皆々様こんにちは。
「ブギーポップは笑わない」担当の、はうはうです。
今回の第3話、如何だったでしょうか?私は「あっという間の30分」といった感じでした。
その反面、ハイペースな展開や前話から続く「時系列が混在する描写」の問題で、少し分かりにくい点もあったと思います。私も初見では理解が追いつかなかったです・・。
ですのでこの記事では改めて3話を振り返りつつ考察・解説を行い、ここまでの「時系列」を整理してみたいと思います。
スポンサーリンク目次
早乙女の目的とは何だったのか?
マンティコアに協力し、女生徒を襲わせていた早乙女正美。彼の目的は一体何だったのでしょうか?
「普通」でいたくなかった?
凪によって捕らえられた正美達、その中で凪の「これは普通じゃない。俺みたいな異常な奴でないと対処できない事態なんだ。」というセリフに早乙女が、「また、普通ではダメ、ですか。」と呟く場面があります。
早乙女は凪に「あんた、普通の奴だろ。俺に関わるとトラブルになるからさ、ごめんな。」と言われたことを思い出したり、その後も「普通」という言葉にこだわっているようです。
「そう、普通では僕らは満足できない。」
「だから、僕にとってあなたの方が、もう普通の側でしかないということですよ。」
こういった言葉からも、早乙女が「普通」と評価されることに抵抗があり、普通ではない「異常」な側になりたかったということが分かります。
凪への憧れ
先程の早乙女の言葉や行動を見ると、彼は凪に対して憧れを持っているように思えますね。早乙女自身も「あなたにフラれて」と言っていることで、一定の好意は持っていたと考えられます。
ただしその好意が「異性への好意」なのか「異常への好意」なのか、もしくはその両方なのか。マンティコアも早乙女の凪への想いに気付いているようでしたね。
マンティコア「早乙女君、彼女の事が好きなんじゃないの?」
早乙女「なんでそう思う。」
マンティコア「違う?当たりでしょ?」
(凪をコピーすることを話している際に)
マンティコア「それに早乙女君?あなたにとっても。」
この際にどちらも否定していないことから、図星だったようですね
それにしてもマンティコア、鋭い・・!
屋上から早乙女達を見下ろすマンティコアは他の女性と親しそうに話す彼氏にヤキモチを妬いているような、鬼気迫る様子に見えました(笑)
また、前回の記事でも二人の関係について、オペラ「トリスタンとイゾルデ」を絡めて軽く解説しました。
オペラ「トリスタンとイゾルデ」にはトリスタンが最初に愛した「金髪のイゾルデ」と放浪の末に出会った「白い手のイゾルデ」が登場します。
トリスタン=早乙女だとすると、金髪のイゾルデ=凪 白い手のイゾルデ=マンティコア、となるのでしょうか。(二人の生存の違いはオペラとは食い違いますが・・)
最終的に彼らの計画は失敗する訳ですが、エコーズの光から咄嗟にマンティコアを突き飛ばして助けた場面は、まさに「騎士」であるトリスタンの様だったと言えますね。
スポンサーリンクエコーズの目的
これに関してはエコーズの発言が極端に少なく、また彼と唯一コミュニケーションが取れていて事情を聞いていた紙木城が既に犠牲となっているので、エコーズ本人からはハッキリとは言われていませんでした。
ただ、2話での凪と紙木城の会話や3話でのエコーズの行動、凪の発言等から、ある程度の目的は明らかになっていましたね。
凪「天の神様に命じられて、人類を生かすか滅ぼすかどうかの最後の審判の審査に来たんだって。人間が善か悪かどちらなのか判断するためにね。」
エコーズ「我が身を情報に替えて、今、御許(みもと)に報告を送る」
つまりエコーズは「御許」と呼ぶ上位者に対して人間が善か悪かの審査報告を送る役割を担っていたんですね。そして最終的にエコーズは自身を「情報」とすることで凪のいう「天の神様」に人間が「善」であると報告することで、人類は「危機」から脱した、となる訳です。
彼の「人間はどっちなのだろうか」とは、「人間は【善】と【悪】どっちなのだろうか」ということだったんですね。そして彼は紙木城や敬に出会い、人間を「善」だと判断したということですね。
人類を救った二人の女性
エコーズが人類を「善」だと判断したのには二人の女性の存在が非常に大きかったですね。
まず一人目は勿論、「紙木城直子」ですね。
彼女なくして、人類は救われていないでしょうね。彼女がエコーズを保護し、彼の「代弁者」となったことは非常に大きかったでしょう。
エコーズも最後に彼女の笑顔を思い出していることからもその存在の大きさが伺えます。
そしてもう一人が、3話で重要な役割を果たすことになる「新刻敬」です。
彼女がマンティコア達に自らの意志を示したことがエコーズの行動に繋がったと言えますね。エコーズを庇い、マンティコア達の恐怖へと立ち向かった強い意志がエコーズを決心させたとも言えるでしょう。
敬の「私と同じようにあなた達を許せないと考える人は必ずいる!あなた達が何処へ行ったって、誰かが必ず見つけ出す!」という言葉が印象的でした。
スポンサーリンク1話~3話の時系列を整理!
この「ブギーポップは笑わない」、非常に面白い作品ではありますが、各人の視点が入り乱れてる上に日付や時刻の表現が極端に少ない為、「この場面はいつの場面なのか?」が分かりにくくなる時が結構ありますよね。
あえて日付や時刻を出さずに視聴者の想像力に任せる、というのも演出の一つではあると思いますが、やっぱりちょっとモヤモヤしちゃいますよね(笑)
そこで1~3話を見返してみて、私なりに「こうかな?」という時系列をまとめてみました。
あくまでも推測に基づく時系列ですので、これが正しいという訳ではないということでお付き合い頂ければ幸いです。
なお、「○日」という表記については日付が出てこないので私が便宜上そう表現しているだけです。
日付 | 出来事 | 日付の根拠 |
---|---|---|
1日 | 啓司と藤花待ち合わせ・啓示、ブギーポップ、エコーズと遭遇 | |
2日(※1) | 啓司、放課後の屋上でブギーポップと初対面。藤花とブギーポップの関係や、「危機」のことを知る | (※1) ・啓司と藤花のLINEの内容、藤花の「昨日は体調が~」紙木城の「昨日のデート~」発言から推測 |
3日 | 啓司、再び屋上でブギーポップと2度目の会話。藤花の記憶が修正されていること、「魔物」の存在を知る。この日の夜、啓司が多重人格について書かれた本を読む。 |
日付 | 出来事 | 日付の根拠 |
---|---|---|
4日(※2) | 啓司、屋上でブギーポップと3度目の会話。「マンティコア」の存在を示唆される。 | (※2) ・3日夜に啓司が読んだ本の内容「抑えられた可能性」について話しているため、少なくとも3日以降だと推測 |
5日 | 朝方、弓道場の志郎のもとにブギーポップが現れる。啓司、紙木城が行方不明だと知る。屋上でブギーポップの言葉を思い出す。
この日の放課後、マンティコアが倒される。(※3) |
(※3) ・敬の「(紙木城が数日帰宅していないことを)先生が話しているのが聞こえた」という言葉(この教師の会話は3話) ・3話で早乙女と行動してから日を跨いだ描写がない、等から5日の放課後だと推測。 |
6日 | 啓司、屋上で制服姿のブギーポップと4度目の会話。「危機(マンティコアの一件)」が去ったことを伝えられる。その後藤花と学校を出る際に敬・凪と出会う(1話ラストに戻る) |
時系列は恐らく、このようになるんじゃないかと私は考えています。
ただし、これはあくまで啓司の視点に寄せて推測していますので、十分ではないかも知れません。現に2話では末真和子や紙木城の視点がクローズアップされており、彼女達の行動も含めて推測するとまた複雑な時系列になりそうですので、今回はあくまで啓司に寄せて考えることにしました。
こうやって整理してみると、1話で啓司はブギーポップと何度も話をしてはいるものの、マンティコアの一件には蚊帳の外だったと言えますね。また彼自身も5日目に屋上で一人、「俺達普通の奴には、そんな分かり方は出来ないんだよ」と呟いており、「普通」でいることに諦めを抱いている気がします。
「普通」であることに満足できず、「異常」に憧れた早乙女とは真逆の人物として、「異常」な一件に関わることは出来なかったという訳ですね。
危機は去ったが・・新たな敵登場?
そして3話のラストシーンでは謎の人物が登場しました。ほぼ目元と後ろ姿がチラッと程度でしたが・・。
「始まりの終わりは、同時に終わりの始まりでもあるのよ?ブギーポップ。」という言葉を残して学園の屋上らしき場所から飛び降りた女生徒。彼女は一体何者でしょうか。
謎の女生徒=水乃星透子?
3話のエンドクレジットのキャスト一覧、エコーズの下に見慣れない名前がありました。
「水乃星透子」
先程のセリフの声が花澤さんっぽい声でしたし、登場人物で初見なのはこの人物くらいでしょう。セリフの内容も意味深で、不吉な文言であることからして、彼女が次の「危機」をもたらすのでしょうか。
水乃星=水星?地球?=エコーズと関りがある?
まず「水乃星」という苗字から連想するのは、「水星」でしょうか。空の星と関係するとすればエコーズですが、彼女はエコーズの仲間なんでしょうか。
そして地球もまた「水の惑星」と呼ばれていますから、もしかすると彼女もエコーズと同様に地球に何らかの「審査」をしにきた生命体、なのかも知れませんね。
スポンサーリンク「ブギーポップは笑わない」3話視聴後感想
3話はこれまでの話の核心を突く内容で、その決着のつけ方にスッキリした方も多かったのではないでしょうか。その点では、これ程濃い内容を30分によく収められたと感心致しました。
個人的には早乙女やマンティコアの話はもう少しスローペースで進むのかと思っていたら、まさか3話で二人とも退場してしまうとは・・。いいキャラだったので少し勿体ない気もしますね(笑)
特にマンティコアの健気さというか一途なところはときにその本性を忘れてしまう魅力がありましたし、早乙女も普段の行いこそ褒められないものだったにせよ、身を挺してマンティコアを助けたシーンには少し胸が熱くなりました。
ラストに登場した新キャラ「水乃星透子」(と思われる人物)がこれからどう関わってくるのか。マンティコアの一件で「異常」な世界を見た敬や志郎はこれからどうなっていくのか。
マンティコアの一件は去っても、まだまだ世界の危機は去っていないようですし、近い内にブギーポップが再び表出することになりそうですね。今度は啓司も関われるのでしょうか・・。
それでは皆々様、次回の記事でお会い致しましょう。
はうはうでした~。
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コメント
こんにちは ひろです。
今回で 「笑わない」編が完結でした。3話をみた後、原作を読んでみましたが、ほぼ原作通りのアニメ展開だと思いました。
これ、複数の登場人物の視点からみた一連の事件の流れを追っているので、最後にすべてのピースが当てはまるようになっているのですが、途中の経過がわかりにくいですね。
あと、一部戦闘シーンがあるものの全体としては、会話劇がメインであまり動きがないのでアニメにした時に緩慢になっている印象を受けました。
原作から少し逸脱してももうすこしアニメならではの演出があってもよかったのではと思いました。次回以降は新たな展開になるようですので楽しみです。(原作未読です。)また来週よろしくお願いします。
1、2話から物語の「時代背景」の「現代(現在)アレンジ」が随所に見られますね。
今回の3話においても、原作だと早乙女がエコーズへの攻撃に用いたのは『鉛筆』でしたが『ノック式ボールペン』に変更されていました。
そういったアレンジを見付けていくのも、この作品の楽しみ方の1つなのかもしれないですね。
>ひろさん
コメントありがとうございます~
そうですね~、途中経過が分かりにくいですよね~。
時系列が判然としないことで視聴者の想像を掻き立てる、といった所でしょうか。
あえて読みづらくすることで読者や視聴者を物語に惹き込むといった感じですね。
戦闘シーンに関してはあまり派手なアクションではなかったですね~。
今回は導入として話のパターンを視聴者に伝える意図かも知れないですね。
PVでは凪の戦闘シーンもありましたし、本格的なものはこれから、ですかね(笑)
>名無しさん
コメントありがとうございます~。
原作が結構前なので当時の世相は現代風にアレンジされている訳ですね~
当時は携帯だったのがスマホを使っているという内容も見つけました(笑)
確かにその時代のものを現代に置きかえるとどうなるか、は楽しみなところですね~。