少佐のいない現実を受け止め、ドールとして再び歩み始めたヴァイオレット。
想い人を失い、目の前に真っ暗な世界が広がろうとも進み続ける━━第10話では、どこかそんな彼女とシンクロするひとりの少女が描かれていましたね。
様々の境遇に立つ人々のストーリーを描く本作の中でも個人的に最も心に響きました、
私自身も色々と思いを馳せつつ、っかりと振り返らせていただきたいと思います。
スポンサーリンク一貫性のとれたストーリー
来客に対応する母親のもとを離れ、ひとり人形と遊ぶ少女「アン・マグノリア」。
「お客様はきらい」という言葉や、同じく客人として訪れたヴァイオレットを最初はあまりよく思っていなかったことからも、体調が優れない母親が他界した後の地権を狙う来訪者の多さが窺えました。
そんな人たちとヴァイオレットを同じ、とまでは考えていなかったと思いますが、やっぱり“母と自分の時間を奪ってしまう誰か”の存在はきらい。
ただ七日間も同じ屋根の下で過ごす中、ヴァイオレットも参加したあの大戦で父がいなくなったことも描かれていましたね。
毎回違う世界で過ごす人物のことを取り上げているのに、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という一つの作品としての一貫性を感じられるのが、本作の魅力の一つだと実感できました。
わかっていても泣いてしまう
母親の儚い命の灯火と大切な時間を削ることで書き上げた手紙の数々。
その宛先は、未来のアンに送るためのものでしたね。
母親の「仕上がりそうかしら?」という言葉からおそらく1通や2通ではなくたくさんの数の手紙を書いていること、そして親娘の境遇なんかを考え「たぶん、そうじゃないかな?」と予想していたのですが、それでも私も気づいたら泣いちゃってました。
エンディングの中でアンが成長していく姿、そしてその彼女の姿を予想し書き綴った母の手紙の内容、アン自身が母親になり自身が母からもらった愛情表現を娘に与えていて━━いやぁ、わずか3分くらいだと思うんですけど、その内容一つひとつがめちゃくちゃ心に響きました!
予想した、なんて表現をしちゃいましたが、作中の描き方は想像のはるか上をいくかたちだった!
あと、キスをするシーン。
こちらは大切な人への愛情表現として、母親からアンへ、アンからヴァイオレットへ、またアンから愛娘へと送られていたこともすごく感動しました。
多くの人とこの思いを共感できたらいいなと、本当に感じています。♬
スポンサーリンクヴァイオレット・エヴァーガーデン 第10話感想
第10話の最初のあたりのヴァイオレットの行動を見ていた際、「あれ? また感情が乏しくなっている?」、なんて感じちゃいましたが全然そんなことなかったですね。
ひとりで生きていくアンを想い涙するヴァイオレット、きっとアンにその姿を見せまいと我慢しているが故に、冷静な対応を心がけていたのかもしれません。
これだけをとって見ても、今回の10話が大きな意味を持つお話だったのではないかなと思えます。
また、これまではヴァイオレットと同年代や年上の依頼者が多かった中、今回は子どもの心のうちにスポットを当てていたこと。
これも作品の世界観を大きく広げていく大きな要因になったのではないでしょうか。
そんな本作が次回どんな物語を紡ぐのか、楽しみに待ちたいと想います。
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