妹の外見になった麻衣さん、そして姉の姿になったのどか…中の人の演じ分けは称賛に値しますね…!!!
ごきげんよう。「青ブタ」こと『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』考察担当の模造紙です。
双葉の清々しい親友グッドENDから1週間…前話でもチラっと登場したアイドル・豊浜のどか編の開幕です。
前回記事はこちらです▲
一応事前情報として、麻衣さんとのどかは腹違いの姉妹関係にあるという点は抑えていたため、問題の要になるのはコンプレックスなんだろうと予想はできていましたが、考察を進めていくにつれてなかなかに拗れた間柄なのかなという考えに至りました…(ガクブル)
というわけで、今回も気になったポイントについて語って参ります。どうぞお付き合いくださいませ!
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姉妹間コンプレックスを絡めての入れ替わりネタ
朝起きたら別の人物と入れ替わっていた…!!
なんて二次創作では使い古されたド定番ネタではありますが、思春期症候群を絡めると格段に面白く感じられる要素で視聴しつつ感心しました。
あ、それがあったよねっていう。
のどかと麻衣さんの中身が入れ替わってしまった原因については、作中で双葉や咲太が指摘しているとおり「出来のいい姉に対するコンプレックス」であるのは確かなようです。
ではなぜ、コンプレックスがある相手の肉体と入れ替わってしまったのでしょうか?
コンプレックス=なりたいものへの憧れ
のどかの場合、コンプレックスを募らせ過ぎて麻衣さんに対する感情が「大嫌い」に成長してしまったっぽいですよね。
ちなみにコンプレックスの定義ですが
1 精神分析用語。情緒的に強く色づけされた表象が複合した心理。抑圧されながら無意識のうちに存在し、現実の行動に影響力をもつ。マザーコンプレックス・エディプスコンプレックス・インフェリオリティーコンプレックスなど。複合感情。複合観念。
2 日本では特に、インフェリオリティーコンプレックス(劣等感)の意味で使われる。「強いコンプレックスを抱く」
3 複雑に関連していること。複合的であること。複合体。「シネマコンプレックス」
引用:goo国語辞書
ざっと見た感じだと我々に馴染みのあるコンプレックスの意味は、2に挙げられた劣等感ですよね。
どんなことでも何でもないようにサラッとやってのけてしまう出来のいい姉に対する劣等感。
めきめきと頭角を現す姉に周囲は期待を寄せて褒めたはずです。
対して自分はまったく褒められず期待もされないとしたら…私なんてとどんどん自信を喪失したとしても無理ありません。
とすると自分に劣等感を抱かせる相手に対しては嫉妬や憎悪といったマイナスの感情が向けられるのは容易に想像できることです。
ですが、それが血の繋がった姉妹だとしたら…はたまた競争や比較されずただ仲睦まじく過ごしている歳月が2人の間にあったとしたら…心の大部分を負の感情が覆っていたとしても完全に嫌いになりきれないですよね。
「嫌い嫌いも好きのうち」なんて諺もありますし、ようは率直に言うとコンプレックスとは愛情の裏返しに他なりません。
自分が到達したい領域にいたり、なりたいポジションにいる人物に対する憧れや尊敬がコンプレックスにつながるのでは。
前話の音楽番組のインタビューでも「好きなものは桜島麻衣」と回答していましたし、この気持ちはきっとのどかの本心なのでしょう。本人を前にだと、決して口に出しては言えない…。
尊敬していて好きで本人になりたいくらい憧れていたら、本当に本人になってしまった…というのが入れ替わりの真実なのでしょう。
麻衣さんはのどかの憧れであり同時に劣等感を抱かせる姉…裏腹ですがどっちも真実の感情なんですよね。
家族のわだかまり解消も必要?
また複雑な家庭環境も関係しており、父親が麻衣さんの母親と離婚後に再婚した女性との間にできた子供がのどかとのことなので、同世代…しかも同性なら比較対象にされないというのが難しいのでは。
しかも麻衣さんが12月生まれの高3で、のどかが3月生まれの高2となると…父親は麻衣さんの母親と別れてすぐに再婚してのどかを授かったということになり、これってほぼ確実に妻帯中にのどかの母親と関係してたと考えられるわけで…かなり修羅な環境ですよね。
実際、麻衣&のどか姉妹が芸能界にいるのは母親同士の意地の張り合いが根底にあり、娘たちを劇団に入れたのも代理戦争の道具としての側面もあったとか。
ですが、母親云々が顕著に絡んでいたのはもっと幼少期の頃であったと思われ、麻衣さんに限っては彼女の思春期症候群の際に母親の呪縛から逃れた節はありますよね。
のどかの家出のきっかけも母親とのケンカとのことですし、前妻の娘と比較され否応なしにプレッシャーを与え続ける母親の圧から逃げ出したかったのでしょう。
とすると、この問題の解決の糸口は麻衣とのどかの姉妹間の関係だけではなく、母親との関係性も含めて変化が生まれる必要がありそうです。
そのへんはまぁ…母親の言う事を聞き続けていた幼い子供ではありませんから、自分のやりたい事したい事を見つけて将来のビジョンを見定めれば良さそうです。
ちなみに実際の芸能界にも姉妹は多い
現に姉妹で芸能活動している人たちって実際大勢いるんですよね。
今現在どちらか(もしくは3姉妹のいずれか)の知名度がより高いケースというのが殆んどであり、均一的に売れている姉妹って稀ではないでしょうか。
たとえば、最強美人姉妹として有名な広瀬アリス&すず姉妹。
今でこそそれぞれの得意分野を生かして異なるファン層の獲得に成功している彼女たちですが、数年前までは広瀬アリスは「広瀬すずの姉」としての認知度が高かったと思います。
厳密に言うと芸能人と異なりますが、スケートの浅田姉妹にしても姉の妹に対するコンプレックスは有名な話ですよね。
朝の顔として国民的女優にまで登りつめた有村架純にも、同じ業界でタレント業の姉・有村藍里がいますが、あまり顔が似ていないことのコンプレックスを拗らせた独特のキャラで注目を集めています。
そして、ちょい昔の世代で言うと石田ゆり子&ひかり姉妹。ブレイクは圧倒的に妹のほうが早くて人気が高かったことは若い方はご存じないかもしれませんね。
姉の石田ゆり子は近年は「逃げ恥」のヒットで一躍注目を集めて、美しい熟女としても人気です。そんな彼女が昔は「石田ひかりの姉」と言われていたのですから驚きですよね。
芸能界は弱肉強食の世界ですから、持って生まれた素養はもちろんのこと努力の積み重ねやタイミング、運も大事なのでしょう。
一般社会でも姉妹や兄弟というだけで周囲から比較されるのですから、芸能界というシビアな業界はなおさらのはず。
上記で挙げたケースでも、コンプレックスを払拭し上昇するためには時間の経過と機を待つこと。そして弱点を武器に変える点にも様々な関係性をスムーズにするヒントが隠されているように思います。
麻衣さんとのどか姉妹に必要なのも、時間、タイミング、関わり合いなのではないでしょうか。
のどかは「桜島麻衣の妹」ではなく「豊浜のどか」として芸能界での地位と知名度を確かなものできれば良さそうですよね。
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じゃあどうするのかというと…結局は親のことや芸能界のこと、姉妹での比較のことなど全てを取っ払って、素直にお互いを好きだと自覚することが必要になると思います。
①一緒に住む
2人は腹違いの姉妹ですから、当然一緒に暮らしたことはないはずです。
母親同士はいがみあっていても娘同士はお互いを気にしている素振りが見て取れますし、端的にコミュニケーション不足だと思うんですよね。
じゃあ物理的に距離を詰めるのが分かり合える近道なんじゃないかと。
相手のことを知りたくてわかりたいなら触れ合う時間を作ればいいし、だったら頻繁に会う機会を作るとか、毎日一緒に晩御飯を食べるとか、何なら麻衣さんのマンションで一緒に住んじゃえばいいと思うんですが…。
あれ、これ母親たちへの当てつけにもなって結構効果的じゃね?
結局、人づてに聞いた情報からだと相手を嫌いになれるけど、自分が見て聞いて感じた相手の印象からは嫌いになりきれないと思うんですよね。
②事務所を立ち上げる
姉妹で事務所を立ち上げるというのもいいのでは!
あーでも未成年じゃ無理?これ確か実際に石田姉妹は姉が社長で妹が所属って感じで事務所設立してたはず。
姉妹間の距離も近くなり、お互いの仕事にさらに関心が寄せられますよね。
仲いい姉妹アピールもできて宣伝になるし好感度アップにも一役買いそう。
スポンサーリンク戸棚の中は一体…?
「絶対に見ちゃダメ」は見ていいよってことですよね 笑
気になる引きで終わりましたが、戸棚の中には一体何がしまってあったのでしょうか。
幼い頃ののどかとの思い出?
おそらくは幼少期の2人の写真とかお互いを描いた似顔絵など、姉妹の思い出グッズがしまってあるのではないでしょうか。
絶対に見ちゃダメと念押ししたのは暴かれたくない心の内だから。
コンプレックスを抱いているのはのどかだけではなく、麻衣さんも妹に対してコンプレックスを感じていたと考えられます。
国民的女優として確固たる地位を築きあげた麻衣さんですが、のどかが言うように何でもないようにやってのけるのではなく、人の目がないところで地道に努力し続けて来たのではないでしょうか。
どう見てもコンサートに向けての歌唱指導やダンスレッスンのスケジュールが密に詰まっているのどかのほうが多忙ですし、
未経験なのにきちんと遅れず歌もダンスも合わせていることからも、麻衣さんが相当の努力の人だというのが見て取れます。
のどかから見た姉は「天才」なのかもしれないけど、それ以上に麻衣さんは人一倍努力を積み重ねてきたのでは。
周囲から「桜島麻衣ならできて当然」と期待されることで、「私はこんなに大人にやらされてるのに…」と重責のない妹に対してコンプレックスを感じていたのかも。
幼い頃ののどかとの思い出は、呼び起こしたくないコンプレックスを思い出させるから封印していたのかもしれません。
麻衣&のどかの幼少期…そこにも解決の糸口が隠されていそうです。
スポンサーリンク青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない 9話感想
のどかちゃん、出来の悪い妹なんて言われてるけどお嬢様学校に通ってるなら成績はそこそこってことですよね?
勉強が平均以上に出来たとしても、もう一方が段違いに才能を発揮するタイプなら…そら劣等感抱きたくもなりますよね…。
姉妹じゃなくても女性の関係性って愛着か執着か劣等感かマウンティングしかないんじゃないのってくらい、ねちっこい感情が多くて本当に面倒くさいですwww
麻衣さんとのどかはここが正念場ですよね!!
▲なんだかんだで麻衣さんも妹を気にかけている様子…!!
このタイミングで今感じていることを全部吐露してわだかまりを失くすことで、きっとずっと信頼し合える姉妹でいられるはずです。
というわけでTwitterの声も拾っていきますね。
青ブタのED、歌い手もキャラクターも最後に会う相手もストーリーに合わせて変わってるのを9話まで来て初めて気付いたッス。。
— Original Vision (@originv) November 29, 2018
▲ですよね!前回は咲太と国見が最後に待っていて、今回は麻衣さんが…。受け入れて欲しい相手、委ねたい相手が待っていてくれるシチュエーションが物語にリンクしていて素敵です。
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない第9話を観ました。今回、思春期症候群が発症したのは、桜島先輩の異母妹でアイドルの豊浜のどか。今回は、原因が分かりやすいですね。大嫌いなのに大好きなお姉ちゃん、てところですかね。のどかにとって麻衣さんは糧であると同時に枷であると。 #青ブタ
— 鷺沢世蓮 (@kotomaseren) November 29, 2018
▲他者への感情って複雑に入り乱れていて単純ではないんですよね~男女間も同性間も…。
そして枷と糧ですか…!!!これは巧みな表現ですね。まさにその通り!
青ブタ9話見て、国見彼女割と可愛いな思えるようになってきた
— 321 (@No321P) November 29, 2018
▲これな…!!!国見の「もうちょい頑張ってみようか~」のトーンに優しさを感じたりとか、しかめっ面しながらでも姉の件を話してくれたりとか、上里さん以外にイイ子なのかもですよね…。
彼女にしても姉に対するやるせない複雑な気持ちあるだろうし…あれ…嫌いじゃないかも…。
さて次回は麻衣さんの過去が語られる感じでしょうか。これきっと泣くやつですよね…あぁぁぁ…でも楽しみです。
それでは次回記事でお会いできますように!
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コメント
こんにちは ひろです。今回もよろしくお願いします。
今回は、わかりやすいテーマでしたね。わかりやすすぎて、いつもの双葉の講釈もあまりなく、ちょっと残念(笑)。ちなみに双葉は、眼鏡のポニーテールになっていましたね。のどかの思春期症候群を解決する方法ですが、私は、のどかが自分の母親の束縛から解放されて、アイドルとして自立することかなと思います。麻衣さんと一緒に住むのは、麻衣さんがいやがるのではないでしょうか。(咲太とイチャイチャできなくなるから(笑))
麻衣編では、観測者の存在が実体の存在の要になることでした。
朋絵編では、観測者が実体を通して自分の思い通りの未来をつくろうとしました。
双葉編では、観測者が自分自身の思考に不満を持ち分裂した結果実体も2つになりました。
まとめると観測者の思考が実体の存在を左右するという話でした。
そう考えると、のどか編では、観測者(のどか)が、他の実体(麻衣)を強く観測(憧れ・敵対心)した結果、実体が入れ替わってしまったと解釈できるかと思います。
もとに戻るためには、観測者(のどか)が自分の実体を観測すればいいわけでして、それは、いままで、母親の代理として、麻衣と張り合っていた自分をそのしがらみから解放して、麻衣の妹ではない一人の豊浜のどかとして自立するということかなとおもいます。
それは、この次のかえで編での重要なテーマになるのかなと思っています。
もう一つ、麻衣さんのタンスの中身は、過去の思い出の品がつまっていて、それはかえでが自分の過去と向き合うための伏線なのではないでしょうか。
それではまた来週よろしくお願いします。
>ひろさん
いつもコメントありがとうございます。
成程ですね!
観測者、実体、思考が絡んでぞれぞれの不思議な事象が発生しているという分かり易い説明と解釈はさすがですね!
ひろさんのおっしゃるように『個』の豊浜のどかとして自立という流れはあると思います。
ただまぁ、完全に麻衣コンプレックスから逃れられない(というか離れたくない)と思うので
姉妹として同業者として良きライバルになるのかなと。
お姉ちゃんになりたい、ではなく、私は私でいいと認識することが必要なのかもしれませんよね。
おぉ…そして次回のかえで編の伏線ですか…!!
興味深いですね。確かに過去のトラウマ、思い返したくない昔と向き合うことも人の成長段階では不可欠です。
この点も注視して観ていきたいと思います。ありがとうございました!