お疲れサマンサ~!
『呪術廻戦』担当、”天上天下唯我独尊”宿儺の圧倒的ラスボス感にちびった坂田です。
七海のリーマン時代&呪術師になった理由も明らかになって濃密な回でしたね。
前回12話、異形にされた吉野を助けるべく宿儺に取引を持ち掛けた虎杖ですが無情にも拒否され、吉野の4を目の当たりにします。
一方でその身に宿儺を宿し、魂の形を知覚している虎杖は真人の天敵でした。
今回13話では虎杖と七海に追い詰められた真人が領域展開を発動!
取り込まれて絶体絶命に陥る七海ですが、宿儺の逆鱗に触れた真人は大ダメージを負います。
さらに宿儺が伏黒に対して並々ならぬ興味を持っていることも分かって…!?
盛り上がりは最高潮で迎えた第1クール最終回。
さっそく考察・解説を交えながら見どころを振り返っていきましょう。
原作未読者によるネタバレなし初見考察です。原作ファンの方は初見勢の考察にニヤニヤしながら読んで頂ければと思います。
※コメント欄でのネタバレは厳禁でお願いします!
最強に見えた領域展開の弱点
必サツの術式を必中必サツへと昇華する呪術の極地「領域展開」。
一級呪術師の七海が会得していない事に驚いてしまったのですが、呪力を持つ者の中でもごく一部の者しか使えない、それだけ高度な技という事ですね。
視聴者からすれば「あのナナミンでも使えないの!?」となるし、領域展開の格を上げる設定が巧みだな…と思います(そもそも五条や宿儺、漏瑚が簡単そうに発動してたのが悪い)。
そんな領域展開に今回、2つの弱点が判明しました。
・呪力消費が激しい
・外からの攻撃に弱い
弱点2つ目のからくりは分かりやすく言えば「内を強くすれば外が弱くなる」理屈でした。
術者からすれば優位なフィールドに相手がわざわざ入って負けに来てくれるのですから、普通は防ぐ必要が無い。
けれど宿儺の器は例外で、真人の領域展開と宿儺の相性は最悪でした。
強制的に対象の魂に触れる真人の領域展開の利点は、不幸にも宿儺の忠告を無視する形となり、逆鱗に触れます。
真人の敗因、宿儺の勝因は真人が言っていたように魂の格の違いだったのではないでしょうか。
宿儺→伏黒に対する興味の謎
(真人に制裁を加え、再び闇に戻っていくような演出が素晴らしかったこのシーン)
お前(七海)が4のうとお前(真人)が4のうと、どうでもいい。奴(伏黒)以外は心底どうでもいい。
これはかなり衝撃的なセリフでしたね!
過去にも伏黒への興味をちらつかせていた宿儺ですが、そこまで言うか!?というのが素直な感想です。
これほど伏黒を注視しているとは思わなんだ…。
宿儺「分からんな、お前あの時、なぜ逃げた?宝の持ち腐れだな」
伏黒のポテンシャルを買っている(?)ように聞こえた5話。
宿儺「事情が変わったのだ。近いうち面白いものが見れるぞ」
6話では虎杖と取り引きをする気になった「面白いもの」が、伏黒を指していたと思われます。
一体、伏黒の何が宿儺にそこまで言わせるのでしょうか。
伏黒は特例?
自分より弱い存在には興味を持たないし、執着しない、それが宿儺だと私は思っています。
呪術師最強の五条はともかく、今現在自分より弱い伏黒に宿儺が興味を持つのは特例と言えるのではないでしょうか。
そもそも「ふるべゆらゆらやつか…」を期に、宿儺の伏黒に対する興味は一気に強まった印象なんですよね。
宿儺が伏黒に一目置いているのは「ふるべゆらゆらやつか」の呪術に理由があるのでは?とぼんやり予想していましたが、今回新たに「宿儺を倒せる存在に成長する可能性がある説」と「実は伏黒も宿儺の指を取り込んでいる説」が思い浮かびました。
宿儺を倒せる存在に成長する可能性がある説
真人(これは確信だ。俺たちが全滅しても宿儺さえ復活すれば呪いの時代が来る)
そうなるフラグだったら…と考えるだけで絶望的な気分になるのですが可能性としては十分にあり得る展開です。
宿儺の復活は虎杖がラスボスとして覚醒することを意味します。
その時、唯一まともに対抗できる能力を持つ呪術師が伏黒だけの状況になる?
あるいは宿儺の領域展開を破る存在になるかもしれない?
これを予見して宿儺は伏黒に一目置いている、とか…?
実は伏黒も宿儺の指を取り込んでいる説
宿儺の器と言えば虎杖ですが他の人間が取り込んでいる可能性も否定できないんですよね。
自分の指を取り込んでいる呪術師なら特別視するのも必然では?と思いました。
宿儺の指の回収方法もワンパターンだと後々マンネリ化するだろうし、「宝の持ち腐れだな」と言った「宝」は宿儺自身の指を指していたのかもしれないと考えています。
ただ。伏黒も器になっていた場合、他の呪術師やセンサーの役割を果たす宿儺がそれに気づかなかった事になるので矛盾も生じてきますね…。
宿儺の思考が読めないのでこれ以上の予想は出来ないのですが汗
彼に目を付けられた時点で伏黒がキーパーソンになるのは確かでしょうし、とんでもない事に巻き込まれそうな気がしてなりません…。
真人のセリフの意味
真人「体と違って魂は何度でも56せる、次はどう56してやろうか…」
引き続き一般人の魂を改造するつもりかな?と思ったのですが、どうやら違うようで…。
このセリフのターゲットは虎杖に絞られているのではないでしょうか。
虎杖は吉野や元人間たちの4と向き合い、「正しい4に様の答えが出るまで、真人を56すまでもう負けない」という覚悟を導き出します。
心=魂だと仮定して、虎杖の魂は吉野との別れを経て一度4んだが、新たな覚悟を胸に真の呪術師として生まれ変わったと解釈することもできるのではないでしょうか。
であれば真人は一度、虎杖の魂を56したことになる。
真人が56そうとしているのは、吉野たちの4を経験して生まれ変わった虎杖だった。
虎杖が何度でも生まれ変わるのなら、同じ数だけ悲劇を起こして虎杖の魂を何度でも56すつもりでいるのではないかと私は思います。
「体と違って魂は何度でも56せる、次はどう56してやろうか…」は留まるところを知らない虎杖へのサツ意と真人の好奇心を凝縮したセリフだったのかもしれません。
「もう負けない」覚悟を決めた虎杖と、「何度でも56してやる」真人。
どちらか一方が敗北するまで、戦いは続くはずです。
七海が呪術師になった理由
今回、サラリーマン時代の七海が描かれましたが言わずにはいられない。
これ以上好感度をあげてどうするんだナナミン!!
彼が呪術師を辞めたのは「他人のために命を投げ出す覚悟を時として仲間に強要しなければならない」からでした。
普通なら「他人のために自分が命を投げ出さなければいけないから、だから呪術師はクソ」と言う所じゃないでしょうか。
でもそうではなかったんですよね…。
七海というキャラクターを理解するうえで重要なポイントだと思います。
呪いや他人と無縁でいるためにより稼げる職業に就いた結果、七海は入社2年目にして社畜に成長します。
とはいっても社長が「お前は賢い」「利口だ」「期待している」と声を掛けるほどですし、優秀な社員だったのは間違いないでしょう。(社長もナナミン呼びしてて笑う)
利益だけを追求すればもっと稼げたかもしれません。
しかし彼は会社の利益と顧客の人生を天秤にかけ、バランスを取っていました。
「伸びしろの無いクズ株を口八丁で買わせない」のも効率を重視しているだけに聞こえますが、見方を変えれば他人の人生を壊さないようにしていた。
自分のためにお金に執着しているように見えて、実は誰よりも他人に真摯で、命を預かることに責任を感じていたのではないでしょうか。
サラリーマンを辞めるキッカケはパン屋のお姉さんでした。
自分が「やり甲斐、生き甲斐」とは無縁の人間だと思っていた七海はしかし、呪術を使い、呪霊を祓い、パン屋のお姉さんに「ありがとう」と言われたことで変わったんですね。
仕事で心が疲弊していたのは過労もあったと思いますが、七海は自分が思っているより「やり甲斐」や「生き甲斐」を大切にする人だったのだと思います。
パン屋のお姉さんと向き合う事で自分の生き甲斐を自覚した。
お礼を言われて呪術師になる決断した。
瞬間、薄暗かった視界はビル群から差し込む太陽の光に照らされて、明るさを取り戻します。
まるで七海の心を現しているようでした。
真人「君に感謝を」
七海「必要ありません。それはもう大勢の方に頂きました。悔いはない」
4を悟った瞬間、頭をよぎったのは助けた人に貰った笑顔と感謝の言葉で…。
(ナナミン、なんて心の清らかな大人なんだろう!!)
前回も言いましたけれど根が良い人すぎる。
呪術師である事、人の役に立つこと、それは七海の生き甲斐になっていました。
他人の為に働いて「悔いはない」と言える姿…。
冷静沈着の内に秘めた優しさと揺ぎ無い信念に痺れます。
呪術師になったのは少しでも多く人の「ありがとう」になるためだと私は解釈しました。
七海の魅力は、やるべき仕事をこなしつつ、どんな時でもそこに人間と人間の心があることを忘れない所ではないかな、と思います。
呪術師がクソだと言っていたけれど、実は天職…なのかもしれません。
なんとなくですが、七海はあの日を最後にパン屋には行ってないしお姉さんとも会ってなさそうですね。
OP新カット、虎杖の涙について
今回、OPで「虎杖が涙を流している」と話題になっていたので取り上げたいと思います!
虎杖が泣いていた理由には吉野との別れ、吉野を救えなかった後悔、改造された元人間を56してしまった罪悪感があるのではないでしょうか。
もしくは「ありえたかもしれない未来(※と勝手に呼んでいます)」になってしまった花見の光景=幸せな夢すら宿儺の登場によってかき消されて、吉野が居ない現実に引き戻された、夢と現実の落差からくる涙なのかもしれません。
呪術廻戦 13話 感想
真人の領域展開、リーマン七海、宿儺の逆鱗、虎杖の覚悟などなど今回も濃密なエピソードでした。
映像クオリティや挿入歌は言わずもがな、特にキャラクターの魅力が爆発していたように思います。
吉野との4別、七海が「呪術師」として認めてくれたこと、ついに人を手にかけた事…、虎杖にとってはターニングポイントとなる出来事が沢山ありましたね。
今回の事件は虎杖の呪術師としてのありように大きな影響を与えていく気がします。
真人の逃亡を許したものの、実戦の中で成長する虎杖には終始驚かされっぱなしでした。
今回も大活躍だった宿儺。
とりわけこのシーン、凄みと格好良さのあまりわたくし「はうわぁぁ!宿儺ぁ…!」と謎の言葉を発してしまったのですが 一部ファンの間では「天上天下唯我独尊宿儺様」と呼ばれているそうです笑
本人は玉座(?)に鎮座したまま、真人に大ダメージを与えるという実力差よ!
指をクイッとするモーションも堪りませんでした。(細かすぎて伝わるだろうか)
宿儺を前にすると赤子同然になってしまう真人ですが、領域展開を会得したのが初めて4を意識した瞬間という。
「ここで来るのか…!」とひとり畏れを抱きました。
吉野の暴力事件については教師も伊藤先輩も改心する方向で幕を閉じましたが、吉野が犠牲になった過去は変えようが無く…。
救いは確かにあったけど後味の悪さは残りますよね…。
とまぁ色々ありましたが、13話最大の謎は宿儺→伏黒に対する興味かな。
誰もそれに気づいていないし、宿儺の思考が全く読めないのが怖いですね…。
色んな因縁と伏線を抱えて1クールは最終回となりました。
いよいよ「京都姉妹校交流会編」に突入する第2クールは来年1月15日放送開始です。
虎杖の遺作(笑)でしんみりした「じゅじゅさんぽ」メンツもきっと笑顔を見せてくれるはず…!
また14話記事でお会いしましょう。
「呪術廻戦」を正しく楽しむためにも、重大な解釈違いなどありましたらコメント欄よりご指摘いただけると嬉しいです。※ネタバレにつながる内容は伏せて頂けると幸いです。
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