こんばんは。眼鏡は顔の一部じゃない、全部だ! ライターの雨琴です。『シャドーハウス』を担当しています。
※コメント欄でのネタバレも厳禁でお願いします!
前回は幸運のフェーヴを用いて生き人形たちも庭園に向かい、囚われているそれぞれのおかげさまを救出して庭園を抜ける試験を与えられました。
ケイトは気づいた様子でしたが、この試験自体が見世物として機能しているなんとも悪趣味な。言い換えれば遊戯性のあるものです。
今回は観客であるシャドー家の人々の描写に加え、パトリックの掘り下げや、ジョンとショーン、ラムの特性をうかがい知れる回でありました。
もちろん彼らの特性を際立たせているのは、「お花畑」と形容されるエミリコの性質の為せる技ですが。
考察的にも生き人形の個性の差を改めることで、本作の面白みに迫れたらと思います。
気づいたこと感じたこと思ったこと考えたことをふり返っていきましょう。
ゲーム性の高い試験
生き人形は顔を傷つけてはならない。シャドーは服を汚してはならない。制限時間内に庭園の出口にシャドーと共に向かわなければならない。
試験のルールはエドワードの言う通りシンプルです。
ルーが転落しかけたり泥水を噴射するトラップがあったりと、一歩間違えば初見では生き人形が顔を傷つけてしまいかねない罠があります。
他方でシャドーも密閉空間に囚われることで案の定服を汚しているジョンがいる通り、下手するとスタート時点で失格しかねないアンフェアな内容です。
だからこそ服をきれいにするセーフティネット的な方法はあるのだと予想されますが。
ジョンの憤りも納得です。
シートから見た景色が扉の解錠のヒントになっていることや、あぶり出しで地図に高低差が現れる仕掛けなどもありました。
昭和の子供が好きそうな冒険話ギミックに思わず微笑んでしまいますが、これもシャドー家の大人たちを楽しませるためなのですね。
パトリックの強さ
虚勢かもしれないけれど、自分の生き人形であるリッキーを信頼する決断をして、エミリコの救いを拒んだパトリックがかっこよかったです。
誰にも聞かれていない前提で吐露された心情は、決して勇敢で強い精神を表すものではありませんでした。
優秀な補佐役であるリッキーに対して依存的に頼りきっている様子がうかがえます。
けれど裏返せばそれはリッキーの優秀さに対する信頼であり、リスペクトであります。
ジョンとは違った意味で大物です。
本人は頼りなくても上手に人を頼れる≒人を使える資質は、貴族としてのリーダーシップと必要だと考えます。
故にエミリコに対し「おかげさまは自分の生き人形が助ける」ということを教示できたのでしょう。
生き人形の差
試験の中で生き人形同士の個性が、能力の差として顕在化しています。
転落間際に蔦を使って安全を確保し、自力ではいあがった腕力と、痛みに耐えるフィジカルの強さはルーの特徴でしょうか。
一方視力は低いもののシートの設置条件や森の中のフォリーについての前提知識を有していたショーン。フェーヴの件といい、彼は知識に恵まれていますね。
ジョンの下で学ぶ機会があった可能性もありますが、余計なことは考えないはずの生き人形として雑学をあえて覚えたがったかは怪しいところです。
無論ジョンは多弁な性格なので無駄話を聞いているうちに覚えてしまったのかもしれませんね。
そしてここへ来てラムの強みが、記憶力と計算力にあることがわかりました。
すす時計という見慣れない装置の減り具合と歩いた距離を記憶し、そこから残り時間を逆算できるってかなり賢い気がします。
地図も記憶したからという理由でショーンたちに譲っているから驚きです。
エミリコの不屈さや純粋さも特筆に値する資質ですし、生き人形はこういった才覚を持つことがデフォルトなのでしょうか。
生き人形になる前の人生があったのだとしたら、優秀な人間を選んで生き人形にしているという解釈もできます。
人造物なのだとしたら、人為的に才覚をデザイナーチルドレン的に付与できるということでしょうか。
情報が増えるほどに底知れなくなってまいりました。
『シャドーハウス』7話感想
リッキーは平均的に優秀なのでしょうが人間味を掘り下げられるケースが多いですね。
今回はパトリックがかっこよかったです。
ジョンが前回の振る舞いを「バカの発言」と自省しているのも興味深いです。
緊張すると気が大きくなるタイプって、個人的にシンパシー。
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