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攻殻機動隊SAC_2045 1話〜3話感想・考察・解説!サスティナブル・ウォーとは【攻殻機動隊2045】

皆々様こんにちは。

『攻殻機動隊SAC_2045(以下『2045』)』担当のgatoです。

いよいよ配信された『2045』…日本の、いや世界のアニメ史において絶対に外せない『攻殻機動隊』シリーズに名を連ねる作品ということもあって、すでにチェックしている方も多いかと思います。

早速記事にしてみようと思ったのですが…全話一挙配信ということで、これまでの記事みたいに1話ごとにバラバラに書くのもちょっと難しい…。

そこで、独断と偏見で『2045』を適度な具合に区切り、それぞれのタームごとに記事を作っていくことにしました。

個人的に色々内容の整理もしたいので(笑)

それでは、早速振り返ってみましょう!

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葛藤<ノイズ>なき人生

『2045』、第1話、少佐

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

公安9課を去った少佐はバトー、イシカワ、サイト―、三機のタチコマと一緒に「GHOST」という傭兵部隊を組織し、民間警備会社「オブシディアン社」と契約を結んで仕事をしていました。

主な仕事としてはレイドを目論んでいるレイディストやノマド、色々あくどいことをやっている犯罪者の鎮圧や拘束のようですね。

ハードながらも予算も報酬も潤沢だった公安9課と比べると、その日暮らしの傭兵稼業といった具合ですが、少佐達は現状を気に入っているようですね。

まぁ『S.A.C』シリーズでは政治的なしがらみに振り回されて命を奪われかけたこともあるし、システムや組織に属しているからこそ上手く動けない場面もありましたからね。

日本ではなく南米や北米を拠点としているのも、そんなしがらみから抜け出る目的があったのでしょう。

少佐自身も『Solid State Society』では公安9課を抜けてフリーで「個人的推論に則った事件への介入」をしていましたし、今の環境が最も彼女達に適しているのかもしれません。

他方で、少佐が自分達がサスティナブル・ウォー下で繰り広げられるゲームの参加者であったり、バトーが自分達をレイディストと同様だと認める場面がありました。

つまり彼女達もまたサスティナブル・ウォーの中で生活を確立するために行われている簒奪のゲームに加担していると認識しているといえますね。

そんな少佐達ですが、ジョン・スミスに目を付けられてから状況が一変していきます。

再び組織やシステムの中に取り込まれた少佐達がどうなっていくのか…この辺りには期待したいところです。

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残されたトグサと荒巻

『2045』、第1話、トグサ

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

アメリカで気ままな傭兵稼業をやっている少佐達に対し、トグサは日本で民間警備会社の社員として働いていました。

一人だけ日本に残る形になっているトグサですが、それはそれで色々心残りがあったようですね。

まぁトグサは公安9課で唯一の妻帯者ですし、子供の二人いる以上(もう中高生くらいになっていたな…)、付いていきたくてもいけなかったのでしょう。

ただ、違法移民のハッカーを確保する際に戦闘を行う、荒巻に命じられた少佐達を探す際にダークウェブを用いるなど平凡なサラリーマンとはいえない生活を送っているようです。

なんだかんだで非日常的でスリリングな環境に適応できてしまっている感じがしますね。

そんな性分のためか、トグサは現在離婚している模様。

彼の口ぶりから察するに、トグサを自由にするための円満な離婚だったようですね。

うーん、トグサさんは相変わらず愛されているなぁ(笑)

そしてトグサと同様に日本に残った荒巻ですが、公安部の顧問をやっているとのこと。

顧問という役職もそうですが、総理大臣(帝都)から直々に依頼されているところを見ると、かなり高い地位にいる感じがしますね。

そして彼がきっかけで公安9課の再編がスタートするのですが…「最後の事件になる」と呟いていたところが気になりますね。

まぁ荒巻もいい年齢なので、引退なりなんなりを視野に入れていそうな感じがしますが…。

『2045』では荒巻の有終の美を見られるのかもしれません。

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なぜ戦争に至ったのか

『2045』、第1話、バトー

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

『2045』の世界観において最も重要なワードの一つが「持続可能な戦争(サスティナブル・ウォー)」です。

「大国同士の砂取りゲーム」とも呼ばれているこの戦争ですが、一度第1話の冒頭で語られた経緯を一部抜粋して振り返ってみましょう。

2042年

Great4(米帝、中国、ロシア、ヨーロッパ連合)は互いが“ウィンウィン”になる持続可能性を模索していた。

米帝は人工知能、通称「コード1A48」を使用し、世界はのちにサスティナブル・ウォー(持続可能戦争)と揶揄される“産業としての戦争”を スタートさせた。

2044年

全世界が同時デフォルトし、各国の金融機関は取引を停止。

これをきっかけに“産業としての戦争”は急速に激化し、先進国においても暴動やテロ、独立運動、国を割っての内戦が勃発し始めた。

流れとしたら4大国(便宜上ヨーロッパ連合を含め)がお互いの経済を平等にかつ円滑に回すために産業としての戦争を開始→同時デフォルトが発生したことによって戦争状態が急速に激化した…という感じでしょうか。

いってしまえば茶番として始めた戦争が予期せぬデフォルトによって引き返せない状態にまで激化した…ってな具合でしょうか。

第1話~第3話では主にアメリカの描写がメインでしたが、「ヒャッハー!」な感じの武装したノマドが跋扈していたり、「レイド」と称した収奪行為が行われているなど、かなり世紀末感が漂っていましたね。

他方で総理大臣(つまりは内閣や国会など)やNSAのような既存の組織・システムが残っているところを見ると、国や社会がまとめてなくなってしまい、世界のあちこちで戦闘が発生しているような状態ではないことがわかります。

デフォルトの影響で世界各国の経済が破綻、元々発生していた戦争状態が加速化はしたものの、国や社会の根底が覆されるほどの事態には陥ってはいないのでしょう。

むしろ戦闘…もとい戦争行為をシステムの一部として取り込んだうえで社会が維持されている印象すらあります。

ただ、第2話に出てきたアメフト集団の台詞や市民の描写を見る限り、資産を維持している金持ちと経済の破綻によって困窮した人々の格差がえげつないレベルで発生しているようです。

「ゲート」や「壁」という言葉が出てきていたり、アメフト集団が襲おうとした場所が「GATED TOWN」という高級住宅街っぽい場所だったところをみると、おそらく富裕層と貧困層を分ける区切りがこれまで以上に大規模な形で敷設されている印象がありますね。

それっぽくまとめるなら、『2045』における世界は「資本主義の負の側面が加速され、戦争行為が日常化した超格差社会」といった具合でしょうか。

ちなみに今作において重要な役割を果たすと思われるAIですが、サスティナブル・ウォーの経緯を見る限り「1A84」なるAIが色々暗躍していそうな感じがします。

個人的にこの「1A84」という名前…色々大きな意味を持っていそうな予感がするのですが…これは後の記事で詳しく扱いたいと思います。

余談ですが、バトーが口にしていた「サスティナぶってる」という言葉ですが、なかなか印象的ですね。

サスティナブル・ウォーをもじった言葉のようですが、彼はノマドやぼったくりをしているおばちゃんに向けてその言葉をいっていました。

単純に「いきっている」みたいなニュアンスで使っているような感じがしますが、おばちゃんは「うまくやっていかないと」と返していました。

それを踏まえると、「サスティナブル・ウォーを乗り越えるために頑張っている」みたいなニュアンスがあるのかな~と思ったり。

もっと端的に、戦争に寄せて言い換えるなら「戦っているねぇ」みたいな感じでしょうかね。

レイド・ノマド・レイディスト

『2045』、第1話、タチコマ

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

『2045』では「レイド」、「ノマド」、「レイディスト」といった言葉が飛び交っていましたが、これらについて自分なりに解釈してみました。

レイド

まずは恐らく今後も結構出てくるワードである「レイド」。

単純に見るなら、レイドは作中でも出てきた「収奪」と同義でしょう。

富める者から奪い取る…といった具合です。

ただ、アメフト集団の台詞を拾うと、それだけの意味合いではないことが窺えます。

アメフト集団のリーダーは単純に金品が欲しいだけでなく、「金持ちを吹っ飛ばしたい」というある種のイデオロギーを持っているようでしたし、「既に新しい世界を生きている」とのたまっていました。

また、「壁が隔てているものはじきになくなる」ともいっていましたね。

つまり彼らにとってレイドは単純な収奪行為にとどまらず、既存の社会を転倒、あるいは社会から脱却する行為に等しいのかもしれません。

ノマド

ノマドは直訳するなら「遊牧民、放浪者」といった意味合いがあります。

作中の描写を見る限り、ノマドは特定の組織に属さず時にレイドに加担しつつあちこちを放浪する武装した浮浪者…って具合でしょうか。

いってしまえば「ヒャッハー!」を地で行く荒くれ者ですが、イシカワは彼らを「サスティナブル・ウォーの加害者を気取った被害者」と評していました。

つまり彼らはサスティナブル・ウォーやデフォルトの影響で、困窮し収奪行為に加担せざるを得なくなった小市民がノマドの正体でしょうね。

レイディスト

こちらもところどころで聞かれた単語ですが、恐らく「収奪主義者」と同一の意味でしょう。

つまりレイド=収奪行為を生業にしている人です。

過去に少佐達が南米の麻○王を始末した際にレイディストを怒らせたことが語られていたり、アメフト集団が壁の向こう側の人間=金持ちになることに触れられていたのを見ると、レイディストはノマドと違って比較的裕福になりやすく、それこそサスティナブル・ウォーにおける勝者になる可能性があるようです。

また、レイディストとされていたアメフト集団のリーダーが「俺達は既に新しい世界を生きている」といっていた点も興味深いところ。

レイディストは単純に収奪を生業にしているだけでなく、既存の社会を超越し、新たな世界の中で生きている存在だといえるかもしれません。

NSAと親切な金持ちの思惑

『2045』、第1話、ジョン・スミス

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

第3話で登場したNSAと親切な金持ちですが、それぞれ今後の展開に大きく関わる存在です。

NSA、そしてそこの一員であるジョン・スミスですが、かなり強引なやり方を使っていましたね。

まぁコテコテのアメリカのイメージといえばそうですけど(笑)

今後の展開の若干のネタバレを入れるなら、もちろん彼らが少佐達を使う理由はポスト・ヒューマン絡みです。

ただ、個人的に気になるのが第2話のアメフト集団を支援していた「親切なお金持ち」の方。

作中で一瞬彼と思しき人物の背中が映りましたが、彼は自分がアメフト集団にヘルファイアをぶち込まれることを承知のうえで武器を彼らに与えていたということ。

こんな自爆行為にも等しいことを何故やったのか…それは次回の記事で突き詰めましょう(笑)

“オモシロ”スタンダードとおばちゃん

『2045』、第1話、スタンダード

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

『2045』から登場する新キャラのスタンダードですが、思いのほかコメディ・リリーフでしたね(笑)

「オモシロ」というあだ名をつけられた挙句、抜群のヘタレっぷりを発揮。

ああいう役回りはこれまでいなかったから、ちょっと新鮮です(笑)

後、地味にすごかったのがおばちゃん(ブレンダって名前でしたね)。

売り物(形状からしてブリトーかなんかですかね?)を言い値で売りさばくなど、なかなかあこぎな人ですが…(しかも1000ドル以上!)。

自分の臓器を担保に電脳を買った挙句、その電脳が常にフルオープンという異常事態。

いってしまえば自分の個人情報を垂れ流しにしているわけです。

おまけにフルオープンというのもあって、やたらネット広告が張り込んでいましたね。

何かと虫を払うような仕草をしていたのは広告を消していたというわけです。

ただ、彼女があれをやっていたのは自分をライブカメラにするためみたいでしたね。

もしかしたらライブカメラで得た情報を人に売り込む…いうなれば情報屋みたいな仕事をしていたのかもしれません。

あれもあれでサスティナブル・ウォーを生き抜くための戦術といえるかもしえませんね。

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『2045』第1話~第3話感想

『2045』、第1話、少佐

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

あくまで序盤であるため、どちらかというと少佐達のアクションがメインになっている印象でした。

ただ、要所要所であの世界の状況を示す要素を入れ込んでいたので、なかなか興味深かったです。

伸び伸び仕事をしていた少佐達がジョン・スミスのせいでとんでもないことに巻き込まれていきますが…。

そのあたりは次回の記事で深堀りしましょう。

次回は第4話~第6話、ポスト・ヒューマンを中心に掘り下げていく予定です。

ぜひご覧ください!

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