皆々様こんにちは。
『SSSS.DYNAZENON(以下『ダイナゼノン』)』担当のgatoです。
前回はガウマと怪獣優生思想の関係性が明らかになり、5000年に渡る因縁が発覚しました。
また、暦と稲本さんの意外なつながりが描かれるなど、人間関係に大きな変化が出てきましたね。
今回はその人間関係に新たな進展がある模様。
おまけにちょっとした色恋の香りもチラホラ…。
夢芽の香乃に関する調査も気になりますが、第4話で何があったのか順番に振り返ってみましょう。
目次
このときめきって、なに?
今回のエピソードの主軸は何といっても蓬と夢芽でしょう。
恋の微熱
今回は冒頭から蓬が夢芽を意識している場面が描かれましたね。
おまけに「夢芽が誰かと会っている」と聴いた際に彼女が色々な男に声をかけられていたこと思い出すなど、微かな嫉妬心を滲ませる描写もありました。
そして稲本さんに問われた結果、暗に夢芽に恋心を抱いていることを認めてもいます。
こりゃもう蓬は夢芽に惚れちゃっているとみなしてもいいでしょう。
この視点で見ると、今回蓬を悩ませた風邪は色々面白い要素になっていますね。
あの風邪は夢芽への好意を自覚することで揺らいでいる蓬の気持ちを表現しているのでしょう。
顔が赤くなったり、普段の調子が出なかったりするのは、夢芽とどのように接したらいいかを悩んだり、彼女が気になってしょうがなくなっていると捉えることもできます。
恋心という感情を扱いきれていない蓬が風邪を通じて表現しているのは個人的に好きですね(笑)
というか、第1話で蓬が夢芽との約束を律儀に守ったので、もしかしたらその段階で無意識に一目惚れしたからだったりして…。
だから夢芽が約束を破った時にあんな傷付いた表情を浮かべたのではないでしょうか。
だったら蓬ってなかなか健気な奴になるな…ワンコ系男子ですね!(笑)
余談ですが、蓬から見事に風邪を移された夢芽ですが…彼女の部屋、変わったぬいぐるみがたくさんありましたね。
見た所オパビニアやダンクルオステウスといった古生代の海洋生物ばかりですね(オウムガイだけは違うけど)
変わった趣味だな…。
歩み寄るように
夢芽への好意を自覚した蓬ですが、最終的に夢芽の香乃に関する調査に同行すると決めました。
その理由は「夢芽のことをもっと知りたいから」。
いやぁ…なんともいじましい(笑)
それに前回の蓬を踏まえると、これはそれなりの進歩が見られる発言でもあります。
前回の記事でも触れましたが、蓬はお人好しかつ友人が多い人物でありながらも、どこか周囲と距離を取っている一面があると感じていました。
実際、夢芽の香乃に関する調査も、第3話ではただ付いて行っているだけという感じがしました。
しかし、夢芽への好意を自覚したことから、蓬は夢芽との距離を縮めるようになりました。
個人的にこの変化には、蓬の状況が根底にあるのではないかと思いました。
恐らく蓬は上条のことを誰にも相談できず、母親にも表立って反対といえないなど、自分の本音を抑圧しているのでしょう。
しかし夢芽は香乃とのことを正直に話し、また積極的に行動しています。
それにダイナゼノンで戦う際も彼女の行動が蓬に大きな影響を与えました。
蓬にとってそんな夢芽の振る舞いは、ある意味自分なりに抑圧を打破しようとしているように映ったのかもしれません。
だから蓬は無意識的に夢芽に惹かれ、それを自覚することでより夢芽のことを知りたい(彼女に近づきたい)と思い至ったのではないでしょうか。
つまり蓬にとって夢芽は抑圧からの解放という希望を見せてくれる存在…といっても面白いかもしれません。
金江が語る香乃
合唱部OGの金江と早速会った夢芽ですが、そこでは香乃の意外な一面が語られました。
金江の持つ香乃のイメージは「真面目で明るくて、皆から好かれるキャラ」とのこと。
しかしそのイメージは夢芽の抱くイメージとは違っていたようです。
実際に夢芽が接していた香乃がどんな人物だったかは不明ですが、少なくとも金江が語るようなキャラクターではなかった模様。
もしかしたら夢芽の前では暗く、物静かな性格だったのでしょうか。
いずれにせよ、香乃には二面性があったことが窺えます。
また、夢芽曰く香乃とはそこまで仲良くなかったとのことなので、香乃なりに夢芽との距離を置く事情もあったようですね。
うーん、香乃に関してはまだ何ともいえないことが多いですが、定期演奏会で披露する予定の曲は彼女が選出したとのこと。
その定期演奏会に夢芽を誘ったのですから、この時点では香乃が夢芽に歩み寄ろうとしていた、あるいは何かを伝えたかったという意図があるように感じます。
まぁ香乃に関しては練習風景の動画を持っている瓜田という人物の登場まで待ってみましょう。
この流れだと次回で初めて香乃のビジュアルがわかりそうですね。
最悪な転校生
今回はシズムが蓬や夢芽と同じクラスに転校してくるという衝撃的な展開がありましたね。
ここもじっくり掘り下げてみましょう。
怪獣の声を聴く少年
怪獣優生思想の一員であるシズムですが、今回の転校はどうやら彼の一存で決めたことのようです。
そんなシズムの目的は不明ですが、行動としては蓬に接触したジュウガに近いものを感じます。
ただ、ジュウガはガウマとの関係を語りつつ、蓬を懐柔しようとしたのに対し、シズムは怪獣のルーツを語ったり、蓬や夢芽の戦う理由を問いかけていました。
やっていることはジュウガと似ていますが、シズムはどちらかというとダイナゼノンで戦う蓬や夢芽の真意を質そうとしている印象ですね。
また、シズムについてジュウガから「怪獣の声を聴くことができる」という興味深い情報が。
何やらすごそうな能力ですが、詳細は不明。
というか、ジュウガ達がSNSで怪獣を見つけていたところを見ると、どうやら怪獣の探索には使ってないようです。
ただ、「怪獣を育てるのは人間の意思」というシズムの発言を踏まえると、もしかしたらシズムが聞くことのできる声は顕現したものではなく、人間の心に潜在している怪獣のものではないでしょうか。
つまり育てられている怪獣の声=怪獣を育てる心の声を聴けるのがシズムの能力かもしれません。
怪獣が必要とする世の中に
蓬と夢芽との対話で、シズムは怪獣のルーツや怪獣優生思想の目的について語っていましたが、非常に興味深い内容でした。
まず怪獣は人間の意思が育てるということ。
これまでの記事でも怪獣は『SSSS.GRIDMAN』の描写から、人間の精神の影響を多いに受けた存在だと指摘していましたが、今回で明確化された感じですね。
そして怪獣は自由を縛るものから解放してくれる存在であるということ。
これを踏まえると、ジュウガがかつて口にした「怪獣が我々を導く」という言葉が上手くリンクしていきます。
第2話の記事で「怪獣は世界を革新するうえで必要不可欠な要素」と怪獣優生思想が考えているのではないかときましたが、まさにシズムの発言こそがその要素なのでしょう。
つまり、人間の意思が育てる怪獣は自由を縛るものからの解放をもたらす、言い換えれば感情や想いを抑圧から解放する存在というわけです。
そうなると、「怪獣が必要とする世の中」は言い換えれば「怪獣によって人々の感情や想いの抑圧を破壊できる世界」となりそうです。
個人的にこの怪獣の解釈は『コンクリート・レボルティオ』に近い印象ですね。
これだけ聞くと怪獣で皆の抑圧を取り払ってくれる…みたいに聞こえますが、怪獣優生思想は抑圧からの解放のために人々を犠牲にすることも厭わない、ある種のエゴイストのような側面があります。
もしかしたら、解放を求めるあまり他者の犠牲を厭わなくなる状態がガウマのいう「怪獣の思想に憑りつかれている」ことかもしれませんね。
ところで、若干話がズレますが、今回登場した怪獣が倒され、角の破片が落ちてきた時、その断面が前作に出てきたグールギラスの首の断面に似ていましたね。
グールギラスはアカネが原形を作り、アレクシス・ケリヴが実体化した怪獣ですが…、今作で登場する怪獣も同じような要素を持っているのでしょうか…。
あるいはコンピュータ・ワールドで生まれた怪獣は同じような構造になっているとか?
うーん、何とも言えない(笑)
ちせ覚醒
今回驚いたのは風邪で参加が危ぶまれた蓬の代わりに、まさかのちせがダイナソルジャーに搭乗、おまけにそれを動かしてみせたことです。
練度の低さがあって結局ダイナゼノンに合体することはできませんでしたが、あの様子を見るとちせもちゃんと特訓すればダイナゼノンの操縦者の一人になれそうですね。
元々ちせはダイナゼノンと怪獣が戦うことを楽しんでいる節が若干見られましたが、今回の一件で補欠を自称するようになったため、戦いにがっつり関わってきそうになりました。
ただ、ちせは怪獣の元になると思しき真珠のようなものを拾っており、色々抑圧した感情を抱いている描写があることから、怪獣を産み出す素養を持っている可能性が高い人物。
おまけに暦が稲本さんと再会したことに複雑な心境を抱いている節がありました。
そう考えると、彼女に怪獣使いの才能があるとしたら、色々ヤバい展開の匂いも漂ってきそうですが…。
きっと誰もが怪獣使い
ちせがダイナソルジャーを操れたことにより、ガウマが「ダイナゼノン…お前誰でも乗れるんだな」と呟いていましたが、個人的にこれは大きな意味があるような気がします。
ダイナゼノンは怪獣使いの素質を持つ者が操れるものですが、これにちせが乗れたことにより、現段階で蓬・夢芽・暦に続いて4人目の操縦者(怪獣使い)が生まれました。
これだけ見ると操縦者=怪獣使いになれるハードルって意外と低いという印象になるかもしれませんが、むしろこれだけ怪獣使いの素質を持つ人間がいることには若干怖い印象があります。
さきほど述べたように、怪獣が抑圧から感情や想いを開放する存在としたら、怪獣を求める者は抑圧を常に抱えている人間になります。
そして見事に4人はこれに該当するわけです。
上条と母の再婚に何も言えない蓬。
香乃を喪ってから「どうかしている」夢芽。
何らかの事情で無職になり世間に顔向けし辛い暦。
「器用でない」ために不登校児になっているちせ。
暦とちせは過去こそ不明ですが、いずれも抑圧からの解放を望みそうな立ち位置です。
しかも怪獣使いであることはダイナゼノンを操縦できるだけでなく、怪獣の思想に憑りつかれるリスクも抱えています。
つまり考え方がちょっと変われば怪獣優生思想側に立つことも可能なんですね。
そう考えると、蓬達に怪獣使いの才能があることはなかなか危うい事柄のように思えてきますね。
おまけにちせは真珠のようなものを拾っており、夢芽は怪獣によって常識の外に出たガウマ達が生き返ったことに反応しています。
これだけ見るとちせと夢芽が将来的に一瞬でも敵に回る可能性もゼロではなさそう…。
まぁ夢芽は香乃のことを知ることに前向きなので大丈夫そうですけども…。
ちせに関しては暦次第なんだよなぁ…。
稲本さんのお誘い
前回にわかに巷をざわつかせた暦と稲本さんですが、今回はなんと稲本さんからお誘いが!
「一緒にご飯を食べに行こう」って…こりゃもうデートやがな!(笑)
しかもそのシークエンスの直前に映し出された野菜の名前が「妻恋オクラ」って…こりゃもう不倫やがな!(笑)
とまぁ下世話な盛り上がりはこれくらいにして、こりゃ稲本さんと暦の間に一波乱ありそうな気配ですね…。
暦も暦で連絡をもらう直前まで稲本さんのアカウントを眺めていたようなので、驚きながらも内心満更でもなさそうな気もします。
同級生同士の無職とパートの人妻の恋愛って…ありそうでなかったかも(笑)
冗談はさておき、稲本さんの無防備すぎる誘いや写真の寂しげな感じ(背中を向けている)を見ると、前回の記事で書いたように彼女の結婚生活は必ずしも順調ではない感じがしますね。
加えて、個人的に稲本さんの行動には蓬の影響も大きいような印象もあります。
蓬の夢芽への恋慕に触れてから暦に連絡を送ったようですし、「手遅れになるぞ」って台詞は稲本さん自身にもはまりそうな感じがします。
それに詳細は不明ですが、稲本さんは中学時代に色々荒れていたようですし、蓬の世代には色々想う所も(あるいは自分と重ねてしまう所も)ありそう…。
何はともあれ、暦と稲本さんには注目です。
『ダイナゼノン』第4話感想
蓬と夢芽の関係の変化を堪能しつつ、ガウマがパチ屋のバイトをしていたり、ジュウガ達が優雅に和食レストランでご飯を食べていたりと、小ネタも印象深かった第4話でした。
夢芽はもちろんかわいいんだけど、個人的に蓬がかわいく映っちゃうんですよね(笑)
なんかニヤニヤしちゃう(笑)
さて、次回は暦と稲本さんのデートが描かれたり、香乃に関して新たなことがわかる展開になりそうですね。
転校してきたシズムの立ち回りも気になるところです。
次回も楽しみですね!
▼ダイナゼノンの記事はこちらにまとめてあります
▼当サイトでは他にも多数のアニメを考察しています!
最新情報をお届けします
Twitter で2017春夏秋冬アニメ考察・解説ブログをフォローしよう!
Follow @anideep11