当記事に先の展開のネタバレは含まれていないのでご安心下さい。
皆々様こんにちは。
『グレートプリテンダー(以下『グレプリ』)』担当のgatoです。
前回は「Singapore Sky」のクライマックス。
金と欲望渦巻くエアレースにて、エダマメ達は見事にサムから大金をだまし取りました。
ついでにルイスはライバルのクラークとのレースを通じて立ち直り、過去に苦しむアビーはエダマメの支えもあって、ラストに笑顔を見せました。
色々印象的な場面も多く、エキサイティングなエピソードでしたね。
そして、それから時は流れ、舞台はフランスのニース。
そこから再び新たなコンゲームが幕を開けます。
一体どんなコンゲームになるのか、振り返っていきましょう。
再び農民へ
「Singapore Sky」で活躍したエダマメですが、今回は再び足を洗ってフランスのニースの中国人が経営する寿司屋で働いていました。
心優しい親子であるセバスチャンとマリーが営む下宿を借りつつ、わからない中国語で怒鳴られながらメチャクチャな寿司を作り続ける…。
平凡とはいいがたいですけど、エダマメからしたらなかなか充実した生活のようです。
実際、言葉は通じなくてもセバスチャンやマリー、寿司屋の店長とは良好な関係を築いていたようですし。
ただ、コンゲームが終わる度に堅気に戻るっていうのもな(笑)
立ち回りとしては『コンフィデンスマンJP』のボクちゃんに近いものがありますが、今回はこれまでのエダマメとはいささか違う一面を見せました。
「Singapore Sky」まで、エダマメはローランにはめられる形でコンゲームに参加していましたが、今回はわりとエダマメから能動的にコンゲームに参加…むしろ企画しています。
借金で下宿を畳まなければならないセバスチャンとマリーのために、店長を痛烈に罵倒したコールマンをはめる…。
悪人や苦しめられた善人のために立ち上がる…という点はこれまでと共通していますが、嫌がっていた「騙す」という行為を手段として積極的に使っている点は大きく異なっています。
「ローランが嫌い」といいつつも、悪人を懲らしめるためにコンゲームを行う…彼もすっかりコンフィデンスマンとして板についてきたということが窺えますね。
また、第1話で見せた自信家な一面も蘇りつつあり、父親にまつわる彼の中の善悪の葛藤が徐々にほぐれているともいえそうです。
しかし、初めて企画したコンゲームは相手の素性を把握していなかったために失敗…詰めの甘さを露呈してしまうことになります。
ちなみに今回エダマメが引いたカプセルトイはエドワード8世。
私は世界史に疎いですが、調べてみるとアメリカ人の人妻との不倫の果てにわずか352日で未戴冠のまま退位したというなかなか波乱万丈な人物です。
ただ、エドワード8世が誰を指しているかはちょっと釈然としないですね。
エドワード8世の半生を素直に受け取るなら、あのカプセルトイは「恋愛感情のために自分の人生を変えた」人間、あるいはこれからそうなろうとしている人間を指すと思われますが…。
美術界の007
初めてコンゲームを企画したエダマメですが、結果は2000万ユーロの絵画を2万5000ユーロで売ってしまうという大失態。
そしてそのきっかけを作ったのは「美術界の007」こと鑑定士にしてオークショナーのジェームズ・コールマンでした。
初登場時は中国人が作った寿司を罵倒し、店長が店を辞めるきっかけを作るなど傲慢で嫌味な一面を見せていましたが(あの寿司だとしょうがない気も…)、二束三文と思われていた絵画を人気急上昇中のセルヒオ・モントーヤの作品と見抜くなど鑑定士としての技量は確かなよう。
シンシアをもってして、「世界一の鑑定士」と言わしめています。
これだけ見ると、気難しくて誤解を招きやすいだけでなく、鑑定士やオークショナーとしては一流の人物…にみえますね。
カッサーノやサムみたいな悪人とは一線を画している印象です。
ただ、シンシアとローランのやり取りを踏まえると、モントーヤの絵画を発見したコールマンの振る舞いが少し気になります。
ローランは『ロンドンの雪』を指して「モントーヤやモディリアーニの影響を受けた無名画家」の作品といっています。
しかし、コールマンは『ロンドンの雪』をモントーヤの作品と断定していました。
世界一の鑑定士のコールマンが普通に正しくて、ローランが間違っているというパターンはありますけど、それなりに絵画の知識がありそうなローランが別の画家の影響を指摘していたことを踏まえると、この食い違いは気になるところ。
酔っぱらったシンシアがコールマンを「ペテン師」といっていた点も踏まえると、もしかしたらコールマンは作風が似た無名画家の作品を有名画家の作品と偽っている…なんてことをやっていそうな予感がします。
ところで、作中でコンゲームに参加していた工藤が使った「貝腹勇斬」ですけど、明らかに『美味しんぼ』の海原雄山がモチーフの偽名っぽいですね。
字幕にすると漢字は違いますが、読みは全く一緒。
露骨過ぎて笑っちゃいました(笑)
絵描き嫌いのシンシア
冒頭はシンシアとローランのシーンですが、そこではシンシアの内面に一幕がありました。
シンシア曰く「絵を描く男は嫌い」。
今回のテーマが「美術品」であることを踏まえると、彼女の絵描き嫌いは何らかのファクターになりそうです。
あの口ぶりを踏まえるとシンシアの過去の恋愛もクローズアップされそうな予感もありますね。
また、シンシアはコールマンを見るなり険しい顔で撤収を勧告するなど、彼と因縁があることを窺わせます。
一方で酔っ払った影響もあったのか、ラストではコールマンを破滅させると宣言し、打って変わってノリノリになります。
怖いもの知らずのシンシアがコールマンに対してすぐに勝てないと判断するあたり、過去に彼にしてやられた過去がありそうですね。
「Singapore Sky」ではアビーの過去を組み込みながら物語が展開してましたが、今回も似たパターンになりそうです。
2人のこれから
前回の記事ではアビーの立ち直りと、そこへのエダマメの関わりを掘り下げましたが、今回は「Singapore Sky」の後の二人の関係性もそれとなく描かれました。
これまでアビーはエダマメに対してドライで辛辣な接し方をしていましたが、今回はぶっきらぼうながらも彼への態度を大幅に軟化させていました。
むしろエダマメと一緒にラーメンや焼き栗を食べたり、報酬がほとんどないコンゲームに協力したり、彼を一切罵倒しないなど…かなり距離が縮まっている印象。
エダマメは今回までアビーの両親の経緯を知らなかった…つまりアビーはエダマメに結局過去のことは話していませんでしたが、むしろこれがエダマメとアビーの関係の最適解かもしれません。
アビーは自分の内面に立ち入られることを好まない性格ですし、エダマメはそれを理解したうえであえて触れていません。
つまりエダマメがアビーのことをよく理解し、アビーがそれをわかったうえで受け入れているからこそ、二人は良い形で向き合えている訳です。
エダマメは青臭い一面が強調されがちですが、アビーへの接し方はかなり大人だといえます。
ただ過去を掘り下げ合って傷を安易に晒し合うのではなく、思い合いながらお互いの距離感を保ち、支え合う。
うーん、個人的にはかなり好みのカップルです(笑)
後、髪を伸ばしたアビーが可愛い過ぎる…(笑)
眼福だなぁ(笑)
『グレプリ』第11話感想
ターゲットがコールマン、舞台は美術界…と次のコンゲームのお膳立てがされていましたが、個人的にはシンシアの内面やエダマメ×アビーに注目していましたね。
というか、エダマメとアビーのカップルがストライクでした。
いやぁ尊い…(笑)
どうやら今回からはシンシアにスポットライトがあたりそうですけど、エダマメとアビーにも注目は続けたいところですね(笑)
さて、次回はコールマンをはめにエダマメ達はロンドンにいくようですが…。
一体どんなコンゲームになるのか、期待ですね。
最新情報をお届けします
Twitter で2017春夏秋冬アニメ考察・解説ブログをフォローしよう!
Follow @anideep11