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こんにちは! 闇芝居10期の考察を担当することになった模造紙です。
闇芝居というと地上波だとテレビ東京のみの放送という首都圏民以外への酷な仕打ちで有名ですが(関西人の私涙目)、今期の私は配信という心強い後ろ盾を得たので遅れを取らずに追いかける次第です…!!
さて、闇芝居も10期を迎える大人気ご長寿アニメということで、今期も理不尽で意味深で理解不能な謎が謎を呼ぶ“らしさ”健在のストーリーを期待!
今期テーマの「おしまい」からも単純に終わりだけじゃなく、決別とか片づける、封じるなど色々深読みできるので、穿った視点からも考察していけたらなーと思っています。
※視聴次第、順次追記していきます。
目次
第1話「辞めたい仕事」感想・考察・解説
幻聴に悩まされるマネキン工場で働く男が、親友に職場での不気味な出来事を打ち明けるお話。
ホラー:★★★★☆
ギャグ:☆☆☆☆☆
10期初動として絶妙に気持ち悪くて掴みの良い1話。
結局マネキンが本当に喋ってたのか幻聴だったのかもハッキリせず解を示さない闇芝居らしいオチ。
怪異や化け物に対する怖さというより人間の闇深さとか心の弱さに焦点を当てた話っぽい?
考察1:結局マネキンは喋ってたの?
主人公が辞めたいと思い悩む原因となった喋るマネキン。そして焼却するまでのいきさつ。
それを打ち明けられた親友は心を病んだ事による幻聴と判断していました。確かに、ざっと聞いただけだとマネキンが言葉を喋るなんて到底考えられない。
でもなぜか廃棄されずに主人公の自宅にあったマネキンの声を聞き追い詰められて動揺し平常心を失った親友は火を放ってしまう――何とも救いのない悶々とする結末に。
ついさっきまで冷静に物事を分析して良い病院を紹介せねばと思案していた人間がいきなり妄想や幻聴に惑わされるとは思い難いためマネキンが喋るのはとりあえず事実とするのが良さそう。
ただ恐らくは霊的な何か、または怪異や異形の類の仕業でマネキンに感情や意思が備わっているのだろうと思います。
単純に捨てられたり燃やされるのは嫌だよねぇ。なら燃やされないように喋れないフリしとけばって話なんだけどそれをしない謎…。
マネキン工場がとにかく怪しい
明らかに主人公の働く工場は怪しいわけで、主人公の自宅と親友が焼失したのちに快く新しい住居を斡旋する社長とか絶対喋るマネキンのこと知ってるだろとしか思えない。
病みつつも淡々と仕事をこなす都合のいい従業員を手放せるかってことか。
「あの人を辞めさせないで!」とかマネキンが嘆願するくらいだからどんなことしてでも縛り付けて離さないってことなんだろうな…怖い…。
考察2:主人公とマネキンの関係性
絵面もマネキンの断末魔もとにかく不気味なわけですが、何となく主人公とマネキン達って恋愛の駆け引きをしているように見えるよね。
とにかく主人公からマネキンへの語り掛けが優しいんだよね。
マネキンも安心して委ねて信頼している様子だし。
けど余計なことを喋り過ぎるから捨てちゃうとか、切り捨てられないよう必タヒで縋りつくとか、捨てようとするも非情になり切れず家に呼んでるとか。
あと、男の親友に説得してって懇願するとか何それ痴情のもつれやんみたいな(ものっそいめんどくさい女…)
単純に感情を持ったマネキンに魅入られて狂っていく話なのかと思いきや、実は互いに依存して存在意義を確かめ合いもたれ掛かっている関係性との見方もできますね。
親友と住む場所を失ったのにあまりにも通常運転過ぎるし、やっぱり主人公は魅入られていて自分を失っているのは確かなんだけど、その歪みつつも真剣に仕事に打ち込もうすとする実直さを利用されてるんだろうな…。
真面目で堅実に仕事をすればするほど、主人公を気に入るマネキンが量産され続ける(そして喋る)という皮肉で救いのない末路…。
ラストの不良品が増えたのくだりは、主人公の終わりも予感させる締めでザワザワしました。
第2話「エンディングノート」感想・考察・解説
3人の兄妹が、独居で孤独タヒした父親の遺品整理をするお話。
ホラー:★★★★☆
ギャグ:☆☆☆☆☆
まさかのイイ話と思わせつつ、しっかりホラーに着地する闇芝居らしいストーリー。
理解したら実は背筋凍る系は個人的に好きだな。
起承転結も構成も絶妙だけど、そのままを受け取っちゃうタイプの人には意味不明なシナリオかも。
隣で見てた娘(小5)は最後の父親の笑顔で「喜んでる~!」と言ってたので、見たまんま鵜呑みにすると好印象な解釈になっちゃいますね。
それはそれで間違ってないけども、きっと闇芝居的には違う(断言)
父親の謎と事の顛末については想像を膨らませるとシナリオの深みが増すので気になった点について考えていきます。
考察1:ラスト兄妹はどうなったのか?
一夜明け兄妹たちは眠ったまま…じゃなくて、永遠の眠りについた=息絶えてしまったというのが物語の流れ的にはしっくりきますね。
横たわる3人を映してからの、エンディングノートに書かれた「刈り取る」が三重線で消され――そして父親の写真の表情は満面の笑みへ。
親としての責任を全うするため“命を刈り取った”と解釈するのが妥当でしょう。
考察2:エンディングノートに特別な力があった
そもそもエンディングノートに書いた内容が実行されるって何の能力者?笑
つまるところ、人生終了してからやり残したタスクを遂行するために
1.遺品整理に訪れた子ども達の顔を見て
2.子ども達とエンディングノートの手記を通じて思い出話をし
3.写真で本当のこと(節目のタイミングでは親として見守ってた)を明かした
ってことですかね。
で、父親として「最後まで面倒を見るリスト」のラストが命回収(刈り取る)ってことなのかと。
他界後に子ども達がノートを読むことを想定し、読んだ瞬間に能力が発現するとかみたいな?
父親自身かそれともノートに何らかの不可思議な力が宿ってたと考えられます。
それに魅入られておかしくなったせいで、いわゆる「ひどい父親」と子どもに思われていたのかな。
とすると、実際過去の良い父親だったエピソードも本当の出来事かどうかも怪しいところ…。
それこそ父親かノートの力が働いて“そうだった”と記憶が改ざんされている可能性もゼロではないし。
優しい父親的なエピソードは同じ親の立場としては本当であって欲しいけど…結局はよくわからない謎が深まるオチ。
父親の笑顔、歯並び超良くて不穏な笑みに見えるし、やっぱいい父親とは言えそうにないね。
第3話「一日の終わり」感想・考察・解説
毎朝マンションの窓辺に立つお姉さんを心の拠り所にする、友達のいない女子中学生のお話。
ホラー:★☆☆☆☆
ギャグ:★☆☆☆☆
闇芝居にしては生温いオチ。どうした。
ラジオ、メール、看板落ちの流れは面白いんだけど、ラストの展開は微妙。
闇芝居には理不尽さや気持ち悪さを求めちゃうからデッドエンドじゃなくて拍子抜け。
お姉さんが実は窓に反射して映った看板広告って真相はいいが、結局主人公が気付かなった点は、一方通行な思いが伝わらない切なさや恐怖を表現したかったのだろうか。
主人公的には平和に終わってハッピーだけど、お姉さん(看板)の気持ちを思うとやるせない。
主人公に会いに行った看板の意図
相思相愛と思っていた相手に自分以外の友達ができ、関心が違う方向に移っていくのを感じ嫉妬心を募らせるお姉さん(看板)。
動けないが故にラジオへの投稿メールを気持ちの代弁ツールに使っていましたが、勇気を出して主人公の前に姿を現したにも関わらず、肝心の相手には気付いてもらえずという悲しい結末でした。
看板の「生まれ変わろう」のメッセージ
気になったのが、看板に書かれていたキャッチコピー(?)。
美容クリニックやジムにありがちな「生まれ変わろう」は、落下して看板としての人生(役割)を終えて現世での生まれ変わりを示唆しているのでは。
ちょい前に主人公のお友達になった女の子(ゆみえちゃん)から「今日休むね」というメッセージを受けたくだりからも、主人公に会うためにゆみえちゃんの体を頂戴した…みたいな展開も予想できます。
病んだ主人公の妄想発端説
もしかするとラジオへの投稿自体、主人公の自演だったかもしれんし、ぼっち主人公の妄想が看板のお姉さんに命を吹き込んだのが発端って可能性もありそう。
1人きりってメンタル削がれがちだし、主人公視点でも友達が増えて世界が広がって字の如く「生まれ変わった」と捉えられるし、お姉さんは現世で生まれ変わり(そして主人公に会いに行く)、主人公はぼっち陰キャから生まれ変わるという両方をほのめかしたオチなのかもね。
つーか、立て看板がマンションの窓に映った状態で遠方とは言え、立体か平面かの違いもわからんってあるのかな?
目が合ってるって認識してるし視力に問題はなさそうだし、とすると、メンタルが病んでて自分に都合のいい解釈してたって説も現実味を帯びてくるね。
第4話「終電」感想・考察・解説
終電にギリギリ間に合った男のお話。
ホラー:★★★☆☆
ギャグ:★☆☆☆☆
電車やバスなどの乗り物系は怖い話の鉄板ネタ。だからこそインパクトが欲しいけど、オチが弱すぎて意味がわからなかった。
シンプルに本来の終電(最終電車)じゃなく人生終了の電車に乗っちゃったって解釈で良いんだろう。
ホラー要素は十分にあったけど真新しさないため満足度は★2つ。
考察1:主人公の末路
(人生の)終電に乗ってしまい、最終的に禍々しい世界に誘われた。
おそらく黄泉の国とか異世界に行っちゃったって結末ですね。
ただ、電車に乗ったから人生終了しちゃったワケじゃなく、命そのものはその前の時点で絶えてたんじゃないかと思います。
考察2:もしかして階段で転落してたんじゃない?
最初から凄く違和感で、駅構内の階段を駆け下りていくシーン、主人公浮き過ぎじゃない…?
紙芝居の静止画的な描き方で躍動感を出しているためとも捉えられるけど…それにしても……跳ねすぎでは。
深読みすると、終電を逃すまいと全力疾走し階段から転落→打ち所が悪く絶命。
本人はタヒを自覚しておらずホームに移動し、生者には乗車できない終電に乗ってしまったという流れ。
ただこのパターンだと、この後本来の終電に乗っていた友達が主人公の変わり果てた姿を確認してない矛盾が生じてしまうんですよねー。
そもそも、駅構内で転落タヒ事故が発生したのに電車が通常運行するのか…?
そこで竹下の存在です。
考察3:竹下の正体
闇芝居には珍しいタイプのイケメンやんと思ってたら病んでた。
昼間、主人公に声をかけた直後に人混みに紛れてスーッと姿を消しちゃうあたり、そもそも彼は生きた人間ではなさそう。
終電で主人公に遭遇した時も明らかに正気ではなかったですよね。
内気で友達のいない陰キャの竹下にとって数少ないのか唯一なのか不明ですが、悩みを相談できる相手は主人公しかいなかった。
その主人公にも連絡をもらえず邪険にされて闇落ちした…と考えるのが自然かな。
相談事の内容は今となっては知る由もありませんが、意味深な「始めからこうすればよかったんだ」発言を受けると、竹下の確かな意志が介在し主人公を道連れにしたと解釈できます。
もっと前の時点から竹下は帰らぬ人で、何らかの心残りがあり主人公に相談を持ち掛けた。
けれど望む結果を得られず(相談事にも乗ってくれない、連絡くれない、他の用事を優先する)、とうとうブチ切れて強硬手段に出たんじゃないでしょうか。
えぇと、つまり前回が百合っぽい展開だったので、今回は男同士ってことかと思ったんですけど…。
竹下は主人公に対して友達以上の感情(恋愛感情)を持っていたが打ち明ける前に他界
→未練から思念体や霊的な存在としてしばらく生活していた
→主人公に本人と改めて話したいと思うが避けられる
→他の男とばかり仲良くして嫉妬
→この世で想いが通じ合わないならいっそあの世で…
的な? 強引が過ぎるか。
考察4:駆け込み乗車に対する注意喚起
ちょっと横道に逸れたので軌道修正です。
今回のお話ですが“慌てて駆け込み乗車しようとするととんでもない事故の可能性もある”というメッセージ性も感じられます。
階段でコケて転落→あの世行きの最終電車に乗ったというシンプルなパターンなら、単に駆け込み乗車ダメ絶対って戒めの話なんですよねー。
見直してもやっぱりよくわからなかったので、駆け込み乗車アカンの教訓がテーマだと思っときます。真面目か。
第5話「最後の客」感想・考察・解説
喫茶店の客の老婆にしつこく付きまとわれる話。
ホラー:★★★★★
ギャグ:★☆☆☆☆
ようやく5話にして常軌を逸した怖い話!
独特な絵のタッチと陰鬱な効果音や雰囲気も手伝って気持ち悪い仕上がりだった! 好き!
展開は読めるけどオチの強さとインパクトで強引に締め括られ面白かった。
ありがちでもこれくらい理不尽な展開が個人的には好み。
考察1:老婆の正体
老婆の正体は実際のところ老婆ではなく、元々は主人公と同じような若者だったと考えられます。
出どころは不明ですが、今回のオチである自分の存在を抹消される呪いをかけられた。
周囲の人たちが自分のことを忘れ、居場所も奪われ、心休まる場所もない。
老婆と出会い一夜明けたあと主人公の彼女が包丁を向けるシーンがあったけど、見知らぬ人間が同じ布団に眠ってたとしてあの行動は凄まじいものがない?
彼女の危機管理能力が激強なのかもだけど、単純に忘れる呪いってだけじゃなく拒絶や嫌悪されたり煙たがられたりだとか、相当ネガティブな付加要素も追加されてそうで厄介に感じます。
ループものは過去の闇芝居でもいくつかあって手軽に理不尽さを演出できる末路だし、シンプルに怖さを感じられていいですね。
ラスト、辿りついた喫茶店は主人公の元いたアルバイト先っぽいけど、何となく接客の若い女性は老婆の面影もあり、主人公とこの女性の2人が呪いをループし合ってるとも考えられますね。
老婆=喫茶店の女性店員という。
考察2:なんで主人公に狙いを定めたのか?
理不尽オチなので何故主人公が選ばれたのかなんて考えるのもナンセンスなんですけど、これは単純に誰も老婆を相手にしなかったからなんでしょうね。
主人公も忘れられて手酷い対応を周囲から受けてどんどん堕ちていってましたし、最後に行きついた場所で優しく声をかけられ縋った…といった具合でしょう。
だからといって、いくら辛い思いをしたからと言っても、最終的に冷たくあしらわれたから呪いを伝染させるのは理不尽の極みなんですけど、正常な判断と思考を保てなくなったゆえなのか。
でも、縁もゆかりもない初対面の老婆を家に招くとか、普通に考えて出来ないしなぁ。
どう考えても主人公悪くないし、飲食店の店員としての対応なら普通だしね。やだ本当に理不尽。
考察3:呪いは回避できなかったのか
老婆に関わらなければ呪われなかったという話ですが、とにかく老婆が気味悪い老婆っぷりを発揮して興味深かったです。
くたびれた雰囲気とか手入れされていない髪の毛とか認知症の高齢の方で割と多いので「うわぁぁ、あんな雰囲気でしっかりしてそうな喋り方するおばあちゃんおるわー」と感心してしまいました。
なんかおかしいと思いながらも店員という立場もあり接触不可避ですよね。
ということは、喫茶店を最後の場所として選んだ老婆の選択が冴えてたってことか。
必然的な確定事項であり、回避不可能ってことなんでしょう。
第6話「収集所」感想・考察・解説
引越してすぐゴミ当番になった女性のお話。
ホラー:★★★☆☆
ギャグ:★☆☆☆☆
都市伝説的な謎ルールが根っこにある不可思議さが良かった。
面白く見れたストーリーだったけど、収集車ネタって「人間回収車」とネタかぶりしてない? ホラー系でよくあるネタなのかな。
見たまんまで特に考察ポイントはなさそうだけど、どうあがいても回避できない意味不明な理不尽さと主人公の愛情の歪さのバランスが絶妙で面白い話でした。
主人公が引越して来た地域は限定的に特別収集のある地区だとして、彼女の最後の笑みを見るに意図的に彼氏を回収させたとみるのが自然ですね。強かで腹黒い女の子は好きです。
考察1:主人公の微笑みの理由
どこだかよくわからない場所に誘われた彼氏に対して「やっぱり私の一番は彼だった」と満足気に不気味な笑みを湛える主人公。
そのまんま考えると、自分の矢印が本当に彼氏に向かっているのか、そして誰よりも彼氏を大切に想っているのか自信が持てずにいたため、確信を得ることが叶い安堵して漏れた笑みでしょう。
ただ、特別収集のルールに基くと回収場所に置かれずにいた大切なものは処理されてしまうため、一番大切と裏付けされたところで主人公の手の届かない場所に行ってしまうため、どう考えてもハッピーエンドではないという気持ち悪さ。
▲彼氏以外にもいっぱい人間が居るのが何とも闇深い……
まぁ、登場人物に関してはまるで詳しい背景描写はないので憶測になってしまうけど、主人公がメンヘラで歪んだ愛情の行きついた先が、本当は特別回収の件を知っていてワザと知らないフリをして彼氏を回収させたとか、別れて誰か別の女のところに行くならいっそ……的などす黒い真相に結び付いてしまうなー。距離を置こうぜ的なこと言われてたし。
頭の片隅に第三者から彼氏が一番大切認定されたら嬉しいという期待があって、実際そうなったことで「自分以外の誰かの物に永遠になることはないという安心」と「気持ちが証明されたことの安堵」が現れちゃったってことなのでしょう。
傍にいて幸せを願う事だけが愛情の形じゃなくて、関係を断ち切っておしまいにして誰の目にも触れさせず閉じ込めておくことを無意識に主人公は望んだってことか。それも愛情の形だと思って。
まぁ、単純に彼氏にムカついて回収させたって線もあるけども。
考察2:特別収集を逃れる手段はあるのか
そもそも特別収集がごくごく一部の地域限定ルールっぽい。
これは今後もずっと当該地域に住み続ける限り、月一で一番大切な物を置きにいかなければ持って行かれるってことで、回避する策としては引越すしかなさそうです。。
お話ではその辺もあいまいで謎だったけど、行列の描写を見るに住民は地域に強制的に縛られてるって可能性も考えられます。
しきたりや風習を重んじる田舎なら「ここは昔からこうだから」っていう理由で納得しそうだけど、主人公が越して来た地域はある程度の規模のでかい住宅地っぽいし、よくわからない意味不明な謎の力とか呪いが働いてそう。
引越して地域住民になったが最後、ずっと特別収集のルールに縛られ続けるということになります。
ただ、先述したように彼氏が回収された場所に大勢の人がいたことから、逆に特別収集を利用して大切な物を回収させている住民もいそうですよね……。
第7話「トンネルでの出来事」感想・考察・解説
山道を散策中のカップルがトンネルを通り抜けるお話。
ホラー:★★★★☆
ギャグ:★★★★★
山中の不気味な気配漂うトンネルという王道ホラー路線にも関わらず、実際のトンネル内の恐怖描写はなく、結局、女性の鬼気迫る叫び声が一番恐かったという不思議な展開。
ホラーゲーム実況動画好きの私としては、トンネル内で怪異や異形に遭遇して追いかけられる的な安定の鉄板ネタが見たかったけど、最後まで何があったのか本当のことは明かされないまま終わり消化不良。
しかしながら意味不明でツッコみどころも満載で闇芝居らしいシナリオだった。
タヒんだはずの恋人が60年間喋り続けるというギャグ全振りのオチは個人的には楽しめたけど、正直何を伝えたいのかよくわからなかったなー。
考察1:オチの意味
心電図が途切れる=ご臨終のはずなのに喋り続けるという展開で、しかもその後60年も話し続けるなんて最早ギャグ以外の何なのか。
なくなったハズの人がずっと病院に居続けるのも不可解だし、かなりツッコみ要素が豊富な回。
「聞いたら後悔する」と念押しした末でのトンネル内の出来事の語りだったけど、結果的には彼氏は後悔する素振りなく60年間も女性の傍らに居て話を聞き続けたのだから、当人達的にはハッピーエンドであるとも判断できますね。
真実は最後まで分からずじまいでしたが、女性はトンネル内での忘れられない恐怖の出来事を経験したことで命を終わらせてなお、不可解な力に突き動かされ喋り続けていたのかも。
男性のほうも恐怖の出来事を淡々と語り聞かされることで一種のマインドコントロール状態に陥り、女性と離れられない状況に追い込まれたのかもしれません。
彼女が頑なにトンネルの出来事を明かそうとしなかったのは、自分自身の終わりを感じていたからで、だから男性に別れを切り出した。
けれど男性の熱意に根負けして語り始めたのが最期。女性のみならず聞き役の男性も終わってしまったということでしょうか。
終わったというのは普通の人生、普通の人間としての生き方は望めなくなったという意味で、トンネルでの体験を話す側と聞く側としての役割に強制的に縛られ続けるという意味だと解釈しました。
穿った見方をせずなら、単に若い頃の思い出を語り続ける純愛オチなんだけど60年は流石に無理やり感が過ぎる。
考察2:彼女はトンネル内で何を見たのか?
これに関しては物語内で何も描写されていないので、すべて憶測になりますが、何らかの恐怖体験に遭遇したのは確かでしょう。
そして、その内容を男性はなぜか綺麗さっぱり忘れてしまっていて、反対に女性は鮮烈に覚えており逃避手段としてデタラメや虚言とも捉えられるトンネルの出来事を語ってしまうのかなと。
おぞましい化け物や、または都市伝説の怪異など、めちゃめちゃ怖い何かと遭遇してしまい錯乱状態に陥ってしまったのでは。
男性と女性の態度の差は、シンプルに見える見えない、霊感の有無、感受性が豊かか乏しいか等で違いが出ているのかと思いました。
もしかすると潜んでいた別の人間が女性を無理やり暴行したという胸糞な真相もありそうですが、もしそうならば男性側への激しい憤りと怒りしか連ねる内容がありません。まぁ、これは突飛過ぎるし一気に生々しくなるので闇芝居ではないかなー。
第8話「腕時計」感想・考察・解説
久しぶりに会った妹との別れ際、姉は腕時計が無いことに気付く。その流れで子供の頃に流行った怪談話「とけいさん」の事を思い出す話。
ホラー:★★★★☆
ギャグ:★★★★☆
ド定番の理不尽怪異系ホラー。
気味悪くよくわからんまま終幕という闇芝居らしい話だったなー。
都市伝説や不可思議怪異は度が過ぎるとギャグにしか見えなくなるけど、不気味さと可笑しさのさじ加減がちょうど良くて面白かった。
考察1:どんな話だったの?
1.「とけいさん」という怪異が現れ、腕時計か置時計のどちらを譲るか選択を迫られる
2.選択を間違えるとさらわれる(命を奪われる)
というストーリー。
で結局のところ、腕時計の選択は間違いでした。残念。
姉の職場の先輩が腕時計をしていない描写→選択を間違えた発言→時間なんて関係ないという呟き→実は先輩は既に帰らぬ人だった→じゃあ私が今日会った先輩は一体……という流れが、腕時計は選択ミスという裏打ちになります。
選択を誤ったから命(と腕時計)を奪われるというのが大筋でした。
考察2:妹は実在していない?
妹は子供の頃にとけいやさんに遭遇したタイミングで命を落としたと思われます。
姉が間違った選択肢をしたために犠牲になってしまったと。
つまり姉が会っていた妹は、今は実在していない。
幽霊、それとも姉の自責が生んだ幻覚なのか定かではありません。しかし幼少時にとけいさんに会って以降、記憶の混濁や改変を自ら行い妹が生きていると思い込んでいたのではないでしょうか。
そして今になって妹に対する呵責なのか先輩の件がトリガーになったのか、とけいさんを思い出し選択を迫られて再び間違ってしまった姉。
最終的には救い所のない理不尽オチでしたが、過去のとけいさんとの遭遇でなぜか腕時計をしていた本人ではなく妹が誘われてしまった点は不可解です。
憶測ですが、咄嗟に妹が身代わりになるよう強く念じたとか、身の危険を感じて妹を置き去りにして逃げたのでは。
本当は姉があの時点で連れて行かれていたハズだったのに……、という無念や恨みの感情を持った妹の立場からすると、大人になってまたしても同じ間違いを犯した姉を見て溜飲が下がったことでしょう。
そういった点では、妹的にはしてやったりと言えるオチなのかも。
考察3:とけいさんの回避方法
都市伝説の怪異に対して逃げる方法なんてのも出回っていますが、とけいさんに対してはどうなのでしょうか。
回答として腕時計は間違い。魂と腕時計を奪われる。
正解は、とけいさんから逃げるには「置時計」を選択するでしょう。
お気に入りだった腕時計を誕生日に貰う過去回想でも、決して腕時計を手放さないようにという不穏な様子の母親からの警告めいた言い聞かせがありました。
実はとけいさんが古くから囁かれ続けている怪異であり、危惧した母親の忠告だったとも考えられます。
もしくは、母親も間違った選択した後てあの時点で既に生きておらず、自分と同じ間違いをしないよう道を示してくれていたとも考えられます。(職場の先輩と同様に)
なぜ置時計が正解なのかというと、単純に身につけない物だから。
肌身離さず身につけている腕時計=一心同体なので自らを渡すことと同意になりますが、置時計は身から離れているため時計そのものを渡すだけで済むのではないでしようか。
悪い事が起きた時に身代わりになるブードゥー人形とか、馴染み深いものだと桃の節句で飾る雛人形など、昔から人形は厄災や呪いから持ち主を守ってくれると言われています。
今回の話も、置時計には持ち主の身代わりとして呪いや災いを受け止める役割があったのでは……と思うのですが確度が低いなー。
あと気になったのが、今の時代はスマホで時間を確認することが多く、そもそも腕時計をしている人が少なく思うのですが、選択すらできない場合だと遭遇した側は分が悪すぎる。
それに腕に何本もジャラジャラ腕時計ぶら下げてるとけいさんシュール過ぎん? 不気味怖いシーンなのに笑っちゃう。
第9話「未来の僕へ」感想・考察・解説
未来の自分に向けた小学生時代の映像を見た男のお話。
ホラー:★★★★★
ギャグ:☆☆☆☆☆
捻りの少ないサスペンスホラーで最近の闇芝居の傾向からすると新鮮!
映像面でダイレクトに精神攻撃を与えてきたり、シンプルに人間の怖さと罪深さを描いていて作り手が伝えたい内容が分かりやすい回でした。
意味深ぶん投げENDも面白いけどたまにはこういう正統派なシナリオも良いなぁ。
特段考察ポイントもないけど少しだけ。
クラスのつまはじき者のサクセスストーリーを描いた話だった
「未来の僕」っていうのは、将来の自分に対してメッセージを語った全ての人物に当てはまりつつも、厳密には主人公以外にただ1人生存していたクラスメイトの男性のことを示しているように思えます。
で、彼は小学校時代、クラスで疎まれ粗暴に扱われイジめを受けていた。
つまり一連の不可解な級友のタヒは彼の復讐劇というのが真相。
しかし現在進行形で復讐しているとうよりも、過去の自分が抱いた怨念が強い固い呪いとなって未来の自分までも縛り今に至るとするのが個人的にはしっくり来ます。
飲み物に薬か何かが仕込んであって主人公も抹消されてしまうという顛末なんだろうけど、因果応報の気が強いし小汚く成長してしまった主人公に対し同情は厳しいところ。
恐らくクラスの30人前後に地道に制裁を与えて来たと予想できるけど、なんで最後に主人公を残したのか、実際のところどうやって始末したのか呪いなのかは不明。
ただ、映像が乱れや精神攻撃のくだりなんかは、呪いの類が関与してると考えるのが妥当でしょう。
わりとシンプルな完全犯罪サスペンスだったけど、恐怖を示す様々な手法が凝らされていて見応えがあり満足。
闇芝居おじさんもテンション高めに「おぉぉぉ~しぃぃまぁぁぁい!!」してたし良回でした。
第10話「別棟」感想・考察・解説
体調不良で入院した先で別棟を見つけた男の話。
ホラー:★★★★☆
ギャグ:☆☆☆☆☆
この世とあの世の境界を描いたオチが読みやすい展開。
タヒの淵にいた男が現実から逃れてあちら側に逝ったというシンプルな解釈で良さそう。
別棟という気味悪さの象徴に盛り塩など分かりやすいヒントがあり、すんなりと頭に話が入り面白かった。
考察1:廊下=三途の川である
そのまんまだけど、主人公が一生懸命歩行訓練していた廊下は三途の川の暗喩。
病院名だって、川(厳密には川じゃなくパイプライン(|)を三本並べた字)に、「=」にもう一本横棒を足した字(合同記号の≡)と書いて、「川三病院」って読めるし、端的に病院を生とタヒの狭間の場所として表現してるっぽい。
廊下の壁にも≡と|||の羅列が書かれていたしそういうことなんでしょう。
考察2:主人公は精神を患って入院していたのでは
毎日毎日、徐々に歩みの距離を伸ばし黄泉の国へ近づき、盛り塩に違和感を覚えつつも別棟に固執し続ける主人公。
早く退院したい、社会復帰をしたい思いが冒頭では語られていたけども、実際はギリギリに追い詰められていて、辛い現実から逃げ出したかったのでは。
体調不良に伴う検査入院とのことだったけど、本当は病的に精神が参ってしまった故の入院だったのではなかろうか。
看護婦も妻も主人公が「何か」に囚われているのを察して引き留めていたし、幻覚や妄想が見えてたとするなら異常な執着行動は辻褄が合うんだよなあ。
考察3:主人公の結末
別棟=あの世なので、住人に捕まったすなわち、なくなった霊や怪異に引きずり込まれたということ。
闇芝居特有の不可思議怪異現象で退場したとも見られるけど、過労による病タヒかもしくは精神障害により自ら命を絶ったというのが本当のとこだろうな。
個人的には別棟に魅入られて非常口から身を投げたのだと考えます。
最後、逃げる素振りを見せたのは怪異や怨霊に対してもだし、辛い現実からも逃げて来たってことでしょう。
把握しやすく先が見えるオチ。共感できる部分もあるけど、やっぱり相変わらず後味はよくないですね……!!
第11話「バイバイ」感想・考察・解説
旅行の途中、小さな町の商店街に立ち寄った女性2人のお話。
ホラー:★★★★☆
ギャグ:★★☆☆☆
闇芝居お得意の乗っ取られEND。
怪異だか霊的なモノに憑りつかれてオリジナルの中身はバイバイってことか。
不気味な商店街、気味悪い住人たちと謎ぶん投げっ放しの終わり方だったけどそこが闇芝居らしくて好き。
人ならざる者にカラダを奪われてってのはホラーでは定番ネタだし、どっかで見たような話ではあるけど、屈託のない子どものバイバイから始まり徐々に違和感が深まる流れは巧みだと思う。
考察1:商店街の住人は何者なのか?
旅行者である2人に対し異様なまでにこやかさを向ける住人。それもバイバイと手を振り続けると言う動作のオマケつき。
買い物や談話後の別れ際なら納得だけど、店主が客寄せのためにとか初対面の相手に子どもが手を振るならわかるけど、さすがに喫茶店の店内から数人が揃いも揃ってというのは奇怪な光景。
町全体が何らかの怪異に憑かれており、新たに足を踏み入れた外部の人間は漏れなく引きずりこもうとしている……というところでしょう。
宿主の肉体はそのままで中身だけ違う何かが入り込んでいるという印象です。
さらに言うと、心が病んでるとか傷ついている人は、より憑かれやすい(疲れやすい)のかな。
そんな憑きやすい人に対しては積極的にバイバイして憑依してるっぽい。
終裏(おわり)駅といいラストの医者のテンション高めのバイバイといい、割とギャグに振ってて面白かった。
考察2:病院で目覚めた女性はどうなったのか?
この点は明らかにオチ放りっぱなしなので憶測で語ることになりますが、話の流れ的には彼女もまた乗っ取られたと見るのが自然かと。
傷心の友達は心に隙があったため容易に乗っ取られてしまったが、残った女性は健康な精神状態であったために商店街を訪れただけでは憑依されなかった。
けれど「不気味な出来事が原因で友人が別人の様になった」という奇妙な経験が生まれることで女性の心にも負荷がかかり、最終的に乗っ取られやすい状況が作り出されたのだと思います。
商店街を訪れたが最期、早かれ遅かれ終わりを迎えるのでしょう。
第12話「指切り」感想・考察・解説
やつれていく夫を心配する妻の話。
ホラー:★☆☆☆☆
ギャグ:★★☆☆☆
実は主人公が夢の住人だったというどんでん返しな結末。
こういう最後に爆弾を投下するスタイル嫌いじゃない。
別マに載ってそうな女性のビジュアルも不気味さを増幅させていたし、ホラー要素は少ないけどおもしろ要素が多く見応えがありました。
考察1:どちらが現実だったのか?
どっちが夢でどっちが現実なのか……? なかなか不可解なお話でしたね。
本編中でも「消えるのは私?!」と最後に姿が消滅する描写があったため、結果として主人公妻が虚構の存在だったというシンプルな解釈で良さそう。
ラストで世界が逆転したみたいだし(テーブルが丸から四角になっている)、世界を越え影響を及ぼし始めた主人公妻を切り捨てたってところかな。
考察2:指切りの意味
サブタイトルにもなっている指切り。
物語の冒頭、そしてオチ手前の場面でも再度登場するため、物語を語る上で重要な役割があるのでしょう。
指切りは約束を守るために小指を引っ掛け合う習わしですが、実は元々の由来は恐ろしく、遊女が意中の特別な客に対し「特別の印」として小指の第一関節を切って贈ったのが発祥です。
主人公妻と夫の間でも、約束の印と同時に「妻を安心させるため」に度々指切りをしていた表現がありますが、ラストで小指の先から身体が消える点からも特別な存在をハッキリと否定されたと解釈できます。
考察3:消滅は約束を破った制裁である
作中では明確にされなかったものの、おそらく何らかの約束やルールを厳守しなかった(指切りの誓いを破った)ために主人公妻は夫から切られたのではないでしょうか。
冒頭の指切りのシーンは、結婚生活を送るための約束事を誓う指切りだったと推測できます。(なぜだか、主人公妻自身はその内容を覚えていないようですが)
ちなみに、約束事のひとつは向こうの世界に干渉しないことだったのでは。
「夢のことは忘れて」と夫に言ったり、最後の場面で登場する向こう側の妻(おそらく本当の現実世界の妻)が「夜になると女の影が見える」という台詞からも、夢の中だけに留まらず現実にまで影響を及ぼし始めたことに対し、約束が違う、誓いを破ったと判断されたのだと思います。
そもそも指切りの歌詞にしても、拳万(グーパン1万回)とか針千本飲ますなど穏やかじゃない内容ですし、約束を違えたことに対して、罰として非情な制裁を与えた=自身が虚構を存在と悟らせ消滅に追いやったのだと考えられます。
最後の場面では本当の現実世界の昼(主人公妻の世界だと夜の時間)にまで干渉しているし、あまりにも立場をわきまえず自分の領分から逸脱し過ぎています。向こうの妻も病んでるし、消滅時期としてバッチリなタイミングとも言えるんですよねー。
第13話「百物語」感想・考察・解説
廃校に忍び込み百物語を始めた若者たちの話。
ホラー:★★★★★
ギャグ:★★☆☆☆
10期もいよいよ最終話! 今期テーマの「おしまい」と10期のラストという称号に相応しい胸アツで衝撃的な展開がここに。
物語中に語り部が登場するのはある意味禁じ手でタイミングを間違うと反則技以外の何ものでもないけど、これまでの地道で着実な積み重ねがあるから「満を持してのご本人登場」感しかなく胸の高鳴りが抑えられませんでした……!
ひと言で言うと最高の最終回でしかなかった。
考察1:百物語とは
物語中でも説明があったように、百物語とは100本のろうそくを囲んで怪談を披露し、1つ話し終えるたびにろうそくの火を消す怪談会です。
最後の1本を消すと何が起こるか不明だと作中では示されていましたが、怪異や物の怪が現れるというのが広く知られた定説のようです。
ちなみに私は経験がないため実際のところは知りませんが、怪談話を語るごとに霊的なモノや怪異、妖しが集い、この世とあの世の道(霊道)が開いてしまう――ということらしい。だから進行途中に寒気がしたり息苦しくなったり具合が悪くなるのは、人間ではない何かが集まって来ている証拠なんだとか。
考察2:過去の百物語で友人はなぜ消えた?
99話と100話の2本をいっぺんに消すのはルール違反は初めて聞いたけど、最後のろうそくを消してしまったことが単純に禁忌だったのではないでしょうか。
100話まで話し終えてろうそくの火をすべて消すと怪異が現れるというのは前項でも記しましたが、だからこそ99話まで怪談話を終えた後は打ち止めするのが正しい(?)回避方法のようです。
さらに最後のろうそくは決して消してはならず、夜明けまで待たなければなりません。
つまり百物語を終えたから恐ろしいことが起きたのではなく、そもそも百物語を行うこと自体が呪術的な儀式のため、全ての火が消える=災いが起きることになり、その結果として100話目を語るハズの友人が消えてしまったのではないでしょうか。
予定通りに100話を語り終えても不幸を呼ぶし、中途半端に途中で辞めて解散したとしても呪いがかかった状態なので何らかの災いが参加者に降りかかることに……。
この災いが闇芝居おじさんであるとも解釈可能で、百物語に集まった怪異だとすると怖い話につられて来ちゃったんだなとほっこりしますね(笑)
考察3:怖い話の内容って聞いたことあるような……?
若者たちがそれぞれ怖い話を語りますが、聞いたことのある話ばかりでした。
どうやら過去の闇芝居のお話であった、山びこを楽しんでたらキモイおっさんに怖がらせられる話とか、お母さんと思い込んでたら何か別の存在だと気付いてハッとなる話とか!(結構前に見たやつなのにおぼろげに覚えているものですね。)
つまり若者たちは過去に闇芝居おじさんの紙芝居を見に来ていた子どもで、当時語られた怖い話を百物語で話していると考えられます。
ここ最近はおじさんも人間相手に紙芝居を披露しなくなりましたが、初期はたくさんの観客の前で語り聞かせていましたから。
その時熱心に聞いていた子たちか成長して百物語として語り、最後に本家本元の本人登場とかエモすぎる。
考察4:闇芝居おじさんの正体
1度目見た段階だと過去の百物語で消えた友人=闇芝居おじさんなのかと思ったけど、2度目は友人は単純に儀式の災いで消失し、闇芝居おじさんは怪異らしく怖い仕掛けを施しただけって印象を受けました。
次回に繋がりそうな面白い布石を打っておいた的な。おそらくですけど、多分他のメンバーにも同じ事ささやいてると思うな。
闇芝居おじさんはただのお茶目……
考察5:記念のファンサービス回
と、色々考察しましたが節目の10期ラストなのでお祭り要素として本人がサプライズ登場する記念のファンサービスというのが正直なところ一番しっくりきます(笑)
ラストの怒涛の追い上げが凄まじく、鼓動が早鐘を打ち過ぎて窒息しそうだったし、不完全な前口上が本編中で最後の最後で完成するとか何という神構成。
最終話に百物語を題材に選ぶなんてホラーものではありがちではあるけど闇芝居ならすんなり許せる。
闇芝居10期感想まとめ
終わりを告げる意味深なテーマに、毎度の不完全な前口上、そして昭和の女性アイドルが引退宣言するかの如く仮面を置いて闇に消える闇芝居おじさんなど……。
今期はやたらと闇芝居シリーズの終わりが強調されていましたが、最終回にしてご本人が降臨したり劇中劇の始まりで終幕と、まだまだこれからも続くよ感も端々に散らされていて、しれっと来年11期やりますとかなってそうで続編が十分期待できるラストでした。
EDも今回だけ伏せられた仮面が上向きにひっくり返る描写になり、おじさんの心境にも変化があるとすると…もしやという。
私は元々おじさん役の津田寛治さんと初期付近でよく出演していた村井さん目当てで見ていたのですが、今では中の人は関係なく闇芝居が面白くて好きで見続けています……!!
これでおしまいは寂しいので是非これからも長寿アニメとして続けて欲しいものです。
それではこれにて闇芝居10期の記事はおしまい。
またどこかでお会いできますよう。
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