ごきげんよう。歳を重ねるごとに涙腺が脆くなっている模造紙です。
おそ松さん2期18話、まさかのオチなし感動回に涙した方も多いのではないでしょうか?
私も、最後のイヤミが涙を流す場面で目から大粒の汗が…!!
事前情報から今回のお話は、原作・おそ松くん時代のエピソードということは聞いていたのですが、普段のおそ松テイストで当然オチがあるんだろう油断していました。
異例の超短縮OP(しかも何故か2期1クールの絵に2クールの曲という)から始まるあたり、制作陣の本気の姿勢と原作愛がうかがえます。
前回はオチなしホラー回、今回は登場人物みんないい奴感動回という、中弛み?制作陣迷走してる?とも思えなくないのですが、たまにはこういう素直にしんみりできる切ないストーリーもいいですね。
スポンサーリンク目次
2期18話「イヤミはひとり風の中」はオマージュのオマージュ!
赤塚不二夫公認サイトで、今回の原作が赤塚先生お気に入りエピソードとして紹介されています。
このストーリーは、チャップリンの映画『街の灯』をベースにして描かれました。
引用:赤塚不二夫公認サイトこれでいいのだ!!
無類の映画好きとして知られる赤塚先生。原作自体にも元ネタがあったというわけですね!
「ベースに」と言うあたり、盲目の花売り娘と彼女の病気を治そうとする貧しい男という設定は同じです。
余韻があり、その後を見る側に委ねるまとめ方
盲目の花売り娘は視力を取り戻しますが、彼女のために罪を犯した男は罰を受けることに。
数年後、出所して外の世界に出た男は、成長した娘の姿を目にします。
2期18話では、道を隔てた遠くから彼女の姿を確認する描写が挟まれています。
大好きな花の仕事をな生業としていたこと
昔の面影を感じさせつつも美しく成長していたこと
そして恩人のの名前である「イヤミ」を店の名前に掲げていたこと
他人の手を借りなければ生きていけなかった幼い女の子ではなく、自分の足で立って歩ける、自立した女性に成長していたことが、何より嬉しかったに違いありません。
そんな彼女の前に、日陰者の落ちぶれた自分は名乗り出てはいけないし、彼女の人生には自分はもう必要なくなったのだと。
お菊ちゃんが元気な姿を一目見ただけで、自分のしたことは決して無駄ではなかった、報われたんだと、心から彼女の幸せを喜ぶ気持ちから涙をこぼしたんでしょう。
イヤミのきれいな涙が切ない……
ちなみに原作では再会している
さんverの今回は、数年後の2人が対面することはありませんでした。
名乗りはしないものの、くん時代の原作と元ネタ映画では再会しています。
娘は男の姿形を知らないので、もちろん会っても男がその人だとは気づきません。
故に、再会しても自分は別人だと言って彼女の前を去ります。
くん時代の最後は今回と同じで、淋しいイヤミの後ろ姿と猫が一匹という哀愁漂う終わり方。
もう…やだ……!!BBAの涙腺は崩壊だ……歳をとると涙もろくなって、子どもが見ているプリキュアを隣で観ながら泣けるんだよね←
元ネタ映画の方も名作なので未見の方は是非!
私も大昔に見たんですが、かなりうろ覚え。
元ネタ映画も見方によっては異なる受け取りが出来る幕引きだったと記憶しています。
モノクロだからこそできる余韻と間は素晴らしいので興味ある方はおすすめ。
にしても、今は極端なパクリやオマージュはすぐにSNSで叩かれちゃうけど、昔は結構大っぴらに「ネタ元はこれです」と言って作品を発表していたんですよね。
それを容認して、出来上がった物を楽しく鑑賞する世の中って優しい世界だよなぁ。
パクリが横行するのもどうかと思いますが、今回の作品のように名作にインスパイアされたことで生まれる別の名作もあるわけで、一概に模倣は駄目と言うのも迷うところですね。
個人的には、今回の話は2期で最高傑作だと思っているので、元ネタがあるにしろ視聴者の心に突き刺さるかどうかは作り手の姿勢による部分が大きいため、オマージュ云々はあまり問題ではないのかなぁと。
スポンサーリンク舞台はどこで時代はいつ?
▼建設中の東京タワーがあることから舞台は東京
そして、時代は昭和で高度経済成長期の真っ只中と考えられますね。
ちなみに東京タワーは1957年(昭和32年)6月に着工し、翌1958年(昭和33年)12月に完成しているので、今回の時代設定は1957~1958年の東京のハラペコ町。
町人の服装なとから、真夏や冬とは考え難いですし秋だとする東京タワーの工事が進み過ぎている気もするので、1958年(昭和33年)の春の線が濃厚かと思われます。
▼まさか、おそ松さんで本土空襲のカットを見ることになろうとは
お菊ちゃんは東京大空襲に家族を奪われたってことか…この時代は彼女みたいな子どもが沢山いたんでしょう。
数年後はいつ?
イヤミが出所する場面で、画面が一気に鮮やかになります。
カラーテレビ放送開始の1960年(昭和35年)、もしくは東京オリンピックで街がさらに急速に発展した1964年(昭和39年)が、イヤミが出所した年にあたりそう。
イヤミの浦島太郎のような状態から考えると、外界から隔離されて2年であの様変わりは、さすがにあの時代でも厳しいので、東京オリンピック開催後あたりかな?
スポンサーリンクなぜイヤミは投獄されたのか?理由を考えたら感動!
チビ太は元々お金を譲り渡すつもりだったのになんで?
被害者が強盗された事実を否定すれば、起訴は取り下げられるはずですし、改心したイヤミのことを長屋の人たちもかばっていそうですよね。
世間を騒がした理由で取り調べは受けそうだけど、数年に渡って刑務所に入るのはどうなのと疑問が残ります。
考えられる理由としては、イヤミ本人が頑なに自分ひとりで企てた犯行だと言い張ったから。
働いたら負けと自堕落な生活を送っていた彼はおらず、お菊ちゃんを救いたい一途な思いに手を差し伸べてくれたチビ太や6つ子、町人たちを守るために、全ての罪を背負ったということでしょう。
包丁を向けて強盗におよんだのは確かだし、状況証拠だけ見ると言い逃れはできない。
だからこその、自分がやったの一点張りだったのかなぁと。切ない……
もちろん、お菊ちゃんにも自分が刑務所に入ったことは知らせていないだろうし(自分のために罪を犯して投獄されたと知ったら心を痛めるだろうから)、他の関わりがあった人たちの面会も一切断っていそう。
だって、会っちゃうと決心が鈍っちゃうじゃんね。イヤミ……おまえってやつは……!!
ハッピーエンドorそれとも残酷な話だったのか?
余韻が残り、考える余地のあるエンドでしたよね。
物語としては非常にきれいにまとまっていましたし、イヤミの文字通りのタヒにもの狂いの執念が実現したエンドでした。
ハッピーエンド…とは言い難いかも。
登場人物の立場的には、どうしてもしこりの残る結末だったと思います。
あぁそうか!
あとは見ている方がご自由に想像して下さいっていう、おそ松さんが得意とする投げっぱなしエンドか 笑
でも、イヤミの事を楽しい思い出のまま心に抱き続けるお菊ちゃんは、きっと不幸ではないはず。
イヤミも、彼に初めて「いい人ね」と真っ直ぐな感謝の気持ちで包んでくれた相手が、幸せを手に入れて光の中で輝く姿を見ることが叶ったわけで、それだけでこれからも生きていけるのでしょう。
再会してイヤミが名乗り出て、2人で店を切り盛りする……なんて未来もあったのかもしれませんが……。
スポンサーリンクおそ松さん2期18話の感想
おそ松さんはたま~に本気の感動回をぶっこんでくるからまったくけしからん!
チビ太は悪どい輩かと思ったら、実はいい奴で、6つ子のごろつきもいい奴で…いい奴しかいないっていうwww
いつにも増して、作画も丁寧だったしカラーの差込が粋だったなぁ。
主線はいつもの青で、モノクロ?セピア?かと思ってたら、おそらく通常通りに塗って超低く彩度処理してるんですよね?
めっちゃ手間かかってるやんけ…!制作陣めちゃめちゃ本気で挑んでるやん!
私は単純なのでお涙頂戴ものですぐにじーんと来るんですが、もしかしたらクズDTアニメにそんなん求めてないよって方もいるかもですよね。
でもね。来週からは通常回。またみんなクズな行いばっかりするんだよね、きっと 笑
で、お菊ちゃん回の情の厚さはどこ行ったんだ…とか言うんだろうな。
おそらく2期では今回限りの感動回なので、来週まで余韻を楽しみつつ過ごすとします!
次回は時事ネタ・バレンタイン回の模様。
6つ子とバレンタインって組み合わせだけで、下衆い展開の予感しかしない。
いちまっちゃんはチョコが欲しいんだな(笑)可愛い。うん可愛い。
それではまた次回!
スポンサーリンク
最新情報をお届けします
Twitter で2017春夏秋冬アニメ考察・解説ブログをフォローしよう!
Follow @anideep11
コメント
個人的にこのお話は
海外の人にぜひ見てもらいたいエピソードなんですが
海外の反応サイトはどこも翻訳するほど反応が無いせいか
2期10話くらいまででまとめてないんですよね。
非常に残念です><。
> 名無しさん
コメントありがとうございます!
海外の人達に全く反応が期待できない訳でもないでしょうが
これまでの実績から時間をかけて翻訳する程の
大きな反響はないって感じでしょうか。
素直に感動できるストーリーなだけに、日本人とは異なる視点からの感想も聞いてみたいですね!
まあ、理由は合ってると思うよ。
シェ~の大ジャンプの後、
「この金は頂いたザンス」って言い放って
警察からの追撃を一身に受けてる訳だし。
(見せ場と言えばそうなるけど
黙って逃げれば逃げきれたかも)
> 名無しさん
コメントありがとうございます。
イヤミがわざと派手な振る舞いをし
警察の追撃を自分に引き付けたのは、
体力的にもメンタル面でもボロボロだった自分を鼓舞する意味合いも合ったのではと思います。
町の人たちの騒動に乗じて、黙って逃げ切るのは確かに出来そうですよね。
ですが、それを敢えてしなかったのが何とも彼らしいです 笑
録画しといた「イヤミはひとり風の中」また見返してみました。
泣けてしまいます。お菊ちゃんと知り合ってから、頑張ってお菊ちゃんの為に、体をボロボロにして働いた。でもそれでもお菊ちゃんの目を治すお金が足りない。
「今までの事は謝るザンス、ミーはお金が欲しいザンス」と訴えるイヤミに泣けて。
街の人もその声を聞いても、何も出来ない。
これは一場面だけど、何から何まで、泣ける話でした。
僕もプリキュアで泣く人なので、このBLOGに感謝します。
良心が反応するお話でした。見返りを求めない愛。凄く素敵で、凄く切ないです。
>名無しさん
コメント有難うございます!
このお話は何回見ても泣けますよね…
誰かの幸せを心から願う愛、自分が犠牲になっても相手が救われるなら心が満たされるなんて、そんなふうに感じる相手にはなかなか出会えないと思います。
切なくて苦しいですが、決して不幸せな結末ではないです。それがまたじーんと来ます。
プリキュアは特に映画がヤバいですよね…!!本編の最後の戦いとかも涙腺崩壊です。
同じような方がいて嬉しいです。