攻殻機動隊SAC_2045 7話〜9話感想・考察・解説!日本はどうなっている?【攻殻機動隊2045】

皆々様こんにちは。

『攻殻機動隊SAC_2045(以下『2045』)』担当のgatoです。

第4話~第6話はパトリック・ヒュージやゲイリー・ハーツといったポスト・ヒューマンの登場で一気に物語が展開しました。

少佐すら簡単に手玉に取るチートなポスト・ヒューマンはなかなかインパクトがありましたね。

ただ、その正体は不明なまま…色々情報はちりばめられているので、丹念に拾って追求していきたいところです。

さて、今回は日本が舞台となる第7話~第9話をメインにお伝えしていきます。

再編した公安9課の一員となる江崎プリンをはじめ、個性的な人物が次々出てくるようですね。

それでは早速振り返っていきましょう。

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郷愁の日本

『2045』、第8話、帝都達

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

第7話~第9話は全て日本が舞台でしたが、アメリカと比べるとかなり違う状況であることが窺えます。

まず、日本ではサスティナブル・ウォーが起こっていないという点。

それもあって荒廃した都市もあるアメリカとは違い、比較的平和な社会を保持できている印象です。

その結果、平和な都市への郷愁が発生し、アジア諸国から観光客がやってきているそうですね。

つまり作中における日本は「失われた時代」を想起させるノスタルジックな存在になっているわけです。

一方で、後述するように同時デフォルトの影響で生活に困窮する人も少なからずいるようで…。

作中でプリンが「富裕層の移民を誘致している」みたいなことをいっていましたが、恐らくシンガポールのような政策を取っているんでしょうね。

しかしバトーが「ロボットと同胞をこき使っている」と指摘していたり、銀行の警備員であるヨネダをアファーマティブアクション的なパフォーマンスで雇っていたりと、どこか弱者を搾取している一面は否めません。

おまけにトグサが不法移民に遭遇していた場面では、民間警備会社でも銃が携帯されるようになったといわれているなど、少なからず治安が悪化している感じがします。

いずれにせよ、作中の日本は単純にノスタルジーさえ想起させる平和国家となった引き換えに、様々な形で弱者を搾取したうえで豊かさを作っているといえるでしょう。

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ポスト・ヒューマンとは何者か?

『2045』、第9話、矢口

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

今回も新たなポスト・ヒューマンが登場し、彼らに関する新しい情報が明らかになりました。

ここでは一度それらをまとめてみましょう。

矢口サンヂの場合

第9話で登場したポスト・ヒューマンは元プロボクサーの矢口サンヂ。

渾身の左ストレートで相手の頭を跡形もなく吹き飛ばしてしまうタフガイでしたね。

そんな矢口ですが、行っていたレイドは90人以上の人間の頭を片っ端から粉砕していくというものでした。

その標的は生活保護の不正受給者や彼らを斡旋していた裏業者、東京復興計画の陰で収賄や天下りをしていた事務次官など、主に東京復興計画・移民・難民に関係する不正を行っていた人間ばかり。

この辺りを見ると、矢口は移民や難民を利用した不正に怒りを覚えていたようです。

まぁ現実でもこの手の問題は尽きないですし、プロボクサーとはいえパトリックやゲイリーと比べると小市民感がある矢口が真っ先に介入するならちょうどいい問題(?)といえるかもしれません。

ところで、ポスト・ヒューマンが覚醒する際に「発熱・異常な食欲・人格の変質」があるとジョン・スミスが語っていましたね。

確かにパトリックやゲイリーは人格が変質していると思われる行動が見えました。

他方で、矢口は少佐の挑発に乗ってボクシングで戦いを仕掛けるボクサー気質が残っているなど(そもそも事件のやり口がボクサー的)、人格が一部残っていると思しき描写がありました。

また、帝都に対しても東京復興委員会委員長に就任した真意を確かめようとするなど、コミュニケーションを取ろうとしていた場面もあります。

前回の記事で「人間性の欠如」がポスト・ヒューマンの特徴と述べましたが、個々のケースによってはパーソナリティが残存していることもあるようですね。

攻殻機動隊SAC_2045 4話〜6話感想・考察・解説!ポスト・ヒューマンの正体とは【攻殻機動隊2045】
皆々様こんにちは。 『攻殻機動隊SAC_2045(以下『2045』』担当のgatoです。 『2045』は全話配信であ...

これが何を意味するかは…もう少し話を追ってみてからにしましょう(笑)

サスティナブル・ウォーとポスト・ヒューマン

矢口が起こした事件をタチコマ達が「サスティナブル・ウォー」と形容する場面がありましたが、これは興味深い台詞ですね。

これまでサスティナブル・ウォーはG4が立ち上げた産業であり、戦争という名の経済行為(これがレイド)だとされてきました。

しかし、ポスト・ヒューマンの行いがサスティナブル・ウォーの一つであるとしたら、これは単純な経済行為ではなくなります。

なぜなら現段階でポスト・ヒューマンの目的は既存の社会構造の転倒であり、彼らが行うレイドは明らかに経済的な目的に留まっていないからです。

そうなるとポスト・ヒューマンが介入する限り、サスティナブル・ウォーの意義は経済行為を越えた「既存の社会構造の転倒のための戦争」…端的にいうなら一種の革命にまで発展し得るといえますね。

おまけにジョン・スミスがポスト・ヒューマンを「人類が初めて遭遇する共通の敵」と称していることを踏まえると、サスティナブル・ウォーは個々の経済を回すための戦争ではなく、純然たる人類対ポスト・ヒューマンと捉えられそうですね。

何はともあれ、14名いるとされたポスト・ヒューマンの内、矢口を含めた3人抜けて残り11名(矢口は生きているのでまだ出番はありそう)。

日本には残り2人のポスト・ヒューマンがいるとされますが、次はどんな戦いが繰り広げられることやら…。

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アメリカから来た総理大臣

『2045』、第5話、帝都

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

第4話でもちらっと登場していましたが、今回は茅葺(かやぶき)の次に総理大臣になった久利須・大友・帝都がかなりピックアップされていました。

ちょっと頼りなさげなジェントルマン…って感じですが、自ら矢口逮捕のための囮になったり、ジョン・スミス相手に一歩も引かないなどかなりの胆力を持ち合わせた人物だと推察できます。

そんな帝都ですが、彼は結構苦労していますね…。

サスティナブル・ウォーの最大の被害者として積極的に干渉してくるアメリカの相手をしなければならないうえに、矢口に義父の命を奪われるなど、散々な立ち回り…。

このままだと前任の茅葺(かやぶき)以上に酷い目に遭いそうだな(笑)

ただ、個人的に気になるのが帝都が総理大臣になった経緯。

いくら帰化したとはいえ、アメリカ人だった帝都が初当選からたった6年で総理大臣になるのって相当なイレギュラーですからね。

いくら日本が好きでも総理大臣にまで上り詰めるのは難しいでしょうから、親米派である義父の大友がかなりバックアップしたという感じでしょうけど…。

茅葺はアメリカと適度に距離を取る方針を取っていましたが、『2045』においては政府の外交方針がかなり変わっている印象があります。

サスティナブル・ウォーの影響も少なからずあるのでしょうけど、日本を通じて考えると『2045』における世界はかなりアメリカが中心になっている印象がありますね。

他方で、帝都自身はアメリカに押し負けている日本を変えたいという想いを持っているようです。

この辺は茅葺の方向性を受け継いでいるといえるかもしれませんね。

また、大友は東京復興委員会の委員長であり、彼が命を落とした後には帝都が自ら東京復興委員会の委員長に就任しました。

第9話では東京復興計画がピックアップされていましたが、今後はこれが重要なファクターとなりそうですね。

となると、東京復興計画=東京五輪ならば、『2045』は同時に『2020』を描こうとしている側面があるのかもしれません。

はじめての銀行強盗

『2045』、第7話、カエデ

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

第7話~第9話の中で最も異色のエピソードといえるのが第7話「はじめての銀行強盗」でしょう。

ヨボヨボのおじいちゃん3人組が銀行強盗を画策、そこに両替でミスってお金に困った老婆のカエデが便乗し、バトーと一緒に大金を盗み出すというエピソードです。

この時、バトーは仮想通貨のQWEを利用して大金を手に入れていましたが、これは株の空売りに近い原理ですね。

簡単にいうと以下のようなプロセスです。

①用意した資金でQWEを借りる。

②借りたQWEを売る(この時点で資金は2倍に)。

③ウィルスをQWEの取引所に流し込み、大量流出させる(すなわち大量の売り注文=空売りが発生)

④QWEの価値が大暴落したところで借りたQWEを返済

⑤結果、手元の資金から返済したQWE分の金額を引いた差額が利益になる。

ついでにこのプロセスを完遂する際に、ウィルスを支店長の端末から流し込むことで彼に罪をなすりつけたというわけです。

地味にえぐい上に、これだけで大勢の投資家が泣いているんでしょうけど(笑)

他方で、このエピソードで印象的だったのが日本における同時デフォルトの影響です。

日本はサスティナブル・ウォーにそこまで巻き込まれていないのもあって、比較的安定的な社会を維持できている印象があります。

しかし、実際は年金に頼っていた高齢者の生活が破綻してしまっていました。

まぁリアルで生活する我々にとっても身につまされる話でしたね…。

サスティナブル・ウォーは裏を返すと、誰でもレイドを通じて経済行為に加担できるという一面があります。

もしかしたら、銀行強盗をやらかしたあの4人は日本におけるレイドを示しているのかもしれません。

新米:江崎プリン

『2045』、第8話、プリン

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

第7話から登場したのが新生公安9課の新人である江崎プリン。

飛び級でMITを卒業したずば抜けた経歴の持ち主ですが、タチコマにいじられ、大好きなバトーにはあしらわれ…なんかスタンダードみたいな感じがするな(笑)

ただ情報収集能力は図抜けており、矢口の目的をあっという間に見抜くなど、かなりの手練れであることが窺えます。

それに個人的に引っかかるのが、バトーが初対面のプリンを「AIと思った」という台詞。

正直まだわからないですが、彼女のどのあたりがAI的だったのかが気になるところです。

意外と重要な伏線だったり…するのかな(笑)

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『2045』第7話~第9話感想

『2045』、第9話、プリン達

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

どちらかというと単発のエピソードが多めでしたが、日本の現状を知るうえで重要な描写が多くありましたね。

それにポスト・ヒューマンの新たな一面が見えてきたのも興味深かったです。

さて、次はラスト3話である第10話~第12話をまとめて記事にします。

この辺はかなり重大なエピソードなので、しっかり突き詰めていきたいと思います。

攻殻機動隊SAC_2045 感想・考察・解説記事まとめ【攻殻機動隊2045】
こちらでは『攻殻機動隊SAC_2045(以下『2045』)の感想・考察・解説記事を更新次第まとめていきます。 ...
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