクトがありますね。

この時点で、終戦後5年が経過しても難民は存在しており、ジオン勝利の恩恵に与れていない人々が少なくないことが窺えます。

というか、社会的弱者に対して苛烈な仕打ちを平然を行えるなんて、個人的には『閃光のハサウェイ』のマンハンターを彷彿とさせましたね。

ジオンもほかのコロニーに対して積極的に手を貸しているようではないですし(ブリッジ内のやり取りを観ている限りむしろ嫌がっている)、スペースノイドは依然として一枚岩ではないようです。

まぁジオンは1年戦争時は他のコロニーに対してもメチャクチャやってましたからね…。

ちなみに宇宙世紀0085は〈正史〉だと『STARDUST MEMORY』と『Z』の間、正確にはデラーズ紛争とグリプス戦役の間です。

〈正史〉ではスペースノイドへの圧政が悪化した時期であり、ティターンズのバスク・オムがスペースコロニーの住民1500万人全員毒ガスで抹消する「30バンチ事件」を引き起こした時期でもあります。

今作では「17バンチ」で何かが起こったようなことが示唆されていますが、同じようなことがあったのでしょうか…。

まぁジオン軍と親衛隊の間にも軋轢があるようですし、いずれにせよ不穏な状況にあることは間違いないようです。

作中では、散布するミノフスキー粒子の濃度を調整して「戦争行為ではない」と印象付けることなどが行われていましたが、実際はささいなきっかけでいつ戦争に発展してもおかしくない状況かもしれませんね。

2人揃ってマブ

個人的に興味深かったのは、今作で何かにつけて注目される「マブ」という概念です。

マブとはミノフスキー粒子が散布された状況において、パイロットが互いに連携して戦う…いうなればツーマンセルによる戦術ですね。

シャリア・ブルのセリフから、ジオンにおいては基本的な戦術として士官学校で教えられており、イヅマ・コロニーでも軍警が利用していました。

おもしろいことに、クランバトルでも2対2のマヴ同士での対戦方式が基本となっています。

『ジークアクス』においては、マヴは基本戦術としてスペースノイドにかなり浸透していることがわかります。

確かにミノフスキー粒子が散布されている状況において、常に2機で行動することは仲間と連携するうえでも有用な感じがありますね。

また、このマヴがニュータイプであるシャアとシャリア・ブルによって編み出されたことは、個人的に興味深いものがあります。

『1st』もそうですが、『ガンダム』シリーズにおいてニュータイプ、ないしそれに類する能力を持つキャラクターは自分と相手、つまりツーマンセルの関係性で能力を覚醒、あるいは自覚する場面がありました。

アムロにおけるララァ、カミーユにおけるシロッコやハマーンなどなど…ニュータイプにとって、特定の誰かと出会い、精神感応を起こすシーンはいずれも作中で重要な意味を持っています。

正直現段階で断定することは難しいですが、マヴはこのような1対1の精神感応を疑似的に再現した戦術ではないでしょうか。

実際、作中ではマチュが「キラキラ」と呼ばれる精神世界に入るシーンがありました。

1回目でジークアクスに乗ってガンダムと戦っている場面、そしてクランバトルで戦っている場面です。

いずれの場面でも、精神世界にはマチュだけでなくシュウジがいたことがわかります。

つまり、あの「キラキラ」は〈正史〉でアムロとララァが起こした精神可能と同一であり、同時にマヴという構図がそれを引き起こす諸条件に合致し得る可能性を感じられますね。

アムロとララァが登場していない宇宙世紀、つまりあの精神感応が起きなかった世界において、マヴがその精神感応を引き起こしている要因になり得る事実は、作中において重要な意味を持つでしょう。

刻〈とき〉を超える

さて、諸々を踏まえたうえで今作における「宇宙世紀のパラレル」がどのような意味を持つかについて、色々推察してみましょう。

個人的に、シャアが行方不明になる直前に口走った「ときがみえる」というセリフが大きな意味を持っているのではないかと感じています。

ここでいう「とき」は「時」ではなく、「刻」ではないかと思っています。

刻は『ガンダム』シリーズの生みの親である富野由悠季が多用する表現であり、『1st』ではララァが口にした言葉です。

加えて、『Z』や『UC』など、宇宙世紀の作品でも度々利用されてきました。

この刻の意味は単純な時間を示すものではなく、もっと大きい概念として扱われています。

作品によって微妙に扱われた方が異なるため、明確な定義こそ不明ですが(知っている方いたら教えてほしい…)、ニュータイプとセットで語られることが多い傾向があります。

個人的に「刻」の意味合いは、未来・過去という時間の概念だけでなく、空間的な意味合いを内包した「時空」のようなものだと思っています。

タイムリープものに合わせていうなら刻=世界線と捉えた方がわかりやすいでしょうか。

「刻を見る」を「別の未来=世界線を視る」というニュアンスで捉えると、個人的にはしっくりくるものがあります。

「刻」をこのように捉えた場合、個人的に『1st』でアムロとララァが対話する『光る宇宙』での、このセリフを重視したいところ。

「人はいつか時間さえ支配することができるさ」

これはララァとの対話の過程でアムロが口にしたセリフですが…これと刻の概念を踏まえたうえで極論をぶち上げるなら…。

『ジークアクス』は、ジオンが勝利したことではなく、人が時間=刻を支配した現象が起こってしまった宇宙世紀を描いた物語ではないでしょうか。

刻=世界線と捉えた場合、それはそのまま「並行世界」としても解釈できます。

そして、これらを踏まえるとシャアが行方不明になった一連の現象は、サイコミュだのニュータイプだのの影響で、刻=世界線に干渉したことによって彼が異なる世界線を移動したと捉えられます。

『シュタインズ・ゲート』におけるタイムリープのように、時間移動=異なる世界線=並行世界への移動という塩梅ですね。

つまり、シャアは刻=異なる世界線を垣間見、そこへ行ってしまった…。

それが『ジークアクス』の1年戦争末期に起こったあの事件ではないのでしょうか。

だとしたら、ある意味、本当に「夢が交わる」場面だったともいえるかもしれませんね。

出会ってしまった少年少女

ここでは本作の主要人物である、マチュ、ニャアン、シュウジについて掘り下げてみましょう。

キラキラを目指して

主人公のアマテ・ソラことマチュですが、なかなか平凡というか、等身大の少女像でしたね。

人工物に囲まれたコロニー生まれであるがために、どこか閉塞感を覚えていた彼女はニャアンや、ガンダム、そしてシュウジとの出会いをきっかけにジークアクスに乗り、クランバトルの、そしてジオンの思惑が錯綜する世界に突入します。

そんなマチュですが、わりと早い段階からニュータイプの素養を発揮していました。

挙句の果てにはジークアクスに搭載されたオメガサイコミュを発動させるなど、かなり際立った才能を持っていることが窺えます。

立場的にはシュウジと一緒に、アムロに代わってニュータイプ代表みたいな感じになるのかな…。

あと、個人的に気になるのが「マチュ」という名前の由来が、彼女の子ども時代のあだ名だということです。

これがどんな意味を持つのか…これは続編を観ないと判断できないところですね。

難民少女

マチュがガンダムに関わるきっかけを作ったニャアンですが、彼女はちょっと立ち回りが読めないキャラクターですね。

戦争難民という出身上、ハードな境遇を持っていることは窺えますが、MSを操るわけでもなく、ニュータイプの力を発揮しているわけでもない…。

一瞬ミハル・ラトキエみたいな立ち回りかと思いましたが、まだなんともいえないところです。

それにしても、作中における戦争難民がどこから来た人なのかが気になるところですね。

まぁ、連邦の敗北によって完全に行き場をなくし、宇宙にやってきたアースノイド…ってとこですかね。

立場上、コロニーになじめないところが、裏仕事には目立ちすぎる格好に現れている印象があります。

いやー、でもマジでニャアンがどういう立ち回りになるか読めない(笑)

一部ではマチュがハマーンのオマージュではないかといわれていますが、だったらニャアンはララァのオマージュとかになんのかなって思いましたけど…。

正直、マチュとニャアンは鶴巻和哉や榎戸洋司のエッセンスが強めのイメージがあるので、そういう立ち回りではない気がするんですよね…。

ガンダムに乗る少年

3人のなかで、ある意味シャアに並んで重要な人物がシュウジです。

行方不明だったシャアのガンダムを自由に操るうえに、浮浪児かと思ったら、グラフィティアーティストの一面も。

これまでの『ガンダム』シリーズにはないキャラクター像で、なかなか解釈が難しいところです。

謎だらけのシュウジですが、先ほど長々と語った「刻=世界線=並行世界」の話を念頭に置くなら、ひとまずシャアのガンダムを持っている時点で彼は並行世界から来た人間という仮説が生まれます。

彼がガンダムを持っていることはもちろん、マチュと同じように「キラキラ」にこだわっている(アートにも現れている)のもその証左ともいえます。

ただ、シュウジが度々口にする「ガンダムが言っている」というセリフが気になるところです。

まるでガンダムに意思があるような口ぶりですが…一体何でしょうね。

ガンダムが意思を持っている描写は『水星の魔女』や『NT』でもありましたが、今作も同じ路線でしょうか。

だとしたら、今作のサイコミュは魂を定着させるサイコフレームのような機能を持つものである可能性も生まれますね。

そして、その場合、ガンダムに定着している魂は…流れ的にはシャアにもなり得ますが…。

シュウジの描写はテレビ放送されたときにじっくり見たいな…。

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『ジークアクスThe Beginning』感想

いやー情報が秘匿されていたとはいえ、予想の斜め上を行きましたね(笑)

正直『1st』へのオマージュとパロディに溢れただけの作品だったらそこまで興味がなかったのですが…、まさか『1st』を土台に新しい物語を展開させようとする意欲作だとは。

まだまだわからない謎も多いので、テレビ放送が始まったらまたじっくり観たいですね…。

あと個人的に鶴巻和哉や榎戸洋司は好きな作り手なので、そのエッセンスを存分に感じられたのは良かったですね。

さて、劇場版はひとまずここまで。

次回はテレビ放送…の記事は書くのか?多分書くので、そのころにお会いしましょう~。

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