皆々様こんにちは。
『イド:インヴェイデッド』(以下『ID』)担当のgatoです。
さて、前回はついにジョンウォーカーの正体が発覚!
なんと蔵の局長の早瀬浦宅彦(はやせうらたくひこ)が黒幕でした。
前から怪しいとは思っていたけど、まさか本当にそうだとは(笑)
一方のドグマに堕ちた酒井戸(さかいど)は穴井戸の本性を見破り、懐柔。
さらに「でっち上げの世界」でジョンウォーカーの正体を突き止めた聖井戸御代(ひじりいどみよ)とも合流します。
黒幕の顔が割れ、3人の名探偵が集合したことでいよいよクライマックスの気配が…!
早速今回のエピソードを振り返ってみましょう!
スポンサーリンク目次
世界融解
いよいよ目覚めた飛鳥井木記(あすかいきき)ですが、彼女がもたらした事象は早瀬浦から「世界融解(字合ってる?)」と呼ばれていました。
作中の描写を見る限り、一定の範囲内の人間を強制的に飛鳥井の無意識(厳密にはイド、飛鳥井だけでなく多くのサツ人鬼のも)に引きずり込むもののようですね。
それに飛鳥井が接近するだけでバタバタ人が倒れる様は、飛鳥井が脱走した際に起こった看護師昏睡事件と同じものでしたね。
おそらく看護師昏睡事件は小規模な世界融解が起こったものなのでしょう。
ただ、この事件や「でっち上げの世界」での飛鳥井の能力と比べると、世界融解の規模はかなり大きくなっています。
これを見る限り、飛鳥井の能力は以前より拡張している、あるいは暴走状態にあるといえるかもしれません。
一方で、飛鳥井は能力の使用を一切躊躇していないようにも見えました。
早瀬浦に操られている可能性もありそうですが、彼の予測以上に世界融解を引き起こしているところを見ると、もしかしたら飛鳥井は自発的に、積極的に能力を使用しているのかもしれませんね。
自発的に飛鳥井が能力を使用することも早瀬浦の計算通りなのかもしれませんが、彼女は彼女で何らかの目的を有している可能性もあるでしょう。
…うーん、世を儚んでついに暴走するのかな(笑)
スポンサーリンク“名探偵”裏井戸(ジョンウォーカー)
ジョンウォーカーであることが発覚した早瀬浦ですが、今回はその本性を露わにし、自ら命を絶つことでイドを発生させ、そこに「裏井戸(浦っぽいけど)」として逃げ込むという奇策を見せました。
リアルで命を落とすことで自意識を消すことでイド嵐が発生しないようにしたうえで、自らの自我を取り戻してみせるあたり、彼はミヅハノメの仕組みをかなり理解していることが窺えますね。
そのままイドに逃げ込み、イド嵐を意図的に発生させて酒井戸や聖井戸御代を翻弄するなど、なかなかの悪役っぷりを発揮してきた早瀬浦ですが…。
彼の言動を聞いていると、単純な悪役とは違う感じが漂っています。
「実際に誰かをコロしたことはない」、「私には私の正義感がある」、「蔵そのものを巨大なミヅハノメとし、より広い範囲を捜査できるようにする」など、彼の発言は警察官として信念がベースにあることを窺わせます。
おまけに自ら命を絶つ場面でも「贖い」という表現を使うなど、自分の行いに罪悪感を覚えている節さえありましたね。
これらの発言だけを拾うと、今まで出てきたジョンウォーカーのイメージと食い違う感じが否めない…。
「一部の連続サツ人鬼は自分で作った」と白状しているので、早瀬浦がジョンウォーカーとして行動していたのは事実のようですし、浦井戸の格好がそのまんまなので、ジョンウォーカーであることは間違いないようだけど…。
なんだろうか、このもやもやは(笑)
早瀬浦の台詞を真に受けると、連続サツ人鬼を作ったのはあくまで「一部」であり、「連続サツ人鬼をたくさん捕まえるための一環」として解釈できる余地が発生してしまいます。
これだと早瀬浦が何者かを捕まえるために、ジョンウォーカーに扮し、彼と飛鳥井を利用していた…みたいなオチになったりしそう…。
うーむ、これまた色々ひっくり返されそうな予感がするな(笑)
少なくとも前回の記事で語ったことは違ってきそう。
というか、「自ら命を絶ってイドに逃げ込む」なんてことが可能になると、これまで故人とされていた人物が突然復帰してくる可能性すら出てきますね。
そうなると…個人的に怪しくなるのがなかなか出てこない白駒二四男(しらこまにしお)。
まさか白駒がジョンウォーカーで、彼が早瀬浦と同じ方法で無意識に逃げ込んだたから、早瀬浦が捜査のために飛鳥井を利用してイドを拡張している…なんて展開があり得そう。
これだと早瀬浦の言動の説明がつくし、白駒の出番も作れるな(笑)
そもそも今回の早瀬浦の行動自体、「飛鳥井を利用している」感じが強く、目的の最大の焦点も彼女や彼女の能力、世界よりも「蔵」に合わせられている印象だし。
第一彼はイドの中で一度も「ジョンウォーカー」と名乗っていないし、井波を刺したジョンウォーカーは裏井戸と明らかに違う様子だし(かえるちゃんみたいに同時多発で存在できる分身、あるいは数田のイドの住人としてのジョンウォーカーかもしれませんが)。
それに早瀬浦は作中で描写されている「名探偵と連続サツ人鬼はセット」という方式にもはまりそうなパーソナリティですからね。
ただ、この推測を自信をもって打ち出せないなんだよなぁ…。
そもそも早瀬浦ってイドの中でかえる(飛鳥井)のことを「クソ娘」って呼んでいるんですよね。
これだとまるで早瀬浦が飛鳥井を嫌っている、あるいは敵対している印象が出てきます。
まぁ飛鳥井がジョンウォーカーのこと好きではないのは自明だし、彼女が早瀬浦を出し抜いて色々やっていたのなら、彼が飛鳥井を侮蔑する可能性は無きにしも非ずですが…。
何より裏井戸から自我を取り戻した状態でも明らかに悪役っぽいんだよな(笑)
どうにもリアルの早瀬浦とかみ合わない感じがする(笑)
ひとまず、面白い逆張りになりそうなので「白駒=ジョンウォーカー」を打ち立てておきますが…ちょっと自信ないな(笑)
スポンサーリンク飛鳥井木記(ミヅハノメ)
これまで書いた記事の答え合わせみたいになってしまいますが、飛鳥井はやっぱりミヅハノメのコアでしたね。
そしてミヅハノメの機能は飛鳥井の能力と連動していた…という具合でしょうか。
ただ、今回のエピソードで2つばかり新しいことがわかりました。
まず、これまでの記事でミヅハノメの利用は「飛鳥井をコロし続けるため」と予測していましたが、早瀬浦の言動を見ている限り、ミヅハノメは「彼女の無意識を共有し、同時に他のイドにつなげることで拡張させること」が利用の目的だったようですね。
ただ、これはあくまで早瀬浦個人の目的であって、ミヅハノメを創った白駒の目的ではない印象があります。
そして「かえるちゃんは名探偵の前にしか出てこない」ということ。
実際、井戸端スタッフの東郷達の前にかえるちゃんは出てきていませんでした。
彼女達と同じように同じくミヅハノメを介せずにイドに入った穴井戸こと富久田(ふくだ)にはかえるちゃんが見えていたようですから、恐らくこの法則はあるのでしょう。
これに「サツ人鬼でなければイドに入れない」という法則を加えると、かえるちゃんが見えるかどうかは「名探偵の、そしてサツ人鬼の素質を持つ人間に限られる」というルールがある予感がします。
となると、個人的に興味深いのは、ミヅハノメにおけるこのルールを創造したのが飛鳥井だった場合、彼女の認識では「サツ人鬼=名探偵」になっているという点です。
彼女からしたら事件を解決することで問題を終わらせる名探偵と、事件を起こすことで問題を終わらせるサツ人鬼は近しいものとして捉えられている可能性がありそうですね。
ただこの辺は次回にならないとわかんないかなー(笑)
スポンサーリンク復讐の井波
今回驚いたのが久々に登場した井波が復讐のために本堂町(ほんどうまち)に襲い掛かった場面でした。
まぁ数田の命を奪った本堂町を恨む気持ちはわかりますが…まさかここまで大胆な行動に出るとは(笑)
本堂町に逮捕された際、井波はどこかフワフワしているような状態でしたが、富久田とのやり取りをきっかけに徐々に感情を昂らせていった描写がありました。
そして世界融解が起こった今、まさに好機とみて行動を起こしたのでしょう。
その結果、後述するように富久田が命を…。
ただ、そんな井波の結末は恋焦がれてやまない数田の前でジョンウォーカーに刺されてしまうというものでした。
なんていうか、皮肉な最期だな…。
数田と惹かれ合う遠因を創ったジョンウォーカーの手で命を奪われるとは…。
個人的に井波は結構好きなキャラクターだったので、ちょっと悲しい。。。
以上、ただの感想でした(笑)
さよならアナアキ
今回のエピソードでおそらく一番ショックだった場面が、“アナアキ”“穴井戸”こと富久田が本堂町を庇って井波に撃たれ、命を落としたという場面でした。
ここでまさかの退場という事態には驚かされましたね…。
ただ、富久田の表情を見ている限り、なかなか満足気な面持ちでしたから…よかったのかな。
それにしても、井波に勘違いされたところを見ると、結構富久田と本堂町ってお似合いのカップルだったようですね(笑)
実際富久田は本堂町にぞっこんでしたし、最期は彼女の為に殉じてみせました。
そう考えると、彼の言う通り「願いが叶った」場面なんでしょうけどね。
あーでも、富久田が口にしていた「花は一つ」というレトリックの意味がよくわからなかったな…。
数唱障害を持つ富久田のことだから、数学ネタでしょうかね?
生憎僕はド文系…どなたかわかる方にご解説いただきたい(笑)
ひとまず数字を巡るやり取りは置いて、以下の見出しで「穴が埋まる」という台詞について色々掘り下げていたいと思います。
穴が埋まるということ
本堂町と富久田のやり取りにあった「穴が埋まる」というレトリックですが、これはなかなか興味深いものでした。
そもそも富久田のアイコンといっても過言ではない穴ですが、彼は穴を「解放」と表現しており、空けられていることを重視している印象がありました。
ただ、今回で彼の真の願望が「穴が埋まる」ということであるかのように見えましたね。
これまでと真逆の感情が出てきてちょっと驚きましたが…色々考えると腑に落ちる部分はあります。
富久田が頭に穴を空けたことで数唱障害を克服したことは、ある種のロボトミー手術的な効果があったためと考えられますが、その代償としてあのイドのように認識が破綻してしまったのでしょう。
元々の障害を克服したのに、新たな障害が発生してしまった…いってしまえば、富久田は「破綻」を抱えたのかもしれません。
そんな苦しみを癒すために、彼が次に打って出たのが人の頭に穴を空けることで、同じ認識を持つ仲間を作り出すことだったのでしょうね。
そしてその過程で出会ったのが本堂町でした。
穴を空けられた本堂町は富久田と同じような効果で認識に変化が生まれましたが、それは富久田とは真逆の「破綻しているもの(穴や破れ)が正常に見える」というものでした。
奇しくも富久田とは逆の認識を持つにいたったわけです。
しかし、本堂町のその認識はまさに富久田の破綻した認識を埋めるものでした。
つまり穴を…富久田の破綻を埋めてくれる存在として本堂町が現れたというわけです。
まぁ色々ロマンがありすぎる感はしますが、穴には「解放」と「破綻」というダブルミーニングがあり、「誰かが穴を埋める」という状況が富久田にとって真の救済だったとする解釈は個人的にはちょっとありな感じがしますね。
何より、前回の記事でも触れた秋人の台詞の「自分に他人と同じサツ害方法を向けることで何かが完成する」という理想形が、今回の富久田で行われたとみることができます。
つまり富久田の「何かが完成する」というゴールラインは穴を空けることではなく、穴を埋めること(穴が空いた人物と認識を補完し合うこと)であり、そしてその行為を通じて富久田自身の破綻した認識が正常な形に完成する…といった具合に。
ちょっと突拍子のない表現をするなら、「ぼくの世界を完成させるキミと巡り会う」というなんともセカイ系的な出会いが富久田の望むものだったのかもしれません。
後継は百貴
イドで早瀬浦に翻弄される酒井戸や聖井戸とは別に、現実で松岡と活躍していたのが百貴(ももき)。
ここにきて急に彼の存在がクローズアップされましたね。
まず、やはり彼は飛鳥井について色々詳しいようです。
昏睡事件の事情をそれとなく把握していたことに加え、彼女がミヅハノメのコアであったことにもさして驚きをみせなかった点をみると、百貴は飛鳥井を取り巻く事情をそれとなく踏まえていたようですね。
また、やはり彼はジョンウォーカーではなかったものの、早瀬浦が「後継」と表現していたところを見ると、かなり重要なポジションにいたことが窺えます。
うーん、この後継って「蔵の局長」って意味だったらいいけど…最初はジョンウォーカーの後継だと思ってしまった(笑)
それに百貴が早瀬浦の後継って立場だったら、彼が貶められた理由がイマイチわからない…。
早瀬浦が自分の正体を隠すためにブラフとして利用しただけのことかもしれませんが、百貴をはめたのが早瀬浦とは別の人物である可能性もあるような…。
まぁこれは考え過ぎかな(笑)
スポンサーリンク『イド:インヴェイデッド』第12話感想
飛鳥井の暴走、早瀬浦の暗躍、富久田や井波の退場と、クライマックスに向けて一気に加速してきた感じがしますね。
イド内に残された酒井戸と聖井戸御代、そしてミヅハノメと化した蔵に突入する百貴の活躍が期待されます。
ただ、ここまでゴチャゴチャにした話を最終話でどうまとめるのだろうか…。
後、全員が復活する展開に含みを持たせていましたが、復活するのかな?
『バイオーグトリニティ』がそうだったので、個人的にはその展開も嫌いじゃない(笑)
さて、何はどうあれ次回は泣いても笑っても最終回!
見届けるとしましょう!
▼前回までの記事はこちらから
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コメント
やー、睡魔に勝てず、11話未見です。
とんでもないミズハノメの飛び道具が出てきたんですね。この切羽詰まった局面で!
が、「花はひとつ」は、富久田が最期に見た、本堂町の髪にいつもあった髪飾りのことだと思いますよ。花が1個ついています。
なかなか富久田らしい、リリカルな表現で私はぐっときました。
また最終話まで見たら書き込みします。
さなえちゃんの古井戸さんコメントありがとうございます!
>「花はひとつ」は、富久田が最期に見た、本堂町の髪にいつもあった髪飾りのことだと思いますよ。
すいません、改めて確認したら「花は一つ」じゃなくて、「穴は一つ」みたいですね。
…下ネタなわけだ(笑)
その後の富久田の「一途だ」や「君の中で僕の穴は埋まる」という表現を引き合いにするなら、富久田にとっての穴は誰か一人…それこそ運命の相手のような人を招き入れるものなのかもしれません。
解放のための出口であると同時に、誰かを受け入れるための余地…みたいな感じでしょうか?