こんばんは。毎度お馴染み流浪の売文屋、雨琴と申します。
『ゴールデンカムイ』第三期を担当させていただいておりますが、原作未読につきご容赦。
前回は岩息舞治とのスチェンカを通して、杉元の内心を垣間見ることができました。
アシリパに対する自責の念。呵責を胸に樺太の旅は続いていきます。
一方のアシリパ側の今回の旅の目的がはっきりしたのが今回でしょうか。
それ以上に月島軍曹の過去話のウエイトが重かったですが。
気づいたこと感じたこと思ったこと考えたことを振り返っていきましょう。
目次
アシリパたちの旅の目的は
アシリパサイドの目的もだんだんと明らかになってきました。
トドの肉を売りに行くついでとばかりに、樺太アイヌの村の情報を得るキロランケ。
かつてあったその村はアシリパの父、ウイルクの故郷だったという。
樺太は日本でもロシアでもなかったが、日露戦争の結果、両国に翻弄された歴史がある。
ウイルクの父親はポーランド系だったという。
日本が多民族国家として未熟だったが故の帰結と言ってしまえば簡単ではあるが。
だからこそアシリパに未来を託したかったのかもしれない。
アシリパのこの旅の目的は、ウイルクの足跡を辿ることで、ウイルクの視座を得ることになるだろう。
キロランケとしてはパルチザンと同調して同志になって欲しい気持ちがあるのかもしれない。
故に「アシリパの成長」という言葉を使うのだと考察する。
尾形は口ぶりからするとアシリパを拷問でもしかねないというか、金塊につながる鍵をはやく欲しているきらいがある。
アシリパが故意に知らないふりをしているとも思えないので滅多なことにはならないだろうが。
そも尾形の目的は単に金塊なのかもいまいちわからないところが多いので、動向に目が離せないキャラクターである。
月島の過去 底知れぬ鶴見中尉
月島軍曹の過去話によって、さらに鶴見中尉が底知れない存在になっております。
今回ほとんどの時間を割いて掘り下げられたのは月島軍曹でした。
TVアニメ『ゴールデンカムイ』
描き下ろし「過去編(月島軍曹)」ビジュアル公開!
最新話「いご草」この後放送!
月島の秘められた過去、お見逃しなく。TOKYO MX 23:00~
読売テレビ 26:09~(10分繰り下げ)
札幌テレビ 25:44~
BS11 23:00~
FOD 23:00~https://t.co/blrLJ921DG#ゴールデンカムイ pic.twitter.com/mr8wuGr5ol— TVアニメ『ゴールデンカムイ』公式 (@kamuy_anime) October 19, 2020
月島とえご草ちゃんの過去話を、順を追って整理しようと思います。
故郷の噂
日清戦争に従軍した月島はえご草ちゃんからの手紙が途絶えたことをいぶかしみつつ帰郷します。
すると月島自身が戦タヒしたという噂を耳にし、えご草ちゃんは行方不明になっていた。
履き物だけが意味深長に見つかり、月島はえご草ちゃんを捜索した。
噂を流した犯人は月島の父親であり、激昂した月島は父親をころころする。
鶴見中尉が語るえご草ちゃんのその後
父親をころころしてタヒ刑囚となった月島に、鶴見中尉はえご草ちゃんのその後を語ります。
佐渡鉱山を買い取った金持ちに見初められ、えご草ちゃんは東京に行ったと。
帰郷した月島がえご草ちゃんを追ってこないように、月島の父親は金を渡され息子の戦タヒの噂を流した。
えご草ちゃんに関しては身投げまで偽装されていた。
同郷の兵士と9年後の鶴見中尉の話
月島が偶然出会った同郷の兵士に、月島の父親の家の下からえご草ちゃんの遺骨が見つかった話を聞かされる。
騙してまで月島を部下として連れてきたかった理由は、「誰よりも優秀な兵士で部下で同郷の戦友」と鶴見中尉は語るが。
そこで砲撃。月島に庇われながら薄ら笑いを浮かべる鶴見中尉。
鶴見中尉の狙いと真実
悪い噂のあった人物とはいえ、月島の父親がえご草ちゃんをころころする動機は弱い。
月島を監獄から出すために工作が必要だったという鶴見中尉の話は理解できる。
しかし月島と話しながら例の兵士と目配せをしている辺り、話のすべてが本当かどうかはわからないですね。
疑っていたにも関わらず庇ってくれるくらい信の置ける部下を持ちたいという動機は、鶴見中尉が最終目的としているクーデターの性質を考えると自然な発想です。
何が真実かはわからないけれど、少なくとも月島にとっては、「鶴見中尉に救われた命だから」と、これ以上追及することを諦めたのかもしれないないですね。
諦めたら試合終了ならば、その後鳥貴族で打ち上げやったっていいわけですし。信じることは諦めであり、諦めは救い。
鶴見中尉は先を読んでいるというより、どう転んでも利用できるように手を打っているタイプの知恵者と考察します。シャア・アズナブルみたいなものですね。
興奮状態の月島軍曹と二人きりになりたがるのは危険な気もしますが、この手の工作を他の部下に対しても行っているとしたら、人払いは必然だったのでしょう。
二階堂に対して面倒見が良いのも鶴見中尉のこういう資質の現れなのかもしれません。
ゴールデンカムイ 27話感想
アシリパサイドが描かれることによって、物語のエンジンがかかってきたことを感じます。
キロランケの思い通りにはなって欲しくないけれど、アシリパの成長には期待が高まる。
月島軍曹の人となりを知ることで、杉元サイドにもさらに思い入れが増しました。
週に一度なのが惜しいくらい、はやく続きがみたいな~。
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