皆々様こんにちは。
この度『機動戦士GundamGQuuuuuuX(以下『ジークアクス』)の担当になったgatoです。
話題となった劇場版『The Beginning』からはや3カ月、いよいよテレビ放送が始まりましたね。
ひとまず担当になった以上、テレビ放送を追っかけながら、劇場版では拾えなかったことを色々書いていきたいと思います。
それでは早速いってみましょ~。
目次
〈1年戦争〉を終えて

© 創通・サンライズ
『The Beginning』と異なり、本作はシャリアとシャアの馴れ初め(笑)をはじめとした〈1年戦争〉の場面は描かれず、シャリア達ジオン軍の暗躍と、マチュとニャアンの出会いが描かれていました。
まずはシャリア達の動向と作中の世界観について、あらためて振り返ってみましょう。
自由にはなれていない

© 創通・サンライズ
ここでは改めて、作中の世界観について掘り下げてみましょう。
以下の記事でも記載したように、『The Beginning』では「ジオンが1年戦争に勝利した世界戦」が描かれていました。
その結果ジオンを中心にスペースノイド達が手を取り合って理想郷を作る…ということにはならず、それぞれのサイドが独立した結果、記事でも触れたようにどこかギクシャクした関係が続いています。
おまけにシャリアの口ぶりによると、連邦軍の敗残兵の食い扶持を斡旋するためにMSを民間に払い下げた結果、MSに乗ったジャンク屋が平然と航路に侵入したり、武器使用を可能とするインストーラーデバイスが闇市場で流通したりするなど、治安もよろしくない感じになっているようですね。
また、記事でも記載したように、難民居住区で軍警がMSで平然と暴れるなど、社会的弱者を無視した振る舞いも目立っていました。
本作における〈1年戦争〉の後の政治的動向がわからない以上、なんともいえませんが、少なくともスペースノイドの理想郷は実現していないことは間違いないようですね。
ニュータイプの福音
本作ではフラナガン機関ではなく「フラナガンスクール」が登場し、ニュータイプが積極的に育成されている状況になっていることが窺えます。
木星帰りのシャリアはもちろん、フラナガンスクールを主席で卒業したというエグザベがいるなど、わりとニュータイプの存在が認知されているようです。
ニュータイプの存在を隠したがっていた〈正史〉の地球連邦とはえらい違いですね。
さて、本作において鍵を握る「オメガ・サイコミュ」や「ゼクノヴァ」について、第1話時点では特に新しい発見はありませんでしたが、未知の力が眠っていることが示唆されていました。
つまり、ニュータイプの研究が進んだ本作の時点において、ニュータイプは未知数の存在であり、コントロールできない驚異的な力があることが暗示されているわけです。
そしてエグザベでさえ動かせなかったオメガ・サイコミュをアマテはあっさり機動させてしまったわけですが…。
アマテのニュータイプとしての素養がどのような形で働いたのかは、今の段階ではなんともいえません(笑)
詳しくは後述しますが、アマテにおけるニュータイプの素養って、「本物の希求」「自由への渇望」に絡んでいるような気がするんですよね…。
それが「他者と誤解なくわかり合える」存在とされるニュータイプとどう絡むのかが楽しみですね。
赤い彗星の行方

© 創通・サンライズ
本作ではシャリアを中心に、ジオンが赤い彗星ことシャア・アズナブルや、「赤いガンダム」の行方を追っている場面が描かれていました。
シャアについてはカリスマとして扱われつつも、真贋入り混じった色々な情報が錯綜しているようです。
一方で、秘密作戦を展開してまで赤い彗星を追うシャリアに対し、エグザベは「今も戦争をしているつもりなのか」とぼやいていました。
良くも悪くも1年戦争の主役だったシャアにこだわり続けることは、シャリアの中で戦争が終わっていないことを示唆しているともいえます。
ところで、今更ですけどクアックスって「GQuuuuuuX」のフランス語読みか何かなのかな…。
『トップをねらえ!2』がそうでしたが、個人的に鶴巻和哉はフランス語を使いたがるイメージが(笑)
「本物」のない世界の中で

© 創通・サンライズ
さて、ここではアマテとニャアンを掘り下げてみましょう。
アマテが求めるもの

© 創通・サンライズ
アマテ(まだ「マチュ」じゃないのでひとまずアマテで)の立ち回りは、おおむね『The Beginning』の通りでした。
あらためてみると、アマテってアグレッシブというか…なかなかエキセントリックですよね(笑)
危険を顧みず、明らかに後ろ暗い事情があるニャアンに接触するのはもちろんのこと、下着が丸出しなのに構わず逆立ちしたりと、アマテは色々突拍子のない行動をする描写がありました。
「本物の空も重力も海も知らない」と語っていた独白を踏まえると、アマテは自身が暮らすスペースコロニーを「偽物」だとどこかで感じている節があるようですね。
逆立ちも、本来なら足元にある重力を体感するための行為だと捉えられます。
つまり、彼女は常に「本物」を希求している人間だといえるでしょう。
そして彼女の「本物」の希求は、同時に「自由」への渇望でもあります。
アンキーのセリフにある「ジオンが勝ってもスペースノイドは自由になれない」という言葉は、ある意味アマテにも当てはまるのでしょう。
どこか無機的で雑然としたスペースコロニーで過ごすことは、アマテにとって不自由極まりないものなのでしょうね。
だからこそ、彼女は問いかけたのでしょう。
「宇宙って、自由ですか?」と。
ところで、アマテに「Let’s get the Beginning」というメッセージを送ったのは誰なんでしょうね。
まるでアマテがニャアンと出会い、劇的に運命が変わっていく様を予知していたかのようなメッセージですが…。
後の展開を踏まえると、シュウジやシャアが加担していたりするのだろうか…。
ニャアンはもがいている

© 創通・サンライズ
アマテが出会った難民の少女のニャアンですが、あらためて見ると、色々切羽詰まっていることが窺えますね。
インストーラデバイスを取り返すためにアマテと接触し、一緒に難民居住区に向かう場面ではサングラスの下の彼女の目元に殴られた後がありました。
恐らくインストーラデバイスの密輸に失敗して折檻されたと思われますが、相手が未成年の女の子でも殴るような奴に関わっていることが窺えます。
一方で、クランバトルを危険視していたり、アンキー達のアジトに入る際にためらいを見えていたりと、まだ裏稼業に慣れていないと思わせる描写もありました。
望んでいない裏稼業に従事せざるを得ない、ニャアンの困窮した状況が伝わりますね。
宇宙へ

© 創通・サンライズ
エグザベと軍警の争いに巻き込まれたアマテはどさくさに紛れてクアックスを奪取、そのまま軍警を倒してしまいます。
その過程で、アマテが赤いガンダムと精神感応を起こす場面が見られました。
あの「キラキラ」については劇場版の記事の方でも色々記載しましたが、やはり本作はあの精神感応を重視しているような気がしますね。
特に精神感応を起こした際にアマテがいった「わかんないけど、なんかわかった!」というセリフは、ある意味「誤解なくわかり合える」というニュータイプの本質の端緒をつかんだ場面といえます。
あの場面は今後の展開においても重要になるかと思われますが、アマテにとって宇宙に出ることは同時に「マヴとの出会い」であったことを感じさせますね。
「マヴ」については劇場版の記事でもそれなりに触れましたが、具体的なことは次回の記事で触れようかと思います。
『ジークアクス』第1話感想

© 創通・サンライズ
テレビシリーズは初心者向けに、まずはアマテとニャアンの出会いを描いたような感じでしたね。
宇宙戦争の場面は次回以降描かれるようです。
いやーでもあらためて見ると、カラー色…というか、鶴巻和哉色が強いですね(笑)
ところどころ『フリクリ』や『トップをねらえ!2』を彷彿とさせるような演出があったのが印象的でした。
これは今後も期待できるかも…。
それでは次回の記事でお会いしましょう。
▼水星の魔女の記事はこちら
▼機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星の記事はこちら
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