涙腺崩壊のごとく鼻水が止まらないジャム君です。
だからこの季節は困るんですよ。
鼻水かんでたら、大事な部分を聞き逃しちゃうじゃないですか。
それはそれとして、今回も幼女戦記の考察と解説進めていきましょう。
前回はターニャたちの第二〇三航空魔導大隊が、パルチザン(住民)の蜂起が起こったアレーヌ市を鎮圧する過程のお話。
今回はそんな作戦を終えたターニャが、次に課せられた作戦のお話。
前回のラスト、ゼートゥーアが悪い顔をしていましたものね。
お久しぶりな面々も出てくる、その後が気になっていた人物たちも登場しています。
スポンサーリンク目次
ウーガとの再会
アバンから、ウーガ少佐(4話では大尉)と食堂車でターニャは偶然なのか久しぶりに再開しました。
ターニャが出世コースから蹴落とした4話時点では大尉だったため、肩から首にかけての部分に一瞬目をやっています。
これは相手の階級を知るためであり、相手に対し以前の階級で呼んでしまうのは昇進を知らなかった、というのは大変失礼だからです。
それに、こうして見えるように階級は示されているのです。
サラリーマン時代とは違い、名刺を出されたり昇進したことを知らされないと相手がどの地位にいるのかわからない、なんてこともありません。
ここでよく確認もせず「ウーガ大尉殿」と呼ぶのは失礼ですし、階級が下だと思い込み「ウーガ大尉」と呼ぶようになるのはもっと失礼なことです。
事実、4話で初めてゼートゥーアと出会った時に読もうと思っていた本を取られたターニャは怪訝な顔をしましたが、階級章を見るなり「非常にまずい」ということを悟っていますし、どの階級にいるのかしっかり理解しています。
ウーガ少佐はターニャに後方勤務を勧められたことを感謝しているようですが…
騙されるな!
まあ無事生きているんですし、昇進も果たしました。
その点においては、ターニャに感謝ですかね。
陸軍鉄道部がかかわること
ウーガ少佐は陸軍鉄道部に転属していました。
「鉄道部が大忙しということは…」とターニャに勘ぐられましたが、これにはしっかりとした理由があります。
前回のアレーヌ市の鉄道でも前々回の協商連合の鉄道でも出てきましたが、この時代の鉄道は戦争の物資を運ぶ非常に重要な補給路です。
つまり、鉄道部が暇なら急いで運ぶものはないし大量の物資も兵員も必要としていないということ。
その逆で忙しい今はというと、それらを運んでいるか運ぶ準備をしているということなのです。
ちなみに、2017年3月14日24:00までの限定公開として公式ホームページでは「原作者カルロ・ゼン書き下ろしバレンタインSS」を公開しています。
アニメと直接関係はないのですが、ちょうどターニャとウーガ少佐との関係も描かれていますよ。
公開終了まであと少しなので、気になる方はお早めにどうぞ。
ライン戦線を引っ込めるとは
「貴官なら問題ないだろう」とウーガ少佐が教えてくれたのは、作戦局がライン戦線を後退させる案を立てているということ。
ターニャたちも参戦しせっかく押し返している戦線をあえて後退させるのは、敵の主力を引き込み徹底的に叩いて戦力をそいでしまうという作戦なのです。
これはターニャの脳裏にも浮かんでいましたが、史実に基づくアウステルリッツの戦いとカンナエの戦いを連想させるものです。
アウステルリッツの戦い
アウステルリッツ(現在のスラフコフ・ウ・ブルナ)郊外で、ナポレオン・ボナパルト率いるフランス軍(大陸軍)が、ロシア・オーストリア連合軍を破った戦いである。引用:アウステルリッツの戦い – Wikipedia
カンナエの戦い
第二次ポエニ戦争における会戦の一つで、ハンニバル率いるカルタゴ軍が、ローマの大軍を包囲殲滅した戦いとして戦史上名高い。2倍の敵を包囲・殲滅した衝撃的な勝利であった。カンネーの戦いとも表記する。引用:カンナエの戦い – Wikipedia
しかも、カンナエの戦いは4話でゼートゥーアに出会った軍大学の図書館で手にしようとしていた「カンナエにおけるハンニバルの決断」という本でも出てきました。
あら偶然!
じゃないですよ?
そこで出会ったのはゼートゥーア。
ウーガ少佐はゼートゥーアの使いっ走り。
ゼートゥーアはターニャの論文を参考に作戦を立てるほど、才能に目をつけています。
はい、アウトぉおおお!!
軍大学の図書館で出会った時から、既にこの作戦に向けて動き出されていた可能性がありますね。
連れて行かれた部屋でターニャが「大隊規模が適切」と答えた規模の魔導大隊を率いることにもなっていますし、前々からゼートゥーアとルーデルドルフにいいように使われていたターニャと言えるのではないでしょうかね。
スポンサーリンクやはりターニャは使われているのか
参謀本部の合同協議会にて、先日のアレーヌ市での損傷から来る補給状況の悪化報告や攻勢方法についての協議が行われていました。
しかし、このまま全面攻勢に出るのは不可能。
代替案としては、共和国に協商連合の時のように上陸作戦を発動するというもの。
ですが、それは無理であるのが以前も使った地図を見ればわかりやすいでしょうか。
一応、連合王国は中立を掲げてはいますが、帝国軍がいくら連合王国関係なしに共和国に上陸作戦を仕掛けるためといっても、領海を通られるようならば黙って通してくれるわけがありません。
かといって、連合王国に文句を言われぬよう共和国側の領海を堂々と通っていたら、警戒する船に見つかってしまうことでしょう。
即砲撃されても、文句は言えません。
普通ならば一度は警告を発するでしょうが、そんなの無視して船を沈められても「領海に入るのが悪い」のです。
連合王国が文句も言わず手も出さず通してくれればいいですが、その確証がないのであればこの案は一気に戦力を削られる危険性のある非常に分の悪い賭けです。
そこでゼートゥーアが提案したのは、「勝利ではなく敗北を避ける」という作戦です。
4話ではターニャが同じようなことをゼートゥーアに語り、それが悪いことのように捉えられていたけど、ゼートゥーアは今回意見するだけの材料を持っていましたね。
全面攻勢には賛成するが「目的は突破でなく敵兵を徹底して叩き、戦争継続能力をなくす」ことにある、という意見。
「大規模な後退によって敵を誘い込むこと」というルーデルドルフの後押しの発言こそ、アウステルリッツの戦いやカンナエの戦いで使われた戦線が後退したかのように見せかける欺瞞(ぎまん)作戦なのです。
ここまで作戦内容がターニャの考えたものをうまく利用され、しかも前線に出るのはターニャたちだと考えると、ルーデルドルフやゼートゥーアに利用されている感は払拭できないですね。
ターニャたちの部隊を消耗させて得たもの
ターニャたちの部隊はライン戦線で欺瞞作戦の囮となり、中止してもよいと命令は出ていますが継続して戦闘を行いました。
その結果得たものは、多数のライン戦線に配備された兵員の命です。
撤退する兵員の数はとても多く、一度に全員を運べないほどだったのです。
それほどライン戦線に戦力を注ぎながらも、共和国と拮抗したただの消耗戦状態になっていたのでしょう。
ターニャの航空魔導大隊を持ってしても、さすがにライン戦線の最前線で囮となって戦うと、多くの負傷者を出し脱落してしまうのが事実。
一応、第二〇三航空魔導大隊からタヒ者は出ていないと思われます。
ライン戦線に配備されていた兵員のほかにも、ターニャたちの部隊を消耗させて得たものはありました。
グランツ少尉はアレーヌ市のことを引きずっていた
ターニャからの命令で共和国軍魔導師を撃ったグランツ少尉は、その時のことをまだ引きずっていました。
ヴィーシャの手当てをしてあげながらというシーンなのですが、手当てをしてあげているヴィーシャにその心の中をしっかり読まれてしまっていましたね。
ですが、ヴィーシャも将校課程は通ってきているはずです。
一応少尉だし。
だから「座学の成績は?」といったことや「部隊内での責」についてしっかりと学べているのです。
少佐殿はアレーヌ市の戦闘で、命令であることを強調された。
指揮官は自分、だから部下が責任を負う必要はない。
ひょっとしたら、そんな意図があったのかもね。
これはアバンでウーガ少佐に出会う前、ターニャが心の中で『直接的排除対象は敵魔導師に徹底した。未だ私のお手々は真っ白…のはず』と思ったことにかかってきています。
撃たせたのは敵魔導師であり自国民ではない、と。
ならばグランツ少尉が心を痛める必要もありませんし、ターニャが責任を負う必要すらないのです。
だって、敵なんですから――
ターニャの部隊からの離脱者
何か腹立たしいほどいい雰囲気になっているヴィーシャとグランツ少尉の手前で、痛がっている隊員。
このタイヤネン准尉なのですが、戦闘の傷はないように見えます。
そもそも、お腹を押さえて痛がっています。
まあ、Cパートでネタバレがあったのですが、食あたりですね…
腐ったジャガイモなんて食べるから(爆)
長期療養が必要になったため、部隊から外されてしまいました。
腐ったジャガイモを食べないといけないほど食糧事情が圧迫されていたのか、ただのアホだったのか。
ほかの隊員が腹痛を訴えないところを見ると、ただのアホだったんでしょうね……
共和国は前線を押し上げ始める
見事帝国軍の作戦にはめられているわけですが、共和国軍は前線左翼の押し上げを決行しました。
本来ならば共和国軍の右翼にあたる戦線のように国境線で戦っているはずです。
ですが、帝国軍がわざと(共和国から見て)左翼を後退させたことにより、帝国軍は帝国領北方からも攻めることが可能になっているのです。
協商連合の時のようにわざわざ敵の背後に入り込む、という戦力も労力も必要としないわけです。
勝手に領土に入ってきてくれるのですから。
もし協商連合の時のように上陸作戦を決行しようとするのであれば、連合王国に手出しされないよう密約が必要不可欠ですし、目視されないよう連合王国北方までぐるっと回らないと目視でバレます。
それが難しいので、わざわざ帝国はこうやって共和国を誘い込んでいるのです。
ド・ルーゴは気が早いのかビアントに対し洋シ西を前線右翼の連中に渡すよう言いますが「戦勝記念の祝杯分は残しておけよ」とフラグを立てていくスタイルです。
そうそうにフラグ回収されそうですけど、大丈夫でしょうかね……
フラグ回収班 シューゲル博士
ウーガ少佐に続きお久しぶりにまともな登場をしたシューゲル博士。
シューゲル博士は今回、演算宝珠ではなくV-1と呼ばれる偵察機を開発していました。
V-1にはヒドラジンと呼ばれるロケット推進用の燃料を使ったブースターを5基も搭載し、マッハ1.5も出るすぐれ物。
なお、方向や速度の調整はできません、あしからず。
そんなものは必要ない!
ただまっすぐ進み続ければよいのだ!
というコンセプトを元に設計されております♪
もう、ターニャが苦笑いしか浮かべられない気持ちがわかります。
そんなものに乗って、敵である共和国軍の司令部とおぼしき場所を叩きに行くわけですが、飛び方が酷い(笑)
※ クリックで動く画像が表示されますが、容量にご注意ください(約1.5MB)
エンジンとなっているブースターを切り離せるって…
そう切り離すんかい!
もう本当にロケットじゃないですか、宇宙に飛んで行ってないだけの。
むしろミサイルに近いですね。
下りる時どうするのかと思いきや、レバーを引いたら分解していくとか、笑いどころですか?
ターニャとしては、全然笑えないんですけどね。
安全な後方勤務をまだ忘れてませんでしたし。
ヴィーシャは意外とアトラクション感覚で、楽しんで飛んでたのかもしれません。
任務ですので、その部分はそれなりの覚悟や責任を持って臨んでいるはずですが。
スポンサーリンク幼女戦記9話の感想
共和国のビアントは、先日のアレーヌ市での戦闘で負った怪我があり、グランツ少尉に撃たれたか、後軍はしていなかったものの砲兵隊からの最終的な鎮圧に巻き込まれたか、といったところでしょうか。
もしターニャに生かしておいては危険だと狙われて隊長として撃たれたのだとしたら、いくら防殻術式があろうともあの程度の怪我では済まないでしょうね。
今回は共和国側がターニャを撃ち落とすチャンスもあり、もしや傷を負わすことができたのではないか、というカットもあったのですが、残念ながらそうはいかなかった模様。
ピンピンしてレルゲンと会っていましたからね。
せいぜいかすり傷レベルだったのでしょう。
ですが、いくらターニャの魔力保持量と95式があると言っても、ターニャの部隊がかなり負傷者を出すレベルなのですから、不意の攻撃に完全な対処ができるとも思えないんですよね。
ダキア公国レベルの攻撃ならば、なんてことはないと思いますよ?
とすると、「ここで命を落とさせるわけにはいかない」と存在Xが干渉し、生き延びるよう仕向けた可能性がありますね。
存在Xはターニャに「早く信仰を目覚めさせろ」と遠回しに語りかけているのかもしれません。
では今回はこの辺で。
また次回お会いしましょう!
最新情報をお届けします
Twitter で2017春夏秋冬アニメ考察・解説ブログをフォローしよう!
Follow @anideep11
コメント
タイヤネン中尉じゃなくて、准尉ですよ
失礼いたしました。
記事修正いたしました。ご指摘ありがとうございます。