こちらでは『攻殻機動隊SAC_2045(以下『2045』)の感想・考察・解説記事を更新次第まとめていきます。
皆々様こんにちは。
この度『2045』の担当となりましたgatoです。
こちらでは『2045』の感想・考察・解説記事をまとめていきます。
以降は配信開始に先駆け、『2045』を視聴する際に重要なポイントなどをまとめていきます。
ちなみに私は『攻殻機動隊SAC』のシリーズはもちろん、押井守の劇場版や原作の漫画も全てチェック済みです(リメイク版を除く)。
ただ、『2045』はオリジナルストーリーであるため、原作等はありません。
目次
『攻殻機動隊』とは
まず『2045』を含めた『攻殻機動隊』シリーズについておさらいしていきましょう。
『攻殻機動隊』とは士郎正宗が1989年に発表したサイバーパンク漫画に端を発した作品群であり、これまで様々な形でメディア展開されていきました。
アニメファンには押井守が1995年に発表した『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』、2002年から発表されたテレビシリーズ『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』が馴染み深いでしょう。
また、2017年にはスカーレット・ヨハンソンが主演で実写映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』が発表されたことが記憶に新しいですね。
『攻殻機動隊』は「電脳」や「サイボーグ」などといったSF的な設定を古典的な哲学、実際の社会問題と組み合わせることにより、非常に奥深いストーリーを生み出してきました。
また押井守や神山健治といった手練れのクリエイターが手掛けることにより、先進的な映像表現も実現しています。
実際、押井守が手掛けた『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』は『マトリックス』に影響を及ぼすなど、海外からも高い評価を得ています。
そして『2045』は公安9課結成の物語を描いた『攻殻機動隊ARISE』シリーズから実に5年ぶりのシリーズ作品です。
『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』のキャスト陣が再集結した一方で、シリーズの監督である神山健治や『APPLE SEED』を手掛けた荒牧伸司志がタッグを組み、おまけにシリーズ初の3DCGアニメということでも話題になっています。
さらにロシア人イラストレーターであるイリヤ・クブシノフによってキャラクターデザインが一新。
あの少佐こと草薙素子が…結構かわいくなっている(笑)
何はともあれ、『2045』は2020年で最も注目すべきアニメの一つだといえるでしょう。
『2045』とは
ここでは『2045』を視聴するうえで重要なポイントをおさらいしていきます。
PVを観る限り、これまでのシリーズとはかなり毛色が違う雰囲気がありますが…。
個人的には以下のポイントに注目していきたいところです。
シンギュラリティを越えて
『2045』はタイトルにもあるように、『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』の作品群に連なる作品ですが、作中の時代は2045年。
『S.A.C』シリーズの最後の作品である『Solid State Society』が2034年だったため、時系列上は実に11年が経過していることになります。
2045年といえば連想するのが技術的特異点…俗にいう「シンギュラリティ」が連想されますね。
端的に言うと「技術的発展によって人工知能が人間の知性を越える」というのが、一般的な意味合いで用いられるシンギュラリティです。
詳しくは後述しますが、今作ではわざわざタイトルに「2045」をつけるなど、シンギュラリティがかなりピックアップされた内容になるようですね。
公安9課からGHOSTへ
『2045』で大きく変わっているポイントとしては、やはり公安9課が解散しているという点でしょう。
旧来のファンからしたら「ファッ?!」となってしまいそうなことですが、まぁ11年も経っていれば色々変わるものなんでしょうね。。
『Solid State Society』のラストでは少佐が公安9課に戻ることが示唆されていましたが…解散の経緯が気になるところです。
公安9課が解散した後、リーダーだった荒巻は第一線から退き、少佐はバトー、イシカワ、サイトー共にアメリカで傭兵家業を開始。
そこで「GHOST」と呼ばれるなど、なかなかの活躍ぶりを見せています(パズとボーマは参加していない模様)。
これだけでも彼女達の状況がかなり変わったことが窺えますが、さらに驚きなのがトグサです。
トグサも公安9課解散に際して民間警備会社に就職したようですが、なんと離婚しているとのこと。
トグサというと妻子持ちが重要な個性でもあったので、離婚した理由も気になります。
ただ、当然シリーズにおいて最もアイコニックな組織である公安9課が解散したままではなく、ストーリーの途中でしっかり再編するようです。
その際に公安9課全メンバーが集結するっぽいですね。
持続可能な戦争〈サスティナブル・ウォー〉
『2045』の世界で発生しているのが「持続可能な戦争」です。
「持続可能な戦争」はどうやら世界同時デフォルト(債務不履行)が発生したうえに、AIの爆発的な進化によって行われているようですが、どうやら計画的かつ持続可能…つまり完全に管理されている戦争のようですね。
「2045」や「シンギュラリティ」と聴くと、どうしても人工知能=AIがどう描かれるかが気になりますが、この持続可能な戦争にAIは大きく関わっているようです。
うーん、あらすじに「AIによる人類滅亡」というワードが出ていることを考えると、今作におけるAIはそれなりに敵対する存在になりそうな感じがしますね。
「持続可能な戦争」が具体的にどんな状態なのかは作品を見ないとなんともいえませんが、これまでのシリーズのことを踏まえると、現在の社会問題を織り交ぜたものになるかもしれません。
ポスト・ヒューマンの登場
「持続可能な戦争」と並んで、今作における重要なキーワードが「ポスト・ヒューマン」です。
ポスト・ヒューマンはシンギュラリティのように実際にある用語であり、意味合いとしては「基本能力が通常の人間より優れており、現在の感覚ではすでに人間とはいえない未来の種」といったところです。
端的にいうなら「現在の人間より優れた、現在の人間とは異なる未来の存在」といった具合でしょうか。
ポスト・ヒューマンの定義は人間の知性を大きく超えたAI、サイボーグ、バイオテクノロジー、高度なウェアラブルコンピューターティングなど、様々なものが該当します。
これを踏まえると、『攻殻機動隊』は電脳だの、義体だの、AIだのポスト・ヒューマン的な要素が盛り沢山であるため、ある意味非常に親和性が高い概念だといえるかもしれませんね。
しかし、『2045』に登場する「ポスト・ヒューマン」は「驚異的な知能と身体能力を持つ存在」となっており、その正体は謎に包まれています。
ただ、その目的は「既存の社会構造の転倒」というかなり大規模なもの。
ポスト・ヒューマンが構築する社会はあまりに洗練され過ぎていて、現在の人間では理解できないといいますが…具体的にどんな社会を創ろうとしているんでしょうかね。
「AI」と「ポスト・ヒューマン」ときたから、てっきり人形遣いのようなキャラクターが出てくるのかと思っていましたが、「身体能力」という表記があることを考えると、どうやら相手は電子の海から生まれた生命体ではなく、ちゃんと肉体を持つ生物的な存在のようですね。
だけど『攻殻機動隊』シリーズでたくさん出てくるサイボーグの派生的な存在とは考えにくいところ。
確かにサイボーグもポスト・ヒューマンの定義に該当するものですが、そのまま持ってくるのはちょっと面白くないのが正直な感想…。
個人的には士郎正宗の『攻殻機動隊2.0』に出てくる「珪素生命体」がポスト・ヒューマンの正体なのかなぁ…と予測していたりします。
まぁ、この漫画難し過ぎて珪素生命体もあまり理解できていないけど(笑)
新キャラクター
新作登場ということで、『2045』には新キャラクターもたくさん登場します。
今の所分かっているのは再編した公安9課に加入する江崎プリン、少佐達の傭兵仲間であるスタンダード、NSAのエージェントでありポスト・ヒューマン対策局のトップであるジョン・スミス、日本で初めて元アメリカ国籍の総理大臣となった久利須・大友・帝都の4人です。
いずれも一癖も二癖もありそうなキャラクターですね…。
それぞれの詳細はまだ不明ですが、久利須が総理大臣になっているということは『2nd GiG』で総理だった茅葺(かやぶき)はもう退陣しているようですね。
まぁ10年以上総理をやっているなんてさすがに無理だから仕方ないでしょうけど(笑)
ただ、久利須が公安9課再編に関わるようであり、彼の出自がアメリカであることを考えると、かなり重要なポジションの人物のような気がします。
『2045』放送前感想
恐らくアニメファンであれば、誰もが一度は視聴する『攻殻機動隊』シリーズですが、ものによってはかなり難解な内容になるのでちゃんと観られるか不安…(笑)。
まぁ神山健治なら幾分わかりやすい内容にしてくれるかと思いますけど(笑)
個人的に『S.A.C』シリーズはいかにして「STAND ALONE COMPLEX」を描くかに注目しているので、今作で描かれるものには期待してしまいますね。
それに『攻殻機動隊』がAIやポスト・ヒューマンといった明確なガジェットを使う点も気になりますね。
個人的に似たようなものを扱った作品だと『BEATLESS』が近年で最高傑作だと思っていますが…。
今作でどれだけやってくれるか、見届けたいですね。
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