当記事に先の展開のネタバレは含まれていないのでご安心下さい。
皆々様こんにちは。
『グレートプリテンダー(以下『グレプリ』)』担当のgatoです。
前回は迫力満点のエアレースが繰り広げられる一方で、イブラヒム兄弟の強烈さが発揮され、アビーの凄惨な過去の一部が明かされました。
とりわけアビーに関しては自ら命をかなぐり捨てるような危うさが明確になり、彼女の今後が心配される展開に…。
そんな火種だらけの中、物語は次なる展開へ。
今回はコンゲームに関わる様々なゲストの描写が増えているようです。
ゲストのどんな一面が明らかになったのか、早速振り返っていきましょう。
復讐のミューラー夫妻
今回のコンゲームはエダマメをメカニックとしてイブラヒム兄弟のチームに潜り込ませ、サムをでっちあげの裏力ジノに誘導。
そこでアビーに賭けさせたうえでわざと敗北し、サムの資産をかすめ取る…第6話でダニーをはめた時の手口の発展形というわけです。
そしてエダマメがイブラヒム兄弟のチームに潜り込むアシストするために来たのが、第6話で名前が出てきたルイスと妻のイザベルです。
慈善団体に寄付していたというルイスですが、意外と善人ではなくしっかり復讐に憑りつかれていたので、夫婦揃ってイブラヒム兄弟に一泡吹かせよう…としているかと思ったら、そうでもない様子でしたね。
ルイスは「サムの命を奪え」、「クラークを袋叩きにしろ」と過激な発言が多く、おまけに「マシンも会場も壊せ」と口にしているなど、エアレース自体を憎んでいる節も見られます。
一方で詐欺のようなこすい手には否定的であり、非協力的…でもイザベルをコンゲームには参加させる。
うーん、なんていうか、イマイチ一貫性を感じない。
復讐心はあるけど、手段が気に入らない、だけど妻は協力させる…なんていうか、復讐したいという気持ちが半端な形で表出しているんですよね。
何かと錠剤を呑んでいるところを見ると、ちょっと精神的におかしくなっているところはあるんでしょうけど、それにしても感はあります。
さらに気になるのが妻のイザベル。
ルイスを甲斐甲斐しく世話しているかと思いきや、どちらかというとルイスに振り回されている印象ですね。
コンゲームに参加したことを無邪気に楽しんでいたり、自分勝手な夫に悪態を吐くなど、旦那と復讐心を共有する健気な妻というわけではないようです。
演技とはいえ、イブラヒム兄弟と親し気に話していたり(彼女は必ずしも兄弟に攻撃的ではなかった)、クラークやサムが彼女の様子に違和感を覚えていないところをみると、イザベルと彼らの関係も必ずしも悪いようではない模様。
彼女がルイスの事故の真相を知らない前提があるにせよ、イザベルはどこかルイスの復讐心に対して距離がある気がするんですよね。
個人的にイザベルの立ち回りが今後大きな影響を持つ予感がしたり…。
ルイスの事故の真相
ルイスを再起不能にした事故に関しても、今回は疑問点が出てきました。
これまでサムの台本に忠実だったルイスが反旗を翻したのは一回だけ。
なのに既にルイスのプロペラ機には細工がされていた…つまりルイスの叛逆は読まれていた。
だとしたら、誰がルイスの裏切りを密告したのか…。
前述を踏まえると、個人的にはイザベルが一枚噛んでいると思っています。
まだ核心的な情報は出てきていませんが、イザベルはルイスの振る舞いに不満を覚えている節がありましたし、復讐に対してそこまで積極的な感じでもありませんでした。
そう考えるとイザベルが…と思いたいですが、サムはイザベルが事故の原因を知らないと思っているような態度でした。
だとしたらイザベルは裏切り者ではない…かもだけど、匿名で密告した可能性もありますからね…もう少しイザベル説を引っ張りたい…(笑)
というか、個人的にイザベルがルイスの事故の原因を作ったのなら、面白い構図ができるから推したいだけなんですけどね(笑)
前回サムは「エアレースは男のスポーツ」と語り、女であるシンシアが介入してくることを拒絶している節がありました。
元パイロットであるルイスの亭主関白ぶりもサムのスタンスに近しいものがあります。
しかし今回のレースでは詐欺師としてイブラヒム兄弟を破産させる目的を持つシンシアやアビーが参加し、さらにルイスに不満を持つイザベルが関わっている。
つまり男が支配するエアレースを、そこでは蔑ろにされる女達が壊そうとしている文脈が出てくるわけです。
そうなるとイザベルが裏切り者だったら、自然とこの文脈に合致するので、なかなかきれいな構図になるんですよね。
だから個人的には、イザベル=裏切り者説を推奨したい(笑)
アビーの過去とルイスの前歴
今回はルイスとイザベル、イブラヒム兄弟の描写とエダマメがサムとクラークの信頼を得ていく過程がメインでしたが、相変わらずアビーの描写も所々出てきていました。
とりわけ印象的だったのが、アビーがルイスの過去を知りたがっていたところ。
まぁルイスが「元軍人」であり、前回の回想でアビーが戦場にいたことを踏まえると、自ずとつながりそうなところではあります。
単純に考えるとアビーの戦場にルイスも別の立場で関わっていた(順当に考えれば体制側)…てところでしょうか。
後はルイスが積極的に寄付していた人道支援の対象にアビーがいたとか…。
個人的にアビーが「元軍人」というワードに反応していたところから、ルイスとの接点を持ったのは彼が軍人を辞めた後の予感もします。
うーん、情報が少ないからなんともいえませんが、アビーが「元軍人」というワードでトラウマを触発された描写がないところを見ると、少なくともルイスは単純な憎悪や恐怖の対象ではない感じがしますね。
悪い兄と善い弟
前回の記事でも色々掘り下げてみましたが、今回もイブラヒム兄弟の描写は印象的でした。
とりわけ兄のサムは「根っからのワル」を称して振る舞う露悪的な一面も見せました。
ただ、個人的に今回はサムの印象がちょっと変わったんですよね。
確かにサムは冷徹で疑り深くて、男尊女卑ど真ん中ですけども、エダマメに裏力ジノに案内された際はわざわざ変装したり、VIPルームで悦に入るなど、意外とノリがいい一面が。
さらに「善人面する奴は信用できない」と語りつつも、エダマメがルイスをけしかけてはめたという設定を知るなり態度を軟化させるなど、なんやかんやで人を信頼しやすい一面も。
なんていうか、総合するとサムって「面倒くさい思春期」って印象なんですよね。
実際に才能があるのも手伝って、高慢で冷徹な大人ぶっているけど、実際は他人に対して潔癖なまでに神経質(だから不信感を持ちやすい)で、子供っぽさを残している…例えるなら自分に自信がある『エヴァンゲリオン』のシンジみたいな(適切な例えかはわかんないですが笑)
でも、そう考えるとローランやシンシアが彼を「ガキ」呼ばわりすることにも得心がつきます。
個人的にサムは「善人面した女」に騙されて、それによって勘当され、現在の人間不信+女嫌いのパーソナリティを作り上げた…なんてバックボーンがありそうな気がします。
まぁ女嫌いに関しては単純にサムが10代しか愛せない〇リコンの可能性もあるかもしれないけどね!(笑)
また、そんなサムの過去を知っているのなら、一見彼と真逆の人間性に見えるクラークと仲良くやれていることも不自然じゃないですね。
お人好しであどけなく、女好きなクラークはサムと真逆の性格ですが、裏力ジノに興味を持つサムには呆れつつも、受け入れているかのような反応でした。
あれを見ると、クラークは真逆の人間性を持つサムの行為にあまり嫌悪感を抱いていないことが窺えます。
だとしたら、過去を知っているからこそクラークはサムの理解者でいる…という風に解釈できそうですね。
うーん、あの兄弟がどんな結末を向かるのか、ちょっと気になりますね。
ただ、台本ありきのレースにうんざりしている節があるクラークがサムを裏切る…って展開はありそうなんだよなぁ(笑)
『グレプリ』第8話感想
レギュラーメンバーよりイブラヒム兄弟やミューラー夫妻の描写が多い一方、アビーの動向もしっかり描かれていて、なかなか見応えがある回でした。
もちろんエダマメとアビーの関係の進展もあり!
結果は空振りでしたけど、エダマメがアビーの核心に迫ろうとする場面は…なんか甘酸っぱかったな(笑)
というか高所恐怖症なのにちゃんと観覧車でシチュエーションを作るなど、エダマメは結構マメな奴ですね…枝豆だけに(笑)。
意外とエダマメの強みは悪賢いことや演技が上手いことではなく、相手の機微に敏いところかもしれませんね。
次回はどんな展開になるのか…楽しみですね!
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