皆々様こんにちは。
『SSSS.DYNAZENON(以下『ダイナゼノン』)』担当のgatoです。
先週からスタートした『ダイナゼノン』。
第1話から色々面白いポイントがあって見応えのある作品でした。
早速好き勝手色々言ってしまいましたがどうなっているのか(笑)
さて、初めて邂逅した怪獣を見事ダイナゼノンで倒したガウマ達。
今回は怪獣との戦いに加え、新たなキャラクターが登場することでより物語が加速するようです。
一体何があったのか、早速振り返っていきましょう。
目次
痕が残る世界
今回のエピソードで個人的に印象に残ったのが、やはり怪獣(シャルバンデスという名前のようです)が暴れた後の被害状況が描写されていたという点でしょう。
前作『SSSS.GRIDMAN』では怪獣による破壊の痕跡は修復され、人々(レプリコンポイド)は怪獣が襲撃してきたことさえ覚えていないという設定にされていました。
これに対し、今作はシャルバンデスの痕跡が明確に残っており、修復がないのはもちろん、人々の記憶にも残っています。
これだけ見ると、どうやらフジヨキ台は現実世界にある…という説が濃厚になりそうですね。
あれだけ外すのを恐れて慎重になっていた僕も(笑)、現実世界説に傾きつつあります(笑)
ただ、修復されなかったのは「ベノラ」がいなかったから、人々の記憶に残っているのはアカネやアレクシス・ケリヴがいなかったから…なんてことを言われそうな予感もする(笑)
でもフジヨキ台の描写には相応のリアリティがあるので、どこか歪さを感じさせる描写がされたツツジ台(仮想世界)と同一視することもできないのは事実ですしね。
他方で、前作のラストではグリッドマンの力でツツジ台のみだった世界が拡張され、地球が形成されたような描写がありました。
そう考えるとフジヨキ台はアカネが去り、グリッドマンの力で「世界」として再形成されたコンピュータ・ワールド(ツツジ台)という可能性も…予防線として残しておきましょうか(笑)
戦う理由って、なに?
今回はサブタイトルでもある「戦う理由って、なに?」をなぞるような展開がされましたね。
色々事情を知ってそうなガウマは怪獣や怪獣優生思想と戦う気満々ですが、巻き込まれた蓬達はまだ戦う理由をしっかり持てていない感じがしました。
とりわけバイトを理由に特訓に不参加だった蓬は戦うこと自体に消極的な印象がありましたね(後述しますがバイトにこだわるのにも色々訳があるようです)。
まぁガウマやダイナゼノンといった非常識的な存在に巻き込まれて、訳も分からない内に戦わされたのであれば無理はないですね。
ただ、蓬と夢芽を見る限り、少しばかりダイナゼノンで戦うことに前向きになっているようです。
とりわけ意外にも最初から積極的だったのが夢芽ですね。
彼女は特訓にはきっちり参加していますし、おまけに蓬と二人で訓練したり、それとなく参加を促すなど、意外と協力的でした。
夢芽の積極性(少なくとも蓬への)には色々理由がありそうなので後述しますが、彼女に感化されたのか蓬も怪獣との戦いの中で「守れるものは守る」と思いを口にしています。
そんな夢芽や蓬が現時点で見出している戦う理由は「目前の被害」でしょう。
夢芽は早い段階からシャルバンデスとの戦いで被害が起こったことを意識していたようですが、蓬も彼女に連れられて惨状を見てから意識が変わった感じがしますし、怪獣によって窮地に陥ったバスと乗客達を守れたことが触れられていました。
ひとまず「目前の被害を防ぐこと」を二人はダイナゼノンで戦う理由にしたようです。
蓬が望む自立
ガウマと共に主人公を務める蓬ですが、今回の立ち回りはちょっと意外でしたね。
望むと望むまいに関わらず、ガウマに巻き込まれていくかと思いきや、バイトを理由にダイナゼノンの特訓に参加しないなど、非協力的な一面が見られました。
まぁダイナゼノンで戦うことを避けているというより、バイトを優先しなければならない理由があるって感じですね。
お風呂でのガウマとのやり取りでは具体的な理由を明かしはしませんでしたが、「せっかく働ける年齢になったから」と口にしていました。
つまり蓬にとって「働けること」自体が重要なようですね。
友達の金石達は蓬のバイトを優先する理由を「自立したいから」と語っていましたが、やっぱり経済的な理由よりも家から離れて自立することに重きを置いているところは間違いないようです。
この背景にはやっぱり母親と再婚相手と思われる上条の存在がありそうですね。
他方で、前回色々穿った見方をした麻中家に関しては、そこまでネガティブな感じではなさそうですね。
おばあちゃんがちょっとフワフワしている点を除けば、普通に一家団欒していますし、そこまで拗れた感じでもなさそうです。
前回は少しネガティブに見すぎたな…反省(笑)
でも、ああやって良好な家族関係が形成されていることが蓬には辛いかもしれませんね。
そもそも蓬は自己主張が強そうなタイプでないですし、上条に対しても表面的には友好的に振る舞っていました。
だから祝い金を黙って捨てたり、バイトを増やしたりと、独り善がりな抵抗しかできないのかもしれません。
夢芽のアンビバレンス
今回のエピソードで一番意外な立ち回りを見せたのは夢芽ではないでしょうか。
約束を平気で破り、水門の上で鼻歌を歌うなど、なかなかエキセントリックな一面を見せた夢芽ですが、今回は蓬に約束を破ったことを謝罪したリ、ダイナゼノンで戦うことに協力的だったりと、前回とは真逆の一面を見せてきました。
約束と姉
まず、蓬との約束を破ったことから。
あれだけ約束を破るキャラクターが強調されていた夢芽ですが、今回はあっさり蓬に謝罪しました。
それも「自分の好意が彼を傷つけた」という認識をちゃんと持ったうえでの謝罪です。
素直に謝れるなんて…普通に良い子じゃないか(笑)
冗談はさておき、夢芽が蓬に謝ったのはガウマに責められたことに加え、蓬の寂しそうな表情を目の当たりにしたからでしょう。
これは単純に蓬に対して申し訳ないと思ったというより、姉の存在が大きく影響している感じがします。
夢芽は事故で他界した姉の香乃が苦手だったと白状していますが、他方で彼女を喪ったことを気に病んでいるようでした。
姉が命を落とした水門に上ったり、姉と同じ学校に行ったのも、夢芽が香乃を追いかけていることを窺わせます。
もしかしたら約束を破るという行為も、思いがけない形で自分との約束(演奏会の件)を破った香乃へのあてつけなのかもしれません。
ただ、夢芽は約束を破るという行為をすることで、蓬が傷ついた様を目の当たりにしました。
恐らく夢芽はここに香乃を喪った際の自分を見出したのではないでしょうか。
だから夢芽は蓬に謝罪し、香乃のことを話したのかもしれません。
でも、夢芽の行動と心情は後述するように矛盾だらけですし、掴み処がないキャラクターに加えて情報も少ないのでまだ何とも言えません…。
正直約束を破る行為における彼女の心情も上手く解釈できていないのですが(笑)
それでも夢芽が悲しそうな顔をした蓬に申し訳なさを感じたということは、そしてそこに香乃を喪った時の自分を見出したのであれば、少なくとも彼女は香乃の他界に悲しみを覚えていたことになりそうですね。
ところで、ちょっと気になるのが香乃が他界した原因です。
水門から転落したということですが、シチュエーション的には自害っぽい気もしましたが…。
でも夢芽が「事故」と明言していましたし、香乃と約束していたり、カレンダーにスケジュールが書き込まれていたところを見ると、どうやら事故であることは間違いないようです。
夢芽のパラドックス
今回の夢芽はどこか矛盾が多い印象もありました。
蓬との約束の件はそうですが、そもそも彼女がダイナゼノンで戦うことや、誰かを守ることに対して積極的なところも、夢芽の印象と違う感じがします。
そもそも夢芽はクラスで孤立している感じであり、他人に対してそれほど積極的に交流しようとする感じではありません。
一方で親友の鳴衣の前では年相応にはしゃいだり、屈託のない笑顔を見せるなど、ひどく鬱屈している感じもありませんでした(むしろ蓬の方が闇が深そう笑)。
だけど、孤立している面を見ても、鳴衣とはしゃいでいる面を見ても、ダイナゼノンに乗って戦う姿には結び付けにくいんですよねぇ…。
まぁ僕がイマイチ夢芽を理解できていない感じもありますが…。
ただ、個人的にはまったのがやはり姉の香乃を絡めた解釈です。
香乃は不慮の事故という、ある意味非常に理不尽な状況で命を落としました。
ここに夢芽は怪獣による被害を重ねたのではないでしょうか。
怪獣という圧倒的な理不尽によって誰かが傷つき、大切なものを喪う。
香乃を喪った経験から、夢芽は無そんな事態を避けるためにダイナゼノンで戦う道を選んでいるのかもしれません。
また、もしかしたら夢芽はこのような気持ちを抱いていることにさえ無自覚なのかもしれません。
夢芽の香乃への感情は、「今はわからない」と本人がいったように上手く言語化できないことです。
これは夢芽が香乃の他界を上手く受け止められていないことと深く関係しているのでしょう。
だから夢芽は様々なやり方で香乃を追いかけているわけです。
ただ、まだそこに答えは出せていない。
上手く言語化できないからこそ、その時々の感情の起伏や乱れに従っているからこそ、夢芽の行動は一貫性のない、矛盾に満ちたものになっているのではないでしょうか。
ところで、今回夢芽や蓬が授業を受けている時に教師が話していた内容は「アキレスと亀」の逸話のようです。
これは有名な数学のパラドクスですが、なかなか意味深な引用です。
「永遠に追いつけない」という関係性は夢芽と香乃が一番しっくりきますが、あの描写を見ると夢芽と蓬の関係にもはまりそうですね。
個人的には蓬目線から見た夢芽との関係にはめるのが好みです(笑)
暦とちせとダイナゼノン
無職+不登校児、おまけにいとこ同士というなかなか濃ゆい設定の暦とちせですが、なんやかんやで暦がダイナゼノンに乗ったことで、ガウマ達と関わることになりました。
個人的にちょっと意外だったのが、暦やちせがわりと積極的にガウマ達に協力していたことです。
まぁロボットを操られるという非日常的なイベントにときめいたのもあるでしょうけど、「もし時給が出れば就職になる」と暦がいっていた辺り、暦とちせは社会に出ることに対してわりと前向きな姿勢を持っていることが窺えます。
少なくとも厭世家だったり、何らかのトラブルやトラウマが原因でドロップアウトしている感じはなさそうですね。
まぁ家族絡みで何かあった雰囲気がちょっとありそうですが…この辺りは様子を見ましょう。
ところで、前回の冒頭でばら撒かれた真珠のようなものをちせが拾っていた描写がひっかかりますね…。
あれが怪獣を産み出す原因の一端であるなら、ちせが拾ったってことは…。
先々でちせが怪獣を産み出すことになりそうな…。
ガウマはお節介
登場してからキャラが立ちまくっているガウマですが、今回の前半ではダイナゼノンの訓練に行かなかった蓬の家に押し掛けるなど、なかなかお節介な一面が描かれました。
一方でバイトを理由にする蓬の意味深なリアクションに対し、やたらと問い詰めなかったり、泊まった後に布団などを綺麗に畳んで去っていくという一面も描かれていました。
蓬の家を突き止めて押しかける強引さがある反面、意外とガウマは相手の心中に無理に踏み込まなかったり、礼節を弁えている一面があるんですね。
前回の描写でガウマがアンチを連想させるといいましたが、アンチと比べるとガウマはそれなりに人間的な素養を持ち合わせている印象があります。
ガウマと正体は依然として不明ですが、アンチよりも人間との接し方や振る舞い方を心得ているところを見ると、人間よりの存在のような気がしなくもない…。
まぁまだ何とも言えないですけどね(笑)
ところで、ガウマの身体に大きなひっかき傷が残っていたことがちょっと気になりますね。
少なくとも人間相手に戦って付けられる傷ではなさげです。
これもガウマの過去につながるヒントになっている…のかな?
怪獣使いは集う
前回はガウマの発言から出現する怪獣の背後には何かしらの組織がいることを暗示されていましたが、存外早く出てきましたね。
今回は新たに登場した怪獣使いを含め、色々掘り下げてみましょう。
怪獣優生思想
前回の記事でガウマがいう「あいつら」をそれとなくPVに出た白装束の面々と結び付けましたが…。
なんとドンピシャでしたね。
ジュウガ、オニジャ、ムジナ、シズムの4人で結成されている「怪獣優生思想」は、その名の通り怪獣を積極的に使役する集団のようです。
いやー前作の新世紀中学生みたいな立ち位置かと思いきや、見事に裏切ってきましたね。
まぁ外見の色味が正反対なのはなるほどと思いましたが(笑)
ガウマとは面識があり、なおかつ対立している怪獣優生思想ですが、怪獣を操る際に行う仕草がガウマと一緒でした。
どうやら怪獣使いとしては同じルーツを持つ間柄のようです。
ただ、ジュウガは「インスタンス・ドミネーション」と叫んで怪獣を文字通り支配していましたが、これがガウマの言う所の「掴む」と同じ行為かは今の所不明ですね。
少なくともガウマとは異なり、怪獣優生思想は怪獣を操って積極的に攻撃を仕掛ける集団であることから、前作のアカネやアレクシス・ケリヴに近い立ち位置であること窺えます。
怪獣が世界を導く
怪獣優生思想については次回のエピソードで掘り下げられそうですが、一度彼らに関する事柄を整理してみましょう。
どうやら怪獣優生思想はジュウガの「怪獣が世界を導く」という台詞にあったように、少なくとも彼らにとって怪獣は世界を革新するうえで必要不可欠な要素と考えているようです。
また、ジュウガ達はガウマと面識があるようなので、もしかしたら彼の力が弱まった原因にもなのかもしれません。
少なくとも、彼らは友好的な関係ではないのでしょう。
後、気になったのが怪獣優生思想が怪獣を見つけた時のやり取り。
「みつけた」、「意外と早く出てきた」という台詞があったことから、怪獣優生思想はどうやら怪獣を産み出して送り込んでいるというより、発生した怪獣を支配することが主な行動パターンのようです。
真珠のようなものが怪獣発生の原因なら、冒頭でそれをばら撒いたのが怪獣優生思想と捉えられますが、作中の描写を見る限り産み出した怪獣が初めから彼らの支配下にあるわけではなさそうな感じがします。
だとしたら、怪獣を産み出したのは少なくともジュウガ達4人ではない可能性もありそうですね。
『ダイナゼノン』第2話感想
新たな怪獣とダイナゼノンの戦いもインパクトがありましたが、個人的に面白かったのは蓬と夢芽の描写ですね。
それぞれ屈折した心情が浮き彫りにされており、色々注目させられました。
後、プライベートでは眼鏡をかけている蓬の描写に生活感があって結構好き(笑)
さて、次回は怪獣優生思想との対面でまた一波乱ありそうですね。
一体どんな怪獣使い達のなのか…注目です。
▼ダイナゼノンの記事はこちらにまとめてあります
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コメント
>だとしたら、怪獣を産み出したのは少なくともジュウガ達4人ではない可能性もありそうですね。
まあ、舞台が現実にしろコンピューターワールドにしろ、人間に怪獣が作れるとは思えませんし、アレクシス・ケリヴのような黒幕がいる可能性は高いですね
特撮でもアニメでも今までは「怪獣を生み出すのは人間の心」、「でも怪獣に力を与え実体化させるのは黒幕である『ハイパーワールドの犯罪者』」というのが共通してます
もし黒幕がいなかったとしてもジュウガたちが怪獣を生み出し支配できるようになった何らかの要因はあるでしょうね
「インスタンス・ドミネーション」もアレクシスの「インスタンス・アブリアクション」を彷彿させますしね
そういえばダイナゼノンは分離しても新世紀中学生のように擬人化せず、縮小してパイロットたちが持ち運びし、自由に巨大化させられる仕様でしたね
これはダイナゼノンは新世紀中学生のようにグリッドマンのアシストウェポンではなく、「怪獣とルーツを同じくする存在」という事かもしれませんね
名無しさんコメントありがとうございます!
>特撮でもアニメでも今までは「怪獣を生み出すのは人間の心」、「でも怪獣に力を与え実体化させるのは黒幕である『ハイパーワールドの犯罪者』」というのが共通してます
ご指摘通り黒幕がいる可能性は高いでしょう。
ただ、第一話の冒頭で真珠のようなものをばら撒いていた手は人間の手だったのが気になるところ…。
とはいえハイパーワールドの存在が擬人化できる前例はあるので、人間に化けた別の何かが黒幕の可能性がありますね。
>これはダイナゼノンは新世紀中学生のようにグリッドマンのアシストウェポンではなく、「怪獣とルーツを同じくする存在」という事かもしれませんね
なるほど、確かに擬人化しなかったのはルーツの違いと捉えられそうですね。
それに怪獣使いであるガウマが使っているということで、怪獣がルーツと解釈するのは面白そうです。
それこそ怪獣が人の心の負の領域から生まれるとしたら、ダイナゼノンは正の領域から生まれたという展開もあり得そうですね。
ちせと会話が成立してるのはガウマと暦だけ?
蓬とユメにはちせが見えていない?
しげぼーさんコメントありがとうございます!
>蓬とユメにはちせが見えていない?
おっととんでもないご指摘が(笑)
確かに蓬と夢芽がちせと会話している場面はありませんでしたが、第2話の冒頭でちせが暦に話しかけた時に反応している素振りがあったので気づいていないってことはないと思いますが…。
ちせが幽霊的な存在だったら、色々面白いことになりそうですね。