こんにちは。くらむBONです。
5話での新たなトロッコ問題はランにとって身近な1人の人間と、大勢の人間を選択するバイアスがテーマとなっています。
意図せず犯罪者となってしまったクナイは、シャンティタウンをテロという形で救おうとしましたが、クナイの暴走を止めようとするランの声は届きません。
事件を通じて翠堂財閥とヤブサメの繋がりや、Cフォンを介して繋がっている香苗システムの存在が明らかとなってきました。
今回はRGBの決定的な亀裂となりうる功利主義と感情バイアスの衝突と、謎の香苗システムを考察します。
目次
「D」の正体・解答編
シャンティタウンに蔓延する「D」は元々クナイの開発したアプリ「Diva」で、その用途は音楽で人を幸せにしたいという考えに基づくものでした。
「Diva」については前回考察していて、今回でその解答が明らかになっています。
ヤブサメの滝一(以下、ターキー)により、買い上げられたDivaはDLCで別のプログラムを導入することで電子ド○ッグ「D」として流通し始めます。
クナイはターキーにのせられてシャンティタウンを追い込む手助けをしてしまったことに気が付きました。
しかし、ランやDoRedに相談できないままハワードとターキーを、C4(プラスチック爆〇)を使った爆弾〇ロで排除しようとするのが今回のトロッコ問題の発端です。
ターキーと翠堂財閥の繋がり
今回のクナイのテ〇未遂事件は、クナイがターキーに騙されたことによって暴走して、外部警備隊の狙撃で幕を閉じました。
事件のトリックスターのターキーは、クナイとの会話でバックにいる翠堂財閥との繋がりを示唆していて、その根は一つに繋がっている模様です。
シャンティタウンを潰して建設予定のカジノ計画の黒幕ハワードと豪理やターキーの関係は、カジノ利権を介して繋がっているので単純なビジネスパートナーのように見えました。
しかし、表向きに24区の東京編入を計画する翠堂豪理と、裏で24区の土地買収を進めるターキーは一枚のコインの裏と表のようにもとらえられます。
東京24区は戦後連合国によって造られた地域と1話で語られているので、ターキーがド○ッグによる24区の混乱化工作を行うCIAの工作員だったら面白いと思います。
カルネアデス第一の容疑者
私は個人的にカルネアデスの正体として、第一の容疑者はゼロスなのではないかと考えています。
1話でニュースに登場していたゼロスは、今回シャンティタウン出身のグラフィティアーティストだったことが明かされ、幼いランやクナイと会っていました。
今回の事件で提示されたトロッコ問題は、いわば基本的なトロッコ問題の派生版で条件が加えられたものなのでしょう。
自分の身近な人物がレールの上にいて、その人物とより大人数の犠牲者がいる状況になった場合、どう行動するのかという問題です。
問題が明らかにランをピンポイントで狙ったものであることから、ランとクナイの関係性を知っている人物が問題を出題していると考えられます。
この場合、カルネアデスは事件を起こしているというよりも、未来を選択する特異点となりうる人物のランに行動を促している存在という事になります。
功利主義と感情バイアスの衝突
テ〇未遂事件を終結させたのはコウキの指示で、外部警備隊にクナイを狙撃させた一発の銃弾でした。
未来の選択を迫られるRGBの3人は、ランとコウキの立場の違いから、内部に矛盾を抱え込んでしまうことになります。
ランとコウキの対立は言い換えれば功利主義と感情バイアスの衝突ともとらえられます。
東京24区のRGBに視聴者がいまいち感情移入できないのは、彼らが出たとこ勝負で事件に関わっていることが原因で、ヒーローとして発展途上な事がネックなのかもしれません。
功利主義やトロッコ問題は複雑な問題ですが、これらについて理解したい人は、『ハーバード白熱教室』で有名なマイケル・サンデル教授のディベート授業動画を見ると簡単に概要が分かります。
RGBは未来の選択者たりうるのか
これまで、シュウタは犠牲者が出る未来の選択を何者かに迫られることをよしとせず、ヒーローの理想である「全てを守る」選択をしようとしますが、空回りするばかり。
ランは多数の幸福のために弱者が犠牲となる世界に疑問を抱き、「感情バイアス」に従って助けようとした親友のクナイを失い、正義の代表「大人」に疑問を持ち始めます。
コウキは最大多数の幸せとして一般人の命を守る「功利主義」を重視、公共の敵となったテロリストのクナイをためらうことなく排除して、己の信じる正義を遂行しました。
これをきっかけにランとコウキは現実的な対応を巡って対立することになり、シュウタは理想論で行動するちぐはぐな行動をすることになりそうです。
今後の事件を通じてRGBがどう成長するのかが、24区を巡る物語の見どころとなっていくことでしょう。
RGBには自己犠牲で人々を救ってグルフェス事件のヒーローとなったカバの事を忘れずにいて欲しいなあと思います。
香苗システムとは何か
事件の後に翠堂豪理が黒葛川に指示したのは、ハザードキャストを管理すると考えられる「香苗システム」という名のシステムの起動でした。
ド○ッグDやアプリDivaはCフォンを介して対象人物の生体データを収集していることが分かっていて、町中に張り巡らされた監視カメラの映像を収集しているのはハザードキャストです。
これらのデータは未来を予測するシステムに集約されていて、それらを制御しているのはアスミであると予想している人が多いのですが、香苗の名前が登場したのは意外でした。
以前、香苗に関する考察を行っていますので、こちらからどうぞ。
考察では行方不明となっている香苗がアスミを利用している説を考えていましたが、豪理の口ぶりからシステムとして機能しているのはアスミの母、香苗の可能性が浮上。
1話冒頭でホログラフとして登場していたのはこの伏線なのかもしれず、まだまだ謎に包まれています。
生身で一度も登場していない香苗は、病気もしくは事故などでシステム開発中にタヒ亡していて、意識を量子コンピューターでAI化しているとかだったら面白いですね。
東京24区5話感想まとめ
5話になり、ヒーローとしての自信を喪失していたシュウタは、改めてヒーローになることを決意して、理想の世界を目指していたランは現実の大人たちに失望しました。
6話は功利主義なコウキの話になると予想され、父親との関係性に言及してストーリーが進むべき方向が決まるのではないかと妄想しています。
ストーリーとして、協力してより良い未来を選択するはずだったRGBの3人は、それぞれ違った形で残酷な現実の問題に取り組んでいき、そこにはそれぞれの正義という名の壁が立ちはだかるという方向性になるのかな。
多様性のある正義という問題は、勧善懲悪のヒーローものとは違ったアプローチになりそうで、制作側の意欲を感じます。
しかし、RGBがまだ発展途上でそれぞれの正義や信念が薄っぺらく見えてしまっているので、何がしたいのかが分かりにくくイマイチRGBに魅力を感じにくいのが難点です。
設定自体は哲学的な要素もあって面白いのに、少し残念さを感じるのはそこなのかなという気もします。
およそ6から7話辺りで、それぞれの立場がハッキリして事件の本筋に入りそうなので期待したいと思います。
ではまた次回で。
ばいばい。
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