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ケムリクサ12話(最終回)感想・考察・解説!続編2期の可能性&残された謎

なんという最高のラスト……!!

体感3分くらいの最終回じゃなかったですか…?ごきげんよう、ケムリクサ担当の模造紙です。

超王道ストーリーなのに新鮮、超王道ストーリーなのに途中変化球を投げつつも最終的にはストレート剛速球で広げた風呂敷を完璧に畳んでしまう圧巻の最終話でしたね。

キレイに伏線回収を果たし物語の収束を迎えただけに、これ以上あれこれ語るのも野暮という気もしますが、ケムリクサ考察も今回でラスト。

個人的に気になったポイントと、残された謎をメインに綴っていこうと思います。

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結局ワカバ=わかばだったの?

ここぞとばかりに散りばめた謎を一気に回収してスッキリしただけに、りん達の前に現れたわかばは何者なのか、彼の出生の秘密が明確に語られず残念でした。

最終話におけるわかばの巧みなケムリクサの使い方から察するに、昔取った杵柄として無意識に体が記憶していたのでしょうね。

ケムリクサ わかば

©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

だからと言って、記憶の葉に登場したワカバがわかばなのかというと…確度は薄いような気がします。

前回記事でも彼らが同一人物なのかに関して言及しているのですが

ケムリクサ感想・考察・解説記事まとめ【TVアニメ版】
『ケムリクサ』の記事を毎話更新していきます。 ...

最終話を見てからは、

ワカバ、あらかじめ絶命と同時に自分自身にケムリクサを使う(転写?)よう仕掛けておく

赤い木と対峙するも虚しく命を落とす

ワカバの命の灯が消えた瞬間を、ケムリクサの映像を通してりりが目撃してしまう

ヒトではない(生命体でないモノ?)ならコピーできるため、ワカバを転写した人物が新たに生まれる

つまりワカバとわかばは全くの同一人物ではなく、厳密に言うと記憶が欠如したよく似た別人というのが適切な表現かもしれません。

前話でも、ケムリクサを人体に用いた場合の影響について“部分的に変質したり記憶が消えたり”と言っているので、ワカバの転写がわかばなのだと思われます。

わかばの記憶が戻らない以上、あの時点に具体的に何をを仕掛けて結局どうなったのかはわからず、想像の域を出ることは叶いませんが…。

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伏線回収の見事さ&ラストの色彩美

過去、良作や名作と謳われる作品は、伏線回収や謎解明の見事さに優れているからというのも、そう評される理由のひとつでしょう。

ケムリクサも途中、失速しているかも…と感じさせる部分もあったものの、「好きなこと」というシンプルなテーマに突き進むことでそれらを一蹴したように思います。

とにかくラストの美しさに息を飲みました。

©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

▲なんという素晴らしい対比表現!!!

これまでは薄暗く彩度の低い陰鬱な雰囲気が常に付きまとっていたわけですが、溜めに溜めて、この色鮮やかな美しいラストを印象付けるために敢えてそうして来たのだろうとさえ考えてしまいます。

1~12話まで一気に視聴することによって、一層ラストの鮮やかさは増す事でしょうね。

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りんの恋心の正体

衝撃の告白で締めくくられた本作品。

ケムリクサ りん

©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

▲あの笑顔は反則ですよね…!!!かわ…!!

「好きだ」の要不要に関しては賛否が割れるところでしょうが、本作品のテーマには「愛」も掲げられていたのだろうと思うので、想いを言葉にできるというりんの成長を具現化したという点でも、私は言葉の表現があって良かったと感じています。

さすがに、わかばの反応(赤面とかキョドるとか)は蛇足感があるので要りませんが。

そしてつまるところ、りんの恋心は彼女自身の想いなのか、それともりりの思念に引きずられているのかも気になるところ。

ラストのりんの表情を見るに、「あ、これ、りりの笑顔だ」と思ったのですが、元はりりの一部だっただけに顔立ちは同じですから、自然な笑顔となると似るものなのでしょうね。

わかばを気にするきっかけは、記憶の葉に宿った想いや体に刻まれた記憶の影響が大きかったのだと思います。

ですが、どの姉妹も軽度に毒されてはいるものの、りん程に重症化はしていないので気持ちを大きくして温めていったのは今現在のりんの心ではないでしょうか。

わかばの記憶が戻らないという描写がなされ、姉妹が統合される結末が否定された今、ただのわかばとりんとして真っ新な状態で関係を築いてくれることを願うばかりです。

愛の先に未来があると信じています…!!!

残された謎

この項目では一見しただけでは分かり辛いかな?と感じた謎について、まとめておきます。

項目によっては、かなり筆者の私情や憶測も絡んでいるので、いやいや違うだろと異議申し立てをしたい方もいるでしょうが、まぁ、そこは受け手の数だけ解釈が存在すると思ってください。

りりとワカバは再会できたのか?

うぉぉぉぉ!なんと中の人verのED!!とか興奮してたら、端っこのほうにワカバ&りりのシルエットが映ってました。

ケムリクサ 12話 特殊 ED

©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

▲目を凝らさないと見逃しますね 笑

サービスカットとの見方も可能ですが、やはり過去のワカバ&りりは現在のわかば&りんとは別人で、赤い木を倒して船から解放されたことで再会を果たした…と受け取るのがスッキリしますね。

ケムリクサの世界観そのものがりりの無念さが具現化した世界のようでやるせない気持ちにさせられたので、2人の魂があの世で再会したことで、ようやく永いしがらみから逃れられたのではないでしょうか。

最後に眼前に広がった光景はどこ?

“船の外”とか“先端”という表現があったので、光に導かれて降り立った場所は地球と捉えるのが適切でしょう。

文明崩壊も起きていない本来の姿の地球であれば潤沢な水があるのは納得ですしね。

まぁ、そもそも船がどうやって存在しているのとか位置関係どうなってんのという素朴な疑問も残りますが、とりあえずは生命の源である水の心配がなくなって一安心でしょう。

なくなった姉妹は本当に消滅した?

これに関しても、りょう&りく&りょく姉妹が立ち去った後に

「あ、なんだここ?」「わぁー、でっかい葉っぱじゃん!」というのが聞こえているので、何かしら消えなくてもいいアイテムを発見したと捉えられます。

ケムリクサ りん わかば

©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

姉妹は何かとしぶといのでwきっとどこかで生きているに違いない。

語尾でキャラ付けをしていた問題

姉妹で相談して意図的に語尾を分けていたという事実が明らかに…!!

ただのキャラ付けと考えられなくもないですが、喋り方を意図的に分けること行為そのものが聴覚が鈍い姉妹に対する配慮とも考えられます。

ケムリクサの姉妹を語る上で彼女たちに特化した特性は外せませんが、やはり元は1人の感覚をそれぞれ分割しているのですから、特化した子以外は通常機能より劣ると考えてまず間違いないのでしょう。

彼女たちは色で違いを判別するものの、声の色だけじゃ誰が喋っているかわからんってことなんでしょうね。

ゆえに、りつ以外の聴覚が鈍い姉妹に対し、明確な語尾と喋り方でもって相手の判別を分かり易くしたのでは。

まぁ、普通に喋れるんかい!って思いましたけども 笑

ただの萌えアニメ的な語尾かと思ったら意味ある語尾な事実にビックリです。

続編2期の可能性

最後にケムリクサ続編の可能性についてですが、文句なしに清々しいラストを飾ってくれただけに、これ以上に物語を膨らますのも逆にクドくなりそう。

地球に降り立ったりん&わかばの未来、りつ姉&りなちゃんズとの再会、りょう&りく&りょくの復活などなど、その後の気になる部分も数多くあるのですが、この辺は脳内妄想に留めておくほうが幸せなんじゃないかと考えています。

それくらい、綺麗なラストの充足感&満足度が素晴らしく、物足りなさを感じなかったということですね。

ということで、個人的には続編はないと思っています。

ビジネス的視点から続編2期の可能性を予想

どうも、当サイト運営者の小鳥遊です。加筆させていただきます。

アニメも結局はビジネスで作られているものなので、ケムリクサという商品の利益がそれなりに出ていなければ続編を制作することはできません。

具体的にどんなものが利益につながるのかと言うと、BD/DVD(円盤)、配信、グッズ、音楽、イベントの売上あたりですかね。

ちなみに、ケムリクサは一般的な製作委員会方式ではなく、パートナーシップ方式で製作されているとの噂。

パートナーシップ方式

制作会社が自社のお金で作品をつくって権利を独占し、二次利用したいという会社に権利を与えてロイヤリティをもらったり、権利を売ったりして利益を得る仕組み。

制作会社の資金力や実力が必要だったり、アニメが失敗した時の損失が大きかったりとリスクはでかい判明、成功した時に制作会社が利益を得やすい方式になっている。

つまりパートナーシップ方式をとっているのが事実であれば、以下のことが言えるかと思います。

・ケムリクサの制作会社であるヤオヨロズが儲けさえすれば続編が見えてくる

・そんなに儲けていなくても、制作会社のやる気があれば続編の実現が可能かもしれない

・逆に、儲けまくっても制作側に続編を作る気がなければ続きの可能性はゼロ

・ヤオヨロズが全ての権利を握っているので、全てのケムリクサ関連商品の売上がヤオヨロズの利益に繋がる(売り切り契約で権利を売っている場合は例外)

特に注目したいのが、やる気さえあれば続編の実現が可能という点。

たつき監督が続編をほんのり意識させるような内容の12.1話を公開していたりと、続きをやりたいという気持ちは強く持っているようにも見えます。

これはもしや…

ケムリクサの円盤売上

とはいえ利益が出ているかは重要。しっかり利益は出ているのでしょうか。

利益率が特に高いと言われている円盤売上の結果を見てみましょう。

1巻(上巻)のオリコン累計売上枚数:14353枚(初動5752枚)

2015冬~2017秋アニメにおいては、円盤の累計平均売上が10000枚以上の作品の100%(23作品中23作品)がTVアニメや劇場版で続編が作られているというデータを参考にすると、この調子でいけばかなり期待できそうではありますね。

というわけで、円盤売上的には続編の可能性は90%ぐらいと予想しておきます。

パートナーシップ方式や、巻数と値段設定的に考えると果たして利益は出ているのかという感じでもありますが…

ただ、配信はAmazonプライム・ビデオ独占で大きなお金の動きがありそうなので、そちらも含めればしっかり利益が出てるんじゃないかと期待したいですね。

といっても、あくまで希望的観測なので、続編が発表されるその日まで引き続き応援し続けていきましょう!

▼円盤1巻(上巻)の内容や値段の確認はこちらから

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ケムリクサ12話感想

お…終わった…。

色々と内容が濃く見応えのある作品でしたねー。

すべての謎が解明されたわけではないですが、最後にりんの笑顔が見れたことが何よりの大収穫でしたね。

まさかラストに泣き虫りんちゃんを持ってくるとか確実に視聴者を泣かせにかかっているとしか思えません。けしからん。

ぎこちない「わかば…」でうるっときちゃいました。本当にけしからん。

途中、絶望的で一体どうなるんや…詰んでるやん…と思う箇所もあったものの、まさかこんなにも希望あるゴールに辿りつくとは思わなかったな。

彼女たちにとっては、船の外への脱出こそが旅のゴールであり新たな出発といったところなんでしょうね。

この先一体どんな人生を歩んでいくのか…地球で生活できるのかというシンプルな不安も過ぎるものの、好きな相手と一緒なら大丈夫とかまぁそういうことなんだろうと(適当)

にしても、消滅した姉妹3人組強すぎませんか…?

なんであんなに強いのに退場しちゃったのと思ったら、そうか、あんな無茶な戦闘してるから葉を使い切っちゃって…ってことでしょうかね。

統括すると、2019年アニメのトップ5に入るほどの傑作だったのではと感じています。(まだまだ今年残っていますがw)

先が読めない展開と次々に膨らむ謎、でも実は超王道でしたっていうギャップが本当に素晴らしかったです。

最終話は間に合ってない部分もチラホラ見られましたが、改めて円盤での完全な仕上がりでもう一度見たいです!

それでは長きに渡りお付き合いいただきありがとうございました!

来季も別作品を担当しますので、どうかよろしくお願いします。

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コメント

  1. 名無し より:

    一つだけ推測を
    最後のシーンは船の外=甲板に広がる庭園のようなもの(浮遊都市みたいになってる)と想像しています
    アレが地球だと船が墜落したときの地球への被害や、外部から侵入しようとする者がいないのか、ワカバの上司は何故助けに来ないのかと追加の謎が出来てしまいますが
    アレが甲板(物語の舞台になったのは船上の建物の中)で船自体は機能しており、ワカバ側の世界観が2000年やそこら音信不通でも気にしないレベルの超文明(神様みたいな存在でも可)だと考えるとキレイに纏まるので

    • mozoushi より:

      >名無しさん
      コメントありがとうございます!
      なるほどですね…!!船外ではあるが厳密にはあの世界の外に出たわけではないという訳ですね。
      単純にワカバの元の世界の超文明で外部の侵入や墜落面もクリアされてるのかとご都合主義のように考えていました笑
      ただ、船の外が全くの別世界でないとなると、なぜアカギリやアカムシに汚染されてなかったのかも謎ですね。
      りりが施した仕掛けがあるとか…?
      ワカバが何者なのかも結局わからずでしたし、本編が終わっても考える余地はまだまだ残されていますね。
      ともあれ綺麗にまとまってよかったです。
      興味深いご意見ありがとうございました!

      • 名無し より:

        返信ありがとうございます
        先に書いたことへの補足妄想ですがアカギリやアカムシが外界を侵食してないのは舞台となった「船の中」が「工房」とか「研究施設」の類いである外部と遮断できるようになっていたのではないかと考えています。(クリーンルームのように)

        また「船の果て」については「リリの視点」における単語である為、リリが施設に隔離されていた為(リリの安全の為)にワカバから「ここが果て」だと教えられていた、と妄想しています

        • mozoushi より:

          >名無しさん
          度々コメントありがとうございます。
          ワカバが知っている事でりりに伝えていない事実は沢山ありそうですね。
          おっしゃるように、特殊なシールドなどでクリーンルーム的な役割を船内が持っていたと考えると、外界まで侵食が広がっていない点は納得です。
          作品が終わってしまったため妄想を巡らせることしかできず非常にもどかしい限りですが、12.1話のように妄想の燃料が投下されるかもしれませんし続編にも期待したいですね!
          貴重なご意見ありがとうございました。

  2. ひろ より:

    こんばんは ひろです。最終回 よかったです。
    テーマとしては、自分の好きなことをしようということでしたね。
    最後の船の外は、地球なのでしょうか。パッピーエンドで大変よかったです。
    3か月 お疲れまでした。
    来期もよろしくお願いします。

    • mozoushi より:

      >ひろさん
      いつもコメントありがとうございます。
      非常にシンプルなテーマですが深い人間ドラマで楽しめた作品でした。
      船外の場所については、別の方のコメントでも頂きましたが、地球ではない可能性も多分にありそうです。
      緑にあふれて青空が広がり水が豊富…それだけで場所はどこでも構わないのかもしれませんけどね。
      毎回のコメント、とても励みになりました。本当にありがとうございます!
      来季もアニメを楽しみましょう!

  3. たいらい より:

    あの地震は、実は宇宙船が帰還の途についていた可能性って無いですかね

    • mozoushi より:

      >たいらいさん

      コメントありがとうございます。
      また返信が大変遅くなり申し訳ございません!
      地震の原因もついぞ明らかにされませんでしたが、ケムリクサの舞台が船であることからも単純に土台が動いていたからだと考えられます。
      もちろん帰還の途中で大きく揺れ動いたのが結果大きな地響きになった可能性も十分にあると思います。
      貴重なご意見ありがとうございました!

  4. 名無し より:

    記事の売り上げの数は1週目だけのものですね。
    累計13103枚でした。続編予想変わりますか?

    • 小鳥遊 より:

      情報ありがとうございます!

      調べてみたところ、その後もう少し積んで14353枚までは数字が出たみたいです。
      これだけ売れていれば、さすがに大きな利益が出ると思いたいですね。
      売上的には大丈夫そうなので、後はたつき監督、ヤオヨロズ次第といったところでしょうか。

      記事の内容も修正しておきました。

  5. ブルマン より:

    ケムリクサはフロイトのエディプスコンプレックスを知ると、奥深さがよく分かる作品に感じる。

    少女(りり)が仕事で忙しい父親(ワカバ)とずっと一緒にいたいために仕事がなくなる空想をする。
    仕事でなかなか会えない現実を否認し、ついには仕事を消し去ろうとする。
    すると失敗して父は死ぬ。
    少女は父の死を知り会えない現実に絶望して、その記憶を抑圧(封印)してしまう。
    成長して大人(思春期)になると、わかばと出会う。
    父的(ワカバ的)なわかばに惹かれるも、抑圧した父への感情の反動形成で、敵がい心を抱き拒絶する。
    赤ムシだと騒いで、敵意を投影する。

    思春期に恋愛を拒絶するよくいる女性と同じような反応である。
    好奇心に溢れ自己を確立したわかばと交流することで、精神的に成長し、わかばに触れたことで、抑圧した記憶や恋愛感情を思い出し、わかばを受け入れる。
    わかばとの交流を通じて、抑圧していた本当の自分を認め、そのことで自分のやりたいことも見つかる。
    ルサンチマンの克服によって自己決定が実現したといえる。
    また以上に近いプロセスをたどり、実際の女性が精神的に成長するパターンは知られている。

    テーマが過去の回帰から始まるエディプスコンプレックスの克服であるとするなら、本作がループものタイムリープもの的なプロットなのも頷ける。

    ケムリクサは少女が大人に至る成長という普遍伝統的、全時代的なテーゼと自己決定という極めて現代的、時局的なテーゼの接合であり現代人にとって非常に示唆に富む滋味掬すべき作品であるように思われる。

    単に伏線を上手く回収したとか視聴者に最期まで観てもらえるように世界についての興味のフックを絶妙な塩梅で仕込んでいるといったストーリーテリングの技巧には、還元されえない深い現代社会への感性と洞察に裏打ちされた高次元の寓話的表現をこなしているように思えてならない。

    ケムリクサは作品の意味するところがやや難解でありながら万人がのめり込める魅力を持っているように感じる、そうであるならばポスト宮崎は新海誠でも細田守でもなく、たつき監督だろう。

    今後のジャパニメーションを牽引し世界にそのプレゼンスを顕示する役の最有力候補の一人はたつき監督と感じる。