皆々様こんにちは。
『グレートプリテンダー(以下『グレプリ』)』担当のgatoです。
前回はシンシアの過去やコールマンの人間関係が明らかになり、コンゲームの準備も着々と進められていましたね。
そしてコンゲームのために必要な『ロンドンの雪』の贋作制作をシンシアはある人物に依頼することに。
割り切れない過去を引きずる女と男はどんな再会を果たしたのか…。
早速何があったのかを振り返っていきましょう。
当記事に先の展開のネタバレは含まれていないのでご安心下さい。
儚い日々の終わり
前回はシンシアとトーマスの出会いと関係の深まっていく過程が描かれましたが、今回は二人の別れが明かされました。
予想通り、二人が別れるきっかけはコールマン。
トーマスの模写技術の高さを利用し、コールマンは彼に失われた作品の贋作を作成させていたわけです。
そしてその報酬で裕福になったトーマスはすっかり驕ってしまい、かつての純朴さと画家の夢を捨ててしまいます。
そんなトーマスの変貌にシンシアはショックを受けたことで、二人の関係は終わりを迎え…。
コテコテのエピソードですけど、だからこそ沁みるものがありますね。
とりわけトーマスが指輪を描いてシンシアに渡すシーン…心がじんわりと温かくなります。
ただ…これが嘘だったってオチがありそうで怖い(笑)
そもそもシンシアはポーラ・ディキンズという名前で序盤から視聴者を騙してきましたからね(笑)
トーマス・メイヤーの再生
シンシアと別れたトーマスはどん底の生活を送ることになります。
美術館で子供が一生懸命に自分の贋作を模写している様を見て、自分のしでかしたことを激しく後悔します。
そしてトーマスは贋作作家自体をやめた後、200万ポンド(日本円で約2億6000万円!)もの借金を背負ってまで贋作を買い戻しました。
彼なりの罪滅ぼしでしょうけど、さすがに重すぎるよなぁ…。
それに自分の驕りのためにシンシアを失ったことが、何より彼に深い傷を残し、無気力にしてしまったのでしょう。
日雇いと思しき仕事をこなしながら借金取りに追われる生活は、見ているだけで切ないものがあります。
一方で、それでもシンシアの絵だけは手放さずに持っているところを見ると…シンシアへの想いはまだ捨てていないことが窺えます。
そんなトーマスにとって新たな転機となるのは、奇しくも贋作作りでした。
ただ、今回の贋作作りはトーマスにとってこれまでと全く異なる意味を持つ印象でしたね。
確かに贋作作りはトーマスにとって大きな過ちであり、いくらシンシアの依頼でも彼にとっては忌むべきものでした(実際一度断っています)。
しかし、贋作作りは過ちであると同時に、トーマスがかつて熱中していた絵を描いていた証です
つまり贋作を作ることで、トーマスは一度捨てた絵に、絵描きの夢に再び向き合うことができるわけです。
それに今回の作品はモントーヤの『ロンドンの雪』
かつて「モントーヤは完璧に模写できない」とトーマスが語っていたことを踏まえると、『ロンドンの雪』は乗り越えられなかった課題ともいえますね。
いずれにせよ、今回の贋作作りはトーマスにとって夢やシンシアを失ってしまった過去を受け入れ、前に進むための試練という位置づけができそうです。
ところで、「Singapore Sky」の時に「自暴自棄」を使って色々語りましたが、今回のトーマスもそれに該当しそうですね。
それだけでなく、もう少し色を加えることもできそうです。
贋作をきっかけに何もかも失ったトーマスが贋作で再び前に進もうとしているもまた、他のキャラクターに当てはまる部分があります。
誠司のことだけでなく、善良さも詐欺師に転落する一因だったエダマメですが、何だかんだでその善良さでコンゲームをクリアし、アビーやルイス、サラザールを救うきっかけを作っています。
またアビーもトラウマだった飛行機や復讐の相手と再度向き合うことで、自暴自棄だった自分を脱却しています。
つまりいずれのキャラクターも、自分の過去の失敗やトラウマの原因をあえて利用する、あるいは何らかの形で再び向き合うことで過去を超えているわけです。
思えば『グレプリ』ってそんな物語の繰り返しですね…。
まぁいずれにせよ、トーマスがどんな結末を迎えるのかには注目です。
シンシア・ムーアの屈託
トーマスが再生するきっかけを与えたシンシアですが、彼女なりにトーマスを思いやっていることが随所に描写されていましたね。
トーマスが描いた指輪の絵を隠し持っていたり、まだトーマスの才能を信じている点にそれが良く表れています。
それに、シンシアはエダマメを介してトーマスを動かしていましたが、エダマメもそれとなくシンシアの本音を察知していましたね。
エダマメがシンシアを「飲んだくれている」と評した所を見ると、前回の記事で触れたようにシンシアはやはり酒で本心を隠していたのでしょう。
思えばシンシアの性格でトーマスへのセンチメンタルな感情を露わにはしないでしょうしね。
あれが彼女なりの強がりだったのかもしれません。
…でもこれが全部ってオチが否定できないのが怖い(笑)
だってシンシアだもの(笑)
余談ですけど、何かにつけて登場していた「FARRAH TOFFEE」(?)ですが、正式名称は「FARRAH’S TOFFEE(ファラーズ・トフィー)」というイギリスでは定番のソフトキャンディのようです。
何でもイギリス王室御用達の代物だとか。
普通に日本でも買えるようなので、興味のある方はぜひ。
ジェームズ・コールマンの悪行
これまでは「気難しくて偏屈だけど実力は一流の鑑定士」みたいな感じだったコールマンでしたが、今回でしっかり悪事を働いていたことがわかりましたね。
コールマンはトーマスを利用し、喪われた作品を贋作ででっち上げ、それを売買することで収入を得ていました。
プロセスは違いますが、第11話の予想は一応外してはいなかったようですね…(ドヤァ)。
というかアビーの反社会的組織や悪徳画商を演じるローランを指した「資産価値にしか興味がないクズども」という台詞に同意しているのが腹立ちますね(笑)
普通にファラの前で絵画の資産価値の話していたくせに(笑)
それに、アビーへの接し方を見ると、ファラとは別に愛人を作っているようですね。
あの時のリアクションから見るに、コールマンの金髪の秘書も愛人の予感がします。
だとしたらコールマンはシンシアだけでなく、金髪の秘書、そして場合によってはファラも敵に回しそうですね。
『グレプリ』第13話感想
コールマンの悪さを描きつつ、メインはシンシアとトーマスのその後…といった感じでしょうか。
少しとんとん拍子な気もしますが、トーマスが再生しようと必死にもがく姿が印象的でした。
というか、トーマスの老け具合やエダマメの「更年期」という発言を鑑みると、シンシアって結構おばさ…ゲフンゲフン。
何はともあれ、次回は「Snow of London」最終回!
わりきれない大人達の恋の顛末やいかに?!
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