お疲れサマンサ~!『呪術廻戦』担当の坂田です。
吉野を待っていた残酷な結末。
宿儺と真人の外道っぷりもさく裂しましたね。
前回11話、虎杖との出会いをキッカケに人を呪い56すのを踏みとどまった吉野ですが、母親が56された事で復讐心が暴走。
駆け付けた虎杖と対立することになります。
そこには真人の思惑と夏油の暗躍がありました。
今回12話では真人に魂を弄られ、異形にされた吉野。
虎杖は彼を助けるべく宿儺に取引を持ち掛けますが、返って来たのは非情な返事でした。
虎杖が見た「あるはずの無い光景」と、吉野の最後の言葉にも注目しつつ、考察・解説を交えながら見どころを振り返っていきましょう。
原作未読者によるネタバレなし初見考察です。原作ファンの方は初見勢の考察にニヤニヤしながら読んで頂ければと思います。
※コメント欄でのネタバレは厳禁でお願いします!
目次
宿儺が虎杖の要求を断った理由
虎杖「何でもする、俺の事は好きにしていい!だから俺の心臓を治した時みたいに順平を治してくれ!」
何でもする!なんて言われたら普通は要求を呑むものですが、宿儺は断ります。
理由は3つあると推測しました。
1.虎杖が忘れている縛り※6話参照※の「条件1.宿儺が”契闊(けいかつ)”と唱えたら1分、体を明け渡す事」で宿儺は十分だと思っている
2.吉野を助けるメリットが宿儺に無い
3.面白いもの見たさの性格が災いした
とりわけ「3」は、あの高笑いを見せられたらですね…。
敢えて言おう、外道であると。
お前らの血は何色だ―っ!
ここの二人は過去最高に楽しそうでしたね。
矜持も未来もすべてを捨て呪いに寄り縋ろうと何も救えない人間(虎杖)、そんな愉快な光景を楽しまずにはいられない。
実際、計画通りに事が運ばなかった真人も「これはこれで…」と惨めな虎杖たちを楽しんでいます。
(あぁ…、そうか。こいつらはどこまでいっても呪いなんだ)
虎杖の発言は宿儺と真人の、もっと言えば呪いの本質に対する悟りだったのではないでしょうか。
宿儺は虎杖以外の人間も治せるのか?
「虎杖との縛りを断ったのは他人を治すのが宿儺の専門外だから」とひとつ予想をした真人ですが、これは違うのではないかと私は思います。
その気になれば吉野を助けられるけど、敢えて助けなかった、見56しにした。
それでこそ愉悦に拍車がかかるというものです。
真人の「誤算」
虎杖に宿儺優位の縛りを課し、宿儺をこちらに引き込む確率を高くしたい真人。
ですが「吉野と虎杖をぶつけて虎杖に宿儺優位の縛りを課す作戦」は失敗しました。
だから今度は「自分が56したいほど憎い相手となることで虎杖が宿儺の力を求め、宿儺と交渉するよう誘導し、虎杖に縛りを課す」手段に出た。
しかし虎杖と宿儺の間には既にそれに値する縛りがあります。
真人はそれを知りません。
という事は宿儺を引き込む確立がこれ以上高くならない事にも気づけないのではないか?と考えてみました。
今回の騒動で真人の目的が果たされる事は無いし、虎杖にとって真人が56したいほど憎い相手になる必要もない。
そもそも吉野親子が犠牲になる必要はなかったのかもしれません……。
2人の4は無意味だったのか?
そう考えると益々やるせない気持ちになります。
宿儺が真人達の仲間になる可能性は?
脅威になったり疑似味方になったり、物語の流れを予測不可能にしてしまうこの絶妙なポジションが宿儺の面白いところ。
まぁ「面白い」で済まない事も多々ありましたが…。(伏黒フルボッコとか虎杖退場とか)
現時点で宿儺が真人たちの仲間になる可能性は低いと思います。
理由は以下の通りです。
「共に腹の底から小僧を笑った仲だ、一度は許す。二度は無い。分を弁えろ、痴れ者が」
思わず宿儺に跪きたくなる衝動に駆られた視聴者が居るとか居ないとか←
宿儺が真人に対して好印象を抱いている、と解釈するには無理があるでしょう。
同種という認識はあるようですが宿儺にとって真人は自分より下等な存在であり、仲間意識や情があるわけではなさそうです。
真人はと言えば、宿儺を前に瞬きひとつ出来なくなったようにも見えました。
2人の間にあるのは絶対的な力の差と距離感ではないでしょうか。
正気を保ったまま宿儺の魂に触れるって何気に凄い事なのでは?と思いますけれど、真人がいくら強い呪霊とはいえ、年季もプライドも段違いですし…。
どっち付かずな宿儺は今回、虎杖を惨めに追い込み真人と一緒になって嘲笑ったかと思いきや、真人の隙を作って虎杖に攻撃のチャンスを与えたり(偶然の産物だったようですが)、なんにせよ仏心で誰かの味方をするような性格ではありません。
彼が誰かの味方をする時は自分にメリットがあると判断した時だけ。
よって現時点で真人や夏油と行動するメリットは宿儺に無いし味方になることも無い、と結論づけておきます。
1年組と吉野順平のカット
吉野が息絶えた時に虎杖が見た光景について、私は「ありえたかもしれない未来」だと解釈しました。
結局、呪術高専に転入することなく4を迎えてしまった吉野ですが…。
そうなるとOPのお花見シーンも同類で、現実に起こる事ではなく、虎杖の願いが反映された幻だったんだろうな、と思ったり。
12話のサブタイ「いつかの君へ」が意味するのは上記を踏まえ、虎杖にとっての吉野か
吉野にとっての虎杖だと予想します。
「悠仁、なんで…」の続きは?
「ミミズ人間2」が吉野と母親の未来説だと予想した前回ですが、正しくは吉野の未来を暗示していました。
変形した男は吉野の心だけでなく外見までをも現していたんですね。
台詞の「ママ、ナンデ…」は「ユウジ、ナンデ…」だった。
虎杖を下の名前で呼んでくれたのは前回11話の「呪術師」呼びと対照的で嬉しかったのですがこれが最後の言葉って、あまりにも非情です。
悲しみに打ちひしがれながらも、ここで私の頭に湧いて出たひとつの疑問がありました。
「ユウジ、ナンデ…」に続く言葉は何だったのか?
虎杖「(こいつらはどこまで行っても呪いなんだ…。)……。」
吉野「ユウジ、ナンデ…」
→吉野絶命
→1年組と吉野(ありえたかもしれない未来?)を見る虎杖
前後の流れを見ると吉野のセリフは不自然です。
虎杖の人間性を知る吉野が「(ナンデ)そこまでして助けようとしてくれるのか?」とは言わないでしょうし…。
あの瞬間、吉野だけが見た「何かの光景」があったのか?
虎杖と同じように吉野も「ありえたかもしれない未来」を見ていたのか?
私の推測が至らないだけかもしれませんがしかし辻褄もセリフも嚙み合いません。
この違和感は意図的に作られた物であり、何かの伏線だと考える方が自然かもしれませんね。
呪術廻戦 12話 感想
色んな感情が渦巻いておりますが素直に面白くて!!
体感時間は3分の『呪術廻戦』12話でした。
これまでにも退場フラグが乱立していた吉野ですがOPのお花見を見せられたら「どうにか助かって呪術高専の一員になるんだろうな」と思うじゃないですか…。
あのシーンは何かの伏線かアニメスタッフが鬼畜かのどちらかですよ(やけくそ
次回サブタイ「また明日」で吉野復活フラグ?と思ったけれど蘇生したうえ元の体に戻れるなんてそんな都合のいい展開はあり得ないですし…。
4ぬ前に虎杖と和解したのは不幸中の幸いか。
欲を言えば二人そろって呪術高専に合流するところを見たかったですね…泣
しかし虎杖が真人の天敵になるとは思いませんでした。
宿儺を宿すリスクも大きいなかで、魂の輪郭を知覚できるようになっていたのは間違いなくメリットですね。
以前「真人を倒すなら五条か七海かな」と言ったんですけれど、吉野の仇もあるし真人にトドメをさすなら虎杖が適任でしょう。
七海は駆け付けたタイミングが最高でした。
真人の鼻血だけで敵の事情を察したりと、実力もさることながら本当に頭の回転が速いのですね。
五条とはまた違う安心感があるなー。笑
虎杖に「どこまでも他人の事」と漏らしていたけど似た者同士だと思いますよ。
優しくて情に厚いところとか。
次週、そんな二人がタッグを組み真人を祓いに掛かりますが、何気にナナミンがVS真人戦において虎杖との共闘を承諾しました。
自分の攻撃が効かないのとは別に、信頼関係の芽生えや虎杖の実力を認め始めている証拠かな?と思ったり。
個人的に印象深かったのは、客観的に物事を見れるようになった吉野が真人の本性に気付く描写、サツ意をむき出しにする虎杖、宿儺と真人のゲラゲラシーン、作画が良すぎる五条ですが皆様いかがだったでしょうか。
バトル描写もやっぱり素晴らしくて、どのシーンを切り取っても見ごたえ抜群でした。
「呪術廻戦」を正しく楽しむためにも、重大な解釈違いなどありましたらコメント欄よりご指摘いただけると嬉しいです。※ネタバレにつながる内容は伏せて頂けると幸いです
ではまた13話記事でお会いしましょう。
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コメント
原作本誌勢ですがいつも楽しみに見させてもらっています!!
時折「フツーこのシーンだけでここまで察するか…!?」と思わせられる考察の的確さや貴重なアニメ初見勢の意見ということもあって毎週呪術のアニメとセットで楽しませてもらっています!!
今後ますますの邁進を心よりお願いしております!!
閲覧とコメントありがとうございます。
「呪術廻戦」はそのままでも面白い作品ですが難解で伏線も多く、考察する楽しさもありますね!
的外れだったとしても予想を裏切られた時の驚きがまた一興というか。笑
2クールに突入し益々盛り上がりを見せるであろう本作から今後も目が離せません!