許す者と許される者。許されるを拒む者と許せぬを拒む者。
はいどうも! ロシアスキーです!
無限の住人は今回六話が放送となりましたねー。
今回もバトル回だったのですが。ちょっと……色々と考えさせられる回でしたね。
では、参りましょう!
スポンサーリンク目次
無限の住人 IMMORTAL 第6話 あらすじ
そこで万次が出会った面屋の男、川上 新夜。
この新夜もまた、凜の復讐の相手。逸刀流の人間であった。
だが凜は息子たる練造と穏やかに暮らす様子の新夜を見て決意する。
新夜の元を一人訪ねる凜の思惑とは……?
ということで。今回は基礎に立ち返り凜の父が倒された時に、現場にはっきりと姿のあった敵の登場と相成りました。
ただ……この六話にして凜の内面、強さと弱さを描いてくるとは思っていませんでしたね~。
考えれば、もう六話目なんですよねぇ。全体の四分の一を消化しているわけですし。
ここから先、様々なことが次々に描かれる予感がいたしますね。
ではでは、今回の要点を語って参りましょう。
スポンサーリンク川上新夜はなぜ凜に襲い掛かったか
今回まず語りたいのはこちら。『川上 新夜はなぜ凜に謝らずに襲い掛かったのか』という点でございます。
まぁ普通に考えれば。この新夜の行動はある種の「悪人らしい行動」とは言えます。
無法を働いた自分へと過去が送り込んできた敵。明確な敵意を持つ復讐者。
今現在穏やかな生活を送っている新夜としては、その生活を脅かす凜のことは排除しようとするのが当然でしょう。
ですが、凜はこの新夜に対しては「練造がいるため、復讐しようとは思わない」という胸中を明らかにしております。
もちろん凜の心中としては、完全に新夜を許したわけでもないでしょう。
とはいえここで新夜相手に復讐を果たしてしまえば今度は自分が練造に追われることになる。
そして自分が練造に倒されれば、もしかしたら自分の関係者が練造を追うことになるかもしれない。
その復讐の連鎖の業の深さと悲しみを考えた時、凜は間違いなく『自分が耐える事にて新夜への復讐から成る負の連鎖を断ち切る』と考えたわけです。
少なくとも新夜も逸刀流に名を連ねる剣豪。凜のような経験不足の少女の胸中や感情くらいは、読みきれると思うのですが。
ならなぜその思いに迷いあれど嘘はない凜へと襲い掛かったのか、という部分ですが。
私としては『それは止むを得ない決断だったのではないか』と思います。
どういうことかといいますと、キーポイントは新夜の凜への一言にあると私は考えました。
『次の仕事が終わったら、こいつらで食っていくのも悪くはねぇかな、と』という言葉。
そもそも新夜は表向きは面屋を営んでいるわけなのですが、このセリフの時に映し出された画はその商品たる面でした。
この前の台詞で新夜が語っていたのは自分が昔剣を振っていたという事実。
それらを組み合わせると、ちょっと言葉に違和感があるんですよね。
今すでに、『完全に剣を捨てた』人間であれば。
『こいつらで食っていくためには、もっと仕事を受けないと』とか。『これで食ってますからね』ですとか。
そういう台詞こそ相応しいのでは、と私は思います。
そう考えますと。この時点で新夜が言った『次の仕事』とは。面作りではないのではないでしょうか?
更に新夜の現在の素性を考えるに当たり、気になる点はもう一つ。
新夜は万次と戦う最中、万次の名をハッキリと呼んでおりました。
少なくとも、描かれた中では凜は万次のことを語ったようには見えませんでした。
つまり新夜は万次のことをあらかじめ知っていたということではないでしょうか?
そう考えれば最初に万次と出会った時の新夜の雰囲気も違って見えてくる気がしませんか?
ハッキリと言ってしまえば。恐らく新夜が引き受けていた次の仕事とは。
天津から、凜及び万次を倒すように命じられていた、ということではないでしょうか?
それをこなせば、今度こそ面屋として生きていける。
逆に言えばそれ以外の選択肢は立場上選ぶことができなくなってしまっているとも言えます。
断れば逸刀流の人間がどんな手段に出るか分からない。
新夜にとっては、穏やかな生活を望むのであればどうしても凜と万次を倒すしかないという状況だったわけですね。
だからこそ、新夜は万次の一撃を貰った後、実に大人しく介錯を望んだのでしょう。
練造という最愛の息子と共に過ごしたからこそ。過ごしたいからこそ。
修羅から人に戻っていた新夜はある種、既に諦めていたのではないでしょうか。
あるいは、こうなることを悟っていたのではないでしょうか……。
そう考えると。今回の戦いもまた。決して気が晴れるものではなかったですねぇ……。
とはいえ、そもそも復讐の旅とはそういうもの。
これまでも凜の迷いというのは部分部分描かれておりましたが。
今後は凜にとっての成長がより重要視されてくるのではないかなぁ、と。
そう思わせるエピソードでございましたね。
う~ん。しんみり……。
スポンサーリンク凜の残した言葉の意味は?
続いて語るのはこちら。このシーンで凜が残した言葉なのですが。
これにはどんな意味があるのでしょうか?
ちなみに全文ですと「あけて らせつにみを やつし」となりますが。
これは漢字にしますと、『明けて 羅刹に身を やつし』となりまして。
もう少し読みやすくするのならば『明けて 羅刹に 身をやつし』という分解になりますね。
肝心の意味なのですが。
これはもう単純明快です。
『夜が明けたら羅刹となりて復讐に行く』ということですね。
要するに、万次に対して復讐に行ってきますという書置きを残したシーンだったということなのですが。
そりゃあ万次さんだって、復讐に行くって言ってるのに剣を置いたままなのを見れば。
『復讐するっつってんのに剣置いて、何をどうする気なんだ?』と。
そう苛立ちもするでしょうねぇw
まぁ凜としては新夜を糾弾し謝罪させることこそ新夜への復讐と思っていたわけなので。
剣を持たずとも不退転の決意を胸に抱いていたのは間違いないのでしょうが。
とはいってもそんなの傍から見たら正気の沙汰では無いというか……。
前々から思ってましたが。凜ちゃんと万次さんはもうちょっと互いの気持ちとか。
あと、思惑とかをちゃんと共有したほうがいいと思うな、ワシw
まぁでも。よくよく考えれば書置きをしただけ凜ちゃんも成長してますかね。
勝手に突っ走って勝手に戦ったりしないで、ちゃんと万次さんに何をしようとしているのかを伝えてるわけですしね。
万次さんだって歴戦の猛者。事前に出会った新夜の気配と、新夜を見た時の凜ちゃんの表情を見れば大まかな所は察せたでしょうし。
そのおかげで、万次さんは新夜の居場所へとたどり着いたわけですからね。
なんだかんだ、お互いの間に信頼が芽生えてきてるということですかねー。
万次の内面について 新夜の指摘を踏まえて
続いて語りますはこちら。『万次の内面の変化について』でございます。
今回万次さんと新夜が戦ってる中、新夜は万次さんに『凜を傷つけるのがそんなに怖いのか』と問いました。
これに対しては万次さんは何も答えませんでしたが。ある意味ではその無言こそが返答そのものとも言えるかもしれませんね。
そもそも万次さんは一話時点では、あまり凜ちゃんの用心棒を引き受けるのに乗り気では無い感じではありました。
ですが、それも話が進むに連れて、結構わかりやすく変化してきている部分が見受けられます。
例えば三話で槇絵と再戦する時には、わざと凜ちゃんを遠ざけるような態度を取っていました。
あるいは二話。凜ちゃんの手伝いをするだけなら必要無い親の刀の回収を、わざわざ万次さんは自主的に行っております。
また、五話では窮地にある自分を助けようとする凜ちゃんが外に飛び出すのを制止してもいました。
特に五話では万次さんはかなりのピンチに陥っていたにも関わらず、まず凜ちゃんのことを案じた言葉を口にしていました。
あと五話では特に印象に残っていたのは、凜ちゃんのことを名前呼びしているんですよねぇ。
これらを総合して考えるに、もはや万次さんの中では凜ちゃんは大きな存在になっているのは間違いないでしょう。
ではなぜ万次さんは凜ちゃんのことを大切にしているのでしょうか?
やはり一番大きいのは、妹の面影を凜ちゃんに重ねているという部分かもしれません。
斬った張ったでは無敵の万次さんではございますが。自身の大事な妹を守れなかったというのは、大きな傷となっていることでしょう。
その妹に似ていると感じている凜ちゃんを守れない、ということは。
万次さんにとっては最も恐ろしく全力で回避すべきことだというのは間違いありません。
もう一つ私が考えたのは、凜ちゃんの境遇もまた、万次さんにとって見捨てておけないことなのではないでしょうか?
一話冒頭の映像が万次さんの妹に起きた出来事をそのまま描写しているのだとすれば。
万次さんの妹はなんの罪も無いにも関わらず命を奪われたということになります。
それはある意味で、凜ちゃんも似た境遇にあって。
ただ幸せに暮らしていたであろう凜ちゃんもまた、家族を一方的に奪われたんですよね。
力無き者が蹂躙されるという不運。そして不幸と悲しみ。
それを知っている万次さんだからこそ、逸刀流の非道に思うところがあり、凜ちゃんを助けたいと思っているのではないでしょうか?
更に言うのなら、凜ちゃんは復讐を志しているものの、非道な人間ではありません。
むしろ、人間味を残しており、決して暗い道を歩むなど似合わない女の子とも言えます。
その人間味こそが。どこか刺々しく。あるいは無気力に近しく生きていた万次さんにとっては……。
かけがえなく眩しいものだと思えているのでは無いでしょうか?
目の前にある、その輝き。人間性。
一度縁を持った以上、それは決して奪われてはいけない。奪わせてはならない。
万次さんはそう思い、必要以上に過保護なまでに凜ちゃんに接しているのでは無いでしょうか?
まぁ要するに、凜ちゃんは万次さんにとって『人間としてあるべき何か』を感じさせる。取り戻させてくれる存在なのではないかなぁ、と。
私はそう考えております。
何せ万次さんは不タヒの身。普通の人間とは感覚も考え方もズレていってしまう存在でしょうから。
そんな万次さんを人の世の摂理に繋ぎとめてくれる凜ちゃんの存在というのは。
いわば、万次さんにとっての半身と呼べる存在になりつつあるのではないでしょうか?
……って考えると。間違って凜ちゃんが逸刀流の人間にさらわれたりなんかしたら。
万次さんすげぇ怒りそうだなぁ、なんて思ったり。
そんな風なことが起きて、万次さんが無茶な暴走をしなければいいんですけどねぇ……。
スポンサーリンク無限の住人 IMMORTAL 第6話 感想
さて第6話の個人的感想なのですが。
……いやぁ~……イイなぁ……。
と、思わず語彙が消失してしまいましたが。
今回は非常にイイですねぇ。いや、実に王道。実に時代劇なエピソードでございました。
いつか『過去を捨て全うに生きようとしている敵との戦い』という話はやるだろうとは思っていたのですが。
それがこんなに早く来るとは思ってませんでしたから、嬉しい驚きというヤツですね。
ほんとこの、『なんとかして悲劇を回避できたかもしれないのに』という余韻、物悲しさ。
これってホント、時代劇の妙といいますか。すばらしい味を生み出すんですよね~。
切なさ。侘しさ。哀しさ。苦味にもにた後味の悪さ。
そういった物を感じさせられつつ、それでも、と思ってしまう。
ここまで凜ちゃんと万次さんを見てきたからこそ、何か、新夜への同情が出来ない。
でもだからといってスカッとする話でもないから、心と記憶に残ってしまう。
これがこの尺でキレイに描ききってくれてるからまたたまらない……。
やっぱり思うのは、復讐という物のもつ複雑さとか。
あと、人間模様とか。そういうのが無限の住人では重視されてるんですよね。
単純な勧善懲悪でないというのは前回の記事でも書きましたが。
単純なバトル物でもないんだぞ、という感じですよね。
まさしく、まさしく物語なんですよ。一つの絵巻なんですよ。
前回地味だとか言いましたけど、いや改めさせていただきます。
これは、そういう色味の世界なんだ、ってことですね。えぇ。
遠く遥か昔の時代を舞台としているからこそ。描かれる空気感。
ノスタルジィを更に通り越した、我々の心と遺伝子を刺激する遠すぎる望郷感とでもいいましょうか……。
いやぁ、ほんと、余韻が凄い……。
このまま、ガッチガチに鉄板の時代劇臭さをしっかりと描いて欲しいですね!
以上、ロシアスキーでした! 次回もどうぞよろしくお願いいたします!
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コメント
ども、よろしく。
う~ん、実は、余りコメントする処がないんだよね。
原作を読んでしまったからなおさら。
案外この作者さん、作品を素直に読ませてる。
それと、物語であっても作者さん、子供はコ口せなないんじゃないか?と思う。
アニメの方は、短縮されてるとはいえ、動き、声の演技、色合い、音がいい。
漫画が思考に訴えてるとしたら、
アニメは情感に訴える。
そんな風に私は感じる。
では、此にて御免。
てけり・りさん
コメント、ありがとうございます。
自分は原作未読なのではございますが。
聞こえてくる感想ら判断するに。
基本形として原作を重視しているのかな、と思っていたり。
そこから考えるに、原作は設定こそひねっているものの。
実際は王道復讐エンターテイメント時代劇なのかな、なんて思っております。
ただ、個人的にはほぼほぼ全部の要素が好みなのではございますが。
斬り合い時のカメラワークが、結構……。
偏頭痛もちや、フラッシュなどに弱い人には辛いかなー、なんて思ったり。
自分は大丈夫なんですけどねー。
色味や構図が好きなだけに、ソコが気になってしまいますね。