当記事に先の展開のネタバレは含まれていないのでご安心下さい。
皆々様こんにちは。
『グレートプリテンダー(以下『グレプリ』)担当のgatoです。
前回はイブラヒム兄弟やミューラー夫妻の描写が多く、色々隠された秘密があることを窺い知るものでした。
とりわけ壮絶な過去を持つアビーがルイスに興味を持っていたことには、何か裏がありそうな予感がしますね。
一方でエダマメはエダマメなりに不器用に彼女の心の傷に触れようとします。
今回はアビーの過去に更にスポットライトがあたる模様。
一体どんな顛末になったのか…早速振り返っていきましょう。
金に困った王子様
今回はローラン達が仕掛けた罠にサムがズブズブはまっていく過程が描かれました。
いやー…サムからそこはかとない小物感が(笑)。
というか、裏力ジノに手を出したのは悪事を楽しみたいからというより、単純にエアレースの運営資金欲しさだったんですね。
まぁ八百長のために金をばら撒いているようですし、普段から贅沢三昧のようなので資産が足りないなることは想像に難くありません。
おまけに餌代の回収のためにローランに負かされたことにより、さらに深みにはまっていく模様…。
どうやらコンゲームのお膳立ては完璧に整ったようですね。
というか、サムが結構な額を奪われたのにクラークは呆れるだけで、怒ったり責めたりする感じはないですね。
あの様子を見ると、サムとクラークが対立するフラグはなさそうですね。
そもそも、今の所ローランの筋書きにクラークを動かす要素はあまりないですし、意外と彼はコンゲームのキーパーソンではないかもしれません。
戦争と復讐
今回はかねてから小出しにされていたアビーの過去の全容が明らかになりました。
バレエに熱中した幼少時代を送ったアビーは両親とバグダッドで仲睦まじく暮らしていましたが、ある日突如の空爆によって両親を喪います。
復讐の念に駆られたアビーは武装勢力に入って戦いに明け暮れますが(恐らく相手は米軍)、志半ばで負傷…恐らく武装勢力を抜けた後、どこかでローランに拾われたのでしょう。
回想や台詞を拾う限り、多分イラク戦争がモデルなのでしょうね。
また、彼女が飛行機に乗ると様子がおかしくなったのは空爆した戦闘機と重ねていたからでしょう。
そしてなんとルイスがバグダッドを空爆したパイロット…と思しき展開になりましたが、ルイスがアビーの質問に答える前に終わってしまったので、回答はお預けになってしまいましたが…。
アビーに話を戻すと、彼女が度々踊り子がデザインされたメダルを眺めていたのは家族と共に過ごし、バレエに打ち込んだ在りし日々を思い返しているのでしょう。
そう考えると、事情を知らないとはいえ、エダマメがアビーに接近することに得心がつきます。
エダマメが父親の誠司の逮捕によってありふれた平凡な生活(カプセルトイに倣って「農民の生活」としましょう)を失ったように、アビーもまた空爆によって農民の生活を失いました。
つまり二人ともどうしようもない理不尽によって農民の生活を奪われたという共通点があるわけです。
さらにエダマメは農民の生活を奪われ、工藤の詐欺に巻き込まれてから、父親に戒められていた悪徳(詐欺師)の道を進むことで、善良だった自分の自己否定を行っていました。
同時にアビーも自分の命を平然とかなぐり捨てるような危険行為に繰り返すという、ある意味究極的な自己否定を行っています。
これまた、「過去が原因で自己否定行為を繰り返す=自暴自棄になる」という点も共通しているわけです。
ただ、エダマメはハリウッドでのコンゲームをきっかけに自分の生き方を考え直すようになり、それからアビーに接近するようになります。
エダマメの中の葛藤や苦悩が完全に解消されたわけではありませんが、コンフィデンスマンになったことは、エダマメにとって重要なターニングポイントになりました。
個人的にエダマメにとってコンフィデンスマンは自分が否定しようとした大切なものを保ちつつ、新しい人生を生き抜く道なのかもしれません。
そしてエダマメは無意識に、アビーにも同じ道を提示しようとしているのでしょう。
エダマメがどのような形でアビーと打ち解けるかは次回に期待するしかないですが、アビーの場合は「自分の命を否定している」ので、彼女の命に対する向き合い方に一石を投じるような形になるかもしれません。
後、余談ですけどアビーがイラク出身なら名前は偽名ですかね?
明らかに英語圏の名前ですけど、イラク生まれなら中東系の名前を別に持っていそう。
翼に焦がれて
アビーの復讐対象であることが発覚したルイスですが、今回は彼がまだ飛行機への未練を捨てられていない描写がありました。
目の前で繰り広げられているエアレースや、過去の自分の飛行を思い出しながら操縦桿を動かす仕草をしたり、しきりに足を動かしているなど、まだまだパイロットである自分を残していることが窺えます。
初登場時はエアレースへの恨み辛みを零していたルイスですが、実際はまだ飛行機やエアレースを愛しているようですね。
また、彼の過去が軍人だったことや人道支援への寄付をしていたことを踏まえると、ルイスにとってエアレースは飛行機への愛着だけでなく、過去の贖罪も兼ねていたことなのでしょう。
ただ、サムのせいでそれすらもできなくなった…だからこそ彼も自暴自棄になっていたのでしょう。
どうやら、かつてのエダマメやアビーだけでなく、ルイスもまた過去のために自暴自棄になっていた人物といえそうです。
さすがに彼はコンフィデンスマンにはならないでしょうけど、『Singapore Sky』は彼が新しい人生を生きるうえで守るべき大切なものを見つける物語の一面もあるかもしれません。
まぁこの場合は飛行機なのでしょうけど…。
ところで、ルイスが微妙に足を動かしていましたけど、彼が下半身不随だとしたら結構回復してきてる証拠なんですかね?
これは結構希望が見えてきそうだな…。
後、前回の記事でルイスを裏切ったと予想したイザベル…ですが、今回見ているとなんともいえなくなってきたな(笑)
確かにイザベルとルイスの関係はギクシャクしていますけど、回想のイザベルの笑顔を見ていると、やっぱり彼女は空を飛ぶルイスを応援していたようなんですよね。
だとしたら、あくまで自暴自棄になったルイスとギクシャクしているだけで、イザベルはまだルイスへの愛情を持っているのかもしれません。
コンゲームに積極的に参加していたのもルイスの状況を変える一助になればと思ってのことなのでしょう。
だとしたら…健気や(笑)
『グレプリ』第9話感想
アビーの過去の全容やルイスとの因縁が明らかになり、何やら展開がハードになってきた印象です。
一方でこれまでの記事で書いた予測が悉く外れそう(笑)
今回はわりとシンプルな物語になりそうなのかな…。
シンシアがFBIに化けていた件もあるので疑心暗鬼になり過ぎたかも(笑)
何はともあれ、次回は「Singapore Sky」クライマックス!
欲望渦巻くエアレースで、どうやってイブラヒム兄弟の資産をだまし取るのか…。
コンフィデンスマン達の戦いに注目です。
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