こんにちは。くらむBONです。
前回は東京24区の成り立ちと、アスミを騙った謎の電話など考察する要素が多く散りばめられ、サスペンス要素がある作品という印象でした。
「2話:セピア・グラフィティ」ではRGBの3人のアスミとの関りや事件の背景を、幼なじみヒロイン「櫻木まり」が現在のRGBの元を巡り、過去を語る回想で展開。
事実と回想がミルフィーユ状になり伏線が断片的なピースとして配置されていて、把握が困難だと思われるので、現在までの時系列を整理した上で考察していきます。
では、『東京24区』の謎について考えていきましょう。
目次
RGBとアスミの過去
主人公たちのニックネームRGBを名付けたのは翠堂アスミで、作品時間2021年のおよそ10年前の2011年の事になり、場所は放火事件の会った宝小学校の校庭でした。
2話の回想は構成上の手法で謎を複雑にさせるためなのか、時系列がバラバラで、意図的にモザイクのように配置されていると考えられます。
大まかな作中の回想の流れを時系列順に整理すると次のようになりました。
日付 | 出来事 |
2011/8/5 | アスミがRGBを命名する |
2018/7/6 | ラン回想(きなこ登場とグラフィティアート配信開始) |
2018/12/14 | コウキ回想(第1回グルメフェスティバル運営とアスミ) |
2019/7/18 | シュウタ回想(ヒーロー活動とアスミ) |
2019/9/20 | 白樺広樹回想(宝小学校保全運動開始) |
2020/5/10 | 宝小学校火災事件 |
2021/5/8 | 「1話」追悼ミサ・キズナ号事件 |
2021/5/10 | ワシントンに「ゼロス」グラフィティアート |
2021/5/11 | 「2話」櫻木まりの視点 |
週末 | 第3回グルメフェスティバル |
時系列順に並べてみると宝小学校火災事件までのアスミの行動は、意図的にRGBの行動原理を誘導しているように見えるのは気のせいでしょうか。
シュウタにはヒーローにあこがれを抱かせ、ランにはグラフィティアートをWeb配信する様に奨励、コウキには市民活動への参加で24区の宝商店街を存続させる動機付け。
アスミは24区に対して未来に起こる可能性を知っていて、事象を収束させているように行動している節があるとも捉えられます。
個人的に回想と現実の時間軸がなぜか明確に入っているのが意味深で、これらは「その時間でなければならなかった」という事を強調しているようにも受け取れました。
アスミの名前の意味と未来予測
個人的にアスミという名前は「明日見」という意味なのではないかと考えていて、ハザードキャストが犯罪発生確率を予測するものだとすると、未来を予測する事を連想させる奇妙な符号があります。
1話においてアスミ名義でRGBにかかってきた電話は、キズナ号事件の未来の結末を選択するというものでした。
コウキは黒葛川にアスミを騙った電話の発信者の調査を命じていましたが、特定には至っていません。
黒葛川が意図的に隠蔽しているとも考えられますが、現在は判断保留としたいところです。
アスミに関する疑問
私が作中で一番疑問に感じているのが、コウキとアスミの髪の色の違いです。
血縁同士の親子関係を見てみると、蒼生シュウタと母の桐子の髪は遺伝的に青く、櫻木まりと母親の髪の色は赤紫です。
母親の香苗の髪色次第ですが、可能性としてコウキとアスミの髪の色の違いから、2人は血のつながりのない兄妹と考えられます。
このことから、アスミは人間ではなく生体ユニットとして育てられた人造人間説や、実はアスミが4んでおらずリーディングシュタイナー持ちの未来人のタイムリーパー説なども成り立ちそうです。
まだ序盤で情報が少なすぎるので、結論は今後記事にしたいと思います。
ハザードキャストと観測結果の収束
Cパートで黒葛川はハザードキャストのメイン端末とおぼしきユニットに、何らかの部品を挿入していました。
「観測結果がどう出るか・・・収束していないことを祈るばかりね」
そう漏らした黒葛川のセリフは意味深すぎる。
ニトロプラスのライターが脚本に関わっている事から、黒葛川の正体がリーディングシュタイナーを持っている人物だったりしたら面白いと思ってしまいました。
この場合、黒葛川のキャラは「鳳凰院凶真」と「バイト戦士」を足している感じ、もしくは「タイター」になりそうで今後の展開が楽しみです。
アスミの回想により1話冒頭の翠堂香苗が宝小学校の教師だったことが分かっているので、時間遡行などが関わってくるのならば、宝小学校は並行世界が分岐する特異点だったりして。
ハザードキャストが2021年という時代背景にそぐわない技術なのは、未来予測のコード判定が未来の技術である可能性が極めて高いのかな。
エンディングテーマタイトルの意味は?
キズナ号事件に関して事態を把握する真相に現在一番近いのは、ランなのではないかと考えられます。
ランはアスミを騙ったと思われる電話によって未来に関わる選択を迫られ、現実を捻じ曲げたことで、未来改変がおこなわれたと考えていました。
そこには何者かの意思が介在していることが考えられ、分岐する並行世界に関する選択という命題も、『シュタインズ・ゲート』を彷彿とさせるものがあります。
『シュタインズ・ゲート』が理想的な未来を掴むまで葛藤しながら世界線を渡る話だとするならば、『東京24区』はRGBが未来を選択することで24区をより良い未来へと収束させていく物語となるのかも知れません。
エンディングテーマのRGBを指し示す「255.255.255」が、HTMLカラーコードの16進法表示で「#ffffff」となる、真っ白になった未来を意味していると考えるのは考えすぎかな。
グルフェスを巡る24区の利権構造と組織
24区を巡っては半〇レ組織「ヤブサメ」が、東京編入による地価高騰と建築利権を狙った非合法な不動産買収を行っており、グルフェスに参戦して宝商店街の買収も狙っているらしく、白樺広樹と外地警備隊のちくわとの話で話題となっていました。
この会話は、宝モールで「もんじゃんぐる」を経営するヤブサメと宝モールを経営する翠堂財閥の癒着を示唆しているので、かなりキナ臭い雰囲気。
今後の24区の発展と東京編入に伴い、様々な組織が動き出してくると考えられ、現在登場している組織は次のようにまとめられます。
・グラフィティアート団体「DoRed」
・半〇レ「ヤブサメ」
・人権団体「ゼロス」
それぞれの意図が交錯する中、RGBがどう行動していくのかが見どころとなるのでしょうか。
ヤブサメのクライアントGSMは何者なのか
24区の土地買収を進めるヤブサメのボスらしき人物はグルフェスに対して勝算を確信しているらしく、クライアント「GSM」からの電話に前向きな解答をしていました。
GSMの正体は定かになってはいませんが、24区の東京編入前に様々な工作を行ってくるものと推定されます。
ちなみにGSMについては『東京24区』に関連する「GSM予測」というキーワードで検索すると気象予測の用語が出てきます。
作中でシュウタの見ていた天気予報がここで関係してきて、GSMが地球を支配するため天候コントロールを計画する悪の秘密結社とか・・・ないですね。
証拠がないので決めつけは良くないのですが、宝小学校火災事件の犯行はヤブサメとの癒着が噂される、翠堂財閥も一枚かんでいそうな感じもします。
「科学的に放火」だと分かっているという翠堂豪理の発言は、隠蔽工作を示唆している可能性も考慮に入れたいところです。
人権団体ゼロスって何者?
人権団体「ゼロス」という団体が、ニュースを見ていた蒼生桐子の食事中に登場しています。
ゼロスとはどんな意味のある言葉でしょうか?
ゼーロス(古希: Ζῆλος, Zēlos)は、ギリシア神話に登場する神である。長母音を省略してゼロスとも表記される。
熱意や激情、競争心、対抗意識が擬人化されたもの。「熱意」を表す英語の zeal やフランス語の zèle などの語源となっている。ステュクスとティーターンのパラースの子で、兄弟にニーケー(勝利)、クラトス(強さ)、ビアー(力)がいる。ゼウスの側近の1人でもある。
引用:Wikipediaより
ゼロスが「熱意」のあるグラフィティアート主体の人権活動団体だとすると、ランのグラフィティアート配信を行う「DoRed」との関連も今後あるのかな。
「DoRed」のメンバーは、きなこを含めて様々な人種が匿名で活動していることから、既にメンバーの中に紛れ込んでいて、「オーキードーキー」は英語圏の表現なので人権団体の所属者などもいそう。
ランの救おうとしている24区のスラム化した地域には不法移民などもいる可能性が高く、24区の東京編入で本国送還される事態もありえて、人権団体が動く予感がします。
東京24区2話感想まとめ
『東京24区』はストーリー構成や脚本がニトロプラスのライターという先入観のせいか、今後並行世界線の話とかも出そうで注目している作品です。
しかし、視聴者が共通テンプレート設定のなろうアニメに慣れてしまっているせいか、じっくりと展開する『東京24区』については「じっれたい」と思われてしまう傾向があります。
その証拠に配信サイトなどのコメント欄を見ると「わかりにくく残念」な評価を受けていました。
個人的になろうアニメ全盛の中、意欲的なオリジナル作品として伸びて欲しい作品と思っています。
ジャンル的に残念なのは仕方ないものの、魅力的に描かなければいけない主人公を序盤で動かさずに、謎解きをサブキャラ視点にしてしまい、RGBを生かせなかった点については失敗だったなと思いました。
せっかく主人公がRGBというカラーリングからも派手なヒーローキャラクターなのに、探偵役が一般人の幼なじみヒロイン視点になった事で地味になってしまったのが痛い。
序盤に結論ありきの1話完結物語という作品では無さそうなので、時流ゆえに一挙見すると面白いのに不遇だった、某初回1時間SFサスペンスアニメのようになりそうで一抹の不安もあります。
作中の謎が、身近すぎるところがあって引き込まれる部分が弱い印象がある『東京24区』ですが、令和の『シュタインズ・ゲート』となりうるのか、今後に注目したいところです。
ではまた次回で。
ばいばい。
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