夏の終わりに相応しい完璧なラスト……!!
こんにちは。サマータイムレンダ担当、和歌山出身の模造紙です。
半年2クールに渡り楽しく視聴していた本作品もとうとう最終回を迎えました!
掴み抜群緊張感バチバチの1話からエピローグまで、中弛みすることなくラストまで継続して楽しめて大満足です。
両片想いの2人が最後ようやく幼馴染を脱却する結末が最高でしかなかったです。お幸せに!!!
それでは気になった諸々の点を語ってまいりますー!
目次
サマータイムレンダ25話(最終回)おさらい
前回、シデとの最終決戦を終えた後、ヒルコが島に流れ着いた過去に辿り着いた慎平ら。
ヒルコの望みを汲んだ影潮は過去のヒルコを消すが、それはこの世の全ての影の存在の消去、つまり自らの消滅を意味していた。
気が付くと慎平は日都ヶ島に向かうフェリーにいて南方ひづると出会う。面識がないはずの彼女を“南雲竜之介”だと確信したり、自転車で坂を下る澪を受け止めようと準備態勢に入る、自宅によらず先に洋食コフネに赴くなど奇妙な感覚のズレを感じていた。
慎平はひづるにこれまでの経験を現実味のある不思議な夢として打ち明ける。
影の存在しない世界では、生きて大人になった竜之介、その娘として波稲が登場。
そして誰もいなくなることのない普通の夏祭りが実現。
浜辺で花火を観賞する慎平と潮の2人は辛く長い戦いの記憶の欠片を取り戻し、“おかえり”と笑い合う。
運命の祭りの日を乗り越えた潮は18歳の誕生日を迎えるのだった。
何という幸せな結末……!!
実質、影の病に決着というストーリーの本筋は前回で収拾がついてしまっていたため、最終回を丸ごとエピローグに落とし込む大胆構成は思い切ったなとひたすら感嘆です。
タヒんで戻って絶望してと慎平には果てしなく辛い戦いだっただけに、影に関連して命を落としてしまった人が全員復活する結末は文句のつけようがない完璧なハッピーエンドとしか形容できません。
▲ 竜之介も生きて大人になりハイネ(波稲)が娘として存在する幸せな世界……!! 仲良くしようの願いを見事叶えた世界に涙腺決壊でした。
▲ この2人のじゃれあいとか夢のツーショットですよね……可愛い…尊い……
胸糞展開や裏表狂気がチラ見えするスッキリしない作品も多いなか、久々に綺麗にまとめつつ余韻も残したいい話でしたね。
初めは影の病の謎に迫るミステリーホラー展開だと思い見てて、ん?ファンタジー路線?? は? サスペンスアクション?? となり、正直言って何ジャンルかは未だに謎な作品ですが、そんなの気にならないくらい素敵な締め方で大満足です。
作画、構成、演出、音楽と安定してたし、久々に1話から見返したいと思える名作でした!!!
結局はどんな話だったのかを簡単に整理
ひと言で言ってしまえば、無限ループの既定路線のお話でした。
1話冒頭に慎平が夢で潮から“プレゼント”を貰いますが、
プレゼントとはタイムループ能力を持つ右目でした。さらにこの目は「観測者」として見たものを現実とする力を有しており、時を遡って過去の出来事のやり直しが可能になります。
ようするに1周目冒頭で授かった右目は、10周目ラストで最後の力を使ってタイムループした影潮がプレゼントしたものになります。
ちなみに影潮は、このタイミングでひづるにも音声メッセージを残して島を訪れるよう誘導したんですね。いやー、最後にしてようやく繋がりました!
つまり、影との戦いの勝利条件が
・慎平がハイネの右目の能力を獲得する
・南方ひづるを日都ヶ島に帰省させる
の2つで、これらの達成が叶った時点で勝ちが確定していたということです。
何話か忘れたけど、影潮と対峙したシデが“鶏が先か、卵が先か”的な話をしていて「卵が先か!」となったくだりも、最終的に物語全体の影潮の位置づけを表現していたわけですね。
厳密に言うと、卵として発生したのは竜之介の事件の際にハイネの一部として分かれた時点になるわけか。
卵としての発生(影潮の誕生)も、最終的な勝ち筋の過程で生まれます。
慎平とひづるの存在がなければ10周目まで辿り着けず、完全覚醒する影潮もいなかったことになるわけです。
堂々巡りの世界ですが、最後10周目を越えた11周目(25話の世界)で【影の存在が全て消え何も起こらない平和な世界になった】のが結末です。
残された謎と疑問点
物語結末まで描かれましたが、以下気になる点をまとめました。
2人の記憶は戻ったのか
最終話ラスト、浜辺での花火を背景に向かい合う慎平と潮。
「たこ焼きこれだけ?」と不満げな潮に、ループ中の廃病棟探索の際に交わした約束“たこ焼きをお腹いっぱい食べさせる”ことを同時に思い出しシンクロする2人でしたが果たしてループ中の記憶が蘇ったのでしょうか?
2人同時に奇妙だけどリアル過ぎる夢を見、現実味を帯びた体験し得るはずのない記憶を有している……というのはいささか話が出来過ぎているものの、綺麗な物語の行く末としては好感の持てるラストでした。
平穏な日常の普通の少年少女に戻った今、思い出したとしても記憶は時間の経過と共に少しずつ薄れていくのかもしれませんが、同じ思い出を共有し通じ合ったことこそが真実なのではないでしょうか。
ダメ押しに「おかえり」と「ただいま」の言葉を交わしたことで、思い出と気持ちが重なり合ったと解釈しました。
ただのお似合いのふたりですね……!!
澪と窓の恋の行方
本筋には大きく関与しないものの、今後大きく関係性が変わりそうな2人という印象でした。
11周目は影が存在せず、慎平と潮が両想いの世界線。
慎平の両親も健在ということで、兄妹同然に育ったこれまでの世界とは少々気持ちの積み重ねにも違いがありそう。
ラストのホイップクリームの泡立てのくだりとか、砂糖入れ忘れたってのは失恋の苦さを表現したと見ましたが、澪自身も失恋し、窓にもお断りの返事をした隠喩かなと。
10周目の世界はどうなったのか
影に関わった大勢が命を落とし、最終的に影に打ち勝った10周目。
完全覚醒しハイネの目の力を手に入れた影潮が再びタイムループし11周目(最終回)の並行世界に移動したことで、影の存在しない平和な世界が本当の世界になりました。
観測者(最終的には影潮)の観測しない世界は消滅する設定なので、10周目の世界は自然消滅したと見るのが妥当でしょう。
オリジナルと差がある影澪の性格
影澪の性格に関しては当考察記事でも幾度か触れたのですが、最後まで作中での詳しい説明はなかったですね。
姉に対する劣等感が強いために影澪は特別クセの強い表現がされている、影は抑制されていた本音や本能が表に出やすいってところでしょうか。
初めはハイネ(ヒルコ)のマインドコントロールの影響かと思いきや、味方陣営に加わってからもクールで落ち着いた素振りが強調されていたので、人と同様に影そのものにも個性があると見ていいのかも。
続編の可能性について
続編に関してですが原作を最後までアニメ化しストーリーも綺麗にまとまっているため可能性としてはゼロに近いでしょう。
ただ、その後を描いたスピンオフ作品が発表されているため、こちらの映像化はワンチャンあるのでは……!!
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南雲先生と波稲がメインのサスペンスホラーで面白そうです。
ゲーム化、実写化企画も進行しているとのことなので、アニメが終わってもまだまだ勢いは続きそうですね。
サマータイムレンダ25話(最終回)感想
後半の圧巻の戦闘シーンや引きの強い構成力はひたすら息を飲むばかりでした。
古くからの習わしや風土病を土台としたノスタルジックで郷愁を感じる表現に、田舎の離島にクセのある方言とリアリティの補強材料も十分で魅力ある作品に仕上がっていました。
2クールで十分な尺があると登場人物の掘り下げや映像作品としての丁寧さも全く違うを忠実に体現したアニメでしたね
久々に毎回続きの展開が気になる作品でラスボス黒幕の得体の知れない不気味さもあり見応えあったな。
潮と澪という対極のWヒロインも見どころで、潮が(物理的な意味で)強者過ぎるし不動のヒロインで慎平のお相手としても潮以外ないと言えるけども、心情的に応援したいのも友達になりたいのも澪やんなっていうのが……もう絶妙な配置と設定でお見事過ぎませんか。
惜しい点はイマイチ盛り上がりに欠けた事でしょうかね。
配信ありきでファンを獲得する今の流れ的に独占配信だと興味がありつつ逃したって人もいそうで残念。
布教もなかなか厳しいし今後他の配信サイトでも扱ってくれたらなと思います。
町おこしで盛り上げまっせな事前評判も始まってみると地域活性化とは? 地元PRとは何処に…? な感じでストーリー内容的に深く踏み込めず尻込みしちゃった印象を持ちました。
モデルの無人島は元々界隈では有名な観光スポットだし人を呼び込む宣伝としては確実に一役買っているのは間違いないものの、正直……うん出身者としては地域PR的には微妙な結果でもう少し頑張って欲しかったなーと。
シナリオ的にもアニメの出来栄え的にも素晴らしかったので尚更残念です。
ただ郷愁と懐かしさ感じる港町にのんびり時間が経過する感覚とか、昔風で風情のある光景はあのままなのでアニメで興味持たれた方は是非お訪ね下さい……!
私も久々に地元に帰ってグリーンソフトを食べたくなりました。
それではお読みいただきありがとうございました。
またお会いできますように!
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